絶縁コンビニケーキ3
イベントは
一子からの挑戦状といわれ希は
大吾に謝った。
「お騒がせしてスミマセン。
一子へは私がちゃんと話します。」

といった。
徹は「それってイベントをやめるってことなの?」
と聞くが、希は「当然だ」と徹にはっきりいった。

一日一回の圭太との電話で
この話をした。
「一子との仲はそんなに悪くないと
思っていたのに。
『結婚おめでとう』
と言ってくれたことで何もないこと
にしてしまっていたといった。
『気がつかんかったけ?うちは時々
希が大嫌いだった・・』と。

あれだけはっきり大嫌いと言われて
いたのにね。」
圭太は何も言わない。
「どうして?」「なにをいったらいいのか
わからない。
まて、今いいことを言うから」というが。
電話中に大輔が来た。
そのことは圭太にも伝わった。

圭太と電話中だと希が言うと
大輔は大きな声でいった。

「奥さんのピンチに電話ですか。
駆けつけてこないんですか。
どうせ、大したアドバイスもできない
んでしょ?
高志と俺とで相談に乗るから
ご心配なくね~~」
とわざと希が持って歩いて
いる電話に向かっていった。

「今考えとるとこや!!!」
圭太が怒った。
「圭太も相手をしないで。」
と希は言う。
大輔は
「一子の挑戦は希への嫌がらせなど
だけではないと思う」という。
一子の不審なところはアパレルで
大活躍中であるのに、あんなに熱心に
スイーツブログを書く暇があるわけない。」

高志が圭太の電話を聞いていた。

「いまおれが旦那としていいアイディアを
考えているからな」といっている。
大輔は、「一子には何か事情が
あるのだろう」といった。

一子は、そのころ東京のアパートで
スイーツを作っていた。
洋一郎はすべてをしって何のために
希と対決をするのかと聞く。
一子は自分の未来を開くためだと
いった。

コンビニで一子の名前で
スイーツを売ってもらえる。
これを機会に執筆活動
芸能活動・・ここまでくるのにどれほど
苦労したことか。
一子は春に希の店でケーキを食べたとき
おいしかったという。
「でもこんな小さいのが450円。
高いやろ?だからキャバクラの客の中に
いた料理研究家の先生に教えてもらって
安くてうまいスイーツブログを始めた」と
いう。

「全部先生のレシピや。
人気が出てきたので先生から広告代理店の
人を紹介された。
もっと人気ブロガーになれば
コンビニに売り込めるといわれた。
有名なケーキの店を挑発して
話題つくりをしよう。」
「広告代理店もぐるやったんか?」
と洋一郎が聞く。

「ほうや。」

「そのために希を利用したんか?」

「ほうや。」

洋一郎はこれを見てくれと
DVDを差し出した。
「なに?」というが近づくと
それ以上近づくなと
一子は怒った。
そこへ携帯が鳴った。
みのりからだった。
一子は無視した。

洋一郎はなぜでないと聞くと
「やっとやり直せるかもしれない。
邪魔せんといて。」
と一子は言った。

みのりは一子が出ないことを確認した。
一子がスイーツブログをやっていること
を知らなかったという。

文は「一子がわんこけ」という。

浩一は、「ああああああ・・」と叫んだ。
はるさんは「しょうがない」という。
「洋一郎がまだ帰ってこない」と慎一郎
はいった。
文は「マキ!
そろそろ白状せんか???

一子は今どうしている??」
マキは答えられない。

希から一子へ携帯が鳴る。

一子は洋一郎を外に出して
鍵を閉めた。
そして、電話に出た。

出ると思ってなかった希は
驚いた。

一子は「イベントの話なら仙道さんに
いって」という。
一子は希とは会えないというが。
「明日休みだからどこへでも行くよ」というと
「ほんとうに来る?
どこにでも??」

そういって一子は笑った。

行先は一子の職場らしいが
入ったところでごっついおにいさんが
バイト募集できたと思って声を
かけた。

「かわいいね、いくつ?」
「履歴書は?」
「時給は2500円からスタートね。」
希は驚いた。
「2500円???」
「指名がつくようになればもっと
稼げるよ。」
希は「もっとってどのくらい?」と聞くと
一子が、「何話しているのよ」と
いって間に入って来た。
「アリサちゃんの友達?」とごっついお兄さん。

「アリサ?」と希は驚いた。
「一子ことわんここと
アリサで~~~~~す!!」

一子は笑って言った。

「感想は?」
希は「すごいね、一子。高い時給で。」

という。
一子は「そうじゃないでしょ」と笑った。
「私はアパレルで働いてプロポーズされたと
いっていたのに、おかしいと思わないの?」

「最初はわからなかったけど
ここに呼びだされた時点で、ほうかって。」

「なあんだ、ビビらせようとしたのに。」

希は一子に聞いた。
「借金でもしているのか、
アパレルの仕事がなくなって
借金してお金なくなって
あの人にお金を借りて
働かされているの?
いくら?お金持ってきた。
全部貸すから
借金ほど厳しいことは
ないからね。早く返して
自由になって。」

「借金なんかないわよ
私はあんたのそういうところが
きらい。
なんなの、まっすぐで邪気のない
反応は!!
私はあんたの店を攻撃して
イベントやろうとしてるのよ。
わかるでしょ。利用しようとして
いることぐらい!!」
一子は叫んだ。

希は、「ごめんえ、借金はお父さんで
懲りているから。」

「まっすぐに生きていたらいいという
わけではないからね。
光に当たったら死んでしまう生き物も
いるのよ。」

「あの、参考までに聞いてもいいけ?
うちのこといつから嫌いやったんけ?」

「ずっとだよ。」

「ほんのちょっこりすきとか」

「ないよ、ずっと嫌い。

ということでイベントよろしくね。」

「できない。」

「こまりますけど」

「そんな勝負したくないから
シェフは私のケーキを
コンビニに置くわけないし。」

「希の所のケーキは
コンビニなんかに置けない
高級なケーキ様だものね。

希も変わったよね。
昔は節約レシピがとか
食べた人が笑顔に。。とか
言っていたのにさ、
今じゃ高級路線まっしぐら。
能登で取れる食材でロールケーキを
作っていたあんたがねぇ?
ああいうのが希が目指していた
ケーキなの?
私のブログのほうがよっぽど
原点に近いんじゃないの?
わたしね、勝ったら出版社を紹介して
もらえるのよ。ブログが本になる
勝てはコンビニのシーエムにも出られるし
人生かかっているからね。
仲間なら協力してね。」
一子は最後は笑って
希の肩に手を置いていった。
そして、はじかれたようにくるっと
まわって去って行った。
あっけにとられる希だった。
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一子が自分を嫌いと思われているとは
信じられない希。
こういう人っていますね。
嫌いなのよといいながらも
仲間をやっているひと。
嫌われているとも知らないで
仲間をやっている人。
どれほど、窮屈な人間関係なのかと
思います。
こんな時圭太はどうなのよと
思いますが、アドバイスはできない
みたいです。
その代りに大輔が、希のアドバイスを
します。
大輔は、大人ですね。