女たちのジレンマムース1
希は世界一のパティシエになると
いってきた。
大吾から
世界一のケーキを作れといわれて
ナイフをもらった。
歩実はいつ世界一になるのかと
聞かれた。
あの夢はなんだったのか?
まだ、間に合うのだろうかと
希は思った。
一子に相談した。
一子は「本気で世界一になりたかった
のか」と驚く。
希は思った。世界一とは
横浜へ行った当初はいきごみのような
言葉だけのような
大吾と仕事をしていて
世界への道を感じていた。
いまは・・・
子供まみれになっている。
「今の希のパティシエとしても
レベルは
どうなのだ?」と聞かれて
「どうなんだろうか?」と
希はわからない。
そんな話を台所でしていると
みのりが
「希のケーキはおいしい」という。
「それだけで十分だ」と希は言う。
ふみは、「その言葉に逃げている」
といった。
「お母さんおなかすいた」と歩実が
くる。
希は味噌汁を作り
おいしいと子供たちが
いう。
テレビではあの陶子が
出演していた。
大きな出世をした陶子。
アンチエイジングのケーキというが
見た目がすてきでおいしそうだった。
「陶子さんの見事なスタイルは
このケーキですか」と
司会者に言われて陶子は
「このスタイルをキープするために
どれほど努力をしているのか
わかるの?
な==めーーすぎーーーーー」
と、陶子が言う。
この「なめすぎ」は、当時の流行語
になっていたらしい。
おそらく、イッコさんの
「どーんーだーけ~~~」というのを
ぱくっているのかもしれない。
面白がって、子供たちが
「なーめーすーぎーーー」と
まねをした。
驚くのは元冶とふみだけだった。
そこでテレビ局がママさんパティシエ
コンクールの募集の話をした。
陶子さんが今年は審査員らしい。
「出て見たら」と一徹が言う。
藍子も言う。
希はまったく自信がない。
あの時の情熱がない。
「おかあさん、失敗するのが
こわいんけ?」
「しっぱいはおっぱいや」
と匠と歩実がいう。
情熱を失いかけている
希に圭太はじっと
考え事をしていた。
翌日、沙耶が店に早くにやってきた。
母を説得したという。
「24時間説得して
もうろうとなった母に
承諾書を書いてもらった」
と、ぬけめがない。
実際このこは抜け目のない子で
ある。
沙耶は希に勇気をもらったからと
いった。
沙耶はここで修業の修業を
つむことに
なった。
コンクールの話は沙耶も知るところとなった。
「でればいい」というが、希は自信がない
という。
沙耶は、ケーキのトッピングが
うまい。希は驚いた。
そこに、電話が鳴った。
あのママさんパティシエのコンクール
の、話だった。
沙耶は電話にでた。
「はい、紺谷希は私です」と
ぬけぬけという。
希は驚いた。
「何事」といって電話を取ろうとした。
しかし、沙耶はそれをかいくぐって
話をしている。
結局出場を申し込んだ。
沙耶が希になりすましてである。
希は、びっくりした。
「コンクールに出ませんかという
電話でした。
詳細はあとでメアドにとどくそうです。
シェフのお子さんが双子だという事も
テレビ的には絵になるといって
いました。HPに写真を載せて
いてよかったですね。
二人ともかわいいですねって・・。」
希は、沙耶に何か言おうとしたが
沙耶は、「シェフ
石川県のママさんパティシエコンクール
にしり込みしとって
何で世界へ行かれますか???」
希は帰る言葉がなかった。
圭太は、先代弥太郎と相談して
希に女将の仕事はしなくていいと
いうことになったという。
「なんで?」
圭太は、希に8年間もあまえっぱなしで
けじめをつけようと
思ったという。
コンクールに出るのはいい機会だと
いった。
希は出る気はない。
先代弥太郎は、圭太に席を外せと
いった。
先代弥太郎は希に言った。
「昔、頼みもしないのに
パティシエをやめて
戻ってきたのは
そっちやぞ。
後になって
午後だけ女将とか
子供ができても
店をつづけるとか
つぎからつぎから
勝手なことばかりで
前代未聞の女将だった。
しかし、何も問題もなかった。
女将を支えているのは
心だった。
かたちはどうあれ、心が
同じ方向を向いていたら
なんともなかったんだ。
今まで圭太をよく支えてくれた。
これからも圭太の心を
よろしく頼むから。
おもいっきり
上手いケーキを作って
くれ」と
いった。
希は「ありがとうございました」と
いった。
圭太も亜美たちも聞いていて
喜んだ。
もうじき相撲大会がある。
子供たちは夢中になっているが
徹志は出たくないという。
「大きな奴が勝つに決まって
いるから」と。
匠も「出たくない」という。
希は、「相撲を楽しんだら
いいから」という。
「お母さんと一緒に頑張ろうか?
お母さんも、ケーキのコンクールに出る
から・・・。
世界一になるかどうかわからないけど
一生懸命やるから
一緒にやろう。」
匠は、うなずいた。
歩実と匠は
希にかかって行く。
「のこった」
「のこった・・・」
負けたのは
希だった。
みんな笑った。
*****************
こうして希はコンクールに出ることに
なった。
自信がなかったくせにである。
しかし、でるとなっても
自信はないかもしれない。
いまは、子供たちにかまけて
母親をして
上手い味噌汁をつくって
いるほうが
楽なのかもしれない。
好きなケーキを
好きなように作って
それを売って
楽しく過ごすことが
希にとっては
しあわせなこと
なのかもしれない。
しかし、
陶子さんの頑張りを見て
いつ、世界一になるのかと
きかれて、
徹からも
世界一のパティシエになれと
言われて
しかし、希はやることが多い。
もしかしたら
家のこと
こどものこと
夫のこと
女将のこと
全部、大変だから
できないと、あきらめて
いたのかもしれない。
また、それが理由になると
思っていたのかもしれない。
たしかに
先代弥太郎のことばどおり
帰ってきてくれとは
頼まなかったけど
希はパティシエをやめて
帰ってきた。
それから
店を初めて
子供ができても
店をやると
いって
一日中時間との
競争のような毎日を
送った。
その妻として
女将として
母親としての
毎日が
大きな仕事だった
ので
パティシエへの道は
はるか
遠く離れてしまって
いた。
またあの道を歩くことは
もう、体力的にも
精神的にも無理なのかもしれないと
今は思っているようである。
ここで、気持ちに負けたら
一生、圭太が
悔やむのではないかと
思うけど。
希は世界一のパティシエになると
いってきた。
大吾から
世界一のケーキを作れといわれて
ナイフをもらった。
歩実はいつ世界一になるのかと
聞かれた。
あの夢はなんだったのか?
まだ、間に合うのだろうかと
希は思った。
一子に相談した。
一子は「本気で世界一になりたかった
のか」と驚く。
希は思った。世界一とは
横浜へ行った当初はいきごみのような
言葉だけのような
大吾と仕事をしていて
世界への道を感じていた。
いまは・・・
子供まみれになっている。
「今の希のパティシエとしても
レベルは
どうなのだ?」と聞かれて
「どうなんだろうか?」と
希はわからない。
そんな話を台所でしていると
みのりが
「希のケーキはおいしい」という。
「それだけで十分だ」と希は言う。
ふみは、「その言葉に逃げている」
といった。
「お母さんおなかすいた」と歩実が
くる。
希は味噌汁を作り
おいしいと子供たちが
いう。
テレビではあの陶子が
出演していた。
大きな出世をした陶子。
アンチエイジングのケーキというが
見た目がすてきでおいしそうだった。
「陶子さんの見事なスタイルは
このケーキですか」と
司会者に言われて陶子は
「このスタイルをキープするために
どれほど努力をしているのか
わかるの?
な==めーーすぎーーーーー」
と、陶子が言う。
この「なめすぎ」は、当時の流行語
になっていたらしい。
おそらく、イッコさんの
「どーんーだーけ~~~」というのを
ぱくっているのかもしれない。
面白がって、子供たちが
「なーめーすーぎーーー」と
まねをした。
驚くのは元冶とふみだけだった。
そこでテレビ局がママさんパティシエ
コンクールの募集の話をした。
陶子さんが今年は審査員らしい。
「出て見たら」と一徹が言う。
藍子も言う。
希はまったく自信がない。
あの時の情熱がない。
「おかあさん、失敗するのが
こわいんけ?」
「しっぱいはおっぱいや」
と匠と歩実がいう。
情熱を失いかけている
希に圭太はじっと
考え事をしていた。
翌日、沙耶が店に早くにやってきた。
母を説得したという。
「24時間説得して
もうろうとなった母に
承諾書を書いてもらった」
と、ぬけめがない。
実際このこは抜け目のない子で
ある。
沙耶は希に勇気をもらったからと
いった。
沙耶はここで修業の修業を
つむことに
なった。
コンクールの話は沙耶も知るところとなった。
「でればいい」というが、希は自信がない
という。
沙耶は、ケーキのトッピングが
うまい。希は驚いた。
そこに、電話が鳴った。
あのママさんパティシエのコンクール
の、話だった。
沙耶は電話にでた。
「はい、紺谷希は私です」と
ぬけぬけという。
希は驚いた。
「何事」といって電話を取ろうとした。
しかし、沙耶はそれをかいくぐって
話をしている。
結局出場を申し込んだ。
沙耶が希になりすましてである。
希は、びっくりした。
「コンクールに出ませんかという
電話でした。
詳細はあとでメアドにとどくそうです。
シェフのお子さんが双子だという事も
テレビ的には絵になるといって
いました。HPに写真を載せて
いてよかったですね。
二人ともかわいいですねって・・。」
希は、沙耶に何か言おうとしたが
沙耶は、「シェフ
石川県のママさんパティシエコンクール
にしり込みしとって
何で世界へ行かれますか???」
希は帰る言葉がなかった。
圭太は、先代弥太郎と相談して
希に女将の仕事はしなくていいと
いうことになったという。
「なんで?」
圭太は、希に8年間もあまえっぱなしで
けじめをつけようと
思ったという。
コンクールに出るのはいい機会だと
いった。
希は出る気はない。
先代弥太郎は、圭太に席を外せと
いった。
先代弥太郎は希に言った。
「昔、頼みもしないのに
パティシエをやめて
戻ってきたのは
そっちやぞ。
後になって
午後だけ女将とか
子供ができても
店をつづけるとか
つぎからつぎから
勝手なことばかりで
前代未聞の女将だった。
しかし、何も問題もなかった。
女将を支えているのは
心だった。
かたちはどうあれ、心が
同じ方向を向いていたら
なんともなかったんだ。
今まで圭太をよく支えてくれた。
これからも圭太の心を
よろしく頼むから。
おもいっきり
上手いケーキを作って
くれ」と
いった。
希は「ありがとうございました」と
いった。
圭太も亜美たちも聞いていて
喜んだ。
もうじき相撲大会がある。
子供たちは夢中になっているが
徹志は出たくないという。
「大きな奴が勝つに決まって
いるから」と。
匠も「出たくない」という。
希は、「相撲を楽しんだら
いいから」という。
「お母さんと一緒に頑張ろうか?
お母さんも、ケーキのコンクールに出る
から・・・。
世界一になるかどうかわからないけど
一生懸命やるから
一緒にやろう。」
匠は、うなずいた。
歩実と匠は
希にかかって行く。
「のこった」
「のこった・・・」
負けたのは
希だった。
みんな笑った。
*****************
こうして希はコンクールに出ることに
なった。
自信がなかったくせにである。
しかし、でるとなっても
自信はないかもしれない。
いまは、子供たちにかまけて
母親をして
上手い味噌汁をつくって
いるほうが
楽なのかもしれない。
好きなケーキを
好きなように作って
それを売って
楽しく過ごすことが
希にとっては
しあわせなこと
なのかもしれない。
しかし、
陶子さんの頑張りを見て
いつ、世界一になるのかと
きかれて、
徹からも
世界一のパティシエになれと
言われて
しかし、希はやることが多い。
もしかしたら
家のこと
こどものこと
夫のこと
女将のこと
全部、大変だから
できないと、あきらめて
いたのかもしれない。
また、それが理由になると
思っていたのかもしれない。
たしかに
先代弥太郎のことばどおり
帰ってきてくれとは
頼まなかったけど
希はパティシエをやめて
帰ってきた。
それから
店を初めて
子供ができても
店をやると
いって
一日中時間との
競争のような毎日を
送った。
その妻として
女将として
母親としての
毎日が
大きな仕事だった
ので
パティシエへの道は
はるか
遠く離れてしまって
いた。
またあの道を歩くことは
もう、体力的にも
精神的にも無理なのかもしれないと
今は思っているようである。
ここで、気持ちに負けたら
一生、圭太が
悔やむのではないかと
思うけど。
