さよなら桜餅5
「公私混同するなといったはずだ。
そんなやり方しかできないなら
もうやめろ!!」
紺谷にいわれて
希はショックを受けた。
「くびですかね?
せっかくお母さんがお給料を
たのしみにしているのに・・」
新谷は「おちつけ」というが。
そこへ京極がかってに
仕事の内部室に入って来た。
「ああ、かってに入って来ては
困ります」と新谷は言う。
京極はコンサートでCDを
売って欲しいといった。
市役所では特定の商品を
売るわけにはいかない。
新谷がいうと
京極は希に個人的に売って
という。
「このコンサートは私が地元に
なじむためのコンサートでしょ
、応援したいといったのはそっちよ。」
希は、むかっとして
「そんな勝手なことばっかし言うとるさけ
地元になじめんげがいね。」
京極は座っていた椅子から立ち上がった。
希は京極の所へつかつかと
ちかよった。
「コンサートをやるってだれに
聞きに来てもらうつもりですか。
地元の人でしょ。ほれやったら少しは
自分以外の人のことも考えたら
どうなんけ!!!!」
希は語調つよく言い切った。
京極は何も言わないで去って行った。
「ああ!!!」
言い過ぎたと思ったが
遅かった。
お昼ご飯時、公園でお弁当を
みのりと一緒に食べる
希。
さきほどの京極の件を
みのりに聞いてもらった。
「ほんとうに協力をしたいのだけど
何でも手を出していたら
時間も人も足りなくて。
規則という壁もあるし。」
「へへへへ・・・」
みのりがわらった。
「希ちゃんは変わらんね。
就職しても。
人の応援をするところは
ずっと一緒だ」という。
「移住もそういう風に思いやればいいのにね。
来るほうと迎えるほうが
お互いにね・・・。」
「そうなのよ。」
そこに洋一郎がいた。
ベンチに横になっている。
「俺のことも思いやって
くれんけ。」
一子に振られて
ショックを受けている。
相手は圭太だから
どうしようもない。
能登の男でよかったら
俺でもいいはずだという。
元はと言えば、希が圭太を振った
からだと希に言うが
お昼休みも時間となった。
急いでかたづける
希とみのり。
二人はさっさと去って行った。
おなじみの男子トイレで
新谷が同僚に愚痴る。
「あれはつぶれるな
津村希。
規則を守らない公務員なんて
一番使えないから。
アンなのとコンビで
ついてない」と新谷は言う。
そして二人は出て行った。
トイレを掃除するキミ子。
ドアを開けると
徹が呆然として立って
いる。
津村希とは徹の娘だと
しっていた。
そして、自分が娘なら
親父が便器磨きをしているなら
親子の縁を切るわと
いった。
徹は絶望的になった。
やはり、自分が市役所の清掃員である
ことはやばいことなんだと
思った。
「規則規則ってビジネスチャンスは
規則の外にあるんだよね・・・」
徹は家の便所の便器を磨きながら
そんなことをいう。
一徹は、「姉ちゃんにいったらいい」と
いう。
一徹も徹の職場が市役所だと
しっていた。
驚く徹。
黙っていて欲しいというが
「なぜ黙っているのだ?」と一徹。
「君は正しいが
今はまだ黙っててほしい」と徹。
さて、徹の気持ちはよくわからない
一徹だった。
その夜・・・
桜餅に挑戦する希。
藍子が試食すると
前よりおいしいという。
が・・・
どうも違う。
文と同じものは作れない。
藍子はこのところ文に逃げられて
いる。
文は微妙に時間をずらして
藍子に合わないようにしているらしい。
「もう、自分たちを当てにしないと
決めたのではないか」と藍子は言った。
しかし明日の朝市は文の番だから
あした会いにいこうという。
希は藍子と翌朝朝市に出かけた。
ところが
野菜の売り場にいたのは
文ではなく
はるだった。
今日あたり、藍子と希が来るかもと
思ったらしい。
野生のかんである。
逃げられた。
希は今
能登に来て初めてさみしさを味わって
いた。
小学校から一緒だった仲間たちは
それぞれが別の道に行き
一緒に暮らした文や元冶とも
離れ離れになってしまったからだ。
目の前を高校生たちが
笑顔で笑いながら
通り過ぎていく。
あんな感じだったのに
いまは希は
寂しくて
だれにも
話を聞いてもらえなくて
がっかりしている。
歩いていると
向うの橋の上に圭太がいた。
希が気が付くと
圭太も気が付いた。
橋は希の歩いている道と
合流する。
圭太は、「ああ」、といって
去っていこうとした。
「ちょっとだけ話をしない?」
と希はいった。
二人で海の見えるところまで
歩く。
「一子とはうまくいっているの?」
と聞く。
一子は
理容学校に行っている、
しかし東京への夢は
あきらめていない。
希は、「そう・・」といって
海のほうへ向かって
「よーい・・・どん」といって
走った。
「なしてん?」
「早よ!」
「うん・・・」
圭太は希をおった。
「圭太はどうなんけ?
漆、楽しいけ?」
圭太は「そりゃ、おまえ・・・・」
といいかけて
熱く語るとじんましんがでる
希なので、そこまでてやめた。
「おまえはどうなん?
市役所。」
「うまくいってるよ」
「へぇ・・・」
「なに?」
圭太は実家に帰ったとき
親父が言っていた言葉を
思い出して・・・
聞きたいという希に
圭太はそのまま希に言った。
「あんな使えん新人は見たことがない。
人事はどこを見て採用したのか
お荷物だ
厄介者だ」
希は、驚いて
「ほんな・・・
まともに全部言うことないがいね」
と、抗議した。
「おまえが言えって言ったからだ。」
「社会人なら
少しはオブラートに包むものや。」
「何で包もうが中身は同じや。」
「もういい!!
ちょっとさみしいと思ったうちが
ばかだった。
あんたやったらみのりんとこの
ゴンタとしゃべったほういい。」
「ゴンタって犬かいえ・・・・」
圭太は抗議したが
希はきかない。
空に向かって
「かもめ~~~~~~~~
うちと、しゃべろう~~~~~~」
と、叫んだ。
「俺かて
おまえとしゃべるより」
そういって
圭太はさがしたが
海の中に向かって
「鯛や~~~~」と
叫ぶ。
(なんでやねん・・。)
「ふん、
かもめ~~~~~~~~」
「鯛や~~~~~」
希は笑った。
「そうだ、これ食べて。」
桜餅を圭太に渡した。
「ほんなら・・・」
希は回れ右をして去っていく。
「希・・・・」
圭太は一口食べて言った。
「これ、
うめ~~な~~~」
希は元気よく手を振って帰った。
行先は桶作家。
希がいくと
文がいない。
元冶だけ・・
絶対いるのにと
探すがいない。
「何でうちらを避けるの???」
と大声で言う。
「ま、座ったら」と
元冶は言う。
「おちつく~~~
ここ~~~~」
元冶に桜餅を差し出した。
「文さんとは違うけど」という。
「あれには、うちの塩が入っている」
といった。
希は納得した。
「元冶さんの塩だったのか~~~。」
その時大きな音が
した。
小さな物入れの中にふみがいた。
「ああ、よく掃除をした」と
文は言う。
「何で隠れるの?」
哲也さんとよく話し合ってほしいと
いった。
「塩田が大事なんてウソばっかり。」
桜餅を文に出した。
「哲也さんがあの桜餅を一番好きなんは
元冶さんの塩が入っているからでしょ。」
「だからなに?」と文は聞く。
「あんな風に物別れにならないでも
ちゃんと話せばわかるから。
家族なんだから。」
「家族、家族ってうるさいわいね。
家族教にでもお入りですか???」
文がおどけて言った。
「家族なんて離れて暮らせば
赤の他人だ」と文は言う。
「お互い何を考えているのかわからない。
なんもしらん。」
「しっとる」と希。
「しらん・・・」
「もうその辺で・・・」と元冶が
入ろうとするが
入れない・・。
「しっとる!」
「知らんて~~~~。
ああ、面倒くさい。
こうなったら
文さんクイズや「!!!!」
「文さんクイズ!!!
・・・って
なにけ?」
元冶に聞くと
「知らん」
と
答えた。
*****************
結構気を使うキャラの希が
気を使わずに
怒鳴った。
まず京極ミズハに
人のことを考えないから
なじめないということ。
ちゃんと人のことを考えて
下さい。
いったい誰がコンサートに来るのか?
地元の人でしょ!!
って
これは、その通りだ。
コンサートなんて
好きな人は好きだけど
こんなインドの音楽を好きな人って
そうそういないから。
あの人のコンサートなら
行ってみようかと
思ってきてくれるのだから
嫌われていると
誰も来ない。
だから、積極的に
地元になじもうと
がんばるべきであって
そんな人だと、コンサートを
開いても聞きに行こうと思う
はずですよね。
これですっとした。
でもこの寂しさはなんなんだと
考える希。
圭太に会って
紺谷が何を言っているのか
分かった以上、
落ち込むわけにはいかない。
せめて公務員ではないときは
お世話がすきなキャラであっても
いい。
元冶と文の家にいって
文と向かい合う。
が・・・
文さんクイズ・・・・って???
「公私混同するなといったはずだ。
そんなやり方しかできないなら
もうやめろ!!」
紺谷にいわれて
希はショックを受けた。
「くびですかね?
せっかくお母さんがお給料を
たのしみにしているのに・・」
新谷は「おちつけ」というが。
そこへ京極がかってに
仕事の内部室に入って来た。
「ああ、かってに入って来ては
困ります」と新谷は言う。
京極はコンサートでCDを
売って欲しいといった。
市役所では特定の商品を
売るわけにはいかない。
新谷がいうと
京極は希に個人的に売って
という。
「このコンサートは私が地元に
なじむためのコンサートでしょ
、応援したいといったのはそっちよ。」
希は、むかっとして
「そんな勝手なことばっかし言うとるさけ
地元になじめんげがいね。」
京極は座っていた椅子から立ち上がった。
希は京極の所へつかつかと
ちかよった。
「コンサートをやるってだれに
聞きに来てもらうつもりですか。
地元の人でしょ。ほれやったら少しは
自分以外の人のことも考えたら
どうなんけ!!!!」
希は語調つよく言い切った。
京極は何も言わないで去って行った。
「ああ!!!」
言い過ぎたと思ったが
遅かった。
お昼ご飯時、公園でお弁当を
みのりと一緒に食べる
希。
さきほどの京極の件を
みのりに聞いてもらった。
「ほんとうに協力をしたいのだけど
何でも手を出していたら
時間も人も足りなくて。
規則という壁もあるし。」
「へへへへ・・・」
みのりがわらった。
「希ちゃんは変わらんね。
就職しても。
人の応援をするところは
ずっと一緒だ」という。
「移住もそういう風に思いやればいいのにね。
来るほうと迎えるほうが
お互いにね・・・。」
「そうなのよ。」
そこに洋一郎がいた。
ベンチに横になっている。
「俺のことも思いやって
くれんけ。」
一子に振られて
ショックを受けている。
相手は圭太だから
どうしようもない。
能登の男でよかったら
俺でもいいはずだという。
元はと言えば、希が圭太を振った
からだと希に言うが
お昼休みも時間となった。
急いでかたづける
希とみのり。
二人はさっさと去って行った。
おなじみの男子トイレで
新谷が同僚に愚痴る。
「あれはつぶれるな
津村希。
規則を守らない公務員なんて
一番使えないから。
アンなのとコンビで
ついてない」と新谷は言う。
そして二人は出て行った。
トイレを掃除するキミ子。
ドアを開けると
徹が呆然として立って
いる。
津村希とは徹の娘だと
しっていた。
そして、自分が娘なら
親父が便器磨きをしているなら
親子の縁を切るわと
いった。
徹は絶望的になった。
やはり、自分が市役所の清掃員である
ことはやばいことなんだと
思った。
「規則規則ってビジネスチャンスは
規則の外にあるんだよね・・・」
徹は家の便所の便器を磨きながら
そんなことをいう。
一徹は、「姉ちゃんにいったらいい」と
いう。
一徹も徹の職場が市役所だと
しっていた。
驚く徹。
黙っていて欲しいというが
「なぜ黙っているのだ?」と一徹。
「君は正しいが
今はまだ黙っててほしい」と徹。
さて、徹の気持ちはよくわからない
一徹だった。
その夜・・・
桜餅に挑戦する希。
藍子が試食すると
前よりおいしいという。
が・・・
どうも違う。
文と同じものは作れない。
藍子はこのところ文に逃げられて
いる。
文は微妙に時間をずらして
藍子に合わないようにしているらしい。
「もう、自分たちを当てにしないと
決めたのではないか」と藍子は言った。
しかし明日の朝市は文の番だから
あした会いにいこうという。
希は藍子と翌朝朝市に出かけた。
ところが
野菜の売り場にいたのは
文ではなく
はるだった。
今日あたり、藍子と希が来るかもと
思ったらしい。
野生のかんである。
逃げられた。
希は今
能登に来て初めてさみしさを味わって
いた。
小学校から一緒だった仲間たちは
それぞれが別の道に行き
一緒に暮らした文や元冶とも
離れ離れになってしまったからだ。
目の前を高校生たちが
笑顔で笑いながら
通り過ぎていく。
あんな感じだったのに
いまは希は
寂しくて
だれにも
話を聞いてもらえなくて
がっかりしている。
歩いていると
向うの橋の上に圭太がいた。
希が気が付くと
圭太も気が付いた。
橋は希の歩いている道と
合流する。
圭太は、「ああ」、といって
去っていこうとした。
「ちょっとだけ話をしない?」
と希はいった。
二人で海の見えるところまで
歩く。
「一子とはうまくいっているの?」
と聞く。
一子は
理容学校に行っている、
しかし東京への夢は
あきらめていない。
希は、「そう・・」といって
海のほうへ向かって
「よーい・・・どん」といって
走った。
「なしてん?」
「早よ!」
「うん・・・」
圭太は希をおった。
「圭太はどうなんけ?
漆、楽しいけ?」
圭太は「そりゃ、おまえ・・・・」
といいかけて
熱く語るとじんましんがでる
希なので、そこまでてやめた。
「おまえはどうなん?
市役所。」
「うまくいってるよ」
「へぇ・・・」
「なに?」
圭太は実家に帰ったとき
親父が言っていた言葉を
思い出して・・・
聞きたいという希に
圭太はそのまま希に言った。
「あんな使えん新人は見たことがない。
人事はどこを見て採用したのか
お荷物だ
厄介者だ」
希は、驚いて
「ほんな・・・
まともに全部言うことないがいね」
と、抗議した。
「おまえが言えって言ったからだ。」
「社会人なら
少しはオブラートに包むものや。」
「何で包もうが中身は同じや。」
「もういい!!
ちょっとさみしいと思ったうちが
ばかだった。
あんたやったらみのりんとこの
ゴンタとしゃべったほういい。」
「ゴンタって犬かいえ・・・・」
圭太は抗議したが
希はきかない。
空に向かって
「かもめ~~~~~~~~
うちと、しゃべろう~~~~~~」
と、叫んだ。
「俺かて
おまえとしゃべるより」
そういって
圭太はさがしたが
海の中に向かって
「鯛や~~~~」と
叫ぶ。
(なんでやねん・・。)
「ふん、
かもめ~~~~~~~~」
「鯛や~~~~~」
希は笑った。
「そうだ、これ食べて。」
桜餅を圭太に渡した。
「ほんなら・・・」
希は回れ右をして去っていく。
「希・・・・」
圭太は一口食べて言った。
「これ、
うめ~~な~~~」
希は元気よく手を振って帰った。
行先は桶作家。
希がいくと
文がいない。
元冶だけ・・
絶対いるのにと
探すがいない。
「何でうちらを避けるの???」
と大声で言う。
「ま、座ったら」と
元冶は言う。
「おちつく~~~
ここ~~~~」
元冶に桜餅を差し出した。
「文さんとは違うけど」という。
「あれには、うちの塩が入っている」
といった。
希は納得した。
「元冶さんの塩だったのか~~~。」
その時大きな音が
した。
小さな物入れの中にふみがいた。
「ああ、よく掃除をした」と
文は言う。
「何で隠れるの?」
哲也さんとよく話し合ってほしいと
いった。
「塩田が大事なんてウソばっかり。」
桜餅を文に出した。
「哲也さんがあの桜餅を一番好きなんは
元冶さんの塩が入っているからでしょ。」
「だからなに?」と文は聞く。
「あんな風に物別れにならないでも
ちゃんと話せばわかるから。
家族なんだから。」
「家族、家族ってうるさいわいね。
家族教にでもお入りですか???」
文がおどけて言った。
「家族なんて離れて暮らせば
赤の他人だ」と文は言う。
「お互い何を考えているのかわからない。
なんもしらん。」
「しっとる」と希。
「しらん・・・」
「もうその辺で・・・」と元冶が
入ろうとするが
入れない・・。
「しっとる!」
「知らんて~~~~。
ああ、面倒くさい。
こうなったら
文さんクイズや「!!!!」
「文さんクイズ!!!
・・・って
なにけ?」
元冶に聞くと
「知らん」
と
答えた。
*****************
結構気を使うキャラの希が
気を使わずに
怒鳴った。
まず京極ミズハに
人のことを考えないから
なじめないということ。
ちゃんと人のことを考えて
下さい。
いったい誰がコンサートに来るのか?
地元の人でしょ!!
って
これは、その通りだ。
コンサートなんて
好きな人は好きだけど
こんなインドの音楽を好きな人って
そうそういないから。
あの人のコンサートなら
行ってみようかと
思ってきてくれるのだから
嫌われていると
誰も来ない。
だから、積極的に
地元になじもうと
がんばるべきであって
そんな人だと、コンサートを
開いても聞きに行こうと思う
はずですよね。
これですっとした。
でもこの寂しさはなんなんだと
考える希。
圭太に会って
紺谷が何を言っているのか
分かった以上、
落ち込むわけにはいかない。
せめて公務員ではないときは
お世話がすきなキャラであっても
いい。
元冶と文の家にいって
文と向かい合う。
が・・・
文さんクイズ・・・・って???
