究極選択パリブレスト6
能登に帰るという決意で
横浜に戻ってきた
希。
マシェリシュシュに行くと
美南が迎えてくれた。

シェフが希のいない間
苦労したことや
大吾が「今日は帰って来るんだろうな」と
なんどもいったことなど
必要とされている希だった。

大吾に挨拶をした後
「実はお話が」という。
「ここで言え、早く言え」と
相変わらずである。

「フランスへは行く決意が
できたか」と・・・

希は、緊張しながら能登に帰って
塗師屋の手伝いをするといった。
それで店をやめるといった。
結婚先が大変なのである。

「勝手を言って申し訳ありません。」

大吾はだまっていたが

「やめるのかパティシエ・・・」

「いえ、いったん止めるだけです。
向うの状況がよくなったら
また修業を続けるつもりです。」

大吾は、「そんな甘い世界ではない」
という。
「フランスへ行けと言ったのは
若いうちにしか身につかないことが
あるからだ。」

「でもわたしはまだ23才ですし」

「むこうでは15,16で
現場に来る
いま、しばらく休むという事は
パティシエ人生を棒に振ると
いうことだ。」

大吾は希に聞いた。

「その程度のものだったのか?
いつか、自分のケーキを見つけたい
といった、もう見つかったか」

「まだです」

「世界一のパティシエになるといった
あれはうそか?」

「いいえ」

「それだけの覚悟を持ってきたといったな。
あれは嘘か?」

「いえ、」

「ケーキで人を笑顔にしたいと
いったな
あれもうそか」


「うそではありません!!
でも、今は・・・・・」

「オリジナルで菓子を作ってみろ
うまかったらやめさせてやる。」

弥生は「卒業試験ですか?」という。

美南は「そんなのまずいって言えば
お父さんの勝ちだわ」という。

大吾は「俺はこいつみたいに嘘はつかない。」

「うそではありません。」

「ロールケーキを作れ。
それまで閉店だ。」

久々の閉店となった。

希が天中殺へ戻ると
珍さんも驚き
「なんで能登に帰るのか
もっとお話をしよう」と
いうが・・・

藍子は
「後悔しないか」と聞く。

希は「よく考えて決めた
ことだし」という。

そして希はシェフの試験を受けるから
といった。
昔金沢にいったのはロールケーキの
コンテストだった。
その時の審査員が大吾だったと
話をしたら藍子は笑った。
大吾との出会いはロールケーキだった
からだ。

大吾は「まずかった、能書きは
どうでもいい。まずかった。」

そういわれた。
「だから、最後はすごくおいしい
ロールケーキを作るから」と
いった。


大吾は、徹を店に呼び出して
もんくをいった。

希がやめることになったのは
徹のせいだということだ。
「以前、娘を守るのは父親の義務だと
かなんとか下らんことを言った。」

「言ったけどそれが何か?」

「そう思うなら漆職人なんかとの
結婚をなぜ許した!!
案の定このざまだ。
娘の夢をかなえたかったら
結婚なんかさせるな。」

徹は怒った。
「そんなことを言うために呼び出しの
か」と。
「おれはな、三年間手塩にかけた会社を
倒産させて夢も希望も失った
気の毒な男なんだぞ。」

「たかが3年でギャーギャー騒ぐな。
俺はパティシエになって40年だ。」
「だったら俺だって夢を追い続けて
40年だ。4歳の時から夢を追って
いたから。」
「おまえと俺では一年の重みが
違う
責任を取れ!!」
そういって大吾は出て行った。
「それができれば苦労はしないよ!!」

徹は去って言う大吾に
叫んだ。

藍子のもとに帰った徹。
「どこへいってたの?」
藍子が聞くが、
徹には大吾の話が
こたえたらしい。
「どうでもよくなってきたな・・
帰るか?能登へ。」

「いいの?」

「ここにいてもどうしようもないしな。」

藍子は、「徹さんがいいのなら」
という。

徹は「帰ろう、帰ろう」と
いいながらおにぎりを食べた。

食べながら
泣いた・・・。


翌日、荷物をもって藍子と
徹は横浜から去っていく。

「また戻ってこれるよね。」
と藍子。

希は、「ファイト」
と、手の甲をだした。

「はい!」
藍子もだした

徹も出した。

「がんばるぞ!!!」
「おーーーーー!!!」
こぶしを天に突き上げた。

津村家は団結する。

こうして、徹の三年間は
終わり藍子とともに
外浦村に帰って行ったのです。


マシェリシュシュが久々に
閉店になったので
君子たちは驚いた。

そして、希は
大吾の期待に応えるために
卒業ロールケーキを
作っています。

作りながら
いろんな思い出が浮かんできた。

マシェリシュシュのケーキを
初めて食べたとき
自分が探していたケーキが
見つかったと感動したこと

希はケーキの焼き具合を見る

「まずは修業、修業が終わったら
また修業!!!

そこで初めて見えてくるって
修業したいんです、この店で!!」

メレンゲを作っても作っても
ダメ出しをされたこと

そして、合格をもらったこと。

希はメレンゲを作る。
カスタードを作る。
「バカ野郎
下らん自己満足で厨房に
入るな」


「チョコレートを溶かして
流し込んだ。」


天中殺で大吾は一人
寂しそうだった。

希は、チョコを練りこんだ。

「菓子は技術だ
徹底した反復練習だ!

世界一のパティシエになりたいと
いったな、あれは嘘か。」

「いえ」

「ケーキで人を笑顔にしたいと
いったな。あれも嘘か」

「うそじゃありません!!」

「フランスで勉強して感性を磨いて
来い・・・・」

ロールケーキができた。

チョコでコーティングされている。

大吾が立っていた。

希は大吾に向かって礼をした。


ロールケーキを切り分けた。

大吾はメガネをかけてじっとみた。

希は
「昔作ったロールケーキは
能登の食材で作った能登のロールケーキ
でした。
これはシェフに教えてもらった
事を
すべて入れて作った私の
横浜ロールケーキです。」

大吾は希を見た。
そして、一口食べた。

しばらくして
大吾はメガネをはずして
いった。


「まずい・・・」
「え?」
「これじゃとても卒業させられん
な。」

「ええええ?????」
驚く希だった。
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食べたいですね。
横浜ロールケーキを。
これは希のオリジナルです。
売れると思うけど・・・

確かに、若いときに勉強を
しないとその時に身につくものも
身につかないといいます。
しばらく休んでまた、修行をします
というものではないと思う。

しかし・・・

塗師屋の女将である。

いくら、圭太が希の夢を守ると
いっても、人生何が起こるか
わかならい。
なんで結婚させたんだと
大吾が怒るのも無理はない。
希の夢は結婚しないほうが
実現されやすいのにきまって
いる。
いくら、男女平等だと
いっても
やはり、嫁に入る女性は
仕事を犠牲にすることもある。
それで中途半端で終わることも
ある。
男は結婚しても仕事は仕事で
あまり変わらないだろう。

希がなぜ、結婚したのか・・
今となってはわたしも
間違えたのではないの?と
いいたい。

ただ、この朝ドラのテーマは何?
と考えた。

夢を持てない女の子の
サクセスストーリーなのか???と。
そんな薄っぺらな???

夢と人生を家族を軸にえがいている
のではないのかと思った。

夢破れて、都落ちした津村家という
家族・・
そこに、桶作家という
地元に根付いている夫婦の
生き様が溶け込み
地元の子供たちという
仲間が交錯し

その親たちが、またまた
交錯し・・・

他人だけど家族のような
展開をしていくが

他人の悩みは自分の悩みのように
一緒に悩む様子が描かれた。

自然に家族を描いていくと
家族というのは社会の小さな原点と
言うことが見えてくる。

うまく気持ちを言えない高志
の存在は、たれとでも
コミュニケーションが取れる
音楽というツールで彼は歌を歌う。

言葉に頼らなくても音楽があるという
メッセージである。

しかし、反面思いを直接言いたい
からと希はフランス語を覚えた。

携帯がよく登場したが
携帯が通じなかったらどうなる?
とストーリーが
圭太のピンチと
希のフランス行き・・
の通じない言葉と
通じない気持ちだった。
それは直接会って話すことで
分かり合えた。
が・・・

希は直接会って話した
ことで
圭太のピンチを実感できた。

もしこれが携帯が通じて
大変なんやと言われても
身が横浜にある限り
実感できなかったのではないかと
思った。

つまり

このドラマはケーキ職人の
夢をかなえるサクセスストーリーでは
なく・・人は一人で生きているわけ
ではなく、時として大事な人を
守るために、自分の夢をあきらめる
こともあるという
メッセージが見える。

では・・・

40年間夢を見てきた

徹の夢は

どういう形で

実現するのだろう???