いっぱい失敗タルトタタン2
歩実と匠はすこしづつ性格が
ちがう。
将来の夢をノートに書くこと
になったふたり。
歩実はパティシエとか
保育園の先生とか
お医者さんとか
・・
たくさん書いている。
匠はなにもない。
夢はないという。
元冶は孫よりも幼い
ひ孫のような
徹志、歩実、匠を
あいてに、鬼のお面をかぶって
「なまけものはいないかぁ~~~
寝ない子はいないか~~~」と
いいながら絵本の読み聞かせを
していた。
歩実は「あははは」と
笑う。
「子供たちに嫌われて
アマメハギは
悲しくなりました。
ほんならもう、アマメハギをやめて
しまおうかなと
思いました。」
元冶はそこまで絵本を読んで
大きな声で言った。
「さぁ~~寝るか~~~」
そのころ
階下では
希がみのりに
匠のノートを見せて
「どう思う」と聞いていた。
一徹は塩を袋に詰めながら
匠のことについてコメントする。
希は小さいころから
夢がなかったし、夢を嫌っていた。
という。それに比べたらまだましだ
といいたいのか。
藍子は、まだ一年生だから
「夢はわからないのでは」という。
希はあのあと匠に
「やりたいことはないのか」と
聞いてみたら「無い」といった
という。
圭太はそれを聞いてがっかりした。
ふみは圭太に「何を落ち込んで
いるのか」という。
一徹は「圭太にとっては
漆職人になりたいと
言ってほしいと思っている
のでは?」という。
「ふみさんのせいだ」と
圭太はいう。
「徹の紙芝居などを
つくって夢が破れた話を
するからだ」といった。
一徹の子、
徹志はどうかというと
「塩田やりたい」といったという。
「ま、親の背中しだいだな」と
一徹は圭太にいった。
圭太は、「歩実がパティシエと
かいたことで希はいい」と
いった。
「ふみさんは小さいときはなんに
成りたかったのか」と聞くと
「フランス人」という。
「子供のことだから
職業ではなくてもいい
から、宇宙旅行をしたいとか
ライオンと暮らすとか
そんなことを考えていた」
という。
「匠も夢とかやりたいことは無くても
楽しいことがあればそれでいい」
とふみがいう。
「いつもにこにこしている子だから
何かないのかな」と藍子は
いう。
「もっとたくさん経験をさせたほうがいい
のでは」と希。
ああだこうだと
大人たちは話をしていた。
圭太は面白くない。
第六代弥太郎のことがある。
圭太は寝ている子供の
耳元で
「漆は楽しい」
「輪島塗はすばらしい」
「何度も塗るのは楽しい」と
小声で吹き込んでいる。
希は馬鹿らしいと言って
やめさせた。
はるさんちで髪をカットして
もらった匠。
歩実がやってきて
「遊びに行こう」という。
徹志は今度は自分がカットして
もらう番なのでだめだと
いった。
歩実は大勢の子供たちと
いっしょに、「だったら
匠、一緒に行こう」と
手を取って
店の外へ出て行った。
真人は匠が
漆職人になりたがらないと
言う話をした。
後継者がどんどん減っていく
という切実な話である。
が、今の匠にはその責任を
背負うほどの力はない。
一子の話になって
本当にライターをやって
いるのかと
はるはいう。
本も出しているが
売れてないという話である。
真人は「だから
匠は美容院や郵便局員や
漁師になる可能性もあるという
ことだ」というとマキは「なにを
子供に村を背負わしているのか」と
怒った。
徹志は
「じいちゃsん、
子供の夢は大人のために
あるんじゃないげんよ。
きいつけてや。」
といった。
お店では
希が子供たちにケーキ作りを
教えていた。
「歩実は上手ね」と
希が言う。
匠に「交代してみるか」と
聞くと
匠は「僕はいい」といった。
帰りに、「徹志にお土産のケーキを
選んでね」と希は
歩実にいう。
希は匠に話しかけた。
「匠はなにをしてもいいのよ」と
いう。
「学校は好き?」と聞くと
「好き」という
「お友達は」と聞くと
「好き」という。
「じゃ、勉強とか
音楽とか体育は?」
「好き!」
希は「好きなもんばっかりやね」
といった。
「てっちゃんのケーキを選んでいいけ?」
と匠が言う。
その様子を見て希は
「大丈夫やね」と
つぶやいた。
さて
ふみさんの徹の話は・・・
「こうしてでっかい夢が大好きは
徹は本当の夢に気が付きました。
けれども」
というと
子供たちはいっせいに
声をそろえて言った。
「とき、すでに遅し!!!」
「自分の過ちを償うために
家を出て行方不明になって
しまったのです・・・。」
ここで普通は終わるが・・
「ところが・・・」
と話を続けるふみさん。
「昨日徹から電話があったのです。」
子供たちは
「ええ~~~~~~~?????」
と声を上げた。
「良い子の諸君僕は
今とても元気にくらしています。
夢は必ずかなうとは限らないけど
怖いものではない。
取扱に注意したら
いいでしょう
おわり!!!」
「徹は元気だったんだ。」
「よかったわいね」と
子供たちは言う。
「ほんならなして帰って
こんが?」
「大人の事情や。」とふみ。
「大人の事情?」
「何かな?」
「何かな?」
「苦しい付け足しだな」と
一徹は言う。
藍子は日記をつけていた。
希は「お風呂どうぞ」という。
「匠はどう?」と藍子が聞く。
「好きなものばっかりって
具体的にはなにもないのよ。」
「まだ小さいから大丈夫よ。」
「その日記、もしかして
お父さんのためなの?」
「帰ってきた時見せて
上げようと思って。
書いてないと忘れるから。
ふみさんの紙芝居のように
元気だったらいいね。」
希は店のHPを見ていた。
子供たちが生まれたことも
入学式のことも
そのつど
写真をアップしている。
そのとき
「もしかして
これも、お父さんのため
だったか」と
気が付いた。
そこへ、あの学生さんがきた。
沙耶というらしい。
黙って立っているので
「おこずかい亡くなったの?
だったら、今日は店のおごりです。
いつも来てくれているさけ
お礼に!」
と希が言う。
「あの・・・
バイトさせてもらえませんか?」
「え?募集を見てくれたんけ?」
「ケーキ作らせてくれませんか。
ここで修業をさせてください。
うち、パティシエになりたいのです。」
**************
後継者のことで悩んでいても
こうして、後継者は出てくる
とは・・・
あの、ゆきえが言った言葉だ。
横浜で
大吾にそういう話をしていた。
自分たち職人にとって
この上もなくうれしいことは
後継者が出てくること・・だと。
希には自分の子供たちが
後継者であるとは
決まっていないが
子供たちがその年頃になる
にはまだ早かった。
そして、希のケーキが
大好きな沙耶が
倍度募集の張り紙を見て
やってきた。
しかも
パティシエになりたいという!!!!
あのころの希にそっくと思ったの
かもしれない。
「ここで修業をさせてください!!」
「私は世界一のパテシエになりたいのです」
いや、ちょっと待て。
希だって本当はまだ修行の身だったけど
圭太のことで能登に帰ってきた。
実際は修業の途中である。
希はここで考えることになる
はずだ。
自分も修行の途中だったことを。
沙耶にはきっと大吾の店を
紹介するだろうし
自分は、もっと上を目指して
フランスへ行く気持ちを
温めなおすのではと
思う。
昔、幸枝がおさない藍子を
おいてフランスへ行ったように。
・・・なんて・・
わかりませんよ。
あらすじなんて。
歩実と匠はすこしづつ性格が
ちがう。
将来の夢をノートに書くこと
になったふたり。
歩実はパティシエとか
保育園の先生とか
お医者さんとか
・・
たくさん書いている。
匠はなにもない。
夢はないという。
元冶は孫よりも幼い
ひ孫のような
徹志、歩実、匠を
あいてに、鬼のお面をかぶって
「なまけものはいないかぁ~~~
寝ない子はいないか~~~」と
いいながら絵本の読み聞かせを
していた。
歩実は「あははは」と
笑う。
「子供たちに嫌われて
アマメハギは
悲しくなりました。
ほんならもう、アマメハギをやめて
しまおうかなと
思いました。」
元冶はそこまで絵本を読んで
大きな声で言った。
「さぁ~~寝るか~~~」
そのころ
階下では
希がみのりに
匠のノートを見せて
「どう思う」と聞いていた。
一徹は塩を袋に詰めながら
匠のことについてコメントする。
希は小さいころから
夢がなかったし、夢を嫌っていた。
という。それに比べたらまだましだ
といいたいのか。
藍子は、まだ一年生だから
「夢はわからないのでは」という。
希はあのあと匠に
「やりたいことはないのか」と
聞いてみたら「無い」といった
という。
圭太はそれを聞いてがっかりした。
ふみは圭太に「何を落ち込んで
いるのか」という。
一徹は「圭太にとっては
漆職人になりたいと
言ってほしいと思っている
のでは?」という。
「ふみさんのせいだ」と
圭太はいう。
「徹の紙芝居などを
つくって夢が破れた話を
するからだ」といった。
一徹の子、
徹志はどうかというと
「塩田やりたい」といったという。
「ま、親の背中しだいだな」と
一徹は圭太にいった。
圭太は、「歩実がパティシエと
かいたことで希はいい」と
いった。
「ふみさんは小さいときはなんに
成りたかったのか」と聞くと
「フランス人」という。
「子供のことだから
職業ではなくてもいい
から、宇宙旅行をしたいとか
ライオンと暮らすとか
そんなことを考えていた」
という。
「匠も夢とかやりたいことは無くても
楽しいことがあればそれでいい」
とふみがいう。
「いつもにこにこしている子だから
何かないのかな」と藍子は
いう。
「もっとたくさん経験をさせたほうがいい
のでは」と希。
ああだこうだと
大人たちは話をしていた。
圭太は面白くない。
第六代弥太郎のことがある。
圭太は寝ている子供の
耳元で
「漆は楽しい」
「輪島塗はすばらしい」
「何度も塗るのは楽しい」と
小声で吹き込んでいる。
希は馬鹿らしいと言って
やめさせた。
はるさんちで髪をカットして
もらった匠。
歩実がやってきて
「遊びに行こう」という。
徹志は今度は自分がカットして
もらう番なのでだめだと
いった。
歩実は大勢の子供たちと
いっしょに、「だったら
匠、一緒に行こう」と
手を取って
店の外へ出て行った。
真人は匠が
漆職人になりたがらないと
言う話をした。
後継者がどんどん減っていく
という切実な話である。
が、今の匠にはその責任を
背負うほどの力はない。
一子の話になって
本当にライターをやって
いるのかと
はるはいう。
本も出しているが
売れてないという話である。
真人は「だから
匠は美容院や郵便局員や
漁師になる可能性もあるという
ことだ」というとマキは「なにを
子供に村を背負わしているのか」と
怒った。
徹志は
「じいちゃsん、
子供の夢は大人のために
あるんじゃないげんよ。
きいつけてや。」
といった。
お店では
希が子供たちにケーキ作りを
教えていた。
「歩実は上手ね」と
希が言う。
匠に「交代してみるか」と
聞くと
匠は「僕はいい」といった。
帰りに、「徹志にお土産のケーキを
選んでね」と希は
歩実にいう。
希は匠に話しかけた。
「匠はなにをしてもいいのよ」と
いう。
「学校は好き?」と聞くと
「好き」という
「お友達は」と聞くと
「好き」という。
「じゃ、勉強とか
音楽とか体育は?」
「好き!」
希は「好きなもんばっかりやね」
といった。
「てっちゃんのケーキを選んでいいけ?」
と匠が言う。
その様子を見て希は
「大丈夫やね」と
つぶやいた。
さて
ふみさんの徹の話は・・・
「こうしてでっかい夢が大好きは
徹は本当の夢に気が付きました。
けれども」
というと
子供たちはいっせいに
声をそろえて言った。
「とき、すでに遅し!!!」
「自分の過ちを償うために
家を出て行方不明になって
しまったのです・・・。」
ここで普通は終わるが・・
「ところが・・・」
と話を続けるふみさん。
「昨日徹から電話があったのです。」
子供たちは
「ええ~~~~~~~?????」
と声を上げた。
「良い子の諸君僕は
今とても元気にくらしています。
夢は必ずかなうとは限らないけど
怖いものではない。
取扱に注意したら
いいでしょう
おわり!!!」
「徹は元気だったんだ。」
「よかったわいね」と
子供たちは言う。
「ほんならなして帰って
こんが?」
「大人の事情や。」とふみ。
「大人の事情?」
「何かな?」
「何かな?」
「苦しい付け足しだな」と
一徹は言う。
藍子は日記をつけていた。
希は「お風呂どうぞ」という。
「匠はどう?」と藍子が聞く。
「好きなものばっかりって
具体的にはなにもないのよ。」
「まだ小さいから大丈夫よ。」
「その日記、もしかして
お父さんのためなの?」
「帰ってきた時見せて
上げようと思って。
書いてないと忘れるから。
ふみさんの紙芝居のように
元気だったらいいね。」
希は店のHPを見ていた。
子供たちが生まれたことも
入学式のことも
そのつど
写真をアップしている。
そのとき
「もしかして
これも、お父さんのため
だったか」と
気が付いた。
そこへ、あの学生さんがきた。
沙耶というらしい。
黙って立っているので
「おこずかい亡くなったの?
だったら、今日は店のおごりです。
いつも来てくれているさけ
お礼に!」
と希が言う。
「あの・・・
バイトさせてもらえませんか?」
「え?募集を見てくれたんけ?」
「ケーキ作らせてくれませんか。
ここで修業をさせてください。
うち、パティシエになりたいのです。」
**************
後継者のことで悩んでいても
こうして、後継者は出てくる
とは・・・
あの、ゆきえが言った言葉だ。
横浜で
大吾にそういう話をしていた。
自分たち職人にとって
この上もなくうれしいことは
後継者が出てくること・・だと。
希には自分の子供たちが
後継者であるとは
決まっていないが
子供たちがその年頃になる
にはまだ早かった。
そして、希のケーキが
大好きな沙耶が
倍度募集の張り紙を見て
やってきた。
しかも
パティシエになりたいという!!!!
あのころの希にそっくと思ったの
かもしれない。
「ここで修業をさせてください!!」
「私は世界一のパテシエになりたいのです」
いや、ちょっと待て。
希だって本当はまだ修行の身だったけど
圭太のことで能登に帰ってきた。
実際は修業の途中である。
希はここで考えることになる
はずだ。
自分も修行の途中だったことを。
沙耶にはきっと大吾の店を
紹介するだろうし
自分は、もっと上を目指して
フランスへ行く気持ちを
温めなおすのではと
思う。
昔、幸枝がおさない藍子を
おいてフランスへ行ったように。
・・・なんて・・
わかりませんよ。
あらすじなんて。
