運命カカオ64%2
圭太も一緒に来た。
「なして?」希は驚いて声を出した。
「なしてって、聞いたやろ?展示会。
俺も手伝うことになってん」
文はたちあがって
厨房に入っていった。
「いい台所やな」といいながら
「関係者は入らないでください」と
陶子に言われても
ずうずうしいおばちゃん根性で
浅井に話しかける。
「入ったらだめやがいね」と文に
言う圭太を見て陶子は
「どうぞ、ごゆっくり」という。
そして希に、「あのイケメン
紹介しなさいよ」といった。
イケメンに弱いのだ。
そこに大吾が帰ってきた。
みれば店で見知らぬやつらが
美南を撮影したり、
イケメンと話をしたり
おばちゃんは浅井と
話をしたり
ちっとも仕込みを
やっていない。
大吾はあたまにきて
店を閉めた。
天中殺で「すみませんでした」と
深々と謝る希だった。
それを横目で
美南がお店のケーキを運んで
くる。
弥太郎は「これはうまそうや」と
いった。
そして圭太には陶子がケーキを
運んで「どうぞ」という。
文は「たいしたもんだ」と
いう。
「あれだけ無駄にこねくり回して」
というと
大吾が「無駄にこねくり回して
いるんじゃない」
と怒った。
「うちでつくった干し柿をくうてみるけ?」
と文さん。「干しているだけ
まんでうまいぞ。」
希はこれ以上大吾を刺激しては
まずいと文を止めようとする。
輪子は「明日も閉店かな」と
他人事みたいに言う。
弥太郎は立ち上がって
ケーキをデジカメに撮った。
「これは素晴らしい作品やわいえ
みてみまし、この大胆さと
繊細さの見事なバランス。
(確かにおいしそう!!!!)
俺が目指す輪島塗も、まさにこれや
がいね。」
大吾は立ち上がって
「輪島塗?」と聞いた。
展示会に出す商品を見て大吾は
興奮した。
輪子はそんな大吾を始めてみるという。
「これは江戸時代の品ですか?」
「よう、ご存じやね。
手に取ってみまし。
漆は、さわってなんぼだから」と
弥太郎が言う。
「輪島塗はいまは美術品のように
扱われているが、本来は生活用品で
たいそう、頑丈にできている」と
弥太郎は説明する。
今度の展示会は和洋中の料理を
出して、輪島塗で食べてもらうと
いうものらしい。
何にでも合うというところを
見せたいと圭太は説明した。
大吾は「それならうちと
コラボしませんか?」
輪島塗にケーキを合わせて
みたいと
大吾がいう。
弥太郎は「最終日なら間に合う」と
いった。
「このお皿に俺様のケーキが?」
大吾はまじまじとお皿を見た。
希が漆の皿に乗せるケーキの担当に
なった。
文はその夜希の部屋に泊まった。
圭太は弥太郎とホテルである。
聞くと元冶には黙って出てきたと
文が言う。
驚く希。
そのころ元冶は暗い部屋で
文の置手紙を読んでいた。
「弥太郎さんと旅に出ます。」
「弥太郎さんと旅に出ます。」
「弥太郎さんと旅に出ます・・」
たったそれだけの
手紙であるが
元冶のショックを思うと
あまりのいたわしさ
に藍子と一徹は
声もかけれない。
徹が帰ってきた。
すぐに戸を閉めた。文が
いたからだ。
「なんでいるんだよ。」
「なんで?
これこれこういうことね。」
「ちゃんと話せよ。」
文は「布団を取りに行くのを
手伝え・・」
と言って徹を連れて
いった。
二人になった圭太と希。
圭太は、この間、酔っぱらった
事を希に詫びた。
ってことよりも希は
あのときの「おはよう」が
気になってときめいて
仕方がない。
あわてて、「お茶いる?」
といって、コップを取るにも
急須を取るにも
圭太と至近距離で触れ合うことになる。
圭太は狭い台所だ、本当にここで
料理ができるのかと聞いた。
希はできるというが
圭太はふとプラスチックのお箸を見て
「あああ!!なんで?」と
声を出した。
希は隠そうとしたが
圭太とニアミスになるほど近づいて
しまった。
ハッとしたらそこに徹が帰ってきた。
希はすっと圭太から離れて
椅子に座った。
その夜、希は
どう考えても
ややこしいと思った。
翌日、美南は「ややこしいよね
希ちゃん」というので
「えええ?」と
驚いた。
美南は圭太が元彼だと
しっている。
でも、もう希は大輔と付き合うと
いうことも知っている。
美南は嫌じゃないから頑張ってね
という。
漆の展示会の会場で
品物を整理する圭太と
弥太郎。」
大吾はイメージがわいてきた
の出先に帰るといった。
弥太郎は文と一緒にイタリアンに行くと
いう。
ほならと言って二人は去って行った。
「弥太郎さんも自由だね」と希は言う。
東京の百貨店で断られたことを
圭太は話した。
だから弥太郎はああ見えても
背水の陣で戦っていると
説明した。
希は感動した。
圭太も頑張っている。
「うん、うちも頑張るわ」と希が言った。
そして品物を見て
ケーキとどうなんだろうと聞く。
輪島塗にはケーキ皿がない。
だったらどれに乗せるか?
希は、これもいい・・・
「これは?」
「これにケーキを載せたら
蒔絵が見えなくなる。」
「これもいい、」
「それは汁椀だぞ・・」
「ふたを開けたらシェフの
シュークリームがコンニチワって」
希はうきうきしている。
自分のペースでお皿を選び出した。
圭太はそっと自分の蒔地を
ならべた。
希に気が付いてもらうようにと。
希は、それをみたが
反応がわるい。
「しょぼい」という。
圭太はがっかりした・・・
「ほやけど
何か・・・
ん~~~~~~」
希は蒔地をみて迷い
「一応入れとくか」という。
「よっしゃぁ!!」
圭太は喜んだ。
「なんやいね?」
「蒔地!」
「うん・・。」
*************
この間は大輔の件で
色ボケをかまして
ずいぶんと仕事上失敗をした。
しかし、今回はそういうわけには
いかない。
希も日々成長している。
圭太と仕事に入ると
希のペースになる。
圭太も、何とか自分の
蒔地を選んでほしくて
並べるところが
ほほえましい。
希のケーキの感覚と
圭太の漆の感覚。
どんなコラボができるのか
大変楽しみである。
くれぐれも
色ボケにならないように。
圭太も一緒に来た。
「なして?」希は驚いて声を出した。
「なしてって、聞いたやろ?展示会。
俺も手伝うことになってん」
文はたちあがって
厨房に入っていった。
「いい台所やな」といいながら
「関係者は入らないでください」と
陶子に言われても
ずうずうしいおばちゃん根性で
浅井に話しかける。
「入ったらだめやがいね」と文に
言う圭太を見て陶子は
「どうぞ、ごゆっくり」という。
そして希に、「あのイケメン
紹介しなさいよ」といった。
イケメンに弱いのだ。
そこに大吾が帰ってきた。
みれば店で見知らぬやつらが
美南を撮影したり、
イケメンと話をしたり
おばちゃんは浅井と
話をしたり
ちっとも仕込みを
やっていない。
大吾はあたまにきて
店を閉めた。
天中殺で「すみませんでした」と
深々と謝る希だった。
それを横目で
美南がお店のケーキを運んで
くる。
弥太郎は「これはうまそうや」と
いった。
そして圭太には陶子がケーキを
運んで「どうぞ」という。
文は「たいしたもんだ」と
いう。
「あれだけ無駄にこねくり回して」
というと
大吾が「無駄にこねくり回して
いるんじゃない」
と怒った。
「うちでつくった干し柿をくうてみるけ?」
と文さん。「干しているだけ
まんでうまいぞ。」
希はこれ以上大吾を刺激しては
まずいと文を止めようとする。
輪子は「明日も閉店かな」と
他人事みたいに言う。
弥太郎は立ち上がって
ケーキをデジカメに撮った。
「これは素晴らしい作品やわいえ
みてみまし、この大胆さと
繊細さの見事なバランス。
(確かにおいしそう!!!!)
俺が目指す輪島塗も、まさにこれや
がいね。」
大吾は立ち上がって
「輪島塗?」と聞いた。
展示会に出す商品を見て大吾は
興奮した。
輪子はそんな大吾を始めてみるという。
「これは江戸時代の品ですか?」
「よう、ご存じやね。
手に取ってみまし。
漆は、さわってなんぼだから」と
弥太郎が言う。
「輪島塗はいまは美術品のように
扱われているが、本来は生活用品で
たいそう、頑丈にできている」と
弥太郎は説明する。
今度の展示会は和洋中の料理を
出して、輪島塗で食べてもらうと
いうものらしい。
何にでも合うというところを
見せたいと圭太は説明した。
大吾は「それならうちと
コラボしませんか?」
輪島塗にケーキを合わせて
みたいと
大吾がいう。
弥太郎は「最終日なら間に合う」と
いった。
「このお皿に俺様のケーキが?」
大吾はまじまじとお皿を見た。
希が漆の皿に乗せるケーキの担当に
なった。
文はその夜希の部屋に泊まった。
圭太は弥太郎とホテルである。
聞くと元冶には黙って出てきたと
文が言う。
驚く希。
そのころ元冶は暗い部屋で
文の置手紙を読んでいた。
「弥太郎さんと旅に出ます。」
「弥太郎さんと旅に出ます。」
「弥太郎さんと旅に出ます・・」
たったそれだけの
手紙であるが
元冶のショックを思うと
あまりのいたわしさ
に藍子と一徹は
声もかけれない。
徹が帰ってきた。
すぐに戸を閉めた。文が
いたからだ。
「なんでいるんだよ。」
「なんで?
これこれこういうことね。」
「ちゃんと話せよ。」
文は「布団を取りに行くのを
手伝え・・」
と言って徹を連れて
いった。
二人になった圭太と希。
圭太は、この間、酔っぱらった
事を希に詫びた。
ってことよりも希は
あのときの「おはよう」が
気になってときめいて
仕方がない。
あわてて、「お茶いる?」
といって、コップを取るにも
急須を取るにも
圭太と至近距離で触れ合うことになる。
圭太は狭い台所だ、本当にここで
料理ができるのかと聞いた。
希はできるというが
圭太はふとプラスチックのお箸を見て
「あああ!!なんで?」と
声を出した。
希は隠そうとしたが
圭太とニアミスになるほど近づいて
しまった。
ハッとしたらそこに徹が帰ってきた。
希はすっと圭太から離れて
椅子に座った。
その夜、希は
どう考えても
ややこしいと思った。
翌日、美南は「ややこしいよね
希ちゃん」というので
「えええ?」と
驚いた。
美南は圭太が元彼だと
しっている。
でも、もう希は大輔と付き合うと
いうことも知っている。
美南は嫌じゃないから頑張ってね
という。
漆の展示会の会場で
品物を整理する圭太と
弥太郎。」
大吾はイメージがわいてきた
の出先に帰るといった。
弥太郎は文と一緒にイタリアンに行くと
いう。
ほならと言って二人は去って行った。
「弥太郎さんも自由だね」と希は言う。
東京の百貨店で断られたことを
圭太は話した。
だから弥太郎はああ見えても
背水の陣で戦っていると
説明した。
希は感動した。
圭太も頑張っている。
「うん、うちも頑張るわ」と希が言った。
そして品物を見て
ケーキとどうなんだろうと聞く。
輪島塗にはケーキ皿がない。
だったらどれに乗せるか?
希は、これもいい・・・
「これは?」
「これにケーキを載せたら
蒔絵が見えなくなる。」
「これもいい、」
「それは汁椀だぞ・・」
「ふたを開けたらシェフの
シュークリームがコンニチワって」
希はうきうきしている。
自分のペースでお皿を選び出した。
圭太はそっと自分の蒔地を
ならべた。
希に気が付いてもらうようにと。
希は、それをみたが
反応がわるい。
「しょぼい」という。
圭太はがっかりした・・・
「ほやけど
何か・・・
ん~~~~~~」
希は蒔地をみて迷い
「一応入れとくか」という。
「よっしゃぁ!!」
圭太は喜んだ。
「なんやいね?」
「蒔地!」
「うん・・。」
*************
この間は大輔の件で
色ボケをかまして
ずいぶんと仕事上失敗をした。
しかし、今回はそういうわけには
いかない。
希も日々成長している。
圭太と仕事に入ると
希のペースになる。
圭太も、何とか自分の
蒔地を選んでほしくて
並べるところが
ほほえましい。
希のケーキの感覚と
圭太の漆の感覚。
どんなコラボができるのか
大変楽しみである。
くれぐれも
色ボケにならないように。
