男たちのウイークエンド5
徹がいる朝市食堂に石が投げ込まれ
ガラスが割られた。
執念を感じると一徹が言ったが
誰かが徹に今までの破産の報いを
受けてほしいと思っている。
徹が破産しただけでは済まないと
一徹が言っていた。
倒産してお金が支払えなくなって
不幸になったのは徹だけではなく
もっといるはずだと
一徹が言った。
「恨まれていないと思うほうがおかしい。」
徹は『報いを受けてください』という
メールに返信をして
メールの相手に会う約束をした。
一徹は「警察に任せたほうがいい
普通ではない」という。
徹は「直接話がしたい」と思った。
「もし、会社の奴なら
自分が悪いから」という。
一緒に行くという一徹の
話をけって、「誰にも言うな」と
口止めをした。
「誰にも言うなよ、藍子にも希にも」。
そのころ、希にみのりから
電話があった。
高志がテレビに出るという。
いよいよ、デビューである。
桶作家ではその夜
高志の出る番組をみんなで見ようと
集まっていた。
その時間、徹は朝市のまんで食堂に
いた。
事情をしっている一徹は、家にいたが
みんなの輪に入れずひとりにで縁側に
座っていた。
わいわいと集まってくるいつものメンバー。
相変わらずの宴会ムードである。
一子も帰ってきた。
いよいよ、高志のバンドが紹介され
高志が登場した。
歌が始まりみんなテレビにくぎづけ
になった。
高志の歌に、夢中になっているなか
一徹はそこから離れていった。
みのりが気づいていた。
一方、徹のもとに現れた
男は
山口だった。
元社員でこの間やってきた
メンバーの一人である。
徹は
驚いた。
「まさか、君が?
新しい仕事が決まったって
いってたし・・・
ここにだって遊びに来てくれたし。」
「社長も被害者だと思ったからです。
だから、みんな仕事が決まったってうそをついたし
遊びにも来たんです。」
彼は「ここにきて気持ちが変わった。」
という。
この就職難に簡単に仕事が決まる
わけがない。
山口の妻は愛想を尽かして娘を連れて
出て行った。
彼だけではない。
「なのに、あなたはひとの過程を壊しておいて
自分だけ嬉しそうに・・・
娘さんの店を
プロデュースですか・・
報いを受けてもらいますよ。」
そういって山口は背中を向けた。
「いきなりですが・・」
桶作家では一子がこの間のインタビューを
していた。
「あなたが思う、家族の幸せに形とは?
どういう形ですか?
お父さんから・・」
「ええ???おれ??」
という横から・・
「サロンはるが大繁盛して
金沢あたりにマキちゃんが二号店を
だして・・・ライターとして
ちゃんと一子が自立して・・・
雑誌に書いてくれたら幸せやなぁ~~」
と、はるがいった。
「俺は?」と浩一。
はるは、
「あんたはわたしより、一日だけ長生きして
くれたらいいわよ。」
といった。
一同、「名言や名言や」という。
この話は「一子はどうだ?」とか
「みのりみのりは?」と
盛り上がった。
「ほんとうにかわいいな、娘さん。」
山口はいつのまにか
携帯に希の写真をいれていた。
どこかで撮ったのだろう。
薄気味悪い奴である。
「奥さんもきれいだし・・・」
藍子の写真もいれているらしい。
あまりの異様さに徹は
山口に「やめてくれ」と懇願した。
みのりは幸せの形とはと
話をした。
「うちらの幸せに形は・・・
これからまるくなるおなかの形!!」
「ああ、しあわせや~~~」と真人が
いった。
「ああ、そうだ、お孫さんが生まれる
のですよね。」
山口が言う。
「山口君悪かった。
俺には何をしてもいいから
家族には手を出さないでくれよ。」
山口は黙っている。
徹は山口に土下座をして
謝った。
「すまなかった。
おれは 山口君の仕事のことも
家族のことも知らなかった。
俺はどうなってもいいから
家族には手を出さないで
お願いだから・・」
徹は必死にお願いをしたが
山口は表情も変えずに
帰ろうとした。
徹は山口をひきとめ
何度も謝ったが・・
「俺はどうなってもいいから
家族だけは助けてくれ
な、お願いだから
悪かった
本当に悪かった
そんなにひどいことになっているとは
知らなかった
どうやたら
許してもらえるかな。」
桶作家では
わいわいと盛り上がっている。
一子は「希と圭太の幸せに形は?」
と聞く。
「おれは・・・別に」
と圭太がいう。
「いいから、いいから
元カノは気にしなくてもいいから
夫婦の形を話してみて。」と
一子。
「希は人生の設計図を書いていた
でしょ?」
希は、「あの設計図は細かくて
大きなところだけ
決めておけばいいかな?
一緒におることだけ。
圭太と家族と一緒に居ることだけ
きめておけば
後はなんでも幸せなんかな。」
しーーーん
としたので
「ほら、つまらんやろ??」と
希が
圭太の肩に顔を伏せたので
みんな笑った。
そこへ徹が来たので
一子は徹と藍子の夫婦の幸せの形
を聞いた。
徹にはあまりにもつらい質問だった。
「俺の家族の幸せの形・・・」
そういって急に泣き出した。
皆は徹が泣き虫だと
はやし立てた。
徹は振り向いて
「ごめんごめん」と
いった。
そして、
みんなでカラオケの
マイクを回しながら
上を向いて歩こうをうたった。
にぎやかな
あかるい
場面である・・・。
徹はそれをじっと見ていた。
圭太はあいかわらず
音程が外れている。
みんなをじっとみる
徹・・
そして
そこから
去って行った。
誰も気が付かなかった。
翌日
藍子と希は
徹の書置きを見て
あわてて
探し始めた。
徹はどこにもいない
『藍子、希
一徹
ごめんな
お父さんは
ひとりになります。
バカな俺は
こうなるまで
自分がたくさんの人から
家族を奪い
人生を壊してきたことに
気づきませんでした。
話せばきっとお前たちは
こんな俺をかばってくれると
思うから
黙っていきます。
ごめん』
「お父さん~~!!!」
希は、あっちこっちを
さがした。
****************
そうですよね。
倒産して破産したら
その関係者は
どんな立場でも
人生を狂わされますよ。
そして恨まれて当然です。
それに気が付かなかくって
自分が不幸だとばかり
言い続けてきた徹の
情けなさ、運のナサ。
あまりにも場面転換が
大きくて、驚きます。
なぜ、徹が図型を消したのか
藍子も希も気が付きません。
山口に脅されていて
家族を守るために
姿を消したと
しっているのは
・・・一徹だけ。
平和で幸せな家庭など
縁がないのだろうか。
外浦村のほかの家族たちの
しあわせそうな笑顔が
対照的な
津村家であった。
徹がいる朝市食堂に石が投げ込まれ
ガラスが割られた。
執念を感じると一徹が言ったが
誰かが徹に今までの破産の報いを
受けてほしいと思っている。
徹が破産しただけでは済まないと
一徹が言っていた。
倒産してお金が支払えなくなって
不幸になったのは徹だけではなく
もっといるはずだと
一徹が言った。
「恨まれていないと思うほうがおかしい。」
徹は『報いを受けてください』という
メールに返信をして
メールの相手に会う約束をした。
一徹は「警察に任せたほうがいい
普通ではない」という。
徹は「直接話がしたい」と思った。
「もし、会社の奴なら
自分が悪いから」という。
一緒に行くという一徹の
話をけって、「誰にも言うな」と
口止めをした。
「誰にも言うなよ、藍子にも希にも」。
そのころ、希にみのりから
電話があった。
高志がテレビに出るという。
いよいよ、デビューである。
桶作家ではその夜
高志の出る番組をみんなで見ようと
集まっていた。
その時間、徹は朝市のまんで食堂に
いた。
事情をしっている一徹は、家にいたが
みんなの輪に入れずひとりにで縁側に
座っていた。
わいわいと集まってくるいつものメンバー。
相変わらずの宴会ムードである。
一子も帰ってきた。
いよいよ、高志のバンドが紹介され
高志が登場した。
歌が始まりみんなテレビにくぎづけ
になった。
高志の歌に、夢中になっているなか
一徹はそこから離れていった。
みのりが気づいていた。
一方、徹のもとに現れた
男は
山口だった。
元社員でこの間やってきた
メンバーの一人である。
徹は
驚いた。
「まさか、君が?
新しい仕事が決まったって
いってたし・・・
ここにだって遊びに来てくれたし。」
「社長も被害者だと思ったからです。
だから、みんな仕事が決まったってうそをついたし
遊びにも来たんです。」
彼は「ここにきて気持ちが変わった。」
という。
この就職難に簡単に仕事が決まる
わけがない。
山口の妻は愛想を尽かして娘を連れて
出て行った。
彼だけではない。
「なのに、あなたはひとの過程を壊しておいて
自分だけ嬉しそうに・・・
娘さんの店を
プロデュースですか・・
報いを受けてもらいますよ。」
そういって山口は背中を向けた。
「いきなりですが・・」
桶作家では一子がこの間のインタビューを
していた。
「あなたが思う、家族の幸せに形とは?
どういう形ですか?
お父さんから・・」
「ええ???おれ??」
という横から・・
「サロンはるが大繁盛して
金沢あたりにマキちゃんが二号店を
だして・・・ライターとして
ちゃんと一子が自立して・・・
雑誌に書いてくれたら幸せやなぁ~~」
と、はるがいった。
「俺は?」と浩一。
はるは、
「あんたはわたしより、一日だけ長生きして
くれたらいいわよ。」
といった。
一同、「名言や名言や」という。
この話は「一子はどうだ?」とか
「みのりみのりは?」と
盛り上がった。
「ほんとうにかわいいな、娘さん。」
山口はいつのまにか
携帯に希の写真をいれていた。
どこかで撮ったのだろう。
薄気味悪い奴である。
「奥さんもきれいだし・・・」
藍子の写真もいれているらしい。
あまりの異様さに徹は
山口に「やめてくれ」と懇願した。
みのりは幸せの形とはと
話をした。
「うちらの幸せに形は・・・
これからまるくなるおなかの形!!」
「ああ、しあわせや~~~」と真人が
いった。
「ああ、そうだ、お孫さんが生まれる
のですよね。」
山口が言う。
「山口君悪かった。
俺には何をしてもいいから
家族には手を出さないでくれよ。」
山口は黙っている。
徹は山口に土下座をして
謝った。
「すまなかった。
おれは 山口君の仕事のことも
家族のことも知らなかった。
俺はどうなってもいいから
家族には手を出さないで
お願いだから・・」
徹は必死にお願いをしたが
山口は表情も変えずに
帰ろうとした。
徹は山口をひきとめ
何度も謝ったが・・
「俺はどうなってもいいから
家族だけは助けてくれ
な、お願いだから
悪かった
本当に悪かった
そんなにひどいことになっているとは
知らなかった
どうやたら
許してもらえるかな。」
桶作家では
わいわいと盛り上がっている。
一子は「希と圭太の幸せに形は?」
と聞く。
「おれは・・・別に」
と圭太がいう。
「いいから、いいから
元カノは気にしなくてもいいから
夫婦の形を話してみて。」と
一子。
「希は人生の設計図を書いていた
でしょ?」
希は、「あの設計図は細かくて
大きなところだけ
決めておけばいいかな?
一緒におることだけ。
圭太と家族と一緒に居ることだけ
きめておけば
後はなんでも幸せなんかな。」
しーーーん
としたので
「ほら、つまらんやろ??」と
希が
圭太の肩に顔を伏せたので
みんな笑った。
そこへ徹が来たので
一子は徹と藍子の夫婦の幸せの形
を聞いた。
徹にはあまりにもつらい質問だった。
「俺の家族の幸せの形・・・」
そういって急に泣き出した。
皆は徹が泣き虫だと
はやし立てた。
徹は振り向いて
「ごめんごめん」と
いった。
そして、
みんなでカラオケの
マイクを回しながら
上を向いて歩こうをうたった。
にぎやかな
あかるい
場面である・・・。
徹はそれをじっと見ていた。
圭太はあいかわらず
音程が外れている。
みんなをじっとみる
徹・・
そして
そこから
去って行った。
誰も気が付かなかった。
翌日
藍子と希は
徹の書置きを見て
あわてて
探し始めた。
徹はどこにもいない
『藍子、希
一徹
ごめんな
お父さんは
ひとりになります。
バカな俺は
こうなるまで
自分がたくさんの人から
家族を奪い
人生を壊してきたことに
気づきませんでした。
話せばきっとお前たちは
こんな俺をかばってくれると
思うから
黙っていきます。
ごめん』
「お父さん~~!!!」
希は、あっちこっちを
さがした。
****************
そうですよね。
倒産して破産したら
その関係者は
どんな立場でも
人生を狂わされますよ。
そして恨まれて当然です。
それに気が付かなかくって
自分が不幸だとばかり
言い続けてきた徹の
情けなさ、運のナサ。
あまりにも場面転換が
大きくて、驚きます。
なぜ、徹が図型を消したのか
藍子も希も気が付きません。
山口に脅されていて
家族を守るために
姿を消したと
しっているのは
・・・一徹だけ。
平和で幸せな家庭など
縁がないのだろうか。
外浦村のほかの家族たちの
しあわせそうな笑顔が
対照的な
津村家であった。
