官能カスタードクリーム3
マシェリシュシュのケーキの
秘密は
シェフの腕だけではない。
材料へのこだわりもあるという。
材料費はかなり高いが
それだけにいいものを使って
いる。
希は卵をもらって溶き卵を
して、ご飯を食べた。
徹もおいしいという。
その卵一個100円である。
徹はびっくりした。
ジュテームモワノンプリョ・・
これを作るためには
材料のことも
フランスの歌のことも
何も知らないので
技術もさることながら
エスプリの勉強も
合わせてしたいと陶子
にいった。
そのためにはどんな勉強をしたら
いいのかと聞くと
「受験勉強みたいなのはやめなさい」
と叱られた。
輪子にきくと
大吾はよく美術館にいっているという。
「絵を見たり
彫刻を見たり
あ、あと花もよく見ているかな」と。
「花?」フラワーアレンジメントである。
大吾がそれを習いに行って
いたと話を聞く。
陶子もお花も習ったし
ペン習字を習った。
プレートを書くときへたくそ
な字じゃだめだからと。
希は「すごい。なんだか花嫁修業みたい
ですね」とうきうきしていうと
陶子は遠い目をして
「そうなの・・・いつもでいけるの
なのに・・・」
輪子がすかさず
「いちばんいいのはおいしいものを食べに
いくことかしら」という。
珍さんは、グルメ旅をした経験が
ある。
浅井も高級フレンチを
チョコをくれた美人と
一緒にいったと話す。
「高級フレンチけ・・・」
希がうっとりと
つぶやく。
そんなタイミングで大輔が
希を「高級フレンチを食べに
行こう」という。
どこかで盗聴でもしていたか
と希は驚くが
先ほどの話の流れから
いくことにした。
大輔は得意先から
招待をされていたのだった。
さて・・・・
そのころ能登では圭太の発案で
復活した青年団の寄合が
開かれていた。
圭太は成人式を盆休みにやりたい
といった。
みんな帰ってこられるだろうから
という理由である。
みんな賛成した。
そのころ大阪の一子は。
仲間たちとにぎやかにやって
いた。
今度の休み、神戸に行こうと
いう。
しかし、一子は実家に帰る予定だ
からという。
一子がいないとつまらないと友人
たち。
そんなパブで三平がいた。
芸能人である。
一子にとっては
刺激的で楽しい大阪である。
大輔とフレンチに行く約束をした
日の朝。
仕事に行く希は黒のセーターに
赤いスカートをはいて
でかけた。
徹は「なんだかおしゃれしてないか」と
聞く。
「今日は高級フレンチへいく」と
希が言う。
「フレンチ?誰と?」
「行ってきまーす!!」
「誰と?」
「いってきまーーーす!!」
誰とは言えなかった。
その日の夜のこと
言われた店にいった。
重厚なつくりのお店で
上品でおちついた格の高さが
あった。
希は、圧倒されながらも
お店に入り、コートを預けた。
「高級すぎる・・・」
希はすべてに圧倒された。
大輔が座っていた。
「コースで頼んだから。
いろいろ食べられるし。」
「結構でございます。」
「緊張しないでよ。」
「・・・無理でございます。」
オーナーがやってくる。
「池畑さん、今日はありがとう
ございます。」
「こちらこそ、お招きにあずかりまして。」
「お若いのに頼りになる先生
なんですよ。」
大輔は司法書士である。
「ウニとフランス産ホワイトアスパラガスの
ブランマンジュでございます。」
じっとお皿を見ていた希は
メモをしなくては、と焦った。
大輔は「後でメニューをもらったらいい
から、食べよう」という。
希は、「いただきます」と
両手を合わせて
慣れない手つきで食べると
「ん~~~~
まんでうまい・・・!」
感動した。
次の肉も
「おいしい・・・
ん~~~~~
おいしい~~」という顔をして
天上を見て
「虹や、虹がみえた」と
いった。
「うわ~~うまい~~~!!」
圭太はそのころ、成人式の
計画を具体的に練っていた。
希や高志の予定を聞いて
日程を決めようという。
場所はいつもの集会所ときまった。
そこへ「ごめんね、おそくなって。」
と
一子が帰ってきた。
みのりは「一子ちゃん、おかえり」
と
一子に抱き着いた。
「お土産だよ~~~」と
一子は言う。
みのりは「圭太の隣に座って」と
いった。
圭太は、なぜか憮然としている。
みのりは一徹に
一子にジュースをと
指示した。
一徹は「はい」といってジュースを
配った。
洋一郎は一子に見とれた。
一子がきれいになっているという。
「遅かったな。仕事やったんか」と
圭太が言う。
店の仲間に付き合って六甲山へいって
いたと答えた。
「めっちゃ行けている店で
芸能人がお忍びで遊びに来ている
店で・・・」と一子がはしゃぐが
圭太は機嫌が悪い。
遊ぶところはアメリカ村とか
天保山・・・というと
圭太は「おまえ、ほんなことばかし
しとるがか?」と
いった。
圭太から見れば一子は
都会で遊んでばかりいる軽い
女のようだったのかもしれない。
「やりたいことを見つけたのか」と
圭太が聞くと
一子は忙しくてと
いう。
洋一郎は「一子がきれいなのは
化粧のせいや」という。
「そんな風に浮かれて遊んでいると
あっという間に一年、二年は
すぎてしまうぞ」と
圭太はいった。
「うるさいね。」
一子は怒った。
「いっつもいっつも
電話で何か見つけたかとか
ばっかりで」
もっとがんばれまと
ばかりいうので圭太のことを
じいちゃんと呼んだ。
そんな話ばっかりなので
全然会話が楽しくないと
いった。
「好きで言ってるのではない。
一子が都会にやられているので
心配している」というが。
一子に通じない。
「都会にやられない女がおったら
みてみたいわ。
希だって今頃都会のイケメン
にやられていちころや。」
希は都会のイケメンにやられているの
ではなく
都会で食べるおいしいフレンチに
やられていちころになっていた。
最後のデザート。
そのイチゴは、なぜか
覚えがある。
これは能登のイチゴではないのか?
これは能登のイチゴの味がする。
能登は素材の味を大事にしている料理
がおおいから自然に覚えて
いるのかもといった。
パティシエの仕事は能登に似ている。
メレンゲもクリームパティシエ―ルも
本に書いてないところが本当の勝負
だと希は言った。
元冶の塩田や輪島塗や
祭りなども
見えないところに気持ちを込めて
いると希は言う。
能登を出るときはさみしかったけど
つながっている気がする。
なんかうれしい。
大輔はじっと見ていた。
大きな口を開けて
デザートを食べる希。
「かわいいね。
希ちゃん・・・」
希ははっとした。
そして頭のなかに祭りの
わいわいという声が聞こえた。
「かわいいね・・・。」
-皆様
津村希
生まれて初めて
男に
かわいいねと
言われた
夜でございます。
アパートに帰った。希は
大輔に
「今日は御馳走様でした」と
挨拶をした。
「ほんなら、おやすみなさい」と
いって部屋に帰ろうとした。
その腕を大輔がつかんだ。
ハッとする希。
大輔は
「おいでよ
俺の部屋・・・」
わっしょい!!
わっしょい!!
希の頭のなかを
祭りの音が聞こえた。
**************
やばいね・・
都会の男にやられそうだね。
一子はそうなったらしいけど
希はそうなって欲しくないね。
でも、大輔もどこまでも希一筋なんか
な??
希にはりっぱパティシエになって
欲しいです。
どういう展開になるのだろう??
マシェリシュシュのケーキの
秘密は
シェフの腕だけではない。
材料へのこだわりもあるという。
材料費はかなり高いが
それだけにいいものを使って
いる。
希は卵をもらって溶き卵を
して、ご飯を食べた。
徹もおいしいという。
その卵一個100円である。
徹はびっくりした。
ジュテームモワノンプリョ・・
これを作るためには
材料のことも
フランスの歌のことも
何も知らないので
技術もさることながら
エスプリの勉強も
合わせてしたいと陶子
にいった。
そのためにはどんな勉強をしたら
いいのかと聞くと
「受験勉強みたいなのはやめなさい」
と叱られた。
輪子にきくと
大吾はよく美術館にいっているという。
「絵を見たり
彫刻を見たり
あ、あと花もよく見ているかな」と。
「花?」フラワーアレンジメントである。
大吾がそれを習いに行って
いたと話を聞く。
陶子もお花も習ったし
ペン習字を習った。
プレートを書くときへたくそ
な字じゃだめだからと。
希は「すごい。なんだか花嫁修業みたい
ですね」とうきうきしていうと
陶子は遠い目をして
「そうなの・・・いつもでいけるの
なのに・・・」
輪子がすかさず
「いちばんいいのはおいしいものを食べに
いくことかしら」という。
珍さんは、グルメ旅をした経験が
ある。
浅井も高級フレンチを
チョコをくれた美人と
一緒にいったと話す。
「高級フレンチけ・・・」
希がうっとりと
つぶやく。
そんなタイミングで大輔が
希を「高級フレンチを食べに
行こう」という。
どこかで盗聴でもしていたか
と希は驚くが
先ほどの話の流れから
いくことにした。
大輔は得意先から
招待をされていたのだった。
さて・・・・
そのころ能登では圭太の発案で
復活した青年団の寄合が
開かれていた。
圭太は成人式を盆休みにやりたい
といった。
みんな帰ってこられるだろうから
という理由である。
みんな賛成した。
そのころ大阪の一子は。
仲間たちとにぎやかにやって
いた。
今度の休み、神戸に行こうと
いう。
しかし、一子は実家に帰る予定だ
からという。
一子がいないとつまらないと友人
たち。
そんなパブで三平がいた。
芸能人である。
一子にとっては
刺激的で楽しい大阪である。
大輔とフレンチに行く約束をした
日の朝。
仕事に行く希は黒のセーターに
赤いスカートをはいて
でかけた。
徹は「なんだかおしゃれしてないか」と
聞く。
「今日は高級フレンチへいく」と
希が言う。
「フレンチ?誰と?」
「行ってきまーす!!」
「誰と?」
「いってきまーーーす!!」
誰とは言えなかった。
その日の夜のこと
言われた店にいった。
重厚なつくりのお店で
上品でおちついた格の高さが
あった。
希は、圧倒されながらも
お店に入り、コートを預けた。
「高級すぎる・・・」
希はすべてに圧倒された。
大輔が座っていた。
「コースで頼んだから。
いろいろ食べられるし。」
「結構でございます。」
「緊張しないでよ。」
「・・・無理でございます。」
オーナーがやってくる。
「池畑さん、今日はありがとう
ございます。」
「こちらこそ、お招きにあずかりまして。」
「お若いのに頼りになる先生
なんですよ。」
大輔は司法書士である。
「ウニとフランス産ホワイトアスパラガスの
ブランマンジュでございます。」
じっとお皿を見ていた希は
メモをしなくては、と焦った。
大輔は「後でメニューをもらったらいい
から、食べよう」という。
希は、「いただきます」と
両手を合わせて
慣れない手つきで食べると
「ん~~~~
まんでうまい・・・!」
感動した。
次の肉も
「おいしい・・・
ん~~~~~
おいしい~~」という顔をして
天上を見て
「虹や、虹がみえた」と
いった。
「うわ~~うまい~~~!!」
圭太はそのころ、成人式の
計画を具体的に練っていた。
希や高志の予定を聞いて
日程を決めようという。
場所はいつもの集会所ときまった。
そこへ「ごめんね、おそくなって。」
と
一子が帰ってきた。
みのりは「一子ちゃん、おかえり」
と
一子に抱き着いた。
「お土産だよ~~~」と
一子は言う。
みのりは「圭太の隣に座って」と
いった。
圭太は、なぜか憮然としている。
みのりは一徹に
一子にジュースをと
指示した。
一徹は「はい」といってジュースを
配った。
洋一郎は一子に見とれた。
一子がきれいになっているという。
「遅かったな。仕事やったんか」と
圭太が言う。
店の仲間に付き合って六甲山へいって
いたと答えた。
「めっちゃ行けている店で
芸能人がお忍びで遊びに来ている
店で・・・」と一子がはしゃぐが
圭太は機嫌が悪い。
遊ぶところはアメリカ村とか
天保山・・・というと
圭太は「おまえ、ほんなことばかし
しとるがか?」と
いった。
圭太から見れば一子は
都会で遊んでばかりいる軽い
女のようだったのかもしれない。
「やりたいことを見つけたのか」と
圭太が聞くと
一子は忙しくてと
いう。
洋一郎は「一子がきれいなのは
化粧のせいや」という。
「そんな風に浮かれて遊んでいると
あっという間に一年、二年は
すぎてしまうぞ」と
圭太はいった。
「うるさいね。」
一子は怒った。
「いっつもいっつも
電話で何か見つけたかとか
ばっかりで」
もっとがんばれまと
ばかりいうので圭太のことを
じいちゃんと呼んだ。
そんな話ばっかりなので
全然会話が楽しくないと
いった。
「好きで言ってるのではない。
一子が都会にやられているので
心配している」というが。
一子に通じない。
「都会にやられない女がおったら
みてみたいわ。
希だって今頃都会のイケメン
にやられていちころや。」
希は都会のイケメンにやられているの
ではなく
都会で食べるおいしいフレンチに
やられていちころになっていた。
最後のデザート。
そのイチゴは、なぜか
覚えがある。
これは能登のイチゴではないのか?
これは能登のイチゴの味がする。
能登は素材の味を大事にしている料理
がおおいから自然に覚えて
いるのかもといった。
パティシエの仕事は能登に似ている。
メレンゲもクリームパティシエ―ルも
本に書いてないところが本当の勝負
だと希は言った。
元冶の塩田や輪島塗や
祭りなども
見えないところに気持ちを込めて
いると希は言う。
能登を出るときはさみしかったけど
つながっている気がする。
なんかうれしい。
大輔はじっと見ていた。
大きな口を開けて
デザートを食べる希。
「かわいいね。
希ちゃん・・・」
希ははっとした。
そして頭のなかに祭りの
わいわいという声が聞こえた。
「かわいいね・・・。」
-皆様
津村希
生まれて初めて
男に
かわいいねと
言われた
夜でございます。
アパートに帰った。希は
大輔に
「今日は御馳走様でした」と
挨拶をした。
「ほんなら、おやすみなさい」と
いって部屋に帰ろうとした。
その腕を大輔がつかんだ。
ハッとする希。
大輔は
「おいでよ
俺の部屋・・・」
わっしょい!!
わっしょい!!
希の頭のなかを
祭りの音が聞こえた。
**************
やばいね・・
都会の男にやられそうだね。
一子はそうなったらしいけど
希はそうなって欲しくないね。
でも、大輔もどこまでも希一筋なんか
な??
希にはりっぱパティシエになって
欲しいです。
どういう展開になるのだろう??
