復活マルジョレーヌ5
現れた男は
浅井だった。
「全然お客さんがいないじゃ
ないですか。」
シェフに言われて
ようすを見に来たという。
浅井はショーケースを見ながら
いった
「朝市と言っても裏通りなんですね。
全然人がいないし。
これは無理でしょう~~。
大事な戦力である僕を
ですよ。
応援によこすくらいだから
怒っているわけないじゃないですか。」
真人がじっと浅井を見ながら
いった。
「おまえ、さっきからなんか
むかつくわいね」
一子は
「ほんならシェフに相談してみたら
どう?」という
電話をすると
「しるかっ!!
おまえはもう俺の商売敵だ。
誰が教えるものか」
といって、切った。
浅井は、意に返さずおしゃべりを
する。
「能登はいいところですね。
魚とか
うまそうだったな~~~」
慎一郎はうれしそうに
「そうだ、能登の魚は
最高だ」という。
真人は
「こいつ、応援じゃなくて
厄介払いされたんじゃ
ないか?」という。
いろんな思惑が交錯するが
気にせずマイペースな
浅井だった。
とにかく、おもいっきり赤字に
なってしまった店をどうするか?
が、問題だった。
売れ残ったケーキは
夕飯の食事の代わりに希の胃袋に入った。
圭太は栄養を気にするが
もったいないと希が言う。
浅井は、おいしいといって
魚を食べる。
お替りまでする。
翌日
「どうけ、うれたけ?」
とふみがやってくる。
「観光客が二人
休憩がてらに
食べて行っただけですよ」
と、浅井が言う。
地元のお客はゼロ。
ふみが「ひとつもらうかな」という。
レーヌデフレーズがイチゴのケーキ。
「どれもようわからんからどれでもいい」
とふみがいう。
一子は、「名前もフランス語でなくて
もいいのでは?」と
いう。
「わかりやすく、日本語で」というが
本場を意識する希は
フランス語でという。
みのりが入ってきて
「店は大丈夫か」と聞く。
大変なんだと希が言うと
「融資の査定が甘かった」と
みのりが言う。
「借金の返済はちゃんとして
や・・」と
キチンとくぎを刺した。
「塩の代金もな」
とふみ
「僕のバイト代もありますしね」
と浅井
売れないものだからケーキばかり
くっていて希は気持ちが悪くなった。
藍子は心配した。
だからといって誰も何もできない。
一徹も心配する。
元冶はケーキを10個というが
ふみは何もできないといった。
塗師屋のおやつは毎日
売れ残ったケーキとなり
あまり歓迎されなくなった。
赤字となったことで
希は逆上した。
「お父さんみたいになる!!!
失踪ものだ。」
「値段を下げたらどうなの?」
「それだけはできない」という。
「毎日のおやつになるような
値段にならないと」と
一子が言う。
「高くてもいいものだったら
いつか人はきてくれる。」
希はそういうと
一子は「来てくれるいつかの前
に、店がつぶれるから」という。
圭太はそっと外から
店の中を見ていた。
圭太は気分転換に希を散歩に
連れ出した。
毎日ケーキしか食べてないからと
おにぎりを作ってくれた。
希はいつもぶち当たる問題があるという。
作りたいケーキと
お客さんが食べたいケーキ
がちがっている場合は
どうするのかという事だった。
職人はその答えを探して
物作りをしているのではないのかと
圭太は言う。
希も納得している。
「俺は好きなもんしか作らないけどね。」
「巨匠かいね。
人間国宝か?」
「おまえ、ひとが早起きして
おにぎりを作ったのに。」
「うちは、岩のりのおにぎりがすき
やねん。
後お茶は?のどが詰まるわいね。」
「返せ!!」
「うそや」
「返せよ」
「冗談や。」
おにぎりを取り合いになったとき
圭太は希にキスをした。
そして、おにぎりを取り上げて
「やっぱり俺が食べる」と言って
食べた。
希は久しぶりに笑った。
圭太の背中に乗って
おんぶの状態で話をした。
「ケーキの値段を下げると決めた」という。
「せっかく開いた店をつぶすわけには
行かないから。」
「そのかわりに
ひとつだけ
妥協しないで
作りたいケーキを作るから」
という。
徹底的にこだわったケーキを
つくからといった。
圭太もうなずいた。
希は元気になって店に戻った。
そして、徹底的にこだわった
ケーキ作りを始めた。
技術も確かなものでなければ
ならない。何度も作り直した。
『本格フランス菓子
アット、能登
風光明媚な能登半島
新鮮な魚介や伝統工芸を
堪能したあとに
ふらりとはいった裏通りの
ひなびた店。
そこであなたを待つのは
伝統的なフランス菓子の修業を積んだ
魔法のパティシエ。
とろける舌触り
奇跡のようなおいしさ
パリのパティスリーに迷い込んだ
ような空間で
あなたは思いもよらない
本場スランスの味に出会負うだろう!
希
世界一の
パティシエになれよ』
その日の夜、希は帰ってこなかった。
一晩あけて
希は
「できた・・・・・」
と声を上げた。
浅井もいた。
「できましたか?」
「はい。」
「よかった。
シェフに言われていたのですよ
そろそろ行き詰っている頃だから
行って来いって
あいつが腹をくくったら
帰って来いって。」
希は、はっとした。
「頑張ってくださいね。
また来させられるのは
嫌ですから。」
「はい!」
浅井は「疲れた~~
つかれた~~」といいつつ
よろよろしながら
店を後にした。
希はその姿を見送った。
「ありがとうございました。」
深々と頭を下げた。
****************
ドランクドラゴン
初のツーショット場面と
なりました。
からみがいまいちですね。
ドランクドラゴンって
こういう感じだったのかも
しれませんが。
浅井のマイペースさと無責任
さは、悩む希にとって
毒なのか
くすりなのか
わかりませんが
確かにあの変わり者のシェフ
の弟子だと思います。
浅井を遣わしたのは
厄介払いかもしれませんが
それは冗談として
弥生さんが浅井の代わりができる
のだろうと想像しますし
スーシェフがいるということも
わかっていますので
一番、フットワークが軽く
浅井は希が何もわからないとき
からかかわった人物
という事で
遣わしたのではと思います。
原点に戻れ!みたいな。
希は、やっと、自分の原点を
作ろうと思ったのでしょう。
こんなものも作れますよと
いって、4種類のケーキを
作って見せましたが
単価が高いことと
能登の人たちにはあまり
珍しくない材料だった
こともあって
二週間で興味がうすれたということ
ではないのかと思います。
横浜では物価が高いから
一個450円のケーキだって
売れるでしょうが。
単価を下げる決意をした希。
でも、そのかわりに
パティシエとしての
自分の誇りをかけて
徹底的にこだわった
ケーキを作ること。
これはお客さんにこびる
のではなく、わかる人は
わかるだろうという
希のプライドですね。
売れるケーキを作るのか
作りたいケーキを作るのか
どっちではなく、どっちも
とった希の今後が楽しみです。
で、気持ち悪くなったと
いうのは
つわり???
ではないの???
現れた男は
浅井だった。
「全然お客さんがいないじゃ
ないですか。」
シェフに言われて
ようすを見に来たという。
浅井はショーケースを見ながら
いった
「朝市と言っても裏通りなんですね。
全然人がいないし。
これは無理でしょう~~。
大事な戦力である僕を
ですよ。
応援によこすくらいだから
怒っているわけないじゃないですか。」
真人がじっと浅井を見ながら
いった。
「おまえ、さっきからなんか
むかつくわいね」
一子は
「ほんならシェフに相談してみたら
どう?」という
電話をすると
「しるかっ!!
おまえはもう俺の商売敵だ。
誰が教えるものか」
といって、切った。
浅井は、意に返さずおしゃべりを
する。
「能登はいいところですね。
魚とか
うまそうだったな~~~」
慎一郎はうれしそうに
「そうだ、能登の魚は
最高だ」という。
真人は
「こいつ、応援じゃなくて
厄介払いされたんじゃ
ないか?」という。
いろんな思惑が交錯するが
気にせずマイペースな
浅井だった。
とにかく、おもいっきり赤字に
なってしまった店をどうするか?
が、問題だった。
売れ残ったケーキは
夕飯の食事の代わりに希の胃袋に入った。
圭太は栄養を気にするが
もったいないと希が言う。
浅井は、おいしいといって
魚を食べる。
お替りまでする。
翌日
「どうけ、うれたけ?」
とふみがやってくる。
「観光客が二人
休憩がてらに
食べて行っただけですよ」
と、浅井が言う。
地元のお客はゼロ。
ふみが「ひとつもらうかな」という。
レーヌデフレーズがイチゴのケーキ。
「どれもようわからんからどれでもいい」
とふみがいう。
一子は、「名前もフランス語でなくて
もいいのでは?」と
いう。
「わかりやすく、日本語で」というが
本場を意識する希は
フランス語でという。
みのりが入ってきて
「店は大丈夫か」と聞く。
大変なんだと希が言うと
「融資の査定が甘かった」と
みのりが言う。
「借金の返済はちゃんとして
や・・」と
キチンとくぎを刺した。
「塩の代金もな」
とふみ
「僕のバイト代もありますしね」
と浅井
売れないものだからケーキばかり
くっていて希は気持ちが悪くなった。
藍子は心配した。
だからといって誰も何もできない。
一徹も心配する。
元冶はケーキを10個というが
ふみは何もできないといった。
塗師屋のおやつは毎日
売れ残ったケーキとなり
あまり歓迎されなくなった。
赤字となったことで
希は逆上した。
「お父さんみたいになる!!!
失踪ものだ。」
「値段を下げたらどうなの?」
「それだけはできない」という。
「毎日のおやつになるような
値段にならないと」と
一子が言う。
「高くてもいいものだったら
いつか人はきてくれる。」
希はそういうと
一子は「来てくれるいつかの前
に、店がつぶれるから」という。
圭太はそっと外から
店の中を見ていた。
圭太は気分転換に希を散歩に
連れ出した。
毎日ケーキしか食べてないからと
おにぎりを作ってくれた。
希はいつもぶち当たる問題があるという。
作りたいケーキと
お客さんが食べたいケーキ
がちがっている場合は
どうするのかという事だった。
職人はその答えを探して
物作りをしているのではないのかと
圭太は言う。
希も納得している。
「俺は好きなもんしか作らないけどね。」
「巨匠かいね。
人間国宝か?」
「おまえ、ひとが早起きして
おにぎりを作ったのに。」
「うちは、岩のりのおにぎりがすき
やねん。
後お茶は?のどが詰まるわいね。」
「返せ!!」
「うそや」
「返せよ」
「冗談や。」
おにぎりを取り合いになったとき
圭太は希にキスをした。
そして、おにぎりを取り上げて
「やっぱり俺が食べる」と言って
食べた。
希は久しぶりに笑った。
圭太の背中に乗って
おんぶの状態で話をした。
「ケーキの値段を下げると決めた」という。
「せっかく開いた店をつぶすわけには
行かないから。」
「そのかわりに
ひとつだけ
妥協しないで
作りたいケーキを作るから」
という。
徹底的にこだわったケーキを
つくからといった。
圭太もうなずいた。
希は元気になって店に戻った。
そして、徹底的にこだわった
ケーキ作りを始めた。
技術も確かなものでなければ
ならない。何度も作り直した。
『本格フランス菓子
アット、能登
風光明媚な能登半島
新鮮な魚介や伝統工芸を
堪能したあとに
ふらりとはいった裏通りの
ひなびた店。
そこであなたを待つのは
伝統的なフランス菓子の修業を積んだ
魔法のパティシエ。
とろける舌触り
奇跡のようなおいしさ
パリのパティスリーに迷い込んだ
ような空間で
あなたは思いもよらない
本場スランスの味に出会負うだろう!
希
世界一の
パティシエになれよ』
その日の夜、希は帰ってこなかった。
一晩あけて
希は
「できた・・・・・」
と声を上げた。
浅井もいた。
「できましたか?」
「はい。」
「よかった。
シェフに言われていたのですよ
そろそろ行き詰っている頃だから
行って来いって
あいつが腹をくくったら
帰って来いって。」
希は、はっとした。
「頑張ってくださいね。
また来させられるのは
嫌ですから。」
「はい!」
浅井は「疲れた~~
つかれた~~」といいつつ
よろよろしながら
店を後にした。
希はその姿を見送った。
「ありがとうございました。」
深々と頭を下げた。
****************
ドランクドラゴン
初のツーショット場面と
なりました。
からみがいまいちですね。
ドランクドラゴンって
こういう感じだったのかも
しれませんが。
浅井のマイペースさと無責任
さは、悩む希にとって
毒なのか
くすりなのか
わかりませんが
確かにあの変わり者のシェフ
の弟子だと思います。
浅井を遣わしたのは
厄介払いかもしれませんが
それは冗談として
弥生さんが浅井の代わりができる
のだろうと想像しますし
スーシェフがいるということも
わかっていますので
一番、フットワークが軽く
浅井は希が何もわからないとき
からかかわった人物
という事で
遣わしたのではと思います。
原点に戻れ!みたいな。
希は、やっと、自分の原点を
作ろうと思ったのでしょう。
こんなものも作れますよと
いって、4種類のケーキを
作って見せましたが
単価が高いことと
能登の人たちにはあまり
珍しくない材料だった
こともあって
二週間で興味がうすれたということ
ではないのかと思います。
横浜では物価が高いから
一個450円のケーキだって
売れるでしょうが。
単価を下げる決意をした希。
でも、そのかわりに
パティシエとしての
自分の誇りをかけて
徹底的にこだわった
ケーキを作ること。
これはお客さんにこびる
のではなく、わかる人は
わかるだろうという
希のプライドですね。
売れるケーキを作るのか
作りたいケーキを作るのか
どっちではなく、どっちも
とった希の今後が楽しみです。
で、気持ち悪くなったと
いうのは
つわり???
ではないの???
