絶体絶命メッセージプレート4
希がスーシェフになって
弥生という元公務員でパテシェを
目指したいという後輩が入って
きた。
これが恐ろしく不器用だった。
大吾は指導しきれないのならやめさせろ
という。
圭太は一人で暴走し
結婚したいという。
しかも遠距離結婚。
弥太郎は反対。女将は専業でないと
できないという。
藍子も反対、遠慮利結婚は不自然だ
という。

希はみのりに電話をした。

一度に難問が降りかかってきた。
これを何とかしようというのは
難問処理能力のキャパを超えている。

「圭太も相変わらず
地に足をつけてない」とみのりはいった。

「わすれていたあ、ああいう性格やからね。」
みのりは希たちを応援しているという。
希も圭太も一子も
高志もそれぞれが選んだ道だから
応援しているとみのり。
「結婚のことより新人さんのことを
考えることだ」というアドバイスだった。
「一つ一つやらねば」といってくれた。

一徹は「圭太とも連絡を取り合って
いないと・・」といったが
既に電話は切れていた。

そこへ洋一郎がやってきた。
さっきの話を聞いていた。
圭太も一子も高志も・・
と言って「自分の名前がなかった
のはどういうことだ」と聞く。
「俺も応援してくれ」というが
「何を応援したらいいのか
わからない」とみのりはいった。

午前四時のこと
希がお店に行くと
弥生が来ていた。

「おはようございます。」と
弥生が言う。

「まだ早いですよ。」と希が
いった。

弥生は自分は不器用なので人より早く
やらないとという。
希にどうしてこんな早くに来たのか
と聞くと言葉に詰まった希だった。

弥生はみぬいていて
「自分がドジだから仕込の時間が
かかるので早く来たのですね」と
いった。

「そうです」というとやっぱりと
弥生は言う。
「申し訳ありませんでした。」
と弥生は言ってお店を
やめるつもりだと
いった。
希は弥生に特訓しましょうと
いった。「シェフはいつも
千回練習しろと言います。
ひとの100倍するとしたら・・
10万回しましょう」と
提案した。

その材料費はどうするの??

弥生は「練習は得意です」と不思議な
ことを言う。

希も私もやりますといった。

さて、能登の圭太は・・あっちこっち
手のとどくところ
歩くところに
お見合い写真が置いてあるのを
みて、頭に来た。


圭太は希の携帯に「電話をくれ」と伝言を
いれた。

藍子は「希のことだけど」といいかけたが
亜美が「親方が病院へ行っているらしい
が、知っていたか」と聞く。
どうやらこの間の組合の会合を
病院へ行くと言って休んだらしい。

「どこか具合が悪いのかな」
「それで急に見合いとか・・持ち出した
のかな?」

藍子と亜美はそんな話をした。

圭太は見合いの写真を弥太郎に
返した。
「どこかわるいのか?」と圭太が聞く。
「風邪や」という。
「風邪ぐらいでは病院へいかんやろ」と
圭太は言った。
「ちょっと心臓だ」という。
「後のことは考えてないと
いけない」と弥太郎は言った。

「そのための見合いだったのか」と圭太は
思ったみたい。

「しっかり者の女将をもらって
安心させてくれ」という。

そこにガールフレンドのかなえが来た。

「この間はありがとう。
まりえちゃんが喜んでいたわ」と
いう。お店の女の子の名前だ。

「弥太郎さんに病院へ来てもらった」と
言うので圭太は驚いた。

弥太郎はあわてて、「かなえちゃん、ちょっと外へ
でよう」と立ち上がった。


よくよく聞いてみると
まりえが盲腸炎になったので
わざわざ弥太郎が見舞いに来てくれた
というのだ。

「だましたな」と圭太は言った。
「おまえが勝手に誤解したんだ」と
弥太郎がいう。

「店は絶対につがない。
希と結婚して一生漆職人だ」と
圭太は言う。
すると弥太郎は「年季明けは無しや」と
いった。
「親方の言うことを聞かれん奴は
年季明けができるものか」と
弥太郎は言う。
・・・
希は携帯に圭太の伝言が入って
いるので、かけようとしたが
弥生がやってきて
特訓の準備ができたといった。

希はメッセージプレートをお手本に
かいた。
「入学おめでとう」
「これを特訓しましょう」といった。
「入学祝のケーキの予約が
たくさん入っているので
これをマスターしたら
みんながびっくりします」と
希はいった。

圭太はずっと希に電話をかけている。

こうして、二人はゆきちがいを繰り返し
はじめた。
弥生の特訓は
成果らしい成果は出ないまま
終わった。すこしでも
進歩が見えたところを希は
その不器用さに呆れながらも
上手になっていると
ほめた。

希も一度はパティシエをあきらめた
事を話した。
でもやっぱりあきらめきれなくて
また戻ってきたことも。
だから弥生の気持ちがわかるという。
「一緒に頑張らせてください」といった。
弥生は「はいっ」と元気よく返事した。

時間を見ると深夜だった。

やっとの思いで圭太に電話をした。

圭太は弥太郎が仮病までつかって
結婚に反対することを言った。

何かいいアイディアは考えたかと
きくと
希はそれどころではなくてと
何も考えていないという話をした。

「それどころではないって?」
圭太は怒った。
「真剣に考えろ」という。
希はそうはいってもと歯切れが悪い
ので圭太は自分が横浜に行くから
そっちで話をしようという。
こっちに来られてもまずいものはまずい
と希は困った。
そこに徹が帰ってきた。話は
複雑になりかける。

「時間は取らせないから一時間ぐらいなら
大丈夫やろ?」と圭太は
具体的に言うが、気持ち的にせわしない
ので、希は乗らない。
圭太は、「おまえとの結婚のために・・」
と怒鳴るが
希は「わかっているけど仕事だから」と
断った。
圭太はいった。
「どっちが大事やネン?
仕事と結婚
どっちが大事なのか」と
聞いた。

それまで
下手に出ていた希は

「はあぁあああああ~~~~~????」
と怒鳴った。
徹は「まさか、けんかか?」という。
「それをいうの??
世の中の人生相談の中で

ぜっ・・・・・・・・・・・



たいに

言うたらダメなセリフナンバーワンを
あんたは言うのか???」

「それだけいいたい男がいるという
ことや。」

「圭太か?
圭太、希は怒ってるぞ?
謝ったほうがいいぞ」
徹が言う。

「だれが謝るか!!!

仕事と俺、どっちが大事や?」

希はいった


「仕事や。」

「あん???」

「仕事、仕事、仕事、仕事、
仕事、仕事、仕事、仕事!!!!」

「なんや、このだらくそ。
だらくそ、だらくそ、だらくそ、だらくそ
だらくそ、だらくそ、だらくそ、だらくそ!!」

希は携帯を切った。

圭太は携帯を置いて
仕事場をぐるぐるとイラつきながら回った。
****************
「だら」ってバカってことでしょ?
「くそ」がつくと
バカの最上級という事なんだろうか???

この二人
とにかくあの激しく情熱的な
抱擁シーンとキスシーンが
多数あったので、このケンカが面白く
なった。
こうでなくては、面白くないでしょ??
いつの時代も、男と女は
どっちかがゆずらないと・・・
収まらないのよね!!!
たいてい、女のほうが折れるけど
希はパティシエをやめることは
ないと思いますね。
いつのまにか圭太は跡取りになって
いるので驚きますが
普通の漆職人でいいと思っている
圭太にとって
跡取りというのは
どういう、覚悟をしなくては
いけないのかと、戸惑っています。

伝統やらしきたりやらで
自由がないのもありますが
どうなんでしょうか??
希と話し合いをしても解決策が
生まれるとは思えません。

希だって今しかできないことを
やってしっかり修行をしたいわけです。
修業中というのは圭太とも
同じで、大切なことなんだから
希の授業を邪魔してはいけないと
思いますね。

結婚は…時期が来たら
できますって。
誰かに希を取られるのかも?
ありゆるかも。
そんな思いを乗り越えて結ばれると
絆は固くなると思います。