いっぱい失敗タルトタタン3
バイト募集でやってきたのは
沙耶。
いつも来てくれるお客さんで
ここのケーキが好きという。
子供のころからケーキを作るのが
好きでパティシエになりたい
から
ここで修業をさせてほしいと
いうのだった。
希は自分もまだ修行の身だから
もっと有名なシェフのいる
店で修業をするもんだと
いった。
「もっといろんなところを食べて歩いて
いい方法を考えることだ」と
いうと
沙耶はじっと考えて
「わかりました」と言った。
「ごめんえ、よかったらまた
食べに来てね」
「はい、また来ます。」
「気を付けてね」
「はい!!」
沙耶はそれで帰って行ったが
希は
驚いた。
「修業をしたいほどうまいと
言われたわ、ここのケーキは」
と、魔女姫にささやいた。
さて、圭太は塗師屋で歩実と
匠を相手に、輪島塗の良さについて
話をしていた。
「重ねて塗るとそれまで手抜きを
していたとしてもわからないから
だからよけい、ちゃんと作らないと
いけない」と
いつぞやの話をする。
井田も亜美も
呆れて見ていた。
「かっこいいやろ輪島塗は
どうや?歩実??」
歩実は「ようわからん」という
匠はじっと圭太の顔を見て
「うん、かっこいい」といった。
圭太は喜んだ。
希がそこに帰ってきた。
匠と歩実が漆を塗って
いたので希が驚いた。
歩実は匠は上手だと
いう。
圭太は
匠が上手なので持ち上げた。
歩実は飽きてしまって
最近弟子入りした
田中さんと絵を描くことにした。
圭太は匠に、「漆職人になるか」と
聞く。
匠は「うん」と言った。
喜ぶ圭太だった。
桶作家ではふみと元冶が話を
していた。
元冶は「匠が漆をやるのか」と
ふみと話をする。
「ほんなら塩もやらしてみるか」と
いうが「徹志がいるから」と
ふみがいった。
「また五月の休みに哲也たちも
遊びに来る」とふみはいう。
「またにぎやかになるな」と言うと
元冶は「ありがたいことだ」と
いった。
夜、寝床のうえで
圭太は匠が自分から漆をする
といったのは初めてだと
いう。
それで大変喜んでいた。
「六代目紺谷弥太郎は
おまえだ」と
圭太はいう。
希が歩実をよぶと
歩実はやってきた。
ところが胸にペンダントをかけている。
どこにあったのかと希が
きくと、引き出しにあったと
いう。
圭太は顔色が変わった。
あれは、一子と付き合っていた頃
お箸のリベンジにつくったペンダント
であるが、一子と別れたので
引き出しに入れたままにしていた。
それを歩実がみつけたのだ。
圭太はどきまぎしながら
覚えがないという顔をして
「ためしに造ったものだ」と
いった。
歩実は圭太に「欲しい」という。
圭太はとまどいながれらも
「いいよ」といった。
歩実は万歳をした。
匠は圭太の顔色を見ている。
翌日
店の前に沙耶が来ていた。
「おはようございます。」
「どうしたの?朝の五時よ。」
あれから能登の店を食べ歩きを
したけどやっぱり
ここがいいと思ったので
やってきたという。
希は能登の店というより
東京とか
横浜とか
都会の店ということを
いっているのであってと
いうが
沙耶の家の事情から
県外へ行くことができない
らしい。
希は沙耶が自分と同じような父親で
苦労しているのかと
思って店の中に沙耶をいれた。
よくよく聞くと
父親は普通のちゃんとした人
だという。
沙耶はいつぞやの料理の巨人
をスマホでみせた。
あのときの番組を見ていたし
メレンゲを作る希を見ていたし
池畑シェフもかっこよかったし
よけいパティシエになりたいと
思ったという。
「シェフのケーキは見た目もいいけど
中身もいいのよ。
スイーツというより手の込んだ
料理のようなのよ」と希が
いうと
沙耶は「わかります!!!
この店のケーキを食べて
HPをみて運命だと思った」
という。
希が池畑シェフの弟子だったうえに
あのメレンゲの人だったと
沙耶はいう。
「私は世界一のパティシエになり
たいのです。
池畑シェフ仕込みのケーキを
教えてください!!!」
「世界一のパティシエ?」
希は、いつか自分が言ったセリフだと
思った。
沙耶はそんなことは知らない。
「どうか教えてください」と
頼み込む。
希は
ついにいった。
「基礎の基礎やよ・・・
ここで基本を勉強している
間になんとかほかの店に行けるように
しよう。でないと一人前の
パティシエになれないよ。
名前は?」
「沢沙耶です。」
「ほんなら沙耶さん
よろしくお願いします。」
希が言うと
沙耶も「お願いします」と
喜んでいった。
その夜、歩実は圭太にもらった
ペンダントがうれしくて仕方が
ない。
圭太は、どぎまぎしているという
のに・・・である。
藍子はその理由を知っている
のだ・・・が
何も言わないようにしている。
みのりは「沙耶は希に似ている」と
いう。
「世界一のパティシエになりたいと
いうところなんか
希にそっくりだ」と藍子は言う。
ところが、歩実が・・・
「いつなるの?」と聞いた。
「お母さんはもう大人なのに
いつ、世界一になるの?」
と聞く。
「いつ・・・やろ?」希は
とまどった。
徹志は「(いつなんていう質問を)
やめたら?」という。
一徹は「容赦ない追及やな」という。
希はわからない。
「いったい、いつ
世界一の
パティシエになるのだろう?」
「いつなんだろう?」
皆、無視して食事をする。
「いつねんろ?」
「ね???」
「いつねんろ???」
希は一人で
尋ねまくった。
*************
そうそう、店は繁盛している。
好きなケーキを作っている。
それだけでは世界一にはなれない。
わかっているはずだ。
あの続きをしなくては
フランスへ修業へ行くと
いっていたあの時の
あの続きをしなくては・・・
世界一にはなれない。
能登にいては、なれない。
適当においしいと言われる
ケーキは作れる。
けど、世界に通用するケーキは
いつ、作れるのだろう?
若いうちにと大吾が言った。
感性が若いうちに
修業をしなくては駄目だと
いった。
鍛えなくては駄目だといった。
つまり・・・・
希は幸枝のように
子供たちと圭太をおいて
フランスへ行くことになる
しか
ないのである。
バイト募集でやってきたのは
沙耶。
いつも来てくれるお客さんで
ここのケーキが好きという。
子供のころからケーキを作るのが
好きでパティシエになりたい
から
ここで修業をさせてほしいと
いうのだった。
希は自分もまだ修行の身だから
もっと有名なシェフのいる
店で修業をするもんだと
いった。
「もっといろんなところを食べて歩いて
いい方法を考えることだ」と
いうと
沙耶はじっと考えて
「わかりました」と言った。
「ごめんえ、よかったらまた
食べに来てね」
「はい、また来ます。」
「気を付けてね」
「はい!!」
沙耶はそれで帰って行ったが
希は
驚いた。
「修業をしたいほどうまいと
言われたわ、ここのケーキは」
と、魔女姫にささやいた。
さて、圭太は塗師屋で歩実と
匠を相手に、輪島塗の良さについて
話をしていた。
「重ねて塗るとそれまで手抜きを
していたとしてもわからないから
だからよけい、ちゃんと作らないと
いけない」と
いつぞやの話をする。
井田も亜美も
呆れて見ていた。
「かっこいいやろ輪島塗は
どうや?歩実??」
歩実は「ようわからん」という
匠はじっと圭太の顔を見て
「うん、かっこいい」といった。
圭太は喜んだ。
希がそこに帰ってきた。
匠と歩実が漆を塗って
いたので希が驚いた。
歩実は匠は上手だと
いう。
圭太は
匠が上手なので持ち上げた。
歩実は飽きてしまって
最近弟子入りした
田中さんと絵を描くことにした。
圭太は匠に、「漆職人になるか」と
聞く。
匠は「うん」と言った。
喜ぶ圭太だった。
桶作家ではふみと元冶が話を
していた。
元冶は「匠が漆をやるのか」と
ふみと話をする。
「ほんなら塩もやらしてみるか」と
いうが「徹志がいるから」と
ふみがいった。
「また五月の休みに哲也たちも
遊びに来る」とふみはいう。
「またにぎやかになるな」と言うと
元冶は「ありがたいことだ」と
いった。
夜、寝床のうえで
圭太は匠が自分から漆をする
といったのは初めてだと
いう。
それで大変喜んでいた。
「六代目紺谷弥太郎は
おまえだ」と
圭太はいう。
希が歩実をよぶと
歩実はやってきた。
ところが胸にペンダントをかけている。
どこにあったのかと希が
きくと、引き出しにあったと
いう。
圭太は顔色が変わった。
あれは、一子と付き合っていた頃
お箸のリベンジにつくったペンダント
であるが、一子と別れたので
引き出しに入れたままにしていた。
それを歩実がみつけたのだ。
圭太はどきまぎしながら
覚えがないという顔をして
「ためしに造ったものだ」と
いった。
歩実は圭太に「欲しい」という。
圭太はとまどいながれらも
「いいよ」といった。
歩実は万歳をした。
匠は圭太の顔色を見ている。
翌日
店の前に沙耶が来ていた。
「おはようございます。」
「どうしたの?朝の五時よ。」
あれから能登の店を食べ歩きを
したけどやっぱり
ここがいいと思ったので
やってきたという。
希は能登の店というより
東京とか
横浜とか
都会の店ということを
いっているのであってと
いうが
沙耶の家の事情から
県外へ行くことができない
らしい。
希は沙耶が自分と同じような父親で
苦労しているのかと
思って店の中に沙耶をいれた。
よくよく聞くと
父親は普通のちゃんとした人
だという。
沙耶はいつぞやの料理の巨人
をスマホでみせた。
あのときの番組を見ていたし
メレンゲを作る希を見ていたし
池畑シェフもかっこよかったし
よけいパティシエになりたいと
思ったという。
「シェフのケーキは見た目もいいけど
中身もいいのよ。
スイーツというより手の込んだ
料理のようなのよ」と希が
いうと
沙耶は「わかります!!!
この店のケーキを食べて
HPをみて運命だと思った」
という。
希が池畑シェフの弟子だったうえに
あのメレンゲの人だったと
沙耶はいう。
「私は世界一のパティシエになり
たいのです。
池畑シェフ仕込みのケーキを
教えてください!!!」
「世界一のパティシエ?」
希は、いつか自分が言ったセリフだと
思った。
沙耶はそんなことは知らない。
「どうか教えてください」と
頼み込む。
希は
ついにいった。
「基礎の基礎やよ・・・
ここで基本を勉強している
間になんとかほかの店に行けるように
しよう。でないと一人前の
パティシエになれないよ。
名前は?」
「沢沙耶です。」
「ほんなら沙耶さん
よろしくお願いします。」
希が言うと
沙耶も「お願いします」と
喜んでいった。
その夜、歩実は圭太にもらった
ペンダントがうれしくて仕方が
ない。
圭太は、どぎまぎしているという
のに・・・である。
藍子はその理由を知っている
のだ・・・が
何も言わないようにしている。
みのりは「沙耶は希に似ている」と
いう。
「世界一のパティシエになりたいと
いうところなんか
希にそっくりだ」と藍子は言う。
ところが、歩実が・・・
「いつなるの?」と聞いた。
「お母さんはもう大人なのに
いつ、世界一になるの?」
と聞く。
「いつ・・・やろ?」希は
とまどった。
徹志は「(いつなんていう質問を)
やめたら?」という。
一徹は「容赦ない追及やな」という。
希はわからない。
「いったい、いつ
世界一の
パティシエになるのだろう?」
「いつなんだろう?」
皆、無視して食事をする。
「いつねんろ?」
「ね???」
「いつねんろ???」
希は一人で
尋ねまくった。
*************
そうそう、店は繁盛している。
好きなケーキを作っている。
それだけでは世界一にはなれない。
わかっているはずだ。
あの続きをしなくては
フランスへ修業へ行くと
いっていたあの時の
あの続きをしなくては・・・
世界一にはなれない。
能登にいては、なれない。
適当においしいと言われる
ケーキは作れる。
けど、世界に通用するケーキは
いつ、作れるのだろう?
若いうちにと大吾が言った。
感性が若いうちに
修業をしなくては駄目だと
いった。
鍛えなくては駄目だといった。
つまり・・・・
希は幸枝のように
子供たちと圭太をおいて
フランスへ行くことになる
しか
ないのである。
