母娘キャロットケーキ6
藍子が食べたキャロットケーキは
昔食べたものと同じだった。
幸枝が作ったケーキと。

その幸枝が行方不明になった。
家族が心配していると
「ボンソワール」と
いって幸枝が帰ってきた。

フランス人の夫がやってきた
のだった。
飛行機が遅れたらしい。
それを待っていたという。

ジュリアンは、家族の顔を
みて「徹・・希・・・
一徹・・・藍子」といった。

「会えてうれしいです。」

藍子は思いっきりジュリアンを
にらんだ。

あとで読んでと言って手紙を
藍子に渡す幸枝。

希は自分が作ったキャロットケーキを
幸枝に食べてもらった。

「どう?」
「ん~~~~~~

35点・・・」

つまり赤点ぎりぎりの及第点だった。
厳しいと希は思った。
幸枝は「藍子はいい家族を持った」と
喜んだ。
ジュリアンが「フランスに忘れ物を
しただろ?」という。
それは20年前の結婚式パーティの
招待状だった。
それは幸枝がずっとそばに置いていた
もので幸枝のお守りだった。

手紙は・・・
三十五年分の言い訳だった。
「幼い藍子を置いての渡仏は
身を切られるようにつらいことだった。
後悔で眠れない夜
いつもあなたを思っていました。
藍子
これだけは信じてほしい
あなたを生んで
あなたにあえて
わたしはとっても
とっても幸せでした・・。」


幸枝は
希のレシピノートの魔女の絵を見て
「ここにいたのね」といった。

希は驚いた。

「私のキッチンウイッチはこの子なのよ」と
いう。
14年前
徹が海外アンティークの店で
この子を見つけた。

「私を応援してくれたお人形が
はるばる海を越えてあなたを
応援しにやってきた。

だからこの絵を見たとき分かったの。
どうして私が能登に呼ばれたか。」

「呼ばれた???」

「そうよ、道を見失っている私の孫のために
私を呼んでくれたのよ。

私は、フランスから逃げてきたの。

年を取って腕に自信がなくなって
その迷いから店をたたんで
もう消えたいと思った。
なぜかここに思った。
そしてここで力をもらった。
パテシエに戻るわ!!

いつか来なさい。
世界一のケーキを食べて
もらうわ。」

希はお人形の箱を開けた。
幸枝に渡すと幸枝は両手で
ほおずりをした。

-幸枝さん、また会えましたね
ありがとう・・・・

「あなたが持っていなさい、希。」

幸枝はうなずいた。

希は人形を見た。

-希・・・さあ 
あなたはどうするの?

希はじっと人形を見た。

そして、海が見える展望台へ
走って行って・・・

大声で叫んだ。

「ああああああ・・・・!!!」


幸枝と藍子は複雑ながらも
分かり合っていた。
また渡仏する母だったが・・・

希は決心をした。

翌朝、希は海が見える場所に
藍子を呼んだ。

「希~~
冷えるやろ?あったまるよ」と
藍子は魔法瓶をだした。

「話って?」

「うん・・・」

「いうてみま。
言いたいこと全部。」


「うち・・・・
ずっとケーキはすごいと思って
いた。
ケーキは心なのね
作ってくれたひとやら
一緒に食べてくれた人の
記憶やね

これはケーキの力なんやね」

藍子は言った
「私はとっくにきづいていたのかも
しれない。
あんなにうれしそうにいつも
ケーキを作っていたから。
でも、ケーキを作る人にだけは
なって欲しくなかった。
正直、裏切り者だと
思っていた・・・
ごめん・・・。」

希はいった。

「お母さんを置いて行かれないと
思っていた。
うちがお母さんのそばにいたかった。
お母さんが喜んでくれる顔をたくさん
みたかったから

だけどうちは・・・

応援より自分がやりたくなった。
人の心を動かせるような
誰かの記憶に残るような
そんなケーキを
作りたくなった・・・。」

「うれしい!
希がそんな風に考えるなんて
お母さんうれしい。
お母さんは大丈夫。
いままでありがとう。
もう・・・・
おかあさんを・・・

捨てなさい。

自分のことだけ考えて
思いっきりやりなさい。」

希は涙が出た。

「能登をでなくてはダメ。
お給料が安いから
最初のうちは仕送りもできない
と思う。
ものにならないかもしれない。
一生ダメかもしれない。
それでも
・・
パテシエになりたい。

行かせてください・・・」

「行っといで・・・・」

藍子は希を抱きしめた。
*******************
感動です。
母のそばから離れることを
決意するにはあまりにも大きな
パワーが必要でしたね。
自分は一生、人の応援をするし
お母さんを助けていくと
いっていたのに・・・です。
おばあちゃんの力なのか・・
あのウイッチの力なのか・・・。
不思議なウイッチとの出会い
です。
彼女が能登に祖母を呼びました。
あなたの孫が人生で
マゴマゴしている・・・
って。

何を迷っているのかと思いきや
自分と同じパテシエになりたいと
思っている・・・が
藍子が大きな壁になっている。
なぜ彼女が壁になるのかと
いえば・・・生活苦である。
働いて、お母さんを楽にして
あげたい・・。
いつも頑張っているお母さんを
喜ばせてあげたい・・と。

そんな母にしたのは祖母の責任かも
しれません。
仲直りをして藍子が心に平安を
もつことで大きな気持ちになって
希を世に送り出すことができると
ウイッチは思ったのでしょう。
おばあちゃん、あなたの出番です。

と・・・

幸枝をフランスから呼び寄せ・・

ファンタジーな構成になっていますが
人生の摩訶不思議とはこんなにも
ファンタジーがあふれていて
なかなか気が付かないのかも
しれませんね・・・。

今日は母の日。

わたしは、娘からケーキを
いただきました。
このドラマを見ていると無性に
ケーキが食べたくなります。
おいしそうだからです。
娘はケーキは作りませんが、
食べログで隠れ家的ケーキ
屋さんという
よく認知されてないお店
をさがしていって来たそうです。
私はおはつのケーキ屋
さんはかならず
イチゴショートを食べます。
うれしさとともに、
おいしかったです。

なんだか希がケーキに
あこがれる気持ちが
わかります・・・
が、パテシエは重労働です。

以前、土屋さんがブランジェ
(パン職人)の格好をしてパン
を焼いている
ドラマがありました。
「真夜中のパン屋さん」
あの時、パンが無性に
食べたくなり
ました。

あのドラマも好きでした。
パテシエと言えば、
滝沢君(ジャニーズ)
がでていた(あ、真夜中のパン屋
さんにも滝沢君が
出ていましたが)

西洋骨董洋菓子店という
ドラマもおいしそうな
ケーキがバンバン出て
きて・・・

こんな風に「まれ」もきっと
記憶に残ると思います。