復活マルジョレーヌ2
必要経費が1000万円とわかって
希は悩んだ。
なんとか節約をしても
600万円。
希の貯金と圭太の貯金を
あわせて100万円あると
圭太がいうが
希はそれは遠慮するという。
希の貯金はもともと横浜に
いたとき圭太が送ってくれた
生活費である。
どうしたらいいのかと悩むが
圭太は「銀行に借りたらどうか」と
いう。
借金である。
「いやや、無理無理無理無理!!
借金は人生を狂わすよ
自己破産をして
破滅への人生や」
圭太は「お父さんを見ているから
そう思うだけで
商売を始めるには
銀行に借りるのが
普通や、無茶をしなかったら
大丈夫だ。」
というが
借金である・・・
あけてもくれても
希は借金のことばかり
考えていた・・
それゆえ、女将として働いて
も、失敗ばかりしていた。
「借金は
失踪・・・
心中・・・」
桶作家ではその話を藍子が
した。
「600万円だったら
うちが出してもいいけど」と
一徹が言う。
藍子は「兄弟でも駄目だ」と
いった。一徹にはあたらしい
家族ができることもある。
みのりは「あの慎重な希ちゃんが
借金をしても店を出すのか・・
本気なんやね」と
つぶやいた。
元冶は
「みせは徹がおいていった
夢やから」という。
希は
一人でじっくりと考える。
『希、
世界一の
パティシエに
なれよ』
希はそれを読んで
圭太に言った。
「圭太さん・・・」
「はい・・」
「ぎりぎりまでけずって
必要なお金は
500万円。
圭太さんと
うちの貯金を引いて
400万
これを
し・・・
し・・・」
「がんばれ」
「しゃ・・・・
借・金・
させていただいても
よろしいでしょうか?」
「はい・・・」
希は嬉しく思った。
そのころ
高志が桶作家に現れた。
ふみは「能登のロックシンガー!」
と呼んだ。
「希は?」と高志が聞く。
「希は塗師屋だろが?
いないのか?
だったらここにくるかも。
上がって待ってろ」という。
ふみは「ところてんを食うか」と
聞く。
「この間のテレビは
皆と見たよ」と
ふみはいう。
もともと高志は話をしないので
みんな、勝手に話しをする。
「高志の後にでたあの歌手は
何という歌手だったか
本物のイケメンか?
テレビだから
修正しているのか?」
と聞く。
高志は無言で必死で
「本物のイケメンやワイネ」
といったが・・・
通じない。
「そうか、修正してるのか。
みのりがいなくても
話は通じるもんやな・・・」
不思議なところで納得する
ふみだった。
高志は駄目だと思って
でていった。
「はい、おまたせ・・」
高志はいない・・・
「高志~~~??」
藍子が帰ってきた。
「どしたんけ?」と聞く。
「高志が来たけど
消えてしもた。
ところてん食うけ?」
「うん。」
藍子は、警察に徹の情報を
聞きに行っていた。
目撃情報はないという。
「今度ばっかりはもう帰ってこない
かもしれんね。根性なしだけど
いっぺん決めたことは
実行するから。」
と明るく言った。
ふみはそれを見抜いていて
「気持ちを隠して何事も
無いような言い方
をするんじゃないよ」と
いう。
塗師屋では
亜美たちが
高志を厚くむ歓迎していた。
圭太が
高志に声をかける。
「希は?」と高志が聞く。
圭太は「希は銀行に借金の
相談に言っている」と
いう。
その時希が帰ってきた。
暗い顔をしている。
「どうやった?」
圭太が聞く。
黙っているので
「だめやったか」と
いう。
まんで食堂で
一子以外の友人たちが
集まった。
希の借金の話で
厳しいなという。
一徹は「商売だから借金というより
融資なんだけど、実績のない
個人事業主はそう簡単に
貸してもらわれんわ・・・」と
いった。
希は
テーブルに顔をつけてがっかりした。
高志が背中をたたいた。
携帯が鳴った。
高志の、である。
が、彼はでない。
「何ででないのか」と一徹が
いうが・・・
またしばらくして
高志の携帯がなる。
「でなくていい」と高志は
いうが・・
「しつこいな、誰だ?」と
洋一郎。
そこに洋一郎の携帯が鳴った。
何と一子だった。
高志が失踪したと
ネットのニュースに出ているという。
その高志はここにいると
洋一郎が言う。
どうやら、さきほどのしつこい
電話は、事務所らしい。
「なんかあったんけ?」と
希が聞く。
「仕事が嫌になったの?」
なぜここにいるのか
理由がわからないと
みんないう。
「はいはい、あの高志がメジャー
デビューだから
プレッシャーとストレス
で逃げてきたのでは?」と
一子が言う。
「みんな、マスコミから
守ってあげてよ」と
いちこ。
高志は帰って行った。
塗師屋で圭太と希、みのりと
一徹がお茶を飲む。
「大丈夫かね?高志。」
希がいう。
「一子の言う通り
高志はそっとしておいた
ほうがいいかもね」と
と希は言った。
みのりは昔から
高志の気持ちがわかっているが
いま、あまりわからなくなっていると
いう。
一徹は希の店の計画書を見ていた。
「なんで、融資に農協が
入ってないの」かと
聞く。
「材料など、地元の農産物を使えば
農協でも融資ができる」と
一徹が言う。
希は、材料を能登で調達すれば
農協で借りれるんだと
喜んだ。
農協に相談に行くことになったが
みのりは
「そんなに簡単じゃないよ」と
いった。
「うちには融資の鬼がおるさけね。」
「融資の鬼?」
希は驚いた。
どんな鬼なんだろう。
翌日
緊張して農協に出向いた。
「13時に約束の紺谷です!!!」
「希ちゃん、こっち」と
応接室にみのりが案内した。
そこには中年の男性がいた。
「どうぞ、おかけください。
朝市でケーキ屋さんを開き
たいとか。
どのようなお店をお考えですか。」
「はい、フランスの田舎にあるような
お店で
入った瞬間に・・・
ふわっとお菓子のにおいと
・・・」
みのりは
書類をばたっととじて
「妄想はそこまでで
結構です」という。
「夢物語にお金は出せません。
具体的なプランをお聞かせいただけ
ますか?」みのりがきっぱり
といった。横から
「ごめんえうちには
融資の鬼がおるさけ」
と、先ほどの男性が言う。
融資の鬼とは
みのりのことだった。
「貸付担当の津村です。」
みのりは
ぽんと
名刺を置いた。
なんと
手荒な・・・・。
「本場の味を伝えたいという
コンセプトはわかりました。
そのための経営プランをご説明
下さい!」
「まずひとつめは
朝市に合わせて
午前中だけの営業を」
「ベーカリーならともかく
パティスリーが
朝から需要がありますか?」
「食べていただければ
わかります。」
能登のくりで作った
モンブランを出した。
先ほどの男性は
「おいしい~~~」と
うれしそうにいった。
「これが480円ですか。
高くないですか。
原価率もあと10%下げてください。」
卵も生クリームも
こんなに高級な食材をつか
っているのは無駄だと
みのりはいうが
希は材料費は削れないと
いった。
おいしいものを作るには材料
代は高くなる。
「それなら、利益率の高い
焼き菓子にされたらどうですか?」
みのりは譲らない。
「詳しいですね・・・」
「今は移動販売やネットショップなど
少ない資金で開業できる道は
他にもあります。
テンポにこだわるなら
それなりの根拠をきちんと示して
下さい!
でなければ融資はできません!!
次のかたどうぞ!!!」
みのりの反撃はすきがない。
希は書類を片付けて
退散した。
***************
世の中甘くないのですよ。
おとうさんがどんな思いで
夢に挑戦して
夢破れて
落胆したことか。
借金をすることを決意した希だけど
お金を貸してくれる当てがない。
朝早くケーキを買う客はそれほど
おおくはないけど
おいしいと評判になれば
午前中に店を目指してやってくる
客はいる。
特に、テレビやネット、
グルメ雑誌に乗れば
客は増える。
一日限定50個のケーキでも
客は列を作る。
一個480円が高いか高くないか
それは、もの次第である。
高志の失踪は、どういう意味が
あるのか?
特に、希を探して能登に来た
ので、希に何の話があるのか
気になる。
必要経費が1000万円とわかって
希は悩んだ。
なんとか節約をしても
600万円。
希の貯金と圭太の貯金を
あわせて100万円あると
圭太がいうが
希はそれは遠慮するという。
希の貯金はもともと横浜に
いたとき圭太が送ってくれた
生活費である。
どうしたらいいのかと悩むが
圭太は「銀行に借りたらどうか」と
いう。
借金である。
「いやや、無理無理無理無理!!
借金は人生を狂わすよ
自己破産をして
破滅への人生や」
圭太は「お父さんを見ているから
そう思うだけで
商売を始めるには
銀行に借りるのが
普通や、無茶をしなかったら
大丈夫だ。」
というが
借金である・・・
あけてもくれても
希は借金のことばかり
考えていた・・
それゆえ、女将として働いて
も、失敗ばかりしていた。
「借金は
失踪・・・
心中・・・」
桶作家ではその話を藍子が
した。
「600万円だったら
うちが出してもいいけど」と
一徹が言う。
藍子は「兄弟でも駄目だ」と
いった。一徹にはあたらしい
家族ができることもある。
みのりは「あの慎重な希ちゃんが
借金をしても店を出すのか・・
本気なんやね」と
つぶやいた。
元冶は
「みせは徹がおいていった
夢やから」という。
希は
一人でじっくりと考える。
『希、
世界一の
パティシエに
なれよ』
希はそれを読んで
圭太に言った。
「圭太さん・・・」
「はい・・」
「ぎりぎりまでけずって
必要なお金は
500万円。
圭太さんと
うちの貯金を引いて
400万
これを
し・・・
し・・・」
「がんばれ」
「しゃ・・・・
借・金・
させていただいても
よろしいでしょうか?」
「はい・・・」
希は嬉しく思った。
そのころ
高志が桶作家に現れた。
ふみは「能登のロックシンガー!」
と呼んだ。
「希は?」と高志が聞く。
「希は塗師屋だろが?
いないのか?
だったらここにくるかも。
上がって待ってろ」という。
ふみは「ところてんを食うか」と
聞く。
「この間のテレビは
皆と見たよ」と
ふみはいう。
もともと高志は話をしないので
みんな、勝手に話しをする。
「高志の後にでたあの歌手は
何という歌手だったか
本物のイケメンか?
テレビだから
修正しているのか?」
と聞く。
高志は無言で必死で
「本物のイケメンやワイネ」
といったが・・・
通じない。
「そうか、修正してるのか。
みのりがいなくても
話は通じるもんやな・・・」
不思議なところで納得する
ふみだった。
高志は駄目だと思って
でていった。
「はい、おまたせ・・」
高志はいない・・・
「高志~~~??」
藍子が帰ってきた。
「どしたんけ?」と聞く。
「高志が来たけど
消えてしもた。
ところてん食うけ?」
「うん。」
藍子は、警察に徹の情報を
聞きに行っていた。
目撃情報はないという。
「今度ばっかりはもう帰ってこない
かもしれんね。根性なしだけど
いっぺん決めたことは
実行するから。」
と明るく言った。
ふみはそれを見抜いていて
「気持ちを隠して何事も
無いような言い方
をするんじゃないよ」と
いう。
塗師屋では
亜美たちが
高志を厚くむ歓迎していた。
圭太が
高志に声をかける。
「希は?」と高志が聞く。
圭太は「希は銀行に借金の
相談に言っている」と
いう。
その時希が帰ってきた。
暗い顔をしている。
「どうやった?」
圭太が聞く。
黙っているので
「だめやったか」と
いう。
まんで食堂で
一子以外の友人たちが
集まった。
希の借金の話で
厳しいなという。
一徹は「商売だから借金というより
融資なんだけど、実績のない
個人事業主はそう簡単に
貸してもらわれんわ・・・」と
いった。
希は
テーブルに顔をつけてがっかりした。
高志が背中をたたいた。
携帯が鳴った。
高志の、である。
が、彼はでない。
「何ででないのか」と一徹が
いうが・・・
またしばらくして
高志の携帯がなる。
「でなくていい」と高志は
いうが・・
「しつこいな、誰だ?」と
洋一郎。
そこに洋一郎の携帯が鳴った。
何と一子だった。
高志が失踪したと
ネットのニュースに出ているという。
その高志はここにいると
洋一郎が言う。
どうやら、さきほどのしつこい
電話は、事務所らしい。
「なんかあったんけ?」と
希が聞く。
「仕事が嫌になったの?」
なぜここにいるのか
理由がわからないと
みんないう。
「はいはい、あの高志がメジャー
デビューだから
プレッシャーとストレス
で逃げてきたのでは?」と
一子が言う。
「みんな、マスコミから
守ってあげてよ」と
いちこ。
高志は帰って行った。
塗師屋で圭太と希、みのりと
一徹がお茶を飲む。
「大丈夫かね?高志。」
希がいう。
「一子の言う通り
高志はそっとしておいた
ほうがいいかもね」と
と希は言った。
みのりは昔から
高志の気持ちがわかっているが
いま、あまりわからなくなっていると
いう。
一徹は希の店の計画書を見ていた。
「なんで、融資に農協が
入ってないの」かと
聞く。
「材料など、地元の農産物を使えば
農協でも融資ができる」と
一徹が言う。
希は、材料を能登で調達すれば
農協で借りれるんだと
喜んだ。
農協に相談に行くことになったが
みのりは
「そんなに簡単じゃないよ」と
いった。
「うちには融資の鬼がおるさけね。」
「融資の鬼?」
希は驚いた。
どんな鬼なんだろう。
翌日
緊張して農協に出向いた。
「13時に約束の紺谷です!!!」
「希ちゃん、こっち」と
応接室にみのりが案内した。
そこには中年の男性がいた。
「どうぞ、おかけください。
朝市でケーキ屋さんを開き
たいとか。
どのようなお店をお考えですか。」
「はい、フランスの田舎にあるような
お店で
入った瞬間に・・・
ふわっとお菓子のにおいと
・・・」
みのりは
書類をばたっととじて
「妄想はそこまでで
結構です」という。
「夢物語にお金は出せません。
具体的なプランをお聞かせいただけ
ますか?」みのりがきっぱり
といった。横から
「ごめんえうちには
融資の鬼がおるさけ」
と、先ほどの男性が言う。
融資の鬼とは
みのりのことだった。
「貸付担当の津村です。」
みのりは
ぽんと
名刺を置いた。
なんと
手荒な・・・・。
「本場の味を伝えたいという
コンセプトはわかりました。
そのための経営プランをご説明
下さい!」
「まずひとつめは
朝市に合わせて
午前中だけの営業を」
「ベーカリーならともかく
パティスリーが
朝から需要がありますか?」
「食べていただければ
わかります。」
能登のくりで作った
モンブランを出した。
先ほどの男性は
「おいしい~~~」と
うれしそうにいった。
「これが480円ですか。
高くないですか。
原価率もあと10%下げてください。」
卵も生クリームも
こんなに高級な食材をつか
っているのは無駄だと
みのりはいうが
希は材料費は削れないと
いった。
おいしいものを作るには材料
代は高くなる。
「それなら、利益率の高い
焼き菓子にされたらどうですか?」
みのりは譲らない。
「詳しいですね・・・」
「今は移動販売やネットショップなど
少ない資金で開業できる道は
他にもあります。
テンポにこだわるなら
それなりの根拠をきちんと示して
下さい!
でなければ融資はできません!!
次のかたどうぞ!!!」
みのりの反撃はすきがない。
希は書類を片付けて
退散した。
***************
世の中甘くないのですよ。
おとうさんがどんな思いで
夢に挑戦して
夢破れて
落胆したことか。
借金をすることを決意した希だけど
お金を貸してくれる当てがない。
朝早くケーキを買う客はそれほど
おおくはないけど
おいしいと評判になれば
午前中に店を目指してやってくる
客はいる。
特に、テレビやネット、
グルメ雑誌に乗れば
客は増える。
一日限定50個のケーキでも
客は列を作る。
一個480円が高いか高くないか
それは、もの次第である。
高志の失踪は、どういう意味が
あるのか?
特に、希を探して能登に来た
ので、希に何の話があるのか
気になる。
