男たちのウイークエンド4
一度に村中にいたずら事件が起きた、
村中に落とし穴
村中に「ペ」の赤ペイントの落書き
元冶の塩水まきの桶に穴、
村の神社の狛犬がコスプレされ
塗師屋に偽物だという張り紙がしてあった。

警察は観光客だろうという、
元冶はかんかんに怒り
今度来たらぶちかましてやると
準備を始める

一徹は「胸騒ぎがする」という。
「これほどの規模のいたずらが起こったと
いうことはなにやら執念みたいなものを
感じる・・・
そしてこのいや~~~~な予感には
必ずあの人がかかわっていることを
感じると・・・。」

あの人・・・

徹は必死で希のケーキ屋の企画書に取り組んで
いた。

希はフランスの週末では家族でゆっくりするときに
食べるというウイークエンドという
ケーキを作っていた、

フルーツたっぷりのパウンドケーキである。
それをもって
いよいよ
慎一郎のお見合いの日、まいもん食堂へ
いった。
小野は「徹さんは?」と聞く。
徹は不在である。
小野は不振そうな顔をしたが
希は気が付かない。

先週洋一郎のお見合い相手だった
母と娘だった。
娘の真由子は「一子さんにはかなわない
と思ったのでお見合いをことわった」
という。
「いつか、思いが通じたらいいね」と
洋一郎に言う。

今週の慎一郎の応援団は
真人、浩一と希である。

「将来の家族のウイークエンドだね」と
真人が言うと
みんなもりあがった。

「素敵ですね、こういうの。
素敵です。」と奥様が言う。

みんな歓声を上げたが
慎一郎は固まってしまった。

「どうした」とみんなが心配していると
奥様が、「亡くなった奥様との
週末を思い出していたのでは
ないですか?」と聞く。

「何もしてやれなかった。
口下手な二人は海を見てあるいて
いつの間にか日が暮れて
休みが終わってしまった・・

ずっとそういう暮らしが続くと
思っていたけど。

だめだ!!!

俺にはもうすこし時間が必要だ!!!」

「親子そろって本当にまっすぐなんですね。
わかりました。
だったらお友達として時々お茶でもしませんか。」

慎一郎は
立ち上がって
「はい!!」と
返事をした。


そして笑顔でみんなでケーキを
食べた。

その夜希が
圭太とその話をしていた。
慎一郎は幸せだったんだと
改めて思った。
「もし圭太ならどうする?
希が先に死んでしまったら・・・」
圭太は「自分もずっと思い続ける
だろうし、再婚もしない」という。

希は「再婚はしてもいい」という。
それでも
圭太は再婚はしないというので
希は「いっつもこの辺に・・・」と
圭太の後ろあたりにうかんでいて
また誰かに箸を上げようとしたら
横取りするよといった。
圭太は「それは怖い」と笑った。

「いつ
何がどうなるか

先のことはわからない。

だから人生の設計図は
もっとシンプルでいいかもしれない。
大事なことだけで

いいかも・・・」

圭太も

うなずいた。

そのころ徹はあっちこっちに
メールで企画書の賛同者を募って
いた。

そこに、不審なメールが来た。

『報いを受けてください』

というメールだった。

「不幸になってもらいます
あなたも
あなたの家族も
それがあなたへの報いです。」

「何だよこれ・・・」

ちゃらん
ちゃらん

と着信音が
連続してなる。

報いを受けてくださいという
メールが・・・
何通も届くのだ。

小野が一枚のファックスをみせた。
よくわからないが
徹が誰かと会っている写真のようだった。

これ、俺たち?


徹は一徹に相談した。

やっぱりけ。
一徹はいう。

おまえたちは大丈夫か?
何か変なことでも起きてないか?

徹は一徹に電話で話をした。

「そのファックスとメールは
お父さんの会社の人たちではないのか?
この間来たんだろ?
会社の人たち。
そのうちの誰かではないか?
タイミングが良すぎる。
あの人たちが来た後
いたずらがあり
メールとファックスがあった。」


「だって・・」徹は合点がいかない。

一徹は「もっと自覚しろ」という。
「自己破産してみんなに迷惑をかけている
ではないか」と。「恨まれているはずだ」と
いう。

その時雷が鳴ると同時にガラスが割れた。

小野が「誰だ!!!」と怒鳴った。

一徹は
徹に話しかけた。

「もしもし

もしもし

なしたんけ?お父さん。

もしもし・・・」

いたずら
恨みのメール
不審なファックス・・

藍子はふみや元冶にコーヒーを入れる。
みのりと藍子と・・・
笑顔の家族たち。

『不幸になってもらいます。
あなたもあなたの家族も』

ガラスを片付ける小野

希の幸せな顔と

徹の不安と恐怖・・

雷の音
雨の音・・・
**************
「恨みます・・・・・」

という声が聞こえます。

でもこれは

私的な報復であまりにもフェアでは
ありません。

この先藍子の笑顔も
希の笑顔も

消えてしまうのでしょうか。

徹は今こそ
自分がやってきたことを
反省するべきです。
家族は苦労して
それでも許してくれましたが

他人はそうはいきません。

謝金を踏み倒された人たちは
その後どうなったのか??
会社が乙産して失業した人たちは
その後どうなったのか??
経営者なら
そこまで責任を持つべきです。

そして、
もしかしたら
一生・・・・・

この取り返しのために
苦労をしなければならないかも
知れません。