出産クッサンベイビー6
あの圭太の考えた
希をサポートするための
子育て掲示板が稼働する日が
きた。
希は、なかなか家を出れない。
子供のことが気になって
仕方ないのだ。
今日は圭太が朝食係。
「希、早く行かないと」
と圭太は言う。
希は「なかんといてね
いいこにしといてね
愛しているのよ
離れたくないのよ
でも、借金返さないとね
ご迷惑をおかけしますが
よろしくお願いします。」
希は
弥太郎や井田
亜美たちに深々と
頭を下げた。
「ほんならね、匠
歩実、いって来るよ
愛しているよ~~~」
そういってやっと希は出かけた。
ママさんパティシエの第一歩
ですが・・・
希は、コドモのことが気になって
なんどもなんども
塗師屋に電話をするので
藍子は
あきれて
「希、店が暇ならかえって
くるけ?」と
怒った。
「はい、すみません」
そこにガラス戸がとんとんと
なった。
あの、太ったお客さんが
新しいお客さんを連れて
きた。
朝子も、お子さんを連れて
きた。
やはり、あの時のケーキは
歩実の発熱騒動で作れなかった
らしい。
希は朝子に謝ったが
朝子は、自分も悪かったと
いって、マルジョレーヌを
注文した。
やっと、お昼になって希は
飛んで帰ってきた。
留守の間にあったことを
圭太は掲示板に書き込んだ。
二人ともちゃんとうんちが
出ていると希は喜んだ。
藍子は台所で直美に謝った。
希が強引に店を続けること
になったことだった。
「あんな頑固な子はみたこと
ないわ」
「それでも圭太君がよく支えて
くれて・・」
直美は圭太の話をした。
昔、圭太が熱を出したことを
見逃していたことがあった
という。
「そのことが悔やんで、息子の嫁には
そんな辛いことを経験して
欲しくないので・・・
最後まで店のことは反対する」と
直美は言った。
そして、藍子がやっている
作業に「そこは、違う」と言って
指示を出した。
夜になっても圭太は仕事をしていた。
「朝の仕事の分、残業になったね。
ごめんね」と希は言う。
「今だけや。そのうち
また楽になる」と圭太は言う。
希は店で作ったお菓子を
圭太に渡した。
それはクッサン・ド・リヨンと
言う南フランスのお菓子である。
「このお菓子はリヨンのクッションと
言う意味だけど人々の健康を
祈るという意味がある」と
希が言った。
圭太は上手いと食べた。
「この子たちと圭太と
家族がみんな健康で幸せで
ありますようにという
気持ちを込めたものだ」と
希は言う。
圭太は、もう一度名前を
きいた。
クッサン・ド・リヨンである。
翌日、店でのことだった。
店が軌道に乗ったらこれも出したい
あれも出したいと
希はいろいろ考えているが・・・
お客はなかなか増えない。
「店を閉めてもあけても
借金かえされないのではないか」と
ふみがいう。
「だからと言っても店は子供やから
一辺産んだものを
おなかの中に戻すことはできない。」
希が言うと
ふみは「大分たくましくなったな」と
いう、「育てるためには銭がいる
けどね」、といって
店の外に出た。
そのとき、観光にきたらしい
二人の若い男女が
「ここだ、ここだ」と
いってやってきた。
そして、店の中に入ると
「これだ、マルジョレーヌ!!!」と
声を上げた。
「二つ下さい」という。
「ありがとうございます。
お持ち歩きの時間はどのくらい
ですか」と聞くと
「車で二時間・・」というのだ。
金沢からきたという。
ふみは嬉しそうにその様子を見ていた。
また、次の客は
「これや~~~」といって
マルジョレーヌを注文する。
これを食べに来たという。
富山から来た
名古屋から来た
さまざまである。
「なしてこの店に?」
希が客に聞いた。
「この店のことが
ブログに乗っていたので
買いに来た」という。
「はたの みやこ」という人の
ブログだというのでみると
その人はあの日、産休にはいる
最後の日にやってきたお客だった。
女性のキャリアと出産育児が重なる
つらさをじっくりと聞いてくれて
自分も、なかなか決めきれない
事が多いと
つぶやいた人だった。
その人のブログに
希の店のことと
本格的フランス菓子
マルジョレーヌのことが乗って
いる。
写真もあった。
それをみて、各地から
希の店にやってくるのだった。
『能登の食材でアレンジした
本格的フランス菓子はわざわざ
食べに行く価値あり
「能登の空気とか匂いとかそういう
ものと一緒に食べるから
このお菓子はおいしい」
そうシェフは笑った。
シェフは産休後11月に店を再開する
といった。
その気概に私も勇気をもらった。
能登に素晴らしい店が生まれた。
どうか、大事に育ててください・・』
「生まれた・・・」
希はつぶやく
「世間様に知ってもらえたな・・」ふみがいう。
そこに圭太が後ろと前に
子供をせおって
抱いて
店にやってきた。
さんぽのついでだという。
「あ~~~
匠、
歩実~~~」
と希は
二人の子供にちかづいた。
少し涙が出た。
圭太は「どうした」と聞く。
「いいことがあった」と希が言う。
ふみは笑いながら見ていた。
そして、
2015年4月となった。
希の店は知るところとなって
繁盛していた。
本格的フランス菓子である。
あのころ考えていたケーキを
作っておいても
売れる。
クッサン・ド・リヨンもある。
子供たちは
小学生になっていた。
希の店に来て
クッサン・ド・リヨンを
食べる。
オープンから7年
希の店はようやく軌道に
乗り始めています。
ママさんパティシエの人生がどう転がって
いくのか
乞うご期待でございます。
******************
二人の子供たちは
小学生。
双子の男女というのは
こういう意味の目的を
設定にしたのかと
何気に思った。
つまり、
子供を育てることの
難しさを二人の子供で
強烈に表現して
いるのだと思った。
これからも、この子供たちが
さまざまなことで希に絡んで
くるだろうと思われる。
一人だったら、その点が弱かった
かもしれない。
一人の子供の育児さえも
大変であるのに、一度の二人
ストーリー上
男女と設定されているのは
お話に幅ができるので
わざわざ、この設定に
したことに納得した。
希が心を込めて自分の思い通り
の作りたいケーキを一つだけ
作ったことが功を奏した。
高いかもしれない。
高くても食べたいと
思ってもらうことが
希にとっての目標だった。
だから、妥協しない。
そんなケーキ作りを評価して
くれた数少ないお客さんのなか
にあの、都がいた。
彼女の発信したブログが
多くの読者の心をとらえて
希の店にやってくる。
ほんとうによかったと
思った。
努力は報われる。
それはフィクションだからかも
しれないけど
しかし
努力は
報われるものだと
わたしは
信じる。
あの圭太の考えた
希をサポートするための
子育て掲示板が稼働する日が
きた。
希は、なかなか家を出れない。
子供のことが気になって
仕方ないのだ。
今日は圭太が朝食係。
「希、早く行かないと」
と圭太は言う。
希は「なかんといてね
いいこにしといてね
愛しているのよ
離れたくないのよ
でも、借金返さないとね
ご迷惑をおかけしますが
よろしくお願いします。」
希は
弥太郎や井田
亜美たちに深々と
頭を下げた。
「ほんならね、匠
歩実、いって来るよ
愛しているよ~~~」
そういってやっと希は出かけた。
ママさんパティシエの第一歩
ですが・・・
希は、コドモのことが気になって
なんどもなんども
塗師屋に電話をするので
藍子は
あきれて
「希、店が暇ならかえって
くるけ?」と
怒った。
「はい、すみません」
そこにガラス戸がとんとんと
なった。
あの、太ったお客さんが
新しいお客さんを連れて
きた。
朝子も、お子さんを連れて
きた。
やはり、あの時のケーキは
歩実の発熱騒動で作れなかった
らしい。
希は朝子に謝ったが
朝子は、自分も悪かったと
いって、マルジョレーヌを
注文した。
やっと、お昼になって希は
飛んで帰ってきた。
留守の間にあったことを
圭太は掲示板に書き込んだ。
二人ともちゃんとうんちが
出ていると希は喜んだ。
藍子は台所で直美に謝った。
希が強引に店を続けること
になったことだった。
「あんな頑固な子はみたこと
ないわ」
「それでも圭太君がよく支えて
くれて・・」
直美は圭太の話をした。
昔、圭太が熱を出したことを
見逃していたことがあった
という。
「そのことが悔やんで、息子の嫁には
そんな辛いことを経験して
欲しくないので・・・
最後まで店のことは反対する」と
直美は言った。
そして、藍子がやっている
作業に「そこは、違う」と言って
指示を出した。
夜になっても圭太は仕事をしていた。
「朝の仕事の分、残業になったね。
ごめんね」と希は言う。
「今だけや。そのうち
また楽になる」と圭太は言う。
希は店で作ったお菓子を
圭太に渡した。
それはクッサン・ド・リヨンと
言う南フランスのお菓子である。
「このお菓子はリヨンのクッションと
言う意味だけど人々の健康を
祈るという意味がある」と
希が言った。
圭太は上手いと食べた。
「この子たちと圭太と
家族がみんな健康で幸せで
ありますようにという
気持ちを込めたものだ」と
希は言う。
圭太は、もう一度名前を
きいた。
クッサン・ド・リヨンである。
翌日、店でのことだった。
店が軌道に乗ったらこれも出したい
あれも出したいと
希はいろいろ考えているが・・・
お客はなかなか増えない。
「店を閉めてもあけても
借金かえされないのではないか」と
ふみがいう。
「だからと言っても店は子供やから
一辺産んだものを
おなかの中に戻すことはできない。」
希が言うと
ふみは「大分たくましくなったな」と
いう、「育てるためには銭がいる
けどね」、といって
店の外に出た。
そのとき、観光にきたらしい
二人の若い男女が
「ここだ、ここだ」と
いってやってきた。
そして、店の中に入ると
「これだ、マルジョレーヌ!!!」と
声を上げた。
「二つ下さい」という。
「ありがとうございます。
お持ち歩きの時間はどのくらい
ですか」と聞くと
「車で二時間・・」というのだ。
金沢からきたという。
ふみは嬉しそうにその様子を見ていた。
また、次の客は
「これや~~~」といって
マルジョレーヌを注文する。
これを食べに来たという。
富山から来た
名古屋から来た
さまざまである。
「なしてこの店に?」
希が客に聞いた。
「この店のことが
ブログに乗っていたので
買いに来た」という。
「はたの みやこ」という人の
ブログだというのでみると
その人はあの日、産休にはいる
最後の日にやってきたお客だった。
女性のキャリアと出産育児が重なる
つらさをじっくりと聞いてくれて
自分も、なかなか決めきれない
事が多いと
つぶやいた人だった。
その人のブログに
希の店のことと
本格的フランス菓子
マルジョレーヌのことが乗って
いる。
写真もあった。
それをみて、各地から
希の店にやってくるのだった。
『能登の食材でアレンジした
本格的フランス菓子はわざわざ
食べに行く価値あり
「能登の空気とか匂いとかそういう
ものと一緒に食べるから
このお菓子はおいしい」
そうシェフは笑った。
シェフは産休後11月に店を再開する
といった。
その気概に私も勇気をもらった。
能登に素晴らしい店が生まれた。
どうか、大事に育ててください・・』
「生まれた・・・」
希はつぶやく
「世間様に知ってもらえたな・・」ふみがいう。
そこに圭太が後ろと前に
子供をせおって
抱いて
店にやってきた。
さんぽのついでだという。
「あ~~~
匠、
歩実~~~」
と希は
二人の子供にちかづいた。
少し涙が出た。
圭太は「どうした」と聞く。
「いいことがあった」と希が言う。
ふみは笑いながら見ていた。
そして、
2015年4月となった。
希の店は知るところとなって
繁盛していた。
本格的フランス菓子である。
あのころ考えていたケーキを
作っておいても
売れる。
クッサン・ド・リヨンもある。
子供たちは
小学生になっていた。
希の店に来て
クッサン・ド・リヨンを
食べる。
オープンから7年
希の店はようやく軌道に
乗り始めています。
ママさんパティシエの人生がどう転がって
いくのか
乞うご期待でございます。
******************
二人の子供たちは
小学生。
双子の男女というのは
こういう意味の目的を
設定にしたのかと
何気に思った。
つまり、
子供を育てることの
難しさを二人の子供で
強烈に表現して
いるのだと思った。
これからも、この子供たちが
さまざまなことで希に絡んで
くるだろうと思われる。
一人だったら、その点が弱かった
かもしれない。
一人の子供の育児さえも
大変であるのに、一度の二人
ストーリー上
男女と設定されているのは
お話に幅ができるので
わざわざ、この設定に
したことに納得した。
希が心を込めて自分の思い通り
の作りたいケーキを一つだけ
作ったことが功を奏した。
高いかもしれない。
高くても食べたいと
思ってもらうことが
希にとっての目標だった。
だから、妥協しない。
そんなケーキ作りを評価して
くれた数少ないお客さんのなか
にあの、都がいた。
彼女の発信したブログが
多くの読者の心をとらえて
希の店にやってくる。
ほんとうによかったと
思った。
努力は報われる。
それはフィクションだからかも
しれないけど
しかし
努力は
報われるものだと
わたしは
信じる。
