下剋上駄菓子ケーキ4
大吾のぎっくり腰は
深刻だった。
厨房に立っても、腰を動かせない
ので希たちの手助けが必要とな
った。
フロアから輪子は「見てられない
あんな大吾」
というし、美南も心配そうに
みている。

徹が「それじゃ、私がひとはだ
脱ぎましょうかね」という。
何を考えているのだろう?

天中殺で徹はスタッフを前に
プレゼンをやった。

決着をつけるために考えた
アイディアとは、ある
イベントを開催するという
ことである。

そのイベント名は
「プロに聞いちゃおう!
希のケーキと
シェフのケーキ。
ほんとうはどっちがおいしい
の?」

である。

プロに聞くというのが
みそだという。
しかし、そのプロとは?
「西園寺さんかな~~」と
弥生が舞い上がる。

そうではない。
徹にはある考えが
あった。
プロに見てもらうのかと
希が言うと
輪子が嫌だろうけどごめんねと
いった。
「ほやけどうちの手でシェフに引導を
渡すなんて」という。

徹は
「おまえ、勝てる気満々だね」と
あきれた。
浅井は、「わかりませんよ~~。なにか
の間違いでシェフが勝つかもしれないし。」
というが、しっかり転職雑誌を
みている。
「プロの人というのは当日の
お楽しみということだ」と
徹は内緒にした。

輪子はこのことを自分から
大吾に言うから
あの人の行く末をきっちり
見守ってねという。

その夜、希はお店の厨房でハナシをする輪子と
大吾を見た。
「好きにしろ」といっていると
輪子は希に言った。

部屋に帰ったが
希は台所に立った。
「まだ、なにかするのか」と
徹が言う。
「シェフとの対決の準備をする」と
いった。
「全力で勝負しないとシェフに失礼
だから」と希は言った。
希はシェフに感謝をしている。
自分のような素人相手に
全力で教えてくれたからと。
「そうか、全力でやったれ」と
徹は言った。

そして希に、頼みたいことがある
らしく、明日の休日付き合って
ほしいという。

行った先はとあるビルの一部屋である。

がらんとしているが
ここは何かと希は聞いた。

徹は「お父さんの会社だよ」と
いう。
「まいもんネットがあたって
資金繰りもうまくいったし
独立した。」
藍子との約束が迫っている、
だから、徹は努力した。

希は「お母さんにプロポーズを
しにいこう」といった。

「俺喜んでいいのかな?
喜んだら止まらなくなるけど
いいのかな?」

「いいよ!!」

「では


やったぁ~~~
俺の会社だぁ~~~
これで藍子に会える~~

やったぁ~~~!!!」

二人はめちゃくちゃ
喜んだ。

徹は「どうやってプロポーズを
したらいいのか?
三年も待たせたし・・・
普通ではな・・」という。
希は「じゃ、ケーキ作ったら?」

「ええ?」

希はみのりたちがケーキを作って
お祝いをしてくれたことが
うれしかったといった。
だから、お父さんがお母さんに
プロポーズケーキを作ると
いうのだ。
徹は「教えてくれよな」という。
希はうれしそうにうなずいた。

いよいよ希と大吾の勝負の日となった。
「シェフ、正々堂々と戦いましょうね。」
「うるさい、あっちへいけ」

大吾は店のテーブルをみがく
ようにふいて、ため息をついた。
そして、ケーキ作りが
はじまった。
二人が作るものはセマヴィ
大吾が「これが俺の人生だ」と
なづけたマシェリシュシュの看板ケーキ
です。
そして、ケーキが出来上がった。

それをお皿に並べると
徹がプロの先生が来たと
声をかけた。

「ボンジュール」と
いって表れたのは
ロベール幸枝。
希の祖母である。
「あなた本当にパティシエになった
のね。あはははは。」
「おばあちゃん~~~」
と希は久しぶりの再会に
喜んだが。

ロベール幸枝の略歴を弥生が
説明した。
とにかく有名なパティシエだと
言う意味のことを言った。

徹が「あちらが希の師匠の」
というと
大吾はやってきて
幸枝に「お久しぶりです」と
挨拶をした。

実は大吾の師匠は幸枝だった。

徹は知らなかったという。
幸枝が日本に来るというので
丁度いいと思って
呼んだらしい。
偶然というのは恐ろしい。
そして、
幸枝はその前に大吾とこの店に
来ることを約束していた。

「大吾は私の弟子よ」という。
「ウィシェフ!!」
珍さんは大吾のぎっくり腰が
治っているといった。

「あら、このガラス曇っているわよ。」
「失礼しました!」
大吾はガラスをさっさとふいた。
よほど怖い師匠だったらしい。
このところ大吾がおかしかった
のは幸枝さんが来るから緊張して
いたのかもと輪子が言った。
「良かった、ぼけ始めたわけでは
無かったのだ」と笑った。

そしてケーキを幸枝の前に
おいた。
「先生どうぞ・・・。」
「食べるまでもないわ。
見たらわかる。
大吾のほうがおいしいに決まって
いるわ。」
「シェフのほうがおいしいと決まって
いるって?そんなあっさりと
決まるのか」と徹は驚いた。

大吾は「当たり前だ。
ただでさえ、ややこしいときに
ややこしいことを言いやがって。」
という。
「じゃ、なぜ希ちゃんのケーキの売り上げが
一位になるの?」と美南は言う。

「説明してもいい?私から。」
幸枝が言うと大吾が
「お願いします」と言った。

幸枝は、希を見て
指を一本たてた。
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大吾が衰えたということは
否定された。
幸枝が師匠だなんて。
やはり朝ドラです
さんざん、みんなを悩ませて
大吾はただただ幸枝が来るので
緊張していただけ
であって
胃が悪いのもそのせいで
激辛が食べれなかったわけだ。

それはそれでいいのだが
職人は衰えると後輩から
すぐに抜かれるわけだ。
怖いですね。
実力の世界ですね。

そう思います。
今日は圭太の電話はありません
でした。