潮時じゃがいもガレット2
希は驚いた。
「かまたき小屋でケーキ屋?」
元冶が希に自分は塩田を
引退するから
かまたき小屋で
ケーキ屋をやればいいというのだ。
驚く一同に
元冶は、以前元冶の息子があの
小屋でカフェをやりたいと
いっていたことを
話した。
徹も覚えていて
「ああ、そうだったね。」と
相槌を打つ。
「カフェができるのなら
ケーキ屋はできるやろ?」
一同シーンとしているが
問題は・・・
「そのまえに」と希は言う。
藍子は「元冶さん何で引退する
の?」
「そこや!
なして急に引退なんて?」と希。
「急ではない。ちょっこり
前から考えとった・・・」
圭太は「希にケーキ屋を
やらせたくて塩田をやめるわけ?」
と聞く。
「違うわいえ」
「もしかして元冶さん
引退して、やりたいことがある
とか?」と藍子。
「海外旅行とか」
「なによ、働くの嫌になったの?」
「旅行だったら秋とか冬に行かれる
わいね・・」
みんな口々に勝手なことを言う。
藍子は
「ねぇもしかして」
一徹が
「体の具合でも悪いわけ?」
と聞く。
「まずほこやろ?」
と希が言う。
引退を考えるほど体の
調子が悪いわけなのかと
いうのだが。
元冶は去年の塩と
今年の塩を皿にもって
テーブルに並べた。
味比べをして
見ろという。
一同はあまりの責任感に
シーンとする。
徹が「どれどれ」と
味比べをした。
「わからない・・」
「徹ではだめだ。
希は?」
希が比べるが・・・
「わからない。微妙に違うが
どっちもおいしいよ。」
「文ならわかるやろ?」と元冶が
いう。
文がなめると
「ひとつもわからない」という。
「問題はないのでは?」
「味は落ちている」と元冶は言うが
みんなわからないので
元冶の言うことも
考えすぎだと
判断した。
日の当たる
塩田で塩を作る元冶・・
じっと
一徹が見詰めていた。
みのりも味見を試してみるが
「わからない・・」という。
文は「味は落ちているだろうね」と
いう。
希たちは圭太の仕事があるので
帰る時間となった。
元冶を心配するが・・・
徹は「引退したいなら
すればいいんじゃないの」と
いった。
「だって年だから。」
一徹は、「やりたくないから
引退するのではない。
お父さんみたいな人には
わからないだろうね、永遠
に・・・」という。
「何でおれが怒られるのか」と徹は
愚痴った。
翌日
塗師屋でやってきたみのりと
お昼を食べる希は
一徹が徹に意見したことを
話した。
驚いたという。
「最初は同情しとってんよ。
お父さんが落ち込んでいるのを
みて、自分も落ち込んで。
お父さんが会社成功した時
よろこんでいたけどね。
やっと家族のために成功して
くれたって・・」
みのりは、話しながら
パクパクと
昨日のじゃがいもを
フォークに刺して
食べている。
「期待していた分今のお父さんは
残念なんやと思うわ・・・」
「ほうかぁ・・」
希はパクパクと食べる
みのりに、「そんなにじゃがいもが
好きだったの?」と聞く。
みのりは、「元冶さんの窯でゆでた
ジャガイモはおいしいから」と
いった。
みのりは「食べるけ?」
と、フォークに刺した
じゃがいもを
希の口に入れた。
「うま~~い」
「食べるけ?」
亜美の口に入れた。
「うまい~~~~~」
まさか井田の口には
いれれない・・・。
徹は畳の上に寝たまま
畳の目を数えていた。
やることがないのだ。
やる気も起こらないのだ。
「48,323・・・・」
そこへ一徹が入ってきて
「103,220」
といって徹の上を飛び越えて
部屋の中に入っていった。
徹は、「親を飛び越えるなよ」と
いう。
そして数がおかしくなった。
「あれ??」
一徹は文に家賃を払った。
「いつもありがとう。」
「かりとるから
当たり前だろ?」
徹の分まで入っている。
「ところてん食うか?」
と文は言う。
「一徹は偉いね・・
ディートレードはだれにでも
できるものではないだろ?」
と文は一徹をほめる。
一徹は「塩田だって誰にでもできる
ものではないだろ?それでも
やめるのかな。」と聞く。
「言い出したら聞かないから」と
文は言った。
朝市の食堂で元冶と弥太郎
希があった。
弥太郎は、「俺のマネをして引退
するというのか」と
いう。
「いつもお前は俺のマネをしていた
から・・」と元冶を責めるが
「まねではない」と元冶が言う。
「輪島塗とおまえのさびれた
塩田を一緒にするな。」
「なんだとぉ?」
希は
「ちょっと待つまま」という。
落ち着かせた希。
弥太郎は
じっと元冶を見た。
「潮時っていうことか?」
「ほうや・・・」
「ほんなら、ほれでいい」
そういって、弥太郎は
帰って言った。
「弥太郎さんも心配しているのよ」
と希は言う。
「気持ちは変わらないの?
元冶さんの塩はうまいのに。」
元冶はいった。
潮時というのは
ものの終わりではない。
なにかするとき、ちょうどいい時という
前向きの言葉だ。
うまいと思ってくれている間に
止めるのがモノ作りだ
きづかれてしまってからでは
遅いのだ。
「ダメにしないうちに引くのも
職人の仕事だ・・・」
希はじっと聞いていた。
そして、夜
台所で
元冶の塩をなめながら
考えた。
************
職人ってこうなんですね。
ちょっと前に大吾の味がおちた
のではという話がありました。
気づかれる前に辞めるべきだと
いう話もありました。
でもあれは、違っていたのですが。
弥太郎が引退をしました。
もう年には勝てないので、
無理して仕事をしてとんでもない
物を作る前に
やめるということでした。
それが職人ということ
でした。
元冶も同じく
それが潮時ということ
なのだという話でした・・・
希も自分がケーキ職人として
成り立っていくためには
いつかは、引退があることを
感じたのでしょうか。
いつまでも頑張ってほしいのは
そうですが・・
職人のプライドですね・・・。
希は驚いた。
「かまたき小屋でケーキ屋?」
元冶が希に自分は塩田を
引退するから
かまたき小屋で
ケーキ屋をやればいいというのだ。
驚く一同に
元冶は、以前元冶の息子があの
小屋でカフェをやりたいと
いっていたことを
話した。
徹も覚えていて
「ああ、そうだったね。」と
相槌を打つ。
「カフェができるのなら
ケーキ屋はできるやろ?」
一同シーンとしているが
問題は・・・
「そのまえに」と希は言う。
藍子は「元冶さん何で引退する
の?」
「そこや!
なして急に引退なんて?」と希。
「急ではない。ちょっこり
前から考えとった・・・」
圭太は「希にケーキ屋を
やらせたくて塩田をやめるわけ?」
と聞く。
「違うわいえ」
「もしかして元冶さん
引退して、やりたいことがある
とか?」と藍子。
「海外旅行とか」
「なによ、働くの嫌になったの?」
「旅行だったら秋とか冬に行かれる
わいね・・」
みんな口々に勝手なことを言う。
藍子は
「ねぇもしかして」
一徹が
「体の具合でも悪いわけ?」
と聞く。
「まずほこやろ?」
と希が言う。
引退を考えるほど体の
調子が悪いわけなのかと
いうのだが。
元冶は去年の塩と
今年の塩を皿にもって
テーブルに並べた。
味比べをして
見ろという。
一同はあまりの責任感に
シーンとする。
徹が「どれどれ」と
味比べをした。
「わからない・・」
「徹ではだめだ。
希は?」
希が比べるが・・・
「わからない。微妙に違うが
どっちもおいしいよ。」
「文ならわかるやろ?」と元冶が
いう。
文がなめると
「ひとつもわからない」という。
「問題はないのでは?」
「味は落ちている」と元冶は言うが
みんなわからないので
元冶の言うことも
考えすぎだと
判断した。
日の当たる
塩田で塩を作る元冶・・
じっと
一徹が見詰めていた。
みのりも味見を試してみるが
「わからない・・」という。
文は「味は落ちているだろうね」と
いう。
希たちは圭太の仕事があるので
帰る時間となった。
元冶を心配するが・・・
徹は「引退したいなら
すればいいんじゃないの」と
いった。
「だって年だから。」
一徹は、「やりたくないから
引退するのではない。
お父さんみたいな人には
わからないだろうね、永遠
に・・・」という。
「何でおれが怒られるのか」と徹は
愚痴った。
翌日
塗師屋でやってきたみのりと
お昼を食べる希は
一徹が徹に意見したことを
話した。
驚いたという。
「最初は同情しとってんよ。
お父さんが落ち込んでいるのを
みて、自分も落ち込んで。
お父さんが会社成功した時
よろこんでいたけどね。
やっと家族のために成功して
くれたって・・」
みのりは、話しながら
パクパクと
昨日のじゃがいもを
フォークに刺して
食べている。
「期待していた分今のお父さんは
残念なんやと思うわ・・・」
「ほうかぁ・・」
希はパクパクと食べる
みのりに、「そんなにじゃがいもが
好きだったの?」と聞く。
みのりは、「元冶さんの窯でゆでた
ジャガイモはおいしいから」と
いった。
みのりは「食べるけ?」
と、フォークに刺した
じゃがいもを
希の口に入れた。
「うま~~い」
「食べるけ?」
亜美の口に入れた。
「うまい~~~~~」
まさか井田の口には
いれれない・・・。
徹は畳の上に寝たまま
畳の目を数えていた。
やることがないのだ。
やる気も起こらないのだ。
「48,323・・・・」
そこへ一徹が入ってきて
「103,220」
といって徹の上を飛び越えて
部屋の中に入っていった。
徹は、「親を飛び越えるなよ」と
いう。
そして数がおかしくなった。
「あれ??」
一徹は文に家賃を払った。
「いつもありがとう。」
「かりとるから
当たり前だろ?」
徹の分まで入っている。
「ところてん食うか?」
と文は言う。
「一徹は偉いね・・
ディートレードはだれにでも
できるものではないだろ?」
と文は一徹をほめる。
一徹は「塩田だって誰にでもできる
ものではないだろ?それでも
やめるのかな。」と聞く。
「言い出したら聞かないから」と
文は言った。
朝市の食堂で元冶と弥太郎
希があった。
弥太郎は、「俺のマネをして引退
するというのか」と
いう。
「いつもお前は俺のマネをしていた
から・・」と元冶を責めるが
「まねではない」と元冶が言う。
「輪島塗とおまえのさびれた
塩田を一緒にするな。」
「なんだとぉ?」
希は
「ちょっと待つまま」という。
落ち着かせた希。
弥太郎は
じっと元冶を見た。
「潮時っていうことか?」
「ほうや・・・」
「ほんなら、ほれでいい」
そういって、弥太郎は
帰って言った。
「弥太郎さんも心配しているのよ」
と希は言う。
「気持ちは変わらないの?
元冶さんの塩はうまいのに。」
元冶はいった。
潮時というのは
ものの終わりではない。
なにかするとき、ちょうどいい時という
前向きの言葉だ。
うまいと思ってくれている間に
止めるのがモノ作りだ
きづかれてしまってからでは
遅いのだ。
「ダメにしないうちに引くのも
職人の仕事だ・・・」
希はじっと聞いていた。
そして、夜
台所で
元冶の塩をなめながら
考えた。
************
職人ってこうなんですね。
ちょっと前に大吾の味がおちた
のではという話がありました。
気づかれる前に辞めるべきだと
いう話もありました。
でもあれは、違っていたのですが。
弥太郎が引退をしました。
もう年には勝てないので、
無理して仕事をしてとんでもない
物を作る前に
やめるということでした。
それが職人ということ
でした。
元冶も同じく
それが潮時ということ
なのだという話でした・・・
希も自分がケーキ職人として
成り立っていくためには
いつかは、引退があることを
感じたのでしょうか。
いつまでも頑張ってほしいのは
そうですが・・
職人のプライドですね・・・。
