男たちのウイークエンド1
朝市食堂のオーナー小野が
希に声をかけた。
「ここでケーキ屋をやらないか」と。
以前弥太郎と元冶が来たとき
職人は引き際がかんじんだと
言う話を聞いて自分もそう
思ったという。
「うちの味は落ちたのでは」というが
どれもこれも
買ってきたものではないかと
希は言う。
作ってないのだ。
そして客に自分で焼いて食べるもの
とかをだして自分で焼いてもらって
いたり・・・
手抜きである。
もはや、引き際なんてものではない・・
「体も思ったように動かないし」とか
「店の場所も悪いし」などという。
裏道らしい
希は聞いた。
「それは儲からないからやめるという
ことかいね?」
「ばれたけ?」
「でも希ちゃんなら大丈夫だ。
やらんけ?」
「やりません!」
このマスターの提案が
あとあと大きな出来事
になるわけ・・・なのらしい。
希は漆器を紙袋に入れることが
うまくできなくて
圭太が帰ってきたとき
ずっこけていた。
弥太郎はかなえの店
がけっぷちに飲みに
いったらしい。
希は、
「圭太も行きたかったのでは?」
とすごんで聞くと
圭太は、目を丸くして
首を振った。
圭太は希が悪戦苦闘している
袋の中にお行儀よく器を
おさめる仕事を見て
「大丈夫か」といって
手ほどきをやってみせた。
希は女将の仕事を徐々に覚え
始めているし
一徹は
元冶のもとで
なれない・・・ぺっぴりごしで
塩水を運ぶ。
その一方でじいちゃんたちは
天下泰平である。
真人は毎日のようにやってきては
「こんにちは~~あかちゃん」と
いってみのりのおなかに向かって
歌を歌う。
胎教が大事だという。
おなかの中の記憶というものらしい。
徹はそれを聞いて
「お~~い
でっかい夢を持てよ」という。
「この人の話を聞くなよ~
夢を見ると自己破産やぞ~~
債権者集会へ行くことが
もうおかしいやろ~~??」
みのりは「胎教に悪いわ」といって
立ち上がって
仕事へ行く。
わいわい言ってる間に
慎一郎が来る。
真人は
「あれがしんちゃんやさけね~」
という。
徹は
「ゴリラではないのよ。
バナナで黙るよ~~
似てるけどね~~」
などと悪乗りをする。
「藍子さん、ちょっと頼みがあるのだけど。」
そこへ出してきたのは
洋一郎への
お見合い写真だった。
塗師屋では藍子が見合いの話を
話すので
大騒ぎとなった。
洋一郎もそこにいた。
彼はまだ一子への気持ちが
変わっていない。
お見合いなどしたくないという。
藍子は慎一郎から「希と圭太からも説得して
くれ」といわれたという。
「俺にはまだ一子がいるから」というが
亜美は、「いないっすよね。片思いだし」と
一言いう。
そのお見合い相手とは??
藍子が写真を見せる。
きれいで清楚な女性だった。
みんな、「わぁ~~」と歓声を上げる。
「まんで美人やワイネ。スタイルも抜群だし」。
と圭太が言った。
「はぁ??」
と希は圭太の胸ぐらをつかんだ。
井田が独身なので「俺が見合いに
行こうか」という。
洋一郎は
「一子も美人だ。
一生振り向いてくれなくてもあいつを
思い続けるから」と
切ないことを言う。
希は「洋一郎に感動した」という。
亜美は「気に入った。そんなら
一生独身を通せ」と
いう。
井田は「見合いは俺に任せて」
というし
藍子は「残念だ」というし、そのうえ
「向うは洋一郎君のことを
気に入っているらしいのに」と
またまた気になることを言う。
「洋一郎がタイプだ」という。
圭太は「それでも洋一郎の気持ちを
尊重したほうがいい」という。
藍子は、「そうだね。残念だけど・・
だったらこれは、井田さんに・・」
とアルバムを井田に渡したら
洋一郎がすっとそれを
取り上げてさっていった。
全員、何も言わずに
みすごし
晴れて
ランチタイムとなった。
「いただきまあ~~~~す。」
その日の夕餉
弥太郎にその話をする希。
圭太は「絶対見に行こう」という。
「どんな顔して見合いをするのか見たい。」
洋一郎のお見合いとか
みのりの妊娠とか
楽しみだなと希が言うが
弥太郎が「おまえたちはどうなのや?
六代目はまだか?」と聞く。
希は
「まだまだやわいね」
というし
圭太は
「もうそろそろ」というし
それを一緒に言ったものだから
話がややこしい。
二人の呼吸が合ってないのだ。
希は「圭太が修業中の身でなにをいう」と
怒った。
「無計画だ」という。
「子供を一人育てるのにいくらかかると
思っているのか。
養育費もしっかりためて備えてからに
しないと・・・
漆を買うお金も無くなって
どんどん傾いて
親子三代
路頭に迷うて・・・」
弥太郎は、呆れて
「ごちそうさん」といって
去っていく。
「俺も」と圭太が立ち上がった
ので希は
「まつまま!!」といった。
希の人生設計図を
ぱらぱらぱらと
広げて説明した。
「いつの間にこんなものを書いた
のか」と圭太が呆れると
希は「いつも・・」という。
計画が変更になるたびに書きなお
しているらしい。
「30歳、圭太がようやく認められて
五代目襲名・・・俺あと六年も
親方修行カイエ。」
「一番長い場合を考えたら
こうなった」と希は言う。
「圭太が一人前になったら
弟子を取って
余裕ができたら
希はパティシエに戻るという。
5年ぐらい修業して
ほこから
子供!!」
「はぁ???」と圭太。
不服である。
希は圭太の肩をたたいていった。
「圭太の襲名がはやくなったら
早くなるのだから
そのぶん
ふわふわしとらんと
しっかり気を入れて
修業してや!!
な???」
「ふう~~ん
それが希の家族の幸せの形け?」
と
一子がいう。
希は一子と電話で話をする。
いま、幸せの形という
記事を書いているという。
「この間
女は結婚したら仕事を
やめなくてはいけないと
言う話をして
そこから
しあわせの形とは何かと
編集さんたちと話を
している」という。
「紺谷希さん
あなたが思う家族の幸せの形
とはどんな形ですか?」
「う~~~~~~~ん
しあわせの形?
なんやろ?
わからん・・・・」
真人は幸せだという。
孫の誕生だから
徹はまたまた
ビッグビジネスの
企画書をかく
慎一郎の家も洋一郎が
お見合いをするので
ようやく、幸せになれると
皆が言う。
「あ!!!
ひらめいた。」
徹が、ビッグビジネスのネタを
思いついたらしい。
「お見合い結婚ビジネスをしようと
思う」という。
都心部と違って
人との出会いが少ないからというが
文が
「その前に
結婚適齢期の子供たちが
少ない」といった。
「仕事にならない。」
徹はがっかりした。
なかなかネタがない。
しかし、「みのりの話で・・」と
朝市の食堂のケーキやの話が出た。
それに徹は食いついた。
ネタは身近なところにあった。
さっそく、小野に電話をして
引き受けることにしたと
返事を・・・
勝手にする徹だった。
驚く一同。
希にその話がすでに入っていた。
徹は希にケーキ屋をしようと
持ちかけるが
断る希。真人から聞いたという。
「青い鳥は自分の家の中にいたのですね。
というわけで
引き受けたといったからね。」
「え?」
「だから朝市のまいもん食堂で
ケーキ屋の話を
了解しておいたからね!!!」
「ええ???」
****************
こうして、徹の自分勝手で
家族はいつもいつも人生の方向転換を
させられてきたわけでしたね。
今度もそうなのかしらね??
希の人生設計図はあくまでも
目安であって決定ではないのです。
いつもいつも
書き直すことが前提なのです。
圭太はいつのまにというけど
これが希なのです。
同じ年の夫婦って面白いですね。
女性のほうが大人なので
どうしても夫を立てるというより
夫を激励して、激励して
その気にさせて頑張らせるという
形になりますね。
商売人は姉さん女房がいい
かもしれません。
男たちのウイークエンド。
男たちとは
さまざまな生き方をする
男たちが
でてきますが
まずは
徹。
頑張るからといって落ち込みから
脱出したと思ったら
このように自分勝手に決めました。
まいもん食堂の小野。
地味でセリフのほとんどない役ですが
彼の存在は、このためだったのかと
思います。
真人のいい爺さんになるぞ、宣言・・
慎一郎の長い間の苦労が報われるかと
いう洋一郎の見合い話。
一子一筋という洋一郎がここで
腹をくくるかという見合い話。
それがあかんかたら
井田が代わりに見合いをするという
話し。
六代目はまだかという
弥太郎の心境の話。
それぞれの思惑が
からんでからんで
いつになったら
希はパティシエになれるのかと
わたしは
待っておりまする。
朝市食堂のオーナー小野が
希に声をかけた。
「ここでケーキ屋をやらないか」と。
以前弥太郎と元冶が来たとき
職人は引き際がかんじんだと
言う話を聞いて自分もそう
思ったという。
「うちの味は落ちたのでは」というが
どれもこれも
買ってきたものではないかと
希は言う。
作ってないのだ。
そして客に自分で焼いて食べるもの
とかをだして自分で焼いてもらって
いたり・・・
手抜きである。
もはや、引き際なんてものではない・・
「体も思ったように動かないし」とか
「店の場所も悪いし」などという。
裏道らしい
希は聞いた。
「それは儲からないからやめるという
ことかいね?」
「ばれたけ?」
「でも希ちゃんなら大丈夫だ。
やらんけ?」
「やりません!」
このマスターの提案が
あとあと大きな出来事
になるわけ・・・なのらしい。
希は漆器を紙袋に入れることが
うまくできなくて
圭太が帰ってきたとき
ずっこけていた。
弥太郎はかなえの店
がけっぷちに飲みに
いったらしい。
希は、
「圭太も行きたかったのでは?」
とすごんで聞くと
圭太は、目を丸くして
首を振った。
圭太は希が悪戦苦闘している
袋の中にお行儀よく器を
おさめる仕事を見て
「大丈夫か」といって
手ほどきをやってみせた。
希は女将の仕事を徐々に覚え
始めているし
一徹は
元冶のもとで
なれない・・・ぺっぴりごしで
塩水を運ぶ。
その一方でじいちゃんたちは
天下泰平である。
真人は毎日のようにやってきては
「こんにちは~~あかちゃん」と
いってみのりのおなかに向かって
歌を歌う。
胎教が大事だという。
おなかの中の記憶というものらしい。
徹はそれを聞いて
「お~~い
でっかい夢を持てよ」という。
「この人の話を聞くなよ~
夢を見ると自己破産やぞ~~
債権者集会へ行くことが
もうおかしいやろ~~??」
みのりは「胎教に悪いわ」といって
立ち上がって
仕事へ行く。
わいわい言ってる間に
慎一郎が来る。
真人は
「あれがしんちゃんやさけね~」
という。
徹は
「ゴリラではないのよ。
バナナで黙るよ~~
似てるけどね~~」
などと悪乗りをする。
「藍子さん、ちょっと頼みがあるのだけど。」
そこへ出してきたのは
洋一郎への
お見合い写真だった。
塗師屋では藍子が見合いの話を
話すので
大騒ぎとなった。
洋一郎もそこにいた。
彼はまだ一子への気持ちが
変わっていない。
お見合いなどしたくないという。
藍子は慎一郎から「希と圭太からも説得して
くれ」といわれたという。
「俺にはまだ一子がいるから」というが
亜美は、「いないっすよね。片思いだし」と
一言いう。
そのお見合い相手とは??
藍子が写真を見せる。
きれいで清楚な女性だった。
みんな、「わぁ~~」と歓声を上げる。
「まんで美人やワイネ。スタイルも抜群だし」。
と圭太が言った。
「はぁ??」
と希は圭太の胸ぐらをつかんだ。
井田が独身なので「俺が見合いに
行こうか」という。
洋一郎は
「一子も美人だ。
一生振り向いてくれなくてもあいつを
思い続けるから」と
切ないことを言う。
希は「洋一郎に感動した」という。
亜美は「気に入った。そんなら
一生独身を通せ」と
いう。
井田は「見合いは俺に任せて」
というし
藍子は「残念だ」というし、そのうえ
「向うは洋一郎君のことを
気に入っているらしいのに」と
またまた気になることを言う。
「洋一郎がタイプだ」という。
圭太は「それでも洋一郎の気持ちを
尊重したほうがいい」という。
藍子は、「そうだね。残念だけど・・
だったらこれは、井田さんに・・」
とアルバムを井田に渡したら
洋一郎がすっとそれを
取り上げてさっていった。
全員、何も言わずに
みすごし
晴れて
ランチタイムとなった。
「いただきまあ~~~~す。」
その日の夕餉
弥太郎にその話をする希。
圭太は「絶対見に行こう」という。
「どんな顔して見合いをするのか見たい。」
洋一郎のお見合いとか
みのりの妊娠とか
楽しみだなと希が言うが
弥太郎が「おまえたちはどうなのや?
六代目はまだか?」と聞く。
希は
「まだまだやわいね」
というし
圭太は
「もうそろそろ」というし
それを一緒に言ったものだから
話がややこしい。
二人の呼吸が合ってないのだ。
希は「圭太が修業中の身でなにをいう」と
怒った。
「無計画だ」という。
「子供を一人育てるのにいくらかかると
思っているのか。
養育費もしっかりためて備えてからに
しないと・・・
漆を買うお金も無くなって
どんどん傾いて
親子三代
路頭に迷うて・・・」
弥太郎は、呆れて
「ごちそうさん」といって
去っていく。
「俺も」と圭太が立ち上がった
ので希は
「まつまま!!」といった。
希の人生設計図を
ぱらぱらぱらと
広げて説明した。
「いつの間にこんなものを書いた
のか」と圭太が呆れると
希は「いつも・・」という。
計画が変更になるたびに書きなお
しているらしい。
「30歳、圭太がようやく認められて
五代目襲名・・・俺あと六年も
親方修行カイエ。」
「一番長い場合を考えたら
こうなった」と希は言う。
「圭太が一人前になったら
弟子を取って
余裕ができたら
希はパティシエに戻るという。
5年ぐらい修業して
ほこから
子供!!」
「はぁ???」と圭太。
不服である。
希は圭太の肩をたたいていった。
「圭太の襲名がはやくなったら
早くなるのだから
そのぶん
ふわふわしとらんと
しっかり気を入れて
修業してや!!
な???」
「ふう~~ん
それが希の家族の幸せの形け?」
と
一子がいう。
希は一子と電話で話をする。
いま、幸せの形という
記事を書いているという。
「この間
女は結婚したら仕事を
やめなくてはいけないと
言う話をして
そこから
しあわせの形とは何かと
編集さんたちと話を
している」という。
「紺谷希さん
あなたが思う家族の幸せの形
とはどんな形ですか?」
「う~~~~~~~ん
しあわせの形?
なんやろ?
わからん・・・・」
真人は幸せだという。
孫の誕生だから
徹はまたまた
ビッグビジネスの
企画書をかく
慎一郎の家も洋一郎が
お見合いをするので
ようやく、幸せになれると
皆が言う。
「あ!!!
ひらめいた。」
徹が、ビッグビジネスのネタを
思いついたらしい。
「お見合い結婚ビジネスをしようと
思う」という。
都心部と違って
人との出会いが少ないからというが
文が
「その前に
結婚適齢期の子供たちが
少ない」といった。
「仕事にならない。」
徹はがっかりした。
なかなかネタがない。
しかし、「みのりの話で・・」と
朝市の食堂のケーキやの話が出た。
それに徹は食いついた。
ネタは身近なところにあった。
さっそく、小野に電話をして
引き受けることにしたと
返事を・・・
勝手にする徹だった。
驚く一同。
希にその話がすでに入っていた。
徹は希にケーキ屋をしようと
持ちかけるが
断る希。真人から聞いたという。
「青い鳥は自分の家の中にいたのですね。
というわけで
引き受けたといったからね。」
「え?」
「だから朝市のまいもん食堂で
ケーキ屋の話を
了解しておいたからね!!!」
「ええ???」
****************
こうして、徹の自分勝手で
家族はいつもいつも人生の方向転換を
させられてきたわけでしたね。
今度もそうなのかしらね??
希の人生設計図はあくまでも
目安であって決定ではないのです。
いつもいつも
書き直すことが前提なのです。
圭太はいつのまにというけど
これが希なのです。
同じ年の夫婦って面白いですね。
女性のほうが大人なので
どうしても夫を立てるというより
夫を激励して、激励して
その気にさせて頑張らせるという
形になりますね。
商売人は姉さん女房がいい
かもしれません。
男たちのウイークエンド。
男たちとは
さまざまな生き方をする
男たちが
でてきますが
まずは
徹。
頑張るからといって落ち込みから
脱出したと思ったら
このように自分勝手に決めました。
まいもん食堂の小野。
地味でセリフのほとんどない役ですが
彼の存在は、このためだったのかと
思います。
真人のいい爺さんになるぞ、宣言・・
慎一郎の長い間の苦労が報われるかと
いう洋一郎の見合い話。
一子一筋という洋一郎がここで
腹をくくるかという見合い話。
それがあかんかたら
井田が代わりに見合いをするという
話し。
六代目はまだかという
弥太郎の心境の話。
それぞれの思惑が
からんでからんで
いつになったら
希はパティシエになれるのかと
わたしは
待っておりまする。
