情熱ミルフィーユ2
希の移住定住の仕事が
とんとんと進んでいる。
体験ツアーが
話題となった。
そのツアーの中に
安西がいた。
40代の風采の上がらない
男だった。
輪島塗に興味を持って圭太から
いろいろ話を聞いている。
能登に来たときどんな仕事をするか
悩んでいる。
塗り師の仕事も考えている。
圭太はそんな安西にしっている限りの
話をする。
「弟子入りするにはどこへ行っても
同じなのかな?」
圭太は「自分ちは伝統に厳しいが
八島さんという塗師屋さんは
若いし、輪島塗に革命を起こしたいと
いっている。」と。
「そう言う人怖い。
俺逃げてしまいそう」と、安西。
希はツアーの報告を紺谷にする。
山中は早速早期退職合わせて空き家の
確保をお願いしたいとの依頼をする。
安西も移住を前提に塗職人を検討
している・・と。
・・・
職員の裕子先輩は希が張り切って
いるので喜んでいる。
新谷は心配している。
何かやらかしはしないだろうかと。
体験ツアーが終わり安西はまだ
漆の勉強をするために
残っていた。
一徹がお小遣いをはたいて
中古のPCをかってきた。
どうやら、デイトレーダーの
高槻に影響を受けたらしい。
回線とPCさえあれば、東京でなくても
どこでも仕事はできるという。
その話に、眠っていた徹の
野望がむくむくと・・・・・。
野望ではなく、病気の一種かも。
娘と一緒に職場に行く徹。
なにやら徹は明るい。
キミ子は不安に思った。
「何を考えている???」
と聞くが・・・・。
「ほんとうのことを言わんかいね?
何をたくらんでいるのか?」
と聞く。
体験ツアーで東京から人が来て
忘れていたことを思い出した
と白状した。
「回線とPCがあれば
東京でなくても
能登でも・・・
ね?夢が広がるでしょ?」
この病気である。
キミ子は不安に思った。
こちらは安西と圭太。
組合に入っている塗師屋だけが
もっているという
地の粉という輪島塗のエッセンスのような
粉がある。
それを安西に見せた。
中谷は「本気で漆職人になるのですか?
給料安いですよ」といった。
圭太は「金の問題ではない」というが
そこに中谷の携帯が鳴った。
一子ちゃんからだという。
なぜか、一子が圭太を呼び出すため
中谷の携帯を使っている。
その日の夜、高志が帰ってきたので
即、歓迎会となった。
「また会おう」というあの歌を歌ってくれた。
ちょっと吉田拓郎の唄に似ている。
一子は何か不服そうな顔をして
いた。
福井でアマチュアアバンドの大会に出るため
に帰ってきたという。
だんだんファンもついてきたらしい。
ひとりひとり、今の状況を高志に
報告した。
洋一郎は朝から晩まで魚づけの
毎日。
希は移住定住の人のお世話をする。
この間も能登に着て漆職人になりたいと
言う人がいたという話をした。
圭太が絡んでいるというと
「さすが塗師の孫」と言われた。
圭太はそのことが気に入らないらしい。
孫なのでひいきされていると思われる
のも嫌だし、祖父もそれを思って
人より厳しく圭太にあたっている
という。
いまだに、塗らしてもらえないで
いるのだ。
雑用ばかりだという。
一子は店を手伝いながら
理容学校に通っていると
圭太が言うと高志は「・・・」。という。
みのりが、「東京はどうしたかって
聞いているよ」と高志の通訳をした。
「もちろん諦めていない」と圭太は
代わりに話をする。
「今はオーディションを選んでいるから」と。
「うん、もういくつか候補は決めている
から・・・」といった。
マキはそれを聞いて不安そうに
一子を見た。
お開きになった後みのりと希は
「楽しかった」といいながら
歩いていた。」
「六人そろうと落ち着くね・・・」
と。
みのりは
「洋ちゃんはせつないね。
一子ちゃんを好きだったからね。」
という。
「えええ???」
希は初耳だった。
目を見開いてみのりをみた。
「知らなかったの?」
と驚く。
「知らん・・・・
ほうやったんけ・・・」
「ああ^^^^^^
希ちゃん本当に鈍いね~~~~~。」
「そら切ないわ~~洋一郎・・」
「希ちゃんは何とも無いの?
一子ちゃんと圭太とみて。
もともと圭太は希ちゃんが好きだったし。」
希は、しばらくして
いった。
「聞いたら忘れてくれるけ?」
そういって、みのりに
「実は」という。
「卒業前に圭太に告白したら
その時はもう一子と付き合って
いた」と話した。
希は圭太の夢を一緒に応援できな
かったけど一子は圭太と夢を追いかけて
いる・・・その違いは大きいという。
「まだ、彼らはキスもしてないよ」と
みのりはいった。
希は、「もう忘れた。
今は仕事が楽しい」という。
みのりはそうだなと
納得した。
希にはもっと地に足の着いた人が
あっているという。
「圭太はなんというか・・・」と
みのりがいうと
希は
「ふわっふわやね。
漆のことになると前も見えんわ。」
「賢そうに見えて意外と
だらやね。」
希は
「だらのふわっふわやね」
といった。
「だらふわ~~~~」と言って
二人で笑った。
さっきまで宴会の会場だった
はるさんの店。
マキは転寝をしていたので
毛布を掛ける一子。
でも、転寝というより爆睡だった。
洋一郎と一子が残って
いた。
洋一郎はさっき東京へ行く話を
していた時一子はおかしかったという。
手がグーになっていたからだという。
何かあるときは一子は手がグーになる
らしい。
「東京行に何かあるんか」と
洋一郎は聞いた。
「何もない」と一子は言う。普段から
グーになるのだからというが。
その話が大声だったので
マキが起きた。
そして、急に話をする。
「一子さぁ
怖なってしもたんやろ?
東京・・・。
オーディション受けに東京へ行ったら
圧倒されて自信がなくなって
しまったんやろ?」
「なして・・・」
「毎日一緒におるからよ。
見てたらわかる」
とマキ。
「東京は半端な気持ちじゃながされて
終わるよ。
覚悟がないなら
やめときな!」
マキは去って行った。
「なして、標準語?」
洋一郎は言った。
一子は考え込んだ。
さて、翌日市役所でのことだった。
先輩の裕子さんが
希を職場のスミに呼んだ。
漆器組合にいって来たら
変な噂があったという。
塗師屋さんたちがかんかんに怒って
いる。
八島という塗師屋が輪島塗を根本的に
変えるという。
輪島塗が売れないのは高いからだ。
安くするためには人件費の安い海外に
外注するというやり方を提案して
いるという。
それでは品質管理ができない。
輪島塗の工程を省略して
質を落とす話をしているらしい。
それは東京から来た経営コンサルタント
から勧められたらしい。
そのひとは安西という。
安西は輪島中の塗師屋から職人を
給料を倍出すと言って
引き抜いている。
圭太のところの中谷もやめた。
その場を見て驚く圭太。
希は、あの安西がそんなことを・・と
思うと
めまいがした。
*******************
あの安西は経営コンサルタントで
何も無職ではないのだ。
あのレシート、252000円は
何代か知らないけど、あの人は無職ではなく
何かを探しにここにきて
無職を装って
能登に入り込もうとしたのだった。
これは、紺谷課長から何を言われる
やら・・・・
異動ですかね・・・。
左遷のようなもので。
安西には懇切丁寧にいろんな話を
圭太にさせたので圭太の責任問題
にもなる。
圭太の責任問題は・・・あの祖父が
だまっていない。
海外へ外注などしても、ほんものの輪島塗
にならない。
メイドイン外国になるではないか。
日本人がつくったものにならない。
伝統産業とは、その場で作ることが
条件である。歴史はそうやってできて
行くものなのに。
浅はかで薄っぺらい金儲け主義に
輪島塗が巻き込まれた。
その浅はかで薄っぺらい金儲け主義は
もともと徹の大好きな分野だった。
これに徹が絡んでいることの
ないように・・・と
願うものだが・・・・。
希の移住定住の仕事が
とんとんと進んでいる。
体験ツアーが
話題となった。
そのツアーの中に
安西がいた。
40代の風采の上がらない
男だった。
輪島塗に興味を持って圭太から
いろいろ話を聞いている。
能登に来たときどんな仕事をするか
悩んでいる。
塗り師の仕事も考えている。
圭太はそんな安西にしっている限りの
話をする。
「弟子入りするにはどこへ行っても
同じなのかな?」
圭太は「自分ちは伝統に厳しいが
八島さんという塗師屋さんは
若いし、輪島塗に革命を起こしたいと
いっている。」と。
「そう言う人怖い。
俺逃げてしまいそう」と、安西。
希はツアーの報告を紺谷にする。
山中は早速早期退職合わせて空き家の
確保をお願いしたいとの依頼をする。
安西も移住を前提に塗職人を検討
している・・と。
・・・
職員の裕子先輩は希が張り切って
いるので喜んでいる。
新谷は心配している。
何かやらかしはしないだろうかと。
体験ツアーが終わり安西はまだ
漆の勉強をするために
残っていた。
一徹がお小遣いをはたいて
中古のPCをかってきた。
どうやら、デイトレーダーの
高槻に影響を受けたらしい。
回線とPCさえあれば、東京でなくても
どこでも仕事はできるという。
その話に、眠っていた徹の
野望がむくむくと・・・・・。
野望ではなく、病気の一種かも。
娘と一緒に職場に行く徹。
なにやら徹は明るい。
キミ子は不安に思った。
「何を考えている???」
と聞くが・・・・。
「ほんとうのことを言わんかいね?
何をたくらんでいるのか?」
と聞く。
体験ツアーで東京から人が来て
忘れていたことを思い出した
と白状した。
「回線とPCがあれば
東京でなくても
能登でも・・・
ね?夢が広がるでしょ?」
この病気である。
キミ子は不安に思った。
こちらは安西と圭太。
組合に入っている塗師屋だけが
もっているという
地の粉という輪島塗のエッセンスのような
粉がある。
それを安西に見せた。
中谷は「本気で漆職人になるのですか?
給料安いですよ」といった。
圭太は「金の問題ではない」というが
そこに中谷の携帯が鳴った。
一子ちゃんからだという。
なぜか、一子が圭太を呼び出すため
中谷の携帯を使っている。
その日の夜、高志が帰ってきたので
即、歓迎会となった。
「また会おう」というあの歌を歌ってくれた。
ちょっと吉田拓郎の唄に似ている。
一子は何か不服そうな顔をして
いた。
福井でアマチュアアバンドの大会に出るため
に帰ってきたという。
だんだんファンもついてきたらしい。
ひとりひとり、今の状況を高志に
報告した。
洋一郎は朝から晩まで魚づけの
毎日。
希は移住定住の人のお世話をする。
この間も能登に着て漆職人になりたいと
言う人がいたという話をした。
圭太が絡んでいるというと
「さすが塗師の孫」と言われた。
圭太はそのことが気に入らないらしい。
孫なのでひいきされていると思われる
のも嫌だし、祖父もそれを思って
人より厳しく圭太にあたっている
という。
いまだに、塗らしてもらえないで
いるのだ。
雑用ばかりだという。
一子は店を手伝いながら
理容学校に通っていると
圭太が言うと高志は「・・・」。という。
みのりが、「東京はどうしたかって
聞いているよ」と高志の通訳をした。
「もちろん諦めていない」と圭太は
代わりに話をする。
「今はオーディションを選んでいるから」と。
「うん、もういくつか候補は決めている
から・・・」といった。
マキはそれを聞いて不安そうに
一子を見た。
お開きになった後みのりと希は
「楽しかった」といいながら
歩いていた。」
「六人そろうと落ち着くね・・・」
と。
みのりは
「洋ちゃんはせつないね。
一子ちゃんを好きだったからね。」
という。
「えええ???」
希は初耳だった。
目を見開いてみのりをみた。
「知らなかったの?」
と驚く。
「知らん・・・・
ほうやったんけ・・・」
「ああ^^^^^^
希ちゃん本当に鈍いね~~~~~。」
「そら切ないわ~~洋一郎・・」
「希ちゃんは何とも無いの?
一子ちゃんと圭太とみて。
もともと圭太は希ちゃんが好きだったし。」
希は、しばらくして
いった。
「聞いたら忘れてくれるけ?」
そういって、みのりに
「実は」という。
「卒業前に圭太に告白したら
その時はもう一子と付き合って
いた」と話した。
希は圭太の夢を一緒に応援できな
かったけど一子は圭太と夢を追いかけて
いる・・・その違いは大きいという。
「まだ、彼らはキスもしてないよ」と
みのりはいった。
希は、「もう忘れた。
今は仕事が楽しい」という。
みのりはそうだなと
納得した。
希にはもっと地に足の着いた人が
あっているという。
「圭太はなんというか・・・」と
みのりがいうと
希は
「ふわっふわやね。
漆のことになると前も見えんわ。」
「賢そうに見えて意外と
だらやね。」
希は
「だらのふわっふわやね」
といった。
「だらふわ~~~~」と言って
二人で笑った。
さっきまで宴会の会場だった
はるさんの店。
マキは転寝をしていたので
毛布を掛ける一子。
でも、転寝というより爆睡だった。
洋一郎と一子が残って
いた。
洋一郎はさっき東京へ行く話を
していた時一子はおかしかったという。
手がグーになっていたからだという。
何かあるときは一子は手がグーになる
らしい。
「東京行に何かあるんか」と
洋一郎は聞いた。
「何もない」と一子は言う。普段から
グーになるのだからというが。
その話が大声だったので
マキが起きた。
そして、急に話をする。
「一子さぁ
怖なってしもたんやろ?
東京・・・。
オーディション受けに東京へ行ったら
圧倒されて自信がなくなって
しまったんやろ?」
「なして・・・」
「毎日一緒におるからよ。
見てたらわかる」
とマキ。
「東京は半端な気持ちじゃながされて
終わるよ。
覚悟がないなら
やめときな!」
マキは去って行った。
「なして、標準語?」
洋一郎は言った。
一子は考え込んだ。
さて、翌日市役所でのことだった。
先輩の裕子さんが
希を職場のスミに呼んだ。
漆器組合にいって来たら
変な噂があったという。
塗師屋さんたちがかんかんに怒って
いる。
八島という塗師屋が輪島塗を根本的に
変えるという。
輪島塗が売れないのは高いからだ。
安くするためには人件費の安い海外に
外注するというやり方を提案して
いるという。
それでは品質管理ができない。
輪島塗の工程を省略して
質を落とす話をしているらしい。
それは東京から来た経営コンサルタント
から勧められたらしい。
そのひとは安西という。
安西は輪島中の塗師屋から職人を
給料を倍出すと言って
引き抜いている。
圭太のところの中谷もやめた。
その場を見て驚く圭太。
希は、あの安西がそんなことを・・と
思うと
めまいがした。
*******************
あの安西は経営コンサルタントで
何も無職ではないのだ。
あのレシート、252000円は
何代か知らないけど、あの人は無職ではなく
何かを探しにここにきて
無職を装って
能登に入り込もうとしたのだった。
これは、紺谷課長から何を言われる
やら・・・・
異動ですかね・・・。
左遷のようなもので。
安西には懇切丁寧にいろんな話を
圭太にさせたので圭太の責任問題
にもなる。
圭太の責任問題は・・・あの祖父が
だまっていない。
海外へ外注などしても、ほんものの輪島塗
にならない。
メイドイン外国になるではないか。
日本人がつくったものにならない。
伝統産業とは、その場で作ることが
条件である。歴史はそうやってできて
行くものなのに。
浅はかで薄っぺらい金儲け主義に
輪島塗が巻き込まれた。
その浅はかで薄っぺらい金儲け主義は
もともと徹の大好きな分野だった。
これに徹が絡んでいることの
ないように・・・と
願うものだが・・・・。
