出産クッサンベイビー4
酔っぱらって夜中に帰って
来た圭太。
やっと寝かしつけた赤ん坊が
その音で泣いてしまい
希に怒られる。

その話を一徹に相談すると
「最初が肝心や」と
一徹が言う。
徹志が夜寝ないので
みのりに手伝ってほしいと
言われたとき
一徹は「眠たい」と
いって断った。

そのことを今もなお
ぐちぐちと
言われている。
一生言われるのかも
しれない。
でも、まだ圭太は巻き返しが
できるから頑張れと
アドバイスをした。
一徹はそれを記憶の上塗りという
。恥の上塗りってあるけど
記憶の上塗りって・・・
やばい記憶の上に
いい記憶をぬっていくと
やばい記憶が
消えてしまうという事か。

圭太は「塗るのは得意やから」と
分かったようなわからんような
ことを言う。

亜美はぱしっと圭太の頭を
たたいて、「馬鹿言ってないで
希さんを手伝いに行きなさい」と
いった。

藍子は希に一徹が子供の世話を
ずっとしていたので
何でもできるようになったと
いった。

「いいな~~~

安心だね、みのりも仕事に
戻っても。」

しかしみのりは仕事をやめて
子育てに専念したいと
思って
退職したらしい。

驚く希。
藍子は、「産んでみて大変だってこと
分かったと思うけど
店を三か月であけるのは早いのでは」と
いう。
「せっかくお客さんもついて
くれたことだし
長いこと休みたくない」と
希は言った。
そのうえ、ローンの返済も
ある。
「早く働かないと」とつぶやく。
そんな時、朝子がきた。
実は、ちょっと気のはった
客が来るので
ケーキを作って欲しいと
いう。
いつものケーキを
出してあげると
よろこぶやろなと
言う話をした。

希は、ちょっと
躊躇した。

「まだ、無理かな」と朝子が言う。

圭太は朝子がファンの一号と
いうので「大事にしないと」
といった。だから
自分が頑張るからケーキを作れという。

その日、希は早口で
圭太に、ミルクの与え方と
おしめの変えるタイミングを
伝授し
順番に泣くことも
おしえた。

「大丈夫だからいってこい」と
圭太が言う。
「楽しんで来いよ。」
希は「三時間で帰って来るから
なんかあったら
電話して」という。
一度は出て行ってまた帰ってきて
指示をして
いってくると言って
また、出て行って帰ってきて
また、気になることを
いって
出て行った。

希は久しぶりの店に感激した。
が、そんなことに浸っている
暇はない思った。

そして、あの、マルジョレーヌに
とりかかった。
久しぶりにチョコレートを
のばす・・
うれしかった。

圭太は双子の子守りに必死だった。
ふと眠くなって、子供たちの
そばで寝てしまった。
起きて子供を見て
カメラの修めた。

「あれ??」
歩実の様子がおかしい。

希は高志の歌をラジオで聞きながら
ふんふんと一緒に歌ってる
そのとき

希の携帯は鳴っていた。

すぐには気が付かない。

またなり始めた。

やっと気が付いて携帯をとった。

歩実が熱を出していると
いう。
病院へ連れて行くといって切った。
希はおどろいて病院へいった。

「圭太!!!歩実は?」
「検査中や。」

「ウイルス感染もあるので
匠も検査をしている」という。
希は気が気でない。

そこは直美がやってきた。

「あんたら何をしているの!!!」
怒っている。
「子供をほったらかして何がケーキや。」
「俺がやれって言うたんや!!!」
「今だけのことやないわいね」

直美は希の服をつかんでいった。

「なしてあんたは自分のことばっかし!!
母親やろ!!!

なして子ども最優先にできんかいね。」

「すみません・・・・」


歩実は点滴で眠っていた。
小さな入院患者だ。

圭太は「変わるさけ
おまえは一辺帰れ」といった。

「大丈夫や・・・・」

幸いにも大事に至らなかった
歩実だった。

歩実をだいて
病院の廊下で圭太と希。

圭太は希のせいではないと
なんどもいう。
「うちはお母さんなのよ。
怖かった、死んでしまうと思った。
ごめんね・・・・

ごめんね・・・・」

希は歩実に謝った。

希は家に帰った。
藍子は代わるから
休めと希に言った。

希は自分は母親失格だと
いった。
「たった三か月もまたれんと・・

子供から目を離した・・・・

子供よりケーキを優先させた。

うちは母親になる資格はなかった
のかもしれない。」

「そんな風に思うのなら
店をやめることだね。
こんな小さな命を預かる怖さ。
ちょっとの失敗で亡くしてしまう
かもしれない恐ろしさ。
みんな、こういう恐怖と戦っているのよ。
その程度の覚悟しかないから
やめなさい。
お母さん絶対反対や。」

希の心に大きく響いた。
******************
ちょっとしたことで大きな事故になって
手遅れになって
子供を亡くすことがある。
その恐怖を話す藍子。

しかし・・・
母親がずっとついていても
回避できないこともある。

母親だから何でも子ども勇戦
にしなければならないと
いう考え方は
かなり厳しい。
母親は
聖母ではない。
普通の人間である。
歩実が熱を出したのも
子供ならよくあることである。
気にすることはない。
それくらい、大きく構えないと。

その恐怖に打ち勝つことは
できない。

祖母がそうだった。
幼い藍子を残してパリに
修業にいった。
藍子は、母親に捨てられたと
思った。
わだかまりを抱えて
大きくなった。
だれも彼女の心を楽に
させてあげれなかったのか。
聖母が子供を捨てて
フランスへ行ったと
鬼のような母親だと
いったのであろう。
子供の心は傷つく。
希は子育てと
キャリアをどう選んで
いくのか。
どっちを選ぶというのは
楽である。

希という名前の女性は
おそらく、
どっちも選ぶだろうと
思う。
そして、ただでさえ
一人の子供を育てるのは
難しいなか、
あえて、双子を育てることを
選んでキャリアも選ぶことに
なる点で、希な女性と
言う話になるのかもしれないと
思ったけど・・・・。

だから子供は双子なのかな?