出産クッサンベイビー1
希の店プチソルシエールのオープン
から一か月半がすぎました。
まだ儲けはほとんど出ていない
状態でございますが・・
あの朝子が
友人を連れてきてくれた。
マルジョレーヌがおいしいと
友人に紹介してくれた。
「この店つぶれたら
こまるさけあんた買って
欲しい」と朝子が言う。
友人は「それなら三個下さい」と
注文してくれた。
朝子はすっかり希のファンに
なっていて
「他にもこんなフランスのお菓子
を作れるのか」と聞く。
「はい」というと
「食べてみたいわ~~~~~~」と
いった。
朝子は「能登かぼちゃのプリンも
おいしい」という話をして
くれた。
すこしずつ、着実に希のケーキの
ファンが増えてきて
います。
友人は
ちょっと太めなのだけど
「ダイエットは明日からね」といった。
店をやり始めてあまり寝ていないし
食べていない希は
たまにふらっとくる。
2008年の正月、
希はがんばっておせちを作った。
「店はいつからあけるのか」と
圭太が言う
「明日からよ」というと
圭太は「朝市もやってないのに
あした???」という。
明日とは2日である。
「間違ってきた観光客狙いだ」と
希は言った。
根性である。
他がやっていないときに
働くと何かあるかもしれないと
期待できる。
圭太は希の健康を心配した。
休んでないからである。
弥太郎さんは新年のあいさつの後
かなえさんと初詣にいった。
そのうちかなえさんと
再婚かなという話のあと
希は
立ちくらみをした。
藍子は、写真の徹に
新年のあいさつをした。
一徹はその姿を見ていた。
「お母さん、ねえちゃんたちが
来たよ。」
「今行くわ。」
藍子のもとには
みのりと産んだ子供、真人
久美、そして
希と圭太が
きていた。
みのりは、安産だった。
赤ん坊もおとなしい子だと
久美が言う。
「ジャガイモをずっと食べていたから
かな」と
みのりがいう。
藍子は圭太と希に
挨拶をした。
そういえば赤ん坊の名前は
徹志という。
一徹はあれほど嫌っていたが
みのりがどうしても徹の
一字をいれたいといった。
神棚に祭られているのはゴルフボール
だった。
陣痛の間、ずっと一徹が
それでツボを押してくれていたらしい。
みのりはそのおかげで
出産の痛みが楽になったと
いった。
みのりは一子がネットでコラムを担当
している話に切り替えた。
出産のツボの話は深くなると
めんどうくさくなるのだろうか。
「一子はすごい」と希は言う。
コラムのお題は
「両方選べば付けが来る」
という。
「人生は優先順位をつけないと
あとでとんでもないことが起きる」という
話しらしい。
その時希はふとめまいがした。
「両方は無理だよ、
筆者は昔心の姉貴に
言われたことがあった・・・」
「これってマキちゃんのことよね。」
とみのり。
そこに元冶さんたちが
鬼の格好をして
やってきた。
「悪い子はおらんか
ナマケモノはおらんか」
「ふみは、やめんかいね
おとうさん・・・」
と大騒ぎをしていたが
希は、先ほどのめまいが
本格的になって
倒れてしまった。
「どうしたんだ?」
圭太はびっくりした。
「ずっと無理していたから
ケーキばっかし食っていたし」
という。
元冶は「ほんならジャガイモ」と
差し出した。
「それも違いうだろ?」
「救急車だ!!」
と
大騒ぎになった
希はジャガイモをみて
手に取って食べた。
「うまい!!!」
「ジャガイモがうまい?」
ふみがいう。
「おったな、じゃがいもばっかり
くってたひとが・・・」と一徹
がいう。
「希ちゃん、それってもしかしたら」
とみのりがいう。
『おめでた!!!!!!』
という場面はなしで
圭太が動物園の熊のように
なって、部屋の中を
丸く歩いている。
これは博之もその傾向が
あったような気がする。
イライラすると博之も
そうなった。
圭太は希からの連絡を待って
いたが、なかなか携帯にかかって
こないので
いらいらして
歩いているのだ。
弥太郎が、「一緒にいったらよかった
のに」というが
「間違っていたら恥ずかしいから」と
希に言われて自宅待機となった。
「ああ~~もう!!!!」
圭太の怒りが頂点になりつつあるとき
希が呆然として帰ってきた。
「なんで、連絡しないのか」とか
「どうだった?」
と聞いても
希は呆然としている。
「どうした???」
と、圭太は質問ばかり。
「違ったのか?」
「しとった。
妊娠。。。」
「マジか」
だからケーキばかり食べていたから
貧血になっていたという
「予定は8月」
「8月!」
「もうじき3か月・・・」
「3か月!」
「双子」
「双子・・・・・」
圭太は希からもらった病院からの
書類を見て
母子手帳が二冊あるのに
疑問を持たなかったのか・・
確かに二冊ある。
「ああああ???双子???」
驚く圭太。
おなかのなかの写真が二枚。
双子の写真である。
「ほうねん、こどもや
二人もここにおる・・」
圭太は喜んで希を抱き上げて
ふりまわした。
「おなか・・おなか・・」
と希が言う。
「それで圭太
店どうしよう?
始めたばかりやのに・・
パティシエに戻ったばかりやのに
借金があるのに・・
もし休んだら
つぶれる!!!」
大きな問題である。
「おちつけ
おちつけ!!
双子やぞ」
「双子」
「かわいさも倍
喜びも倍
しあわせも倍
全部倍!!!
金は俺が何とかするから」
圭太は弥太郎に報告にいった。
「ああ?双子???」
弥太郎の驚く声がした。
塗師屋の関係者
弥太郎、直美
藍子、井田、亜美・・の
全員が集まった
昼飯の時間、その話で
もちきりだった。
「やるっすね、お二人さん」と
亜美が言う。
「紺谷弥太郎の跡継ぎは二人や」と
弥太郎が言うが
まだ、男か女か
わかっていない。
直美は「おめでとう」と
いう。
井田は「希ちゃんの店はどうする」と
聞く。
「半年以上休んだら
借金返せないから
産む前に三か月
産んでから三か月
休んで・・・」
直美は
「反対だ」という。
藍子も「心配だ」という。
亜美も圭太が協力することと
自分も協力することを
訴える。
直美は心配で
「店をやめてほしい」という。
「取り返しのつかないことに
なったら・・・」と真剣に
希にいうが。
圭太は、「どうにかなる」と
いって、双子が生まれてくるのを
名前を考えたり
とても、うれしそうだった。
****************
お店がやっと軌道に乗りかけている。
あれほど苦労したことが
ここで中断となるのかと
希はそれを悩む。
希は一人ではない。
きっと、なんとかなる・・と
思う。
パティシエは激務である。
立ち仕事だから・・・。
力もいるし。
しばらくは、焼き菓子で
つないでいくしかないかもしれない。
私もお産はしたけど
じゃがいもってつわりの時に
そんなにおいしいのかと
不思議である。
聞いたことはない。
だけど、いままで絶対
絶対、食べることはないと
思っていた
ナットウが
食べたくなって・・・
しかも
ナットウ巻が
欲しくて
欲しくて
そんな人はきっといると思います。
そして
我が家では
ただひとり
ナットウが食べれる
人となりました。
双子は
満期産まで持たないと
思いますよ。
二人いますから
あれが一人だと思えば
そうでしょ?
3000グラムそこそこを産むのに
やっとのことだけど
二人いると
絶対合わせて
5000グラムには早々となると
思いますので
8月が予定日???
お話の筋からすると
希と徹の誕生日が
8月10日なので
この日ではないかと思います。
現実は、6月ごろに
早産で生まれるのではと
思いますけど。
でも、フィクションとはいえ
双子は本当におめでたいと
思います。
能登の心優しい
時にはうざいほど
おせっかいな
人と人とのつながりが
あれば
双子を出産して
育児をしながら
働くという事は
無理ではないと
思います。
大勢の人の手と
愛情が
なければ
できない
育児ですね。
希の店プチソルシエールのオープン
から一か月半がすぎました。
まだ儲けはほとんど出ていない
状態でございますが・・
あの朝子が
友人を連れてきてくれた。
マルジョレーヌがおいしいと
友人に紹介してくれた。
「この店つぶれたら
こまるさけあんた買って
欲しい」と朝子が言う。
友人は「それなら三個下さい」と
注文してくれた。
朝子はすっかり希のファンに
なっていて
「他にもこんなフランスのお菓子
を作れるのか」と聞く。
「はい」というと
「食べてみたいわ~~~~~~」と
いった。
朝子は「能登かぼちゃのプリンも
おいしい」という話をして
くれた。
すこしずつ、着実に希のケーキの
ファンが増えてきて
います。
友人は
ちょっと太めなのだけど
「ダイエットは明日からね」といった。
店をやり始めてあまり寝ていないし
食べていない希は
たまにふらっとくる。
2008年の正月、
希はがんばっておせちを作った。
「店はいつからあけるのか」と
圭太が言う
「明日からよ」というと
圭太は「朝市もやってないのに
あした???」という。
明日とは2日である。
「間違ってきた観光客狙いだ」と
希は言った。
根性である。
他がやっていないときに
働くと何かあるかもしれないと
期待できる。
圭太は希の健康を心配した。
休んでないからである。
弥太郎さんは新年のあいさつの後
かなえさんと初詣にいった。
そのうちかなえさんと
再婚かなという話のあと
希は
立ちくらみをした。
藍子は、写真の徹に
新年のあいさつをした。
一徹はその姿を見ていた。
「お母さん、ねえちゃんたちが
来たよ。」
「今行くわ。」
藍子のもとには
みのりと産んだ子供、真人
久美、そして
希と圭太が
きていた。
みのりは、安産だった。
赤ん坊もおとなしい子だと
久美が言う。
「ジャガイモをずっと食べていたから
かな」と
みのりがいう。
藍子は圭太と希に
挨拶をした。
そういえば赤ん坊の名前は
徹志という。
一徹はあれほど嫌っていたが
みのりがどうしても徹の
一字をいれたいといった。
神棚に祭られているのはゴルフボール
だった。
陣痛の間、ずっと一徹が
それでツボを押してくれていたらしい。
みのりはそのおかげで
出産の痛みが楽になったと
いった。
みのりは一子がネットでコラムを担当
している話に切り替えた。
出産のツボの話は深くなると
めんどうくさくなるのだろうか。
「一子はすごい」と希は言う。
コラムのお題は
「両方選べば付けが来る」
という。
「人生は優先順位をつけないと
あとでとんでもないことが起きる」という
話しらしい。
その時希はふとめまいがした。
「両方は無理だよ、
筆者は昔心の姉貴に
言われたことがあった・・・」
「これってマキちゃんのことよね。」
とみのり。
そこに元冶さんたちが
鬼の格好をして
やってきた。
「悪い子はおらんか
ナマケモノはおらんか」
「ふみは、やめんかいね
おとうさん・・・」
と大騒ぎをしていたが
希は、先ほどのめまいが
本格的になって
倒れてしまった。
「どうしたんだ?」
圭太はびっくりした。
「ずっと無理していたから
ケーキばっかし食っていたし」
という。
元冶は「ほんならジャガイモ」と
差し出した。
「それも違いうだろ?」
「救急車だ!!」
と
大騒ぎになった
希はジャガイモをみて
手に取って食べた。
「うまい!!!」
「ジャガイモがうまい?」
ふみがいう。
「おったな、じゃがいもばっかり
くってたひとが・・・」と一徹
がいう。
「希ちゃん、それってもしかしたら」
とみのりがいう。
『おめでた!!!!!!』
という場面はなしで
圭太が動物園の熊のように
なって、部屋の中を
丸く歩いている。
これは博之もその傾向が
あったような気がする。
イライラすると博之も
そうなった。
圭太は希からの連絡を待って
いたが、なかなか携帯にかかって
こないので
いらいらして
歩いているのだ。
弥太郎が、「一緒にいったらよかった
のに」というが
「間違っていたら恥ずかしいから」と
希に言われて自宅待機となった。
「ああ~~もう!!!!」
圭太の怒りが頂点になりつつあるとき
希が呆然として帰ってきた。
「なんで、連絡しないのか」とか
「どうだった?」
と聞いても
希は呆然としている。
「どうした???」
と、圭太は質問ばかり。
「違ったのか?」
「しとった。
妊娠。。。」
「マジか」
だからケーキばかり食べていたから
貧血になっていたという
「予定は8月」
「8月!」
「もうじき3か月・・・」
「3か月!」
「双子」
「双子・・・・・」
圭太は希からもらった病院からの
書類を見て
母子手帳が二冊あるのに
疑問を持たなかったのか・・
確かに二冊ある。
「ああああ???双子???」
驚く圭太。
おなかのなかの写真が二枚。
双子の写真である。
「ほうねん、こどもや
二人もここにおる・・」
圭太は喜んで希を抱き上げて
ふりまわした。
「おなか・・おなか・・」
と希が言う。
「それで圭太
店どうしよう?
始めたばかりやのに・・
パティシエに戻ったばかりやのに
借金があるのに・・
もし休んだら
つぶれる!!!」
大きな問題である。
「おちつけ
おちつけ!!
双子やぞ」
「双子」
「かわいさも倍
喜びも倍
しあわせも倍
全部倍!!!
金は俺が何とかするから」
圭太は弥太郎に報告にいった。
「ああ?双子???」
弥太郎の驚く声がした。
塗師屋の関係者
弥太郎、直美
藍子、井田、亜美・・の
全員が集まった
昼飯の時間、その話で
もちきりだった。
「やるっすね、お二人さん」と
亜美が言う。
「紺谷弥太郎の跡継ぎは二人や」と
弥太郎が言うが
まだ、男か女か
わかっていない。
直美は「おめでとう」と
いう。
井田は「希ちゃんの店はどうする」と
聞く。
「半年以上休んだら
借金返せないから
産む前に三か月
産んでから三か月
休んで・・・」
直美は
「反対だ」という。
藍子も「心配だ」という。
亜美も圭太が協力することと
自分も協力することを
訴える。
直美は心配で
「店をやめてほしい」という。
「取り返しのつかないことに
なったら・・・」と真剣に
希にいうが。
圭太は、「どうにかなる」と
いって、双子が生まれてくるのを
名前を考えたり
とても、うれしそうだった。
****************
お店がやっと軌道に乗りかけている。
あれほど苦労したことが
ここで中断となるのかと
希はそれを悩む。
希は一人ではない。
きっと、なんとかなる・・と
思う。
パティシエは激務である。
立ち仕事だから・・・。
力もいるし。
しばらくは、焼き菓子で
つないでいくしかないかもしれない。
私もお産はしたけど
じゃがいもってつわりの時に
そんなにおいしいのかと
不思議である。
聞いたことはない。
だけど、いままで絶対
絶対、食べることはないと
思っていた
ナットウが
食べたくなって・・・
しかも
ナットウ巻が
欲しくて
欲しくて
そんな人はきっといると思います。
そして
我が家では
ただひとり
ナットウが食べれる
人となりました。
双子は
満期産まで持たないと
思いますよ。
二人いますから
あれが一人だと思えば
そうでしょ?
3000グラムそこそこを産むのに
やっとのことだけど
二人いると
絶対合わせて
5000グラムには早々となると
思いますので
8月が予定日???
お話の筋からすると
希と徹の誕生日が
8月10日なので
この日ではないかと思います。
現実は、6月ごろに
早産で生まれるのではと
思いますけど。
でも、フィクションとはいえ
双子は本当におめでたいと
思います。
能登の心優しい
時にはうざいほど
おせっかいな
人と人とのつながりが
あれば
双子を出産して
育児をしながら
働くという事は
無理ではないと
思います。
大勢の人の手と
愛情が
なければ
できない
育児ですね。
