母娘キャロットケーキ2

能登が気に入った幸枝が移住を考えて
いる。
藍子はとんでもないと怒り心頭だッた。
幸枝はどんどん能登になじんでいく。
その夜、電話がかかってきた。一子
からだった。
なんでもはるさんの店で幸枝の
歓迎会をやっているという。
もう、移住の話が広まっていた。
驚く希だった。

機嫌の悪い藍子。

かなづちでガンガンと
岩塩をわりながら
つぶやいている。
「冗談じゃないわよ
帰るというから我慢していたのに
住む?ありえない!!!

大体何でここがわかったのよ。
縁を切ったのに。」
一徹が「お父さんから聞いたって。」

徹があわてる。

どうやら、徹は幸枝とは連絡を
とっていたらしい。

「信じられない。誰も信じられない!!」
藍子はそういった。

「いいかげん、教えて。」
希はどうして母娘が仲が悪いのか
しりたいと徹に聞く。
それは親子の問題だからと
いって、知らぬ顔をするが
お母さんがかわいそうだと
希に言われてしぶしぶと・・・
話を始めた。

幸枝は思い込んだらとことんという
性格だった。
若いころ自分はケーキ職人になると
きめた。そして結婚もあきらめて
修行にはげんだ。
出会いがあって藍子が生まれて
いったんは、家庭に入った。
しかし、そのご、修行をした店から
呼び出しがあって
幸枝は家族をおいて
フランスへいったという。
そのまま幸枝は帰ってこなくて
離婚。
藍子は親父さんが引き取った。
でもその親父が再婚した。
藍子は一緒に居ることができなく
なって、高校で家を出て一人暮らしを
はじめた。

徹と会って藍子は幸せを感じた。
結婚すると決めてから
幸枝に徹は報告しようと
電話をした。
ちょうど仕事で日本に来ると
いっていたという。
幸枝は心配していたらしい。
結婚を機会に母親と仲直りをしようと
思ったのか藍子は招待状を
書いた。
幸枝も喜んで藍子のためにケーキを
焼くといった。
これで仲直りかなと思ったが当日
幸枝がパーティをすっぽかした。

藍子は離れでシャドーボクシングをしていた。

翌日、希と徹、一徹はその話を幸枝に確認した。
「すっぽかしたのではないの。
大切なお得意様から
ケーキの注文が入って帰れなくなった」
という。

なんとか仲直りはできないものかと
皆知恵を絞る。
「でも、そのあと20年もあいに来なかった
わけだしさ。」
「二度と会いたくないって手紙が来たからよ。」

希はお母さんが怒るのは無理はないと
いう。
「せっかくの気持ちを台無しにされたんだから。」
一徹は「20年かかってこじれたものは
すぐにどうこうならない」という。

幸枝は長期戦に供えて
ここで腰を据えるという。

一度フランスに帰ったらと
言いかけた徹はあわてた。

「ここで何かをしないと」と
幸枝は考える。
「そうだ、フレンチのレストランなんて
どうかしら?」

希は、あわてた。
「そんなことしたらお母さんが・・・」

徹が乗り気になった。
「能登でフレンチ。
いいですね。」
いつものでっかいビジネスの夢の
病気が出てきた。

「でしょ?」
「俺、昼休み終わるから」と
一徹はさっていく。

しかし、藍子から電話が入り
幸枝の能登の移住の話に乗るなと
いう。

「わかっているけど・・・」
もう、話は進んでいる。


希は仕事終わりにはるさんちに
よった。

幸枝の話でもちきりとなった。
はるさん、マキちゃん、久美。
浩一、慎一郎、真人・・・みのりと
一子、希と一匹の犬。

幸枝さんがここでフレンチのレストランを
するとなると徹が乗り気になっている
という点で藍子さんの怒りを買うだろうと
三人のおっさんは言う。

三人娘たちは
なぜ、フランスのお店をたたんできたのかと
不思議がる。

真人は
「仕事のために母親に捨てられたような
ものやからね」と藍子の肩を持つ。

慎一郎も
「藍子の気持ちが大事だ」という。

マキは冷静に「これが男と女が
逆やったらどうかな」と
いう。
「男が単身赴任で海外へ行ったとしたら
仕事だから仕方がないと開き直る。
しかし、何で女だったら・・・」
という。
はるさんは、
「そんな甲斐性のある男を
しらないから、わからないわ~~と
いった。」
しだいに、論点が外れる
三人のおっさんとおばさん。

久美は幸枝の元旦那が悪いという。
小さい子供がいるのに再婚するような
男は駄目だと。
すると真人はおれは、待つからと
いう。奥さんをずっと待つからと
力説した。

希は話がそれたので
がっかりした。
一子とみのりは希のそばに行った。

藍子が怒っているのは結婚式を
すっぽかしたからではないのかと
言う話になった。

「そうか」、希ははっとした。
希は走って出て行った。

家では徹がレストランの出店場所を
さがしている。
幸枝は机の上の家族の写真を見た。

「藍子はすっかり母親の顔ね・・・。」
希が小学生のころの家族写真だった。

そこに、希が飛んできた。

「おばあちゃん
パーティやらんか?」
20年前、おばあちゃんがすっぽかした
結婚パーティをやり直す話を
した。
希は藍子が納得しなかったら
幸枝の移住を応援できないといった。
「今度こそ、お母さんのために
ケーキを焼いてくれませんか?」

希が聞く。
「ウイ サバ!!!」

「わぁ~~~」
孫と祖母は抱き合った。
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今回の論点は。
なぜ、藍子は幸枝を嫌うのかという
理由である。
母親に捨てられたという
トラウマかな?
だったら、父親はしっかりと
藍子を育てるべきなのに
さっさと再婚するなんて。
これはひどい。
マキちゃんのことば。
幸枝が家庭を捨てて
仕事を取ってフランスへ行ったこと。
これが男女が反対だったら
文句はないだろうという
話だ。
女だから、なぜ、家族を捨てたと
言う話になる。
それはそうだ。
男だったら、海外へ単身赴任でいく
という話になっても
仕方がないというが
女だったらなぜ?
男女の育児分担である。
子供が成人しないうちは
子供の養育は母親の仕事と
いう意識が社会に根付いて
いるからだ。

マキちゃんはいったい
何ものでしょうかね??