情熱ミルフィーユ6

「なんがいね
日本一日本一いうとったくせに
あんたから漆取ったら何が残るん
わいね。」

希は圭太にどなった。

そして、弥太郎の弱点がわかったと
キミ子に言われた。

それは・・・・・
文だった。

塗師屋の店に文と元冶
そして、希がやったきた。

この時ばかりは弥太郎は
断るわけにはいかない。

「なんやいね、二人そろって・・」

と文と元冶を前に弥太郎は言った。

テーブルを囲んで
文と元冶、希
そして弥太郎。

希がつくったミルフィーユを
だした。
弥太郎は「これはうまい」という。
文は「あんときのケーキもおいしかった。
海のそばの喫茶店で」というと

弥太郎は、「マロンパイや」といって
笑った。

文は思い出を話す。
その頃は弥太郎は修行中で
親方の怒られて破門されそうだと
落ち込んでいた・・・それは
見学に来た大阪の料亭のひとに
腕を褒められてまいあがって
できもせん、注文を勝手に受けて
来たからだ。

「文ちゃん・・・その話は・・」

と弥太郎。

「もっと丈夫な器を作るって
20回も漆を重ねて
叱り飛ばされたこともあったな。
あはははは!!!」
と文は笑う。

誰も若いときはやってしまうものだ。
誰も圭太を責めないよと文。

「もう、ゆるしてやりまし」

戻ってこんもんをゆるしようがないがいね。

「あんたもよう家出をしとったがいね。
うちに泊まったこともあったげし。」

元冶は「聞いてないぞ。
ちゃっちゃと許したらいい。
跡継ぎができたと泣いて喜んでいたくせに。」

弥太郎は「くそ元冶」という。
元冶は怒って立ち上がろうとした。

「ほんなら文ちゃん、今からでもうちへ
来るかい?だったら圭太を許そう」と
いった。

一子と圭太は10時発の夜行バスに乗る
計画となった。

文は自分が弥太郎の家に行けば
圭太を許すのかと聞く。
「だったら仕方ない、


というと

思ったか?

あんたを選ばんかったのはそういうところ
やがいね。
もういいかげんにせんかいね、弥太郎!」

文は大声でしかも呼び捨てをした。

「あの、」と
井田が来た。
「お客様ですが。」

岡野亜美だった。
ミルフィーユが重ねていると
おいしくなるということが
分かったという。
希は喜んだ。
「何の話だ」と弥太郎。

希はいろんな層のミルフィーユを
何十個も作って亜美はそれを
試食した。
すると層が重ねるほどにおいしいと
分かったという。
「そういうことで
輪島塗の職人やることに決めた」といった。

なにがそういうことなのか・・・

「ケーキの重ねはわかったんで
今度は漆の重ねを極めます。

最強の重ねを目指して
まじがんばるっす!」

「それって・・・」
希は考えた。
移住の話が成立したわけだ。

「よろしくお願いします。」

ということで輪島塗を見せてもらう
ことになった。

「驚いたわいね。希ちゃんには。」
と弥太郎。

亜美は初めて夢を持つことができたと
希に感謝した。
亜美は輪島塗を見に行った。

希は座敷で弥太郎に圭太の話をした。
「圭太から弥太郎さんの話を聞いた。
漆は嘘をつくという話だった。
見えなくても嘘をついたらだめだ」という
話である。
圭太はそれで漆をしようとしたの
だった。
その時希が夢があって結果ダメだったけど
挑戦しているときは夢中だった。
「ずっと忘れていた夢の温かさを思い出させて
くれたのは圭太です。

圭太を応援したい。
圭太の夢をずっと見ていきたい
圭太は弥太郎さんではなくては駄目なんです。
許してやってください。
お願いします。」

「希ちゃん・・・」

泣きながら訴える
希だった。


そして・・・・

その夜圭太は、一子と待ち合わせの
場所に来た。

「おれやっぱりいかれんわ。
いったらいかん。
ごめん
東京はお前の夢やがに
こんな風に利用して
ひきょうやった。」


「なして変わったん?
気持ち・・・」

「。。喝、いれられてしもうた。
おれも、もういっぺんやるさけ。
おまえも東京、がんばれ。
一緒に夢かなえんか?」

一子は考えていたが
笑って「うん」と言った。

その夜、弥太郎のもとに
圭太が来た。

弥太郎のそばに座っていった

「親方、勝手をして申し訳ありません

でした。

もう一度漆教えてください」

「破門は取り消さんぞ
もう一度新たにやり直しや。」

「はい!!」

そこへ亜美が来た。
「親方お風呂湧いてますけど。」

「おまえの姉弟子や。
破門は取り消さんから
その間にうちに弟子入りしたから
おまえのほうが後輩や。」

「トイレ掃除、よろしくっす!」

「あははは・・・」

亜美は肩もみますという。
亜美は弥太郎の肩をもむ。
「トイレ掃除行ってきます」といって
圭太は去って行った。

弥太郎は機嫌よく笑った。

翌朝、希と徹は出勤する。

徹は携帯を返したという。

何があったのかと文が聞く。
藍子は答える。
徹は最近でかい夢を追いかけて
いたがとたんばで本社からストップが
かかってダメになったと話した。

文は「そらよかった」という。

「生き生きしていたな
夢を見ていた徹さんは。」

「楽しかったな」と徹が言った。
キミ子は笑ってみていた。

弥太郎は「輪島塗はこんなことでは
壊れない」という。
圭太に言った。
「必ず道を見つけるさけな。」

圭太は頭を下げた。

市役所で希は紺谷課長に
いった。

「圭太君、破門が解けました。」

紺谷は
「勤務中だぞ」という。

希は以前なんのためにこの仕事を
しているのかと紺谷に聞かれたことを
話した。
「応援するためです。
目の前にある暑い思いを応援するのが
市役所の務めと思いました。」

そういって希は頭を下げた。

はるの店でみんなが揃う。

その前に洋一郎に一子は言った。
「かけおちをやめたことは
きっと希がに怒られたからだ」と。
「かっこ悪い自分を希には
見せたくないんだ」と。
洋一郎は黙って聞いていた。

そこへ希たちが来た。
それぞれ食べ物を持ってきた。

希は圭太を応援したいと弥太郎に
いったとき
かつて夢を抱いた話をしたとき
なぜ、涙がでてきたのか・・
希自信にもよくわからない。

「ただいま~~~~」
家に帰るといい匂いがした。

それは・・・

あの白い生クリームのにおい・・・

目の前に白い生クリームの
ケーキがある。

「うまそう~~~~~~」

すると頭の上から
フランス語が聞こえた。

「おいしいわよ」

・・
希は顔を上げた。

そこには?
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圭太の件よかったです。
一子は幼いながらも考え
ました。
ほんとうに圭太を好きなのは
希で、圭太も希が好きなのでは
と・・・思ったのですがね。
難しいですね、この二人に関しては。
洋一郎は単純だけど、一子を
まっすぐに好きだから一子は本当は
洋一郎のほうがいいのではと
思うけどね。

GW・・・今日から本格的に始まり
ました!!
どこへいきますか?
どこもいっぱいでしょうかね。