下剋上駄菓子ケーキ3
大吾の様子がおかしい。
シェフとしての限界なのか?
と心配する中
ぎっくり腰になって
天中殺に帰ってきた。
一子とはその騒動のなか
あまり話すこともなく分かれた。
お店はシェフが立てれない間は
浅井と希ができる範囲に縮小して
するという結論が出た。
閉店後であったが榊原が再度やって
きた。昼間の騒動でゆっくり話もでき
なかったのはこの人も同じだった。
奥様のバースディケーキに
運命をかける男である。
そのケーキだが、シェフにと思って
いたが、どういうことなのか
奥様は希のケーキがお好みとなり
それで希に作って欲しいと
またまた頼みに来たのだった。
それも事情があって
この間見た離婚届の証人の欄に
あの時なかった妻の父親の
サインがしてあった。
だから、必死になっている。
「心から詫びるつもりだから
絶対に失敗できないから
お願いします!!」と
彼は必死で希に頼み込んだ・・。
夫婦のルールその一。一日一回
の電話で圭太と話す希。
圭太は「もし、シェフが俺やったらはっきり
いってほしい」といった。
「ケーキの味が落ちた」と。
希のケーキが売れる日があるという
のは、事実で裸の王様である
ほうが職人にはつらいこと
だという。
一子が来たことをすでに圭太は
知っていた。
みのりに聞いたという。
みのりは高志から
高志は美南から・・
この能登の情報網のち密さは
横浜と能登を結んでいると
希は嬉しくなった。
「一子が来てくれた。
結婚おめでとうと言って
くれたし、笑ってくれた」と
希はいった。
圭太はそれをきいて「ほうか」と
喜んだ。
その東京。
漁業組合の旅行で
慎一郎と洋一郎親子は
東京に来ている。
そして、あの大人の
東京のガイドブックを見て
なのか、キャバクラで
洋一郎は「きれいな人ばっかり
や~~~~」と
有頂天である。
そして、「一子のことなど忘れた」
と言いながら
きれいなお姉さんと一緒に
お酒を飲む。
飲みながら
「おねさん、俺もう忘れました」と
いいながら客やキャバ譲と
乾杯をして調子に乗っていた。
「よかったね~~アリサで~~す。
乾杯!!」
洋一郎は
何かを感じて
アリサというお姉さんを見ると
・・・
一子だった。
一子もびっくりした。
キャバクラが終わる時を待って
洋一郎は帰る一子に声をかけた。
一子は酔っぱらって
「あははは」と笑いながら
「どうしてここにいるの」と聞く。
「漁業組合の旅行や」というと
「魚・・漁業組合??
久しぶりに聞いたわ~~
あははは、受ける~~~」
と笑いこける。
一子と一緒に一子の家にいった。
雑然とした部屋だ。
「偶然過ぎて笑ってしまうわ」と
一子は笑いながらいった。
洋一郎は一子に
ブログと全然違うと聞く。
アパレル関係の仕事をして
いるというのがブログだったが
実際はキャバ嬢だった。
大阪から東京へ来たときは
アパレルで働いていた。
半年で店が倒産した。
モデルになりたかったけど
それはできなかった。
お金が無くなって
今の仕事をした。
「以上一子劇場でした。」
ぐだぐだになっていてもテレビを
つけて笑っている。
洋一郎は「村に帰ってこいや」と
いった。
「まさか・・・」
「おばちゃんたちをずっと
だましているつもりか?」
一子は帰れないという。
何物にもなってないのだ。
「何かにならないといけないのか」と
洋一郎は聞くが
「毎日魚を取っているあんたには
わからない」と一子は言う。
「思ってもない悪口を言うな。
・・・おまえ、まだ希にこだわって
いるのか?
わかっている。ずっと希に対抗していた。」
一子は洋一郎の首に抱き着いた。
「うちのこと好きねんろ?
いいよ・・・」
一子は好きにしてとばかりに
洋一郎の前に目を閉じて
すわった。
「ダメや~~
こんな一子はダメや!!!」
洋一郎は一子から離れた。
「人生最大のチャンスを逃したな。」
と一子は笑った。
「一子・・・」
もういちど話をしようとしたが
一子はブログを書かなくては。
お母さんが楽しみにしているからと
いって、ブログを書き始めた。
「いわんさけな。村には・・」
といって洋一郎は帰って行った。
一子は見向きもしないで
ブログを打ち込んでいた。
はるは、そのブログを見てた。
「今日はパリからのお客様を
アテンド。さすが本場のパリジェンヌ
は違いますね。私も負けずに
ジャパニーズ流おしゃれで対抗だ」
「ふう~~ん
何なんかね・・・・」
はるはなにかしら不安を感じた。
天中殺では輪子が
占いをしている。
どうやら大吾はなにかしら問題を
抱えているらしいと
思った。
その何かがわからない。
希は圭太の言った言葉を思い出した。
「裸の王様でいることは職人にとって
つらいさけな」
希は「シェフに言ってみませんか?」といった。
「このままでは・・・」というと
浅井は「だれが言うのですか?
そんな怖いこと。
僕絶対嫌ですよ。」と。
「輪子さんは?」
「ダメ、離婚になる・・・」
「俺が言おうか?」と大輔。
美南は「お兄ちゃんはダメ。言葉を
選ばないから。」
弥生が「YOUで言おうか」と
いうが・・・
徹が土井善春でいってみようかと
もいう。
でもやっぱり
ここは希だと美南がいった。
大吾は店の中にいた。
高志と珍さんがそのそばにいた。
希は、緊張して
大吾に近づいた。
「あの、シェフ・・ちょっこし
お話が・・」
「なに?」
その様子に希は
気をそがれて
「やっぱり無理~~~」と
引き下がった。
「何だ言え!!」
と、大吾言う。
「待ってください、心の準備が・・」
「早く言え!!」
「シェフの腕が衰えているのではないかと!!」
「あ?」と大吾はいう。
「言った・・・」と美南はつぶやく。
「どういう意味だ?」
希は月に三回自分のケーキの
売り上げが一位になった
こと、榊原が希に作って欲しいと
いったこと。
希は「そこまで自分の腕が上がったとは
思えないので、シェフの腕がおちた
のでは、と思ったのです」というが。
大吾の怒りが伝わり
「すみません!!」と謝った。
大輔は、「怒ることないじゃん。
このところおかしいから」と
いう。
「ルセットの粉の計算間違ったん
だって?
ありえないでしょ?」
大吾は黙った。
そして、立ち上がった。
階段を上って行く。
「背中に悲哀が・・・」
「もっと怒るかと思ったのに」
「ショックだったんだよ、あれは・・」
希は大吾の後姿をじっとみた。
***********
老いは突然来るのでしょうか?
これはつらいですね。
だったら、一線を退くか
それとも
別の道をさがすか?
パティシエ育成もいいと
思うけど、この人向きでは
ないですね・・・。
一子が希を嫌っていたこと。
あの洋一郎が気づいていた。
ということは
高志も気づいてきたのか?
圭太は無理・・・そこまで
見抜けない。
希はこの間、輪島塗の展示会で
やってきた一子から
あんたが嫌いだったと
直接言われた。
なぜ?
希はしっかりもので、
計画性もあり
行動力もあり
甘えることもなく
自分の道を歩いている。
だが、厳しく険しい
道だった。これからも同じで
厳しい道だ。
結婚も、普通にできない。
でもそれでも自分が選んだ道
だから。圭太も納得してくれた。
一子が圭太を好きになったのは
希と競争して希が好きだという圭太
を自分に向かせたかったのかなと
思ったりする。
地味にマイペースなみのりは
希と会うかもしれない。
一子は希と会わなかったということだ。
東京にあこがれて
何をするわけでもなく都会に
憧れている一子だった。
もっといろんな道があって
東京で暮らせることなど
簡単にできるのに・・・と
思いますけどね。
だから東京の大学へ進学して
バイトしながら
おしゃれな生活を
していこうと思えば
できたはずだと思います。
ただし、プロになるのは別の
話。そういうところが
希と違うところなのだろうね。
大吾の様子がおかしい。
シェフとしての限界なのか?
と心配する中
ぎっくり腰になって
天中殺に帰ってきた。
一子とはその騒動のなか
あまり話すこともなく分かれた。
お店はシェフが立てれない間は
浅井と希ができる範囲に縮小して
するという結論が出た。
閉店後であったが榊原が再度やって
きた。昼間の騒動でゆっくり話もでき
なかったのはこの人も同じだった。
奥様のバースディケーキに
運命をかける男である。
そのケーキだが、シェフにと思って
いたが、どういうことなのか
奥様は希のケーキがお好みとなり
それで希に作って欲しいと
またまた頼みに来たのだった。
それも事情があって
この間見た離婚届の証人の欄に
あの時なかった妻の父親の
サインがしてあった。
だから、必死になっている。
「心から詫びるつもりだから
絶対に失敗できないから
お願いします!!」と
彼は必死で希に頼み込んだ・・。
夫婦のルールその一。一日一回
の電話で圭太と話す希。
圭太は「もし、シェフが俺やったらはっきり
いってほしい」といった。
「ケーキの味が落ちた」と。
希のケーキが売れる日があるという
のは、事実で裸の王様である
ほうが職人にはつらいこと
だという。
一子が来たことをすでに圭太は
知っていた。
みのりに聞いたという。
みのりは高志から
高志は美南から・・
この能登の情報網のち密さは
横浜と能登を結んでいると
希は嬉しくなった。
「一子が来てくれた。
結婚おめでとうと言って
くれたし、笑ってくれた」と
希はいった。
圭太はそれをきいて「ほうか」と
喜んだ。
その東京。
漁業組合の旅行で
慎一郎と洋一郎親子は
東京に来ている。
そして、あの大人の
東京のガイドブックを見て
なのか、キャバクラで
洋一郎は「きれいな人ばっかり
や~~~~」と
有頂天である。
そして、「一子のことなど忘れた」
と言いながら
きれいなお姉さんと一緒に
お酒を飲む。
飲みながら
「おねさん、俺もう忘れました」と
いいながら客やキャバ譲と
乾杯をして調子に乗っていた。
「よかったね~~アリサで~~す。
乾杯!!」
洋一郎は
何かを感じて
アリサというお姉さんを見ると
・・・
一子だった。
一子もびっくりした。
キャバクラが終わる時を待って
洋一郎は帰る一子に声をかけた。
一子は酔っぱらって
「あははは」と笑いながら
「どうしてここにいるの」と聞く。
「漁業組合の旅行や」というと
「魚・・漁業組合??
久しぶりに聞いたわ~~
あははは、受ける~~~」
と笑いこける。
一子と一緒に一子の家にいった。
雑然とした部屋だ。
「偶然過ぎて笑ってしまうわ」と
一子は笑いながらいった。
洋一郎は一子に
ブログと全然違うと聞く。
アパレル関係の仕事をして
いるというのがブログだったが
実際はキャバ嬢だった。
大阪から東京へ来たときは
アパレルで働いていた。
半年で店が倒産した。
モデルになりたかったけど
それはできなかった。
お金が無くなって
今の仕事をした。
「以上一子劇場でした。」
ぐだぐだになっていてもテレビを
つけて笑っている。
洋一郎は「村に帰ってこいや」と
いった。
「まさか・・・」
「おばちゃんたちをずっと
だましているつもりか?」
一子は帰れないという。
何物にもなってないのだ。
「何かにならないといけないのか」と
洋一郎は聞くが
「毎日魚を取っているあんたには
わからない」と一子は言う。
「思ってもない悪口を言うな。
・・・おまえ、まだ希にこだわって
いるのか?
わかっている。ずっと希に対抗していた。」
一子は洋一郎の首に抱き着いた。
「うちのこと好きねんろ?
いいよ・・・」
一子は好きにしてとばかりに
洋一郎の前に目を閉じて
すわった。
「ダメや~~
こんな一子はダメや!!!」
洋一郎は一子から離れた。
「人生最大のチャンスを逃したな。」
と一子は笑った。
「一子・・・」
もういちど話をしようとしたが
一子はブログを書かなくては。
お母さんが楽しみにしているからと
いって、ブログを書き始めた。
「いわんさけな。村には・・」
といって洋一郎は帰って行った。
一子は見向きもしないで
ブログを打ち込んでいた。
はるは、そのブログを見てた。
「今日はパリからのお客様を
アテンド。さすが本場のパリジェンヌ
は違いますね。私も負けずに
ジャパニーズ流おしゃれで対抗だ」
「ふう~~ん
何なんかね・・・・」
はるはなにかしら不安を感じた。
天中殺では輪子が
占いをしている。
どうやら大吾はなにかしら問題を
抱えているらしいと
思った。
その何かがわからない。
希は圭太の言った言葉を思い出した。
「裸の王様でいることは職人にとって
つらいさけな」
希は「シェフに言ってみませんか?」といった。
「このままでは・・・」というと
浅井は「だれが言うのですか?
そんな怖いこと。
僕絶対嫌ですよ。」と。
「輪子さんは?」
「ダメ、離婚になる・・・」
「俺が言おうか?」と大輔。
美南は「お兄ちゃんはダメ。言葉を
選ばないから。」
弥生が「YOUで言おうか」と
いうが・・・
徹が土井善春でいってみようかと
もいう。
でもやっぱり
ここは希だと美南がいった。
大吾は店の中にいた。
高志と珍さんがそのそばにいた。
希は、緊張して
大吾に近づいた。
「あの、シェフ・・ちょっこし
お話が・・」
「なに?」
その様子に希は
気をそがれて
「やっぱり無理~~~」と
引き下がった。
「何だ言え!!」
と、大吾言う。
「待ってください、心の準備が・・」
「早く言え!!」
「シェフの腕が衰えているのではないかと!!」
「あ?」と大吾はいう。
「言った・・・」と美南はつぶやく。
「どういう意味だ?」
希は月に三回自分のケーキの
売り上げが一位になった
こと、榊原が希に作って欲しいと
いったこと。
希は「そこまで自分の腕が上がったとは
思えないので、シェフの腕がおちた
のでは、と思ったのです」というが。
大吾の怒りが伝わり
「すみません!!」と謝った。
大輔は、「怒ることないじゃん。
このところおかしいから」と
いう。
「ルセットの粉の計算間違ったん
だって?
ありえないでしょ?」
大吾は黙った。
そして、立ち上がった。
階段を上って行く。
「背中に悲哀が・・・」
「もっと怒るかと思ったのに」
「ショックだったんだよ、あれは・・」
希は大吾の後姿をじっとみた。
***********
老いは突然来るのでしょうか?
これはつらいですね。
だったら、一線を退くか
それとも
別の道をさがすか?
パティシエ育成もいいと
思うけど、この人向きでは
ないですね・・・。
一子が希を嫌っていたこと。
あの洋一郎が気づいていた。
ということは
高志も気づいてきたのか?
圭太は無理・・・そこまで
見抜けない。
希はこの間、輪島塗の展示会で
やってきた一子から
あんたが嫌いだったと
直接言われた。
なぜ?
希はしっかりもので、
計画性もあり
行動力もあり
甘えることもなく
自分の道を歩いている。
だが、厳しく険しい
道だった。これからも同じで
厳しい道だ。
結婚も、普通にできない。
でもそれでも自分が選んだ道
だから。圭太も納得してくれた。
一子が圭太を好きになったのは
希と競争して希が好きだという圭太
を自分に向かせたかったのかなと
思ったりする。
地味にマイペースなみのりは
希と会うかもしれない。
一子は希と会わなかったということだ。
東京にあこがれて
何をするわけでもなく都会に
憧れている一子だった。
もっといろんな道があって
東京で暮らせることなど
簡単にできるのに・・・と
思いますけどね。
だから東京の大学へ進学して
バイトしながら
おしゃれな生活を
していこうと思えば
できたはずだと思います。
ただし、プロになるのは別の
話。そういうところが
希と違うところなのだろうね。
