希空ウエディングケーキ2
コンクール会場に大吾が来た。
大吾が出場するという。
だったら
大吾が余裕で優勝ではないかと
沙耶はいうが、一緒に来た陶子は
「そんなに甘くないわよ」と
厳しい口調で言った。
「シェフは常に自分のケーキを
世界に問い続けているのよ」という。
陶子は希に近づいて言った。
「意地を見せなさいよ。
女だって
子供がいたって
世界一のパティシエになれるって。」
希は、「はい!」と
厳しい顔で答えた。
希はじっと大吾からもらった
ナイフを見た。
「持って行け
これでいつか世界一のケーキを作れ」
あの言葉がよみがえった。
圭太は「どうだ?」と
一徹に聞くが
徹は来ていないといった。
一徹は会場内にPCをもって
きて、実況中継をする。
一徹の前を清掃員が「すみません、
失礼します」と言って通って
いった。
一徹はその人を見たが
徹ではない。
大吾は洗面所で手を洗っていた。
そのとき、トイレの中で
希のHPをみていてる男が
いた。
さっきの清掃員が
「失礼します」と言って大吾の後ろを
通った。
「あれ?山本さんいませんか?」
と声をかける。
すると、さっきのトイレでスマホを
見ていた男が
「います、います。
ここは私がやっちゃいますから」と
いった。
その声に聞き覚えがあった。
大吾が振り返りその清掃員に
「おい」と声をかけた。
振り返った男は
徹だった。
会場にもどった大吾は
作業に入るべく、位置について
前にいる希を見たが・・
「よーい
始め」
と合図があったので
さっそく、作業にかかった。
希は、緊張していたが
作業にかかった。
牛乳と生クリームを溶かす
プチガトー用のチョコレートをつくる。
手早く作業を続ける希。
チョコレートの生地をオーブンで
焼く・・・
梅のコンフィチュールを作る。
桶作家ではみのりが
子供たちと一緒にケーキをつくって
いた。
希の応援ケーキを作るっているらしい。
「結婚式のケーキだよ」
「結婚式だよ」
「結婚式!!」
元冶はその声を聴いて
「ほういや・・・」とつぶやく
13時になった
焼き菓子がやけた。
「よし!!」
希は順調に作業を進める。
15時になった。
係員が「5時間経過です」という。
飴細工にかかった。
沙耶は、「もう、仕上げです。
いいペースですよ」と
一徹に言う。
そんな時に
大吾が希に声をかける。
希は振り向く
「よびました?」
「順調そうだな」
「はい」
「俺はもっと順調だ」
「妨害ですか?」
「さっき親父がいたぞ。」
こんな時に何をいうのか大吾は
さっきの話をした。
トイレで声をかけると
確かに徹だった。
この会場に来ていた。
しかし徹は大吾の顔を見て
トイレに逃げこもった。
その話を聞いて
希はびっくりした。
派遣会社は
やめたと聞いていたのに
ここが会場になったので
わざわざ仕事を入れたらしい。
「前を向け、減点されるぞ。
能登には絶対戻れないそうだ。
終わったらすぐに探さないと
またすぐにいなくなるぞ」
「戻りたくないら
戻らなくていいです。」
大吾は「20年以上も前の話だが」
といって話を始めた。
8月のある日
店に来た客に
娘のバースディケーキを
作れと言われた
勝手な注文ばかりで
迷惑な男だった。
しまいに、おもちゃやで
かったという妙な人形をケーキに
乗せろと言われた。
魔女姫のことである。
「俺が作ったんだ。
おまえが子供のころ
親父が勝ってきたバースディケーキは。」
希は、声が出ないほど
驚いていた。
徹は
いった。
「スポンジケーキはあるかな」
大吾の店はフランス菓子なので
スポンジケーキの上にクリームを
乗せることはしない。
「そこを何とか頼むよ
うちの娘ね
ショートケーキが大好きなのよ。
とにかく私と娘と二人分の誕生日だから
豪華にね
それとこれ乗せてくれる?
かわいいでしょ。
さっき、おもちゃ屋さんで見つけたのよ。」
そういって、大吾が作ったケーキに乗せた。
徹は喜んだ。
「でも、あのケーキを買った店に私は
行きました。
あの店はシェフのケーキ屋ではありません
でした。」
それは大吾が店を移転した後入った
ケーキ屋だったという。
あのケーキを買った次の年、前の奥様が
なくなって、店をたたんだという。
「それから五年後今の場所に店を出したんだ。」
「あのケーキ・・・
シェフが・・・・・」
希は驚いた。
「すべて、親父から始まっていたんだな
おまえの夢は」
そこへ、一子が「希!!
早よ仕上げな間に合わないよ
審査員も見ているし」
希はあの日のことを思い出した。
「ハッピーバースディツーユー
ハッピーバースディツーユー
ハッピーバースディ
希とお父さん
ハッピーバースディツーユー」
「いただきま~~す。」
「おいしい」
「おいしい~~~」
希はあのケーキがすべての原点だった。
そして、希という名前を付けてくれた
徹は
「めったにないことを望むという
意味がある、それはすなわち
夢である・・・」といった。
徹の思い出がよみがえる。
希にとってそれはすべての原点だった
あのころだった。
「人生にはでっかい夢が必要である。」
その徹が来ている。
希は仕上げをした。
「よし、
完成!!」
「希
めったにないいい名前ね」
「希
でっかい夢を見ろよ」
希はじっと考えた。
そして、
また
作業を始めた。
驚く一子と
一徹。
「なにをしているの
予定にないよ」と
一子が言う。
「これじゃだめやネン
足りんものがある。」
「時間が切れたら失格よ。」
「残り10分です。」
その様子を大吾はじっと見ていた。
希はまた、作業を再開した。
****************
つまり、希が横浜に修業させてくださいと
いって入っていった徹がケーキをかった
店は、大吾の以前の店だった。
だから、なにかしら、違うものを
希は感じたのだった。
そして、あの、天中殺で
出会ったケーキ、これこそが
希が探していた味のケーキだと
希は言った。
それが
大吾のケーキだった。
希の味覚の正確さはすばらしいですね。
希が人生をパティシエにかけたいと
思わせたケーキは師匠である
大吾のケーキだったのですね。
大吾のケーキを持って帰ったのは徹。
なにもかも
徹から始まっていたということです。
それから・・・
希は何を作るのでしょうか。
コンクール会場に大吾が来た。
大吾が出場するという。
だったら
大吾が余裕で優勝ではないかと
沙耶はいうが、一緒に来た陶子は
「そんなに甘くないわよ」と
厳しい口調で言った。
「シェフは常に自分のケーキを
世界に問い続けているのよ」という。
陶子は希に近づいて言った。
「意地を見せなさいよ。
女だって
子供がいたって
世界一のパティシエになれるって。」
希は、「はい!」と
厳しい顔で答えた。
希はじっと大吾からもらった
ナイフを見た。
「持って行け
これでいつか世界一のケーキを作れ」
あの言葉がよみがえった。
圭太は「どうだ?」と
一徹に聞くが
徹は来ていないといった。
一徹は会場内にPCをもって
きて、実況中継をする。
一徹の前を清掃員が「すみません、
失礼します」と言って通って
いった。
一徹はその人を見たが
徹ではない。
大吾は洗面所で手を洗っていた。
そのとき、トイレの中で
希のHPをみていてる男が
いた。
さっきの清掃員が
「失礼します」と言って大吾の後ろを
通った。
「あれ?山本さんいませんか?」
と声をかける。
すると、さっきのトイレでスマホを
見ていた男が
「います、います。
ここは私がやっちゃいますから」と
いった。
その声に聞き覚えがあった。
大吾が振り返りその清掃員に
「おい」と声をかけた。
振り返った男は
徹だった。
会場にもどった大吾は
作業に入るべく、位置について
前にいる希を見たが・・
「よーい
始め」
と合図があったので
さっそく、作業にかかった。
希は、緊張していたが
作業にかかった。
牛乳と生クリームを溶かす
プチガトー用のチョコレートをつくる。
手早く作業を続ける希。
チョコレートの生地をオーブンで
焼く・・・
梅のコンフィチュールを作る。
桶作家ではみのりが
子供たちと一緒にケーキをつくって
いた。
希の応援ケーキを作るっているらしい。
「結婚式のケーキだよ」
「結婚式だよ」
「結婚式!!」
元冶はその声を聴いて
「ほういや・・・」とつぶやく
13時になった
焼き菓子がやけた。
「よし!!」
希は順調に作業を進める。
15時になった。
係員が「5時間経過です」という。
飴細工にかかった。
沙耶は、「もう、仕上げです。
いいペースですよ」と
一徹に言う。
そんな時に
大吾が希に声をかける。
希は振り向く
「よびました?」
「順調そうだな」
「はい」
「俺はもっと順調だ」
「妨害ですか?」
「さっき親父がいたぞ。」
こんな時に何をいうのか大吾は
さっきの話をした。
トイレで声をかけると
確かに徹だった。
この会場に来ていた。
しかし徹は大吾の顔を見て
トイレに逃げこもった。
その話を聞いて
希はびっくりした。
派遣会社は
やめたと聞いていたのに
ここが会場になったので
わざわざ仕事を入れたらしい。
「前を向け、減点されるぞ。
能登には絶対戻れないそうだ。
終わったらすぐに探さないと
またすぐにいなくなるぞ」
「戻りたくないら
戻らなくていいです。」
大吾は「20年以上も前の話だが」
といって話を始めた。
8月のある日
店に来た客に
娘のバースディケーキを
作れと言われた
勝手な注文ばかりで
迷惑な男だった。
しまいに、おもちゃやで
かったという妙な人形をケーキに
乗せろと言われた。
魔女姫のことである。
「俺が作ったんだ。
おまえが子供のころ
親父が勝ってきたバースディケーキは。」
希は、声が出ないほど
驚いていた。
徹は
いった。
「スポンジケーキはあるかな」
大吾の店はフランス菓子なので
スポンジケーキの上にクリームを
乗せることはしない。
「そこを何とか頼むよ
うちの娘ね
ショートケーキが大好きなのよ。
とにかく私と娘と二人分の誕生日だから
豪華にね
それとこれ乗せてくれる?
かわいいでしょ。
さっき、おもちゃ屋さんで見つけたのよ。」
そういって、大吾が作ったケーキに乗せた。
徹は喜んだ。
「でも、あのケーキを買った店に私は
行きました。
あの店はシェフのケーキ屋ではありません
でした。」
それは大吾が店を移転した後入った
ケーキ屋だったという。
あのケーキを買った次の年、前の奥様が
なくなって、店をたたんだという。
「それから五年後今の場所に店を出したんだ。」
「あのケーキ・・・
シェフが・・・・・」
希は驚いた。
「すべて、親父から始まっていたんだな
おまえの夢は」
そこへ、一子が「希!!
早よ仕上げな間に合わないよ
審査員も見ているし」
希はあの日のことを思い出した。
「ハッピーバースディツーユー
ハッピーバースディツーユー
ハッピーバースディ
希とお父さん
ハッピーバースディツーユー」
「いただきま~~す。」
「おいしい」
「おいしい~~~」
希はあのケーキがすべての原点だった。
そして、希という名前を付けてくれた
徹は
「めったにないことを望むという
意味がある、それはすなわち
夢である・・・」といった。
徹の思い出がよみがえる。
希にとってそれはすべての原点だった
あのころだった。
「人生にはでっかい夢が必要である。」
その徹が来ている。
希は仕上げをした。
「よし、
完成!!」
「希
めったにないいい名前ね」
「希
でっかい夢を見ろよ」
希はじっと考えた。
そして、
また
作業を始めた。
驚く一子と
一徹。
「なにをしているの
予定にないよ」と
一子が言う。
「これじゃだめやネン
足りんものがある。」
「時間が切れたら失格よ。」
「残り10分です。」
その様子を大吾はじっと見ていた。
希はまた、作業を再開した。
****************
つまり、希が横浜に修業させてくださいと
いって入っていった徹がケーキをかった
店は、大吾の以前の店だった。
だから、なにかしら、違うものを
希は感じたのだった。
そして、あの、天中殺で
出会ったケーキ、これこそが
希が探していた味のケーキだと
希は言った。
それが
大吾のケーキだった。
希の味覚の正確さはすばらしいですね。
希が人生をパティシエにかけたいと
思わせたケーキは師匠である
大吾のケーキだったのですね。
大吾のケーキを持って帰ったのは徹。
なにもかも
徹から始まっていたということです。
それから・・・
希は何を作るのでしょうか。
