いっぱい失敗タルトタタン4
希が子供たちに世界一の
パティシエになりたいという
夢があると語った、そのとき
歩実がいった。
「いつなるの?
お母さんは大人やろ?
いつなるの?」
その言葉が頭から離れない。
バイトで雇った沙耶が
掃除が終わったことを
報告に来ても
考え込んでいる。
「シェフ?掃除が終わりました。」
沙耶は近くに言って
「シェフ?」というと
希はびっくりして
「わたしけ?
無理無理無理
シェフは無理
普通に名前で呼んで。
でないと
本当のシェフに殺されるわ。」
「何言うているんですか?
看板をオープンにしてきますね。
シェフ!!」
「ちょちょちょ・・・」
希はあわてた
お店はオープンとなった。
沙耶はとても努力家だった。
ケーキをすべて調べて
いて
ジャンドウラテールという
お菓子もよく知っていて
客に説明した。
「中島菜とピスタチオの
ケーキです。
中島菜はアンジオテンシンという
酵素の働きを抑える成分が
はいっている。
ビタミンC
とかカルシウムも豊富で
血圧を調整する作用が
ある」と説明した。
客は「菜っ葉のケーキやったら
いくら食べてもいいのね」といって
「5個下さい」といった。
希はよく調べたと
感心した。
沙耶は「修業させてくれと言って頼む
のだから店のケーキをしっかり
調べてきた」という。
「手にねばりつくような感触が
あったら止める・・」
希は沙耶にメレンゲを作る作り方を
教え始めた。
沙耶は、小さい時から
ケーキを作っていたけど
メレンゲ位は作れると
思っているだろうと
希は思ったが
沙耶はプロとは全然違うと
思うので通用するかどうか
わからないという。
しかし、その手さばきは
見事だった。
希は感心した。
塗師屋では匠は4代目の
弥太郎から手ほどきを受けていた。
歩実は普通のお絵かきをしてきた。
圭太は気になっていることが
ある。
歩実が気に入ってつけている
ペンダントである。
希は女将の仕事をしながら
「なんか腹立ってきたわ」と
つぶやいた。
圭太は自分のことだと
おもって「すまん、ほやけどあれは・・」
と希に謝ろうとした
「え?何に腹立ったって?」
圭太は気を取り直して
尋ねた。
希は「昔の自分に腹が立つ」という。
何も知らずに大吾の店に行って
弟子にしてくれと
頼み込んだ自分である。
「シャポーアンコトンっていうケーキが
・・・私が代わりに造りますさけ・・」
陶子さんには「メレンゲできます!」といった。
「私は子供のころからやっていたから
陶子さんよりキャリアは長いです」と
言い切った希。
偉そうなことをよくぞ言ったものだと
前は反省している。
圭太は、「ああ、」と納得した。
「口ばっかりなんはお父さんだけでは
無かった」と希は言う。
圭太は希に気にしているのかと聞く。
「世界一にいつなるのか」と聞かれた
ことである。
希は「びっくりして」という。
「あれだけ熱くなって世界一世界一と
いっていたくせに・・・
沙耶さんを見ていたら
まぶしいほどだ」と希は言った。
沙耶はそんな希のケーキを
「きれいですね」と褒める。
希はまだ納得していないと
・・いうが
沙耶からみればきれいなケーキなんだろう。
「沙耶ちゃんの家は珠洲やったかな」と
希が聞く。その時沙耶は「この四月から
こっちへ通うようになって・・・」と
いったので「どこに」と希が聞く。
「あ、ケーキ屋さんを探しに・・・」
沙耶は希に「地元で店を出すのが
夢だったのですか」と聞く。
沙耶は、「絶対フランスに行きたい」と
いった。
「フランス菓子の本場で勉強して
コンクールに出て
池畑シェフみたいに世界で通用する
パティシエになりたい」と
それこそ
希の夢そのものを語り始めたのだった。
匠は塗の練習の後を見ながら
考え込んでいた。
徹志はその匠に話しかけたが。
そんなとき
店に沙耶の母というひとが
現れた。
「こんなところで何をしているのか」
と怒っている。
「親をだましてこんなところで
働いて・・
お父さんもかんかんなのよ。」
沙耶を連れて帰ろうとする。
希は「母にとりあえず事情を」と
いった。
どうやら、沙耶は四月から輪島の理容学校
に通っていることになっているという。
つまり学校をさぼっているのだ。
家は美容院で沙耶が継ぐことになって
いたのだ。
沙耶は「何をいうても聞いて
もらえないから」と
いうが希は「嘘は駄目だよ」と
いった。
「親に内緒にして
しかも
だましながらできるものでもない」
からだ。
「理容学校の授業料だって
親に出してもらっているのに」
である。
「世界一のパティシエになりたいなら
ご両親を説得するぐらいで
なければ、できないよ」と希が言った。
母は「世界一なんてなれるわけがない」
という。夢みたいなことをいってと
いうので娘は夢ではないと言い切る。
希は母に「嘘をついていたのはいけないこと
ですが、世界一というのは別に問題
ではありません」と言った。
一流のシェフの店で勉強をしたり
フランスへ修業にいったり・・
コンクールに出たり・・
全くあり得ないことではないという。
母はふと店に中にある
徹の直筆
「希、
世界一の
パティシエになれよ」
という張り紙を見つけた。
「あなたも世界一?」
と聞く。
沙耶は「本当に世界一の
パティシエという意味ですか」
と聞く。
母は希に
「世界一のパティシエなんか」と聞く。
「コンクールにでも出たのか」と聞く
「フランスへ修業へ行ったのか」と聞く
全部ノーである。
横浜の池畑シェフの店で
たった
4年間修業をして
この店はだして
7年間たっている。
つまり・・・
すでに
時効が切れている
ようなもので
ぜんぜん
すごくないのである。
「ほしたら
これから世界なのか」と
母は呆れたのだった。
藍子にその話をすると
「もう遅いのか」と聞く。
「これからというより
今までブランクがありすぎた」
という話を希はする。
後悔はしてない。
子供と店と前ばっかり見て
いていつのまにか
7年たった・・・
最近
気持ちがざわっとする。
希のフランス菓子は本物に
なってない。
このままだと
いつか
いつかで
終わってしまいそうだと
希は言う。
携帯がなる。
みのりからだ。
匠がいなくなったらしい。
徹志も知らないという。
希は驚いた。
***************
希のパティシエとしても人生は
能登で終わるのかという
意味である。
あのとき、結婚しなかったら
あのまま
フランスへ行って
修業をして
また帰ってきて
コンクールに出て・・・
腕を磨いて
大吾の片腕となって
という道だったはずなのに
女性が働こうとすると
必ず問題になるのは
結婚はしないのか
ということ
結婚したら
いつ、出産するのかと
いうこと
お産をしたら
子供は母親が育てるものだと
いうこと・・
子供が大きくなったら
もう人生はほとんど
集大成にはいっている
ということである。
だから、つらい思いをしながらも
子供と別れることに
なるのである。
キャリアが大事なら
そうするべきである。
しかし、希の店は徹の夢である。
この店をたたんで
フランスへ行くわけにはいかない。
しかし
フランスへ行くとしたら
もう、最後のチャンスであるかも
しれない。
圭太の店も
軌道に乗っている。
あとは、店の借金のことかもしれない。
しかし匠は
どこへいったのか。
匠は本当に塗師屋に
なりたいのか???
なんだか違うような気がする。
匠は何をしてもきっと
器用な子なんだろうと思う。
そして、人が笑顔になることを
応援するのが好きなんだと
思う。
匠が塗師屋になると言ったら圭太が
喜んだ。
だから、そういっただけであって
本当はなりたいわけではないのでは?
と思う。
応援するのか好きというもは
希のDNAである。
あくまで私の推理です。
明日本当のことがわかります・・
希が子供たちに世界一の
パティシエになりたいという
夢があると語った、そのとき
歩実がいった。
「いつなるの?
お母さんは大人やろ?
いつなるの?」
その言葉が頭から離れない。
バイトで雇った沙耶が
掃除が終わったことを
報告に来ても
考え込んでいる。
「シェフ?掃除が終わりました。」
沙耶は近くに言って
「シェフ?」というと
希はびっくりして
「わたしけ?
無理無理無理
シェフは無理
普通に名前で呼んで。
でないと
本当のシェフに殺されるわ。」
「何言うているんですか?
看板をオープンにしてきますね。
シェフ!!」
「ちょちょちょ・・・」
希はあわてた
お店はオープンとなった。
沙耶はとても努力家だった。
ケーキをすべて調べて
いて
ジャンドウラテールという
お菓子もよく知っていて
客に説明した。
「中島菜とピスタチオの
ケーキです。
中島菜はアンジオテンシンという
酵素の働きを抑える成分が
はいっている。
ビタミンC
とかカルシウムも豊富で
血圧を調整する作用が
ある」と説明した。
客は「菜っ葉のケーキやったら
いくら食べてもいいのね」といって
「5個下さい」といった。
希はよく調べたと
感心した。
沙耶は「修業させてくれと言って頼む
のだから店のケーキをしっかり
調べてきた」という。
「手にねばりつくような感触が
あったら止める・・」
希は沙耶にメレンゲを作る作り方を
教え始めた。
沙耶は、小さい時から
ケーキを作っていたけど
メレンゲ位は作れると
思っているだろうと
希は思ったが
沙耶はプロとは全然違うと
思うので通用するかどうか
わからないという。
しかし、その手さばきは
見事だった。
希は感心した。
塗師屋では匠は4代目の
弥太郎から手ほどきを受けていた。
歩実は普通のお絵かきをしてきた。
圭太は気になっていることが
ある。
歩実が気に入ってつけている
ペンダントである。
希は女将の仕事をしながら
「なんか腹立ってきたわ」と
つぶやいた。
圭太は自分のことだと
おもって「すまん、ほやけどあれは・・」
と希に謝ろうとした
「え?何に腹立ったって?」
圭太は気を取り直して
尋ねた。
希は「昔の自分に腹が立つ」という。
何も知らずに大吾の店に行って
弟子にしてくれと
頼み込んだ自分である。
「シャポーアンコトンっていうケーキが
・・・私が代わりに造りますさけ・・」
陶子さんには「メレンゲできます!」といった。
「私は子供のころからやっていたから
陶子さんよりキャリアは長いです」と
言い切った希。
偉そうなことをよくぞ言ったものだと
前は反省している。
圭太は、「ああ、」と納得した。
「口ばっかりなんはお父さんだけでは
無かった」と希は言う。
圭太は希に気にしているのかと聞く。
「世界一にいつなるのか」と聞かれた
ことである。
希は「びっくりして」という。
「あれだけ熱くなって世界一世界一と
いっていたくせに・・・
沙耶さんを見ていたら
まぶしいほどだ」と希は言った。
沙耶はそんな希のケーキを
「きれいですね」と褒める。
希はまだ納得していないと
・・いうが
沙耶からみればきれいなケーキなんだろう。
「沙耶ちゃんの家は珠洲やったかな」と
希が聞く。その時沙耶は「この四月から
こっちへ通うようになって・・・」と
いったので「どこに」と希が聞く。
「あ、ケーキ屋さんを探しに・・・」
沙耶は希に「地元で店を出すのが
夢だったのですか」と聞く。
沙耶は、「絶対フランスに行きたい」と
いった。
「フランス菓子の本場で勉強して
コンクールに出て
池畑シェフみたいに世界で通用する
パティシエになりたい」と
それこそ
希の夢そのものを語り始めたのだった。
匠は塗の練習の後を見ながら
考え込んでいた。
徹志はその匠に話しかけたが。
そんなとき
店に沙耶の母というひとが
現れた。
「こんなところで何をしているのか」
と怒っている。
「親をだましてこんなところで
働いて・・
お父さんもかんかんなのよ。」
沙耶を連れて帰ろうとする。
希は「母にとりあえず事情を」と
いった。
どうやら、沙耶は四月から輪島の理容学校
に通っていることになっているという。
つまり学校をさぼっているのだ。
家は美容院で沙耶が継ぐことになって
いたのだ。
沙耶は「何をいうても聞いて
もらえないから」と
いうが希は「嘘は駄目だよ」と
いった。
「親に内緒にして
しかも
だましながらできるものでもない」
からだ。
「理容学校の授業料だって
親に出してもらっているのに」
である。
「世界一のパティシエになりたいなら
ご両親を説得するぐらいで
なければ、できないよ」と希が言った。
母は「世界一なんてなれるわけがない」
という。夢みたいなことをいってと
いうので娘は夢ではないと言い切る。
希は母に「嘘をついていたのはいけないこと
ですが、世界一というのは別に問題
ではありません」と言った。
一流のシェフの店で勉強をしたり
フランスへ修業にいったり・・
コンクールに出たり・・
全くあり得ないことではないという。
母はふと店に中にある
徹の直筆
「希、
世界一の
パティシエになれよ」
という張り紙を見つけた。
「あなたも世界一?」
と聞く。
沙耶は「本当に世界一の
パティシエという意味ですか」
と聞く。
母は希に
「世界一のパティシエなんか」と聞く。
「コンクールにでも出たのか」と聞く
「フランスへ修業へ行ったのか」と聞く
全部ノーである。
横浜の池畑シェフの店で
たった
4年間修業をして
この店はだして
7年間たっている。
つまり・・・
すでに
時効が切れている
ようなもので
ぜんぜん
すごくないのである。
「ほしたら
これから世界なのか」と
母は呆れたのだった。
藍子にその話をすると
「もう遅いのか」と聞く。
「これからというより
今までブランクがありすぎた」
という話を希はする。
後悔はしてない。
子供と店と前ばっかり見て
いていつのまにか
7年たった・・・
最近
気持ちがざわっとする。
希のフランス菓子は本物に
なってない。
このままだと
いつか
いつかで
終わってしまいそうだと
希は言う。
携帯がなる。
みのりからだ。
匠がいなくなったらしい。
徹志も知らないという。
希は驚いた。
***************
希のパティシエとしても人生は
能登で終わるのかという
意味である。
あのとき、結婚しなかったら
あのまま
フランスへ行って
修業をして
また帰ってきて
コンクールに出て・・・
腕を磨いて
大吾の片腕となって
という道だったはずなのに
女性が働こうとすると
必ず問題になるのは
結婚はしないのか
ということ
結婚したら
いつ、出産するのかと
いうこと
お産をしたら
子供は母親が育てるものだと
いうこと・・
子供が大きくなったら
もう人生はほとんど
集大成にはいっている
ということである。
だから、つらい思いをしながらも
子供と別れることに
なるのである。
キャリアが大事なら
そうするべきである。
しかし、希の店は徹の夢である。
この店をたたんで
フランスへ行くわけにはいかない。
しかし
フランスへ行くとしたら
もう、最後のチャンスであるかも
しれない。
圭太の店も
軌道に乗っている。
あとは、店の借金のことかもしれない。
しかし匠は
どこへいったのか。
匠は本当に塗師屋に
なりたいのか???
なんだか違うような気がする。
匠は何をしてもきっと
器用な子なんだろうと思う。
そして、人が笑顔になることを
応援するのが好きなんだと
思う。
匠が塗師屋になると言ったら圭太が
喜んだ。
だから、そういっただけであって
本当はなりたいわけではないのでは?
と思う。
応援するのか好きというもは
希のDNAである。
あくまで私の推理です。
明日本当のことがわかります・・
