再出発エンゲージケーキ2
徹のもとに東京から電話が来た。
会社がいいかんじで伸びている
ので手伝ってほしいらしい。
一挙に夢は東京へ広がる。
それをじっと、非難の目でみる
藍子たち。
しかし、その会社のHPを印刷して
徹に渡す一徹。
徹は東京へは行かないと
いった。
一徹はどうやらこの会社は業績が
少しずつ伸びているので
安定しているという。
だから、これは今までの一発当てると
いう夢ではなく、れっきとした
就職の話だという。

だから、徹は藍子と東京へいけばいい。
希は横浜へいるのだから一緒に住める。
一徹は能登に住んで就職。
つまり受験はしないといった。
「そんな大事なことをなんで、だまって
いたの?」と藍子は逆上する。

能登の年末はアメハゲ様が
「遊んどる者はおらんか」
「怠けているものはおらんか~~」
といって町を練り歩く。

一徹は「俺は大学へは行かない。
やりたいことがあるから就職する」という。

「何でそんな大事なことをいまごろ?」と
一徹に説教をしようと力が入りすぎた
藍子は咳き込んだ。


徹は希に水を持って来いという。
希は台所へ水をコップにくみに
いくとみのりがきた。
「ごめん、今立て込んでいるので」というと
「わかっている」という。
そして、「応援してねといったけんについて
いまお願いしたい」という。

みのりがそっと希に秘密を打ち明けた。
それを聞いてまれは
「おおおおっ!!!!」

と、息をのむ。

アメハゲ様は、「ナマケモノはおらんか~~」
「遊んどる者はおらんか~~~」と
声をあげる。

「なに?やりたいことは?」
と文が聞く。

徹は「デイトレード」という。
株のネット取り引きである。

藍子は咳き込みながら、「どっかで
聞いたことがある」という。

以前希が移住のサポートを市役所で
していたとき、ディトレーダーさんが
まじっていた。
高槻さんである。
彼の話を聞いて一徹は興味を持った。
そして、その方向へ行くべく
アドバイスを受けながら
勉強してきたらしい。

藍子は反対する。

徹は賛成するが、藍子は徹の発言を
認めない。

「それとあと・・・
もう一つ報告がある」と一徹はいう。
「まだ、あるがけ?」
藍子はあきれる。

「高校卒業したら結婚したい。」


「け・・・結婚???」
徹は驚く。
というか全員唖然とする。

「だっ??」
と藍子が聞く。

「誰かっチューと・・・」

一徹がそういうと
がらりとふすまがあいて
希がその相手を紹介した。

「結婚相手の・・・

みのりさんです。」

みのりが現れて

「よろしくおねがいします。」

と頭を下げた。

一徹はにこっと笑った。
そして玄関の
戸が開いて

アメハゲ様がやってきた。

その中に真人がいた。

全員が冷たいまなざしで
アメハゲ様を見た。

真人はお面を取って
静かに言った。

「なしたんけ?」

文は
指で一徹をさし
みのりをさし
一徹をさし
みのりをさし・・
真人は
「ん??」

「それが何?」といわんばかり
だったが。

よくよく座って話を
聞くと
真人は顔面が凍りつき
そのために
呼んだ久美も
凍りついていた。

彼らのまえにみのりと一徹が
並んで座っている。

徹は「急にごめんな、まこっちゃん」
といった。

真人はくちびるが動くが
言葉にならない。

希は知らなかったという。

「どういうことか説明しなさい」と
藍子が言う。

一徹は、働くなら能登に決めていた。

わざわざ都会へ行かなくても
たいていのことは地方でできるという
可能性を訴えた。

みのりは自分も、能登で結婚して
地元で暮らすのが夢だったという。
しかし、藍子と徹の離婚しそうだった
ので、その前に報告しておこうと
思ってという。

一徹は「だけど二人で東京へ行くこと
になるのでよかった」という。

真人は
「説明にナットらんわいえ!!」

と、立ち上がって怒鳴った。
「何を結婚前提に話を
しているのや!」
「いつから付き合っていた」と聞くと
みのりが「高3の祭りのころから」と
いう。
徹は「一徹が最近外泊が多かった
のはみのりちゃんとか?」
と聞く。
真人は気を失った。

「勉強していた。
ディトレードは夜中やさけ。」

希は「確認したい」という。
大学進学をやめたのは希が
ケーキの修業にいくことになった
からなの?と。
「お金の問題があったのか」と
藍子も聞く。

「そう思われたら困るから
今まで黙っていた」という。
「高校を卒業して早く経験を
積みたいからだ」と
一徹はいう。
「そういうわけで高校を卒業したら
みのりさんと結婚させて
下さい。」と
いって二人で頭を下げた。

真人は

「させるわけないやろがいえ!!!」

と、また怒った。

「早すぎる!!」

「どうせ結婚するんだから早くても
おんなじ・・・」と一徹はクールに
いうが・・・
真人は
「ディトレードもダメ
全部だめ」といって
一徹の言うことを受け付けない。

「高校でたてでそんな不安定な仕事で
娘を任せられるわけ
ない!!!」

みのりは自分は農協に勤めている
ので経済的には安定していると
いうが。

浩一はそれは危険だという。
一徹は徹の息子だから
藍子の苦労はみのりの苦労だと
いった。

「何を失礼なことを言う?」と徹はいうが
藍子は、「そのとおりだ」とみのりにいった。
「よう考えて、人さんの娘さんなのよ。」
と藍子は反対するが
文は、「一徹は徹と違うという。
勝負に強いから。」と。
慎一郎は
野球部が一徹の作戦でいいところまで
行ったことを評価した。
みのりは一徹のディトレードもセンスがあると
ほめられているといった。
高槻の話によると一徹は未成年者なので
実際の取引はできないが
予想を積み重ねたら
かなり儲かったはずだといったという。

藍子は「一徹はやるね」というし
徹は「さすが俺の息子」というし・・・
しかし真人はみのりの結婚は許さない
という。
久美は「今日のところは帰ろう」と
いう。「そしてゆっくり話をしよう」と
いった。

みのりはたちあがって
二階へ走って行った。
そして、徹の部屋に入って
立てこもった。

「うちに帰ったら反対されるに
きまっとる。」

みんなみのりを追いかけて
「なにをする」というが
「急に許されることではないだろう」
と口々に言った。

「よくよく考えるために時間が
必要だ」と藍子が言うと
「考えている間ここにおらして。」
とみのりは断固籠城を決め
こんだ。

「なにをいうているのか?」
「開けろ!!」
「みのり~~~!!!」

とみんな大騒ぎ。

-いつも穏やかなみのりの中に
こんな熱い思いが潜んで
いたとは
希はただ、驚くばかりで
ございました。

やがて
2003年元旦となった。

相変わらず
籠城しているみのり。

洋一郎が心配してくる。

声をかけるが返事がない。

台所ではおいしそうな
おせちの用意をしている。

希は「あけましておめでとう
ございます」と
藍子と文にいった。

「あけましておめでとう」と
真人はゴンタを連れてやってきた。

「みのり、ゴンタも帰ってきてと
いうているよ。」

「ごめんえ、ゴンタ・・」
とみのりはつぶやいた。

徹は「荷物を取りたいけど
着替えを取ってくれる?」と
みのりに声をかける。

おせちをもって文が来る。
おいしそうな匂いである。
「一徹もつき追うてな
食うとらんぞ~~~」
と文が言う。

「結婚する前に二人して
飢え死にするつもりけ?」

一徹はみのりに「大丈夫だから
俺が説得するから
とりあえず出てくるまし」と
声をかけるが
だまったまま。
徹は一徹に「おまえ全然信用
されとらんな、」という。
そして「もういいから許すから
出ておいで」という。
真人は「勝手に決めるな」と
反論。
「娘なんていつかはどっかの男に
持って行かれるんだから」と
適当なことをいう徹。
真人は怒った。
「みのり出てきたけ?」
と一子がやって着て言う。

希ははっとした。

「何かおかしな雰囲気だね」と文が
聞くと一子は「わたしらは今は
微妙な関係だから」という。

そこへなんと
高志がやってきた。

驚く一同。

それに輪をかけて
驚くことに

あの、ゴンタ・・・
つまり、大輔がやってきた。

「いいところだね、ここ。
キミの言っていた通り。」

「は、ゴンタ!!!」

希は驚く。
そして、あの初キスの状況が
うかんだ。

「あけまして、おめでとう」
と大輔が言う。

希はあせった。

大輔はそこいらの人に
挨拶をしている。

徹は
「誰?」

と聞く・・・。
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問題は複雑化している。
まず、一徹とみのりにそんな色っぽい
雰囲気があったの??
なんにもないのに?
いつの間に恋愛になったの?
ただ、一徹が就職は能登にするから
みのりは一徹を選んだの?
それって、慎一郎でもいいのでは?
あの子は一子に振られて
この地で漁師をしているから
この地で暮らすことができるよ。

それよりみのりの
籠城って空腹より
わたしならトイレ問題は
どうするの?と悩むけど。
この部屋にトイレはあるの?

なぜ一徹はみのりを選んだの?
まったく恋愛感情が見えない。

で、徹は東京に就職するの?
藍子は一緒にいくの?
希は横浜に・・・もう働く場所が
ないのに・・・。
これからどうするの?

それで、高志はなぜ?
正月だから帰ってきたの?
それについて、大輔が来たの?
なんで、大輔が来たの??