危機的クリスマスケーキ6
天中殺でもクリスマスパーティが
行われた。

珍さんと高志が歌をうたう。
美南は浅井に「おかげでいいクリスマスが
できました、ありがとう」と
お礼を言った。

さっきからなにかくらい様子だった浅井。
希のほうを見ると希は眠さのためか
舟をこいでいる。

浅井は、大吾に「あのルセットを考えたのは
希だ」と報告した。
陶子は、びっくりする。

浅井は、「言おうと思ったんですけど」と
言い訳をする。
「じゃ、希さんのルセットが採用された
ということ?」美南は喜んで
希の試用期間が合格だと思った。
しかし大吾は不合格だという。
「ルセットはパティシエの命だ。
そのルセットをあっさりと
浅井に渡した。」

浅井は「そういうつもりで告白した
のではないです」というが
大吾は「知らん」という。
「そもそも最初のルセットが
盗まれたのは自分のせいだ」と浅井は
いった。希に疑いがかかって
しまってと。

大吾はいった。
「盗むのも盗まれるのも
罪ではない。
盗んででも生き残ろうとする世界
だから。それを差し出すような奴は
くずだ。」

大吾は希に言い放った。
「俺の店にいらん。」
大吾は出て行った。

陶子は希に浅井に同情したのかと
聞く。
「崖っぷちの落ちこぼれを
すくったつもり?」
「そんなつもりではない」と
希は言うが。

輪子は「だから、あの店はやめときなさい
といったのよ。あの店でやっていけるのは
同じくらいのお菓子バカよ。」と。

大輔は「ほかの店でも十分パティシエがで
きるから、不合格でよかった」と
いった。

希は大吾を追いかけた。

それよりも先に高志が大吾に
おいついた。
ことばがでない。
「はっきり言え」と言われて
中国語がでた。
「日本語だ。」
「希はくずじゃない!!」
高志の渾身の声だった。
大吾は、「普通の声もいいな。お前」と
いって、さっていった。

さて、能登のみなさんのクリスマスは
能登半島を全力でうたうマキちゃんに
拍手をしている。

徹が、このまま夢をあきらめることに
ついて三人のおっさんは、えらいと
いってほめたたえた。

夢を持っている男にろくな奴は
いないねとマキ。
藍子は相槌を打つが
文はホッとしている顔ではないねと
あてた。

一方、圭太は外に一子を呼び出して
クリスマスプレゼントを渡した。
塗り箸だった。

一子は、「二番目なのね・・・」といって
傷ついてしまったようだった。

いくら圭太が塗った箸でもね。
「これは違うやろ、ありえないし。」と
一子は怒った。

洋一郎は希に圭太が電報を打った
ことを怒った。

「おまえに関係ないやろ」と圭太は言う。

♪私からあなたへ、この歌をとどけよう~~
おばさん合唱団が歌っている。

♪広い世界のたった一人の私の好きな
♪あなたへ・・

徹はマイクをもった。

「私、津村徹はきれいさっぱり
でっかい夢をあきらめることを
宣言します。
私はこの土地に骨をうずめる覚悟で
能登の方言を勉強しています。

みましま
おれな、まんで地道にはたらくけん」

「うまい」と褒められて

「ほんとけ?」

と調子に乗る。

藍子はすっと出てきて
やめてくれという。
「何言ってるのよ、
能登の言葉は徹さんには
全然似合わないよ。」

藍子が怒っている。

「でっかい夢を見ない徹さんなんて
ぜんぜん魅力的ではない」と
いうのでみんなあっけにとられた。

浩一は、夢を見る徹さんは
反対なのではと聞くが
藍子は反対だという。
いつも失敗するし。
でも無理に夢をあきらめる徹さんは
嫌いなのよと大声で
どなった。


こっちの子供たちも
洋一郎と圭太が
取っ組み合いをやっている。

♪夢のないあなたに
♪この歌をとどけよう
♪愛することを喜びを知る
♪魔法仕掛けのこの歌を・・・


厨房に大吾がいた。
希は、話しかけた。

「ルセットを渡すということではなくて
誰が作っても店のためだったら
いいと思った」というが
大吾は「駄目だ」と一点張りだった。

「仲間同士だったら助け合ったり
応援したりします。
シェフの言うことはよくわかりません。」

「何が応援だ。くだらん。」

「夢とは応援して応援されるものです。」

「夢?下らんという言葉すらもったいない。
耳が腐る!」

「夢なら一生寝ていろ!
そんなたわごと言ってたら一生ダメだ。

世界一のパティシエになりたいといったな。」
「はい・・・」
「もうお前とは二度と会うこともないから
教えてやる。
何かを得たいなら
何かを捨てろ。
そうしなくて済むのはほんの一握りの
天才だけだ。
俺はそうやって世界一を目指してきた。」

「ほんでも・・・」
話が通じない大吾に希はどうしたいいのかと
悩んだが。

そこに一徹から電話がくる。

「大変や。
お母さん、お父さんと離婚するって。」


「離婚??」
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どうしても大吾に何も通じない。
希が悩んでいる。
パティシエへの道を
ここで学びたいと思っているのに。
何かを得たいなら
何かを捨てろ
それをしなくてもいいのは
ほんの一握りの天才だけだ・・

幸枝さんが聡だったと思いました。
パティシエになりたかったから
離婚して
藍子と離れて
フランスへ行きましたね。
小さな藍子を手放すことは
悲しいことだと
思います。

幸枝さんはそれでもパティシエに
成りたかったのですね。

彼女はそうして家族を捨てて
有名なパティシエとなったのです。

それを希が理解できるでしょうか。