魔女姫のバースディケーキ6
すっかりつぶれてしまったケーキを
皿に戻したが
どうにもならない。
徹が謝っても
希の心はずたずたになっていた。
徹は祭りをするために
役所の紺谷に掛け合っていた
というが、元冶に頼まれたわけでは
ない。
塩田の仕事をさぼって何をしているのかと
藍子と希から追求される。
「すみません・・・」
情けない父親の姿である。
希は立ち上がった。
「もういい、
私たちもう終わりだね。」
「恋人か?」と一徹。
「さよなら・・・」
希は家を出て行った。
追いかけようとしたが
藍子が止めた。
途中はるが希に声をかける、
「どこへ行くの?」
「東京!!!」
「はぁ?」
家では藍子が徹に聞く。
「何でお祭りをしたかったのか」と。
徹は「希と一徹に曳山をみせたかった」
という。「曳山に子供たちを載せて
引くとすごく喜ぶと聞いた」という。
「希にはせめてこんなことでもしてやりた
かった」という。
「じゃ、探しに行こうか?」と藍子は
希を探しに行こうといった。
希はバス停にいた。
そして、ごみ箱に能登の言葉を
かいたメモ帳を捨てた。
ところが、役場のアナウンスで祭りの
是非を問う選挙をするという。
希は考えたが
バスに乗らずに
走り出した。
バス停では圭太が
ごみ箱から希の能登言葉
のメモ帳を取り出して
それを見ていた。
希の行先は
集会所である。
元冶たちがみまもり
紺谷が
開票をする。
圧倒的に祭り開催を
反対する票が多い。
元冶は、驚いた。
希も驚いた。
そこへ一子が、希のそばに来て
希が田舎が嫌になって
東京へ行こうとした
事を責めた。
そして、{あんたはやっぱり
よそもんだ」といって
「よそもん
よそもん」
と、大人たちが集まっている中
で希を責めた。
「よそもん
よそもんて
うるさいわいね。」
希は怒鳴った。
みんなハッとした。
「ほうや、どうせよそもんやわいね。
好きできたかじゃないげんよ。
悪いがかいね。ああん?
ほやけどみんないい人やし、海はきれいやし
景色もいいし
ここで家族みんなして暮らせたら
いいなっちゅうて
もういっぺんここで
昔みたいに家族でやり直せたら
いいなっちゅうて
勝手に思取ってんわいね。」
藍子、徹、一徹はじっと
希を見ていた。
「ほんでも、どうしてもうまいこと
いかんげ。
学校のみんなにも生まれた時から一緒の仲間に
入れてもらいたいげんけど
ここの言葉もうまいこと喋られんし」
圭太もじっと見ていた。
「ドンにしたらここで暮らせるのか
わからんがになってん。」
藍子は「ちゃんとしゃべているよ、ここの
言葉」という。
はるも、マキも・・・げんげろといって
いたけど・・と言って笑った。
二木高志まで
「練習のかい
あったがいね」
という。
高志が話したと
みんな驚いた。
みんな気にしてくれていたことに
気が付いた。
「希?」と徹が言う。
元冶は
「どうしたら暮らしていけれるかわからない
のは、自分たちも同じだという。
能登は陸地の果てだという者もおる。」
元冶は立ちあがた。
「ほやけど
能登ははてではなしに
海に向かって開けている。
そこでおれたちは生きている。
ないものを数えるより
ここで生きることに腹をくくらんかい。
祭りをやらんかい。
残っているものでやらんけ。」
といった。
帰りの一本道で
津村親子は
立ち止まった。
「俺には自信がない。
地道にやる才能がない。
ダメだ・・・。」
徹がいう。
「だけど私
お父さんのこと
好きだよ。
助けるよ
お父さんがダメでも
助け合おうよ
みんなで。」
徹は
希に言った。
「希、誕生日おめでとう。」
「お父さんもおめでとう!!!」
親子は和解した。
海の見える場所で四人は敷物を広げて
つぶれたケーキをみんなで食べた。
「おいしい!!」
笑顔になる。
形は悪いけど味はいい!!
藍子はなぜここに来たのかと
いう話をした。
どこへ住もうかと
考えたがよくわからないので
ダーツのように
地図にむかって
ダーツの羽根を投げた。
当たったところが能登だった。
そこの役場に電話をした。
その時でた人はすごく感じが悪かった。
「都会の人には簡単に住めない。
絶対に来るな」という
「でもね、ああ、これが能登の人の
優しさなのかな」って思ったという。
「頑張ろう、能登で
皆で」
藍子が言うと
みんな立ち上がって
「頑張るぞ」といって
シュプレヒコールを上げた。
藍子はとにかくここに住むように
したいと思って文に
頼み込もうとした。
野菜を袋に詰めながら
文は自分から言った。
「ひと月、9500円。
光熱費込。
食費は塩田のバイト代から
ひくさかい。
滞納したらすぐ出て行ってもらうから
これあんたんとこの。
本気でここに住むのだったら
もう逃げ場はないよ。」
文は野菜を藍子に渡した。
藍子は気が付いた。
あの時の感じの悪い役場の人って
文だったのだと。
藍子は笑顔になった。
やがて待ちに待った
夏祭りが始まった。
よその村にも応援を頼んだ。
皆で太鼓をたたいた。
曳山がねりあるく。
子供たちが載っている。
大人たちが曳山を引く。
「よーいやさ
よーいやさ」
圭太から希に話があった。
「俺二学期が始まる前に父ちゃんの転勤で
金沢に行くことになっている。
生まれてからここしか知らないから
不安で八つ当たりをしていた。
ごめん・・・
ほやけど
じたばたしているおまえ見ていたら
何か元気が出た。」
「頑張ってね。」
圭太は棟の上から
手を差し出した。
希はその手を取って海が見える
棟に上がった。
二人で海を見た。
やがて7年がすぎた。
2001年
平成13年のことである。
希は17歳になっていた。
元気な娘である。
徹はあれから
姿を消した。
死んだと思っていると
希はいう。
しかし、
藍子の所には
徹から、手紙が来ていた。
希が夢を見るようになるには
先の話となる
ようである。
***************
小学生編が終わった。
変わり者の小学生ではあるけど
家族が変わり者だから
ショウがない。
親がだめでもこどもはしっかりと
明るく育っている。
愛情があるのだろう。
地道にコツコツではなくても
どこかで希たちを見守っているような
父親の存在・・・
こんな変わった家族の話は
朝ドラでは
めずらしいのでは???
ということで
高校生になった
希。
土屋太凰が登場である。
すっかりつぶれてしまったケーキを
皿に戻したが
どうにもならない。
徹が謝っても
希の心はずたずたになっていた。
徹は祭りをするために
役所の紺谷に掛け合っていた
というが、元冶に頼まれたわけでは
ない。
塩田の仕事をさぼって何をしているのかと
藍子と希から追求される。
「すみません・・・」
情けない父親の姿である。
希は立ち上がった。
「もういい、
私たちもう終わりだね。」
「恋人か?」と一徹。
「さよなら・・・」
希は家を出て行った。
追いかけようとしたが
藍子が止めた。
途中はるが希に声をかける、
「どこへ行くの?」
「東京!!!」
「はぁ?」
家では藍子が徹に聞く。
「何でお祭りをしたかったのか」と。
徹は「希と一徹に曳山をみせたかった」
という。「曳山に子供たちを載せて
引くとすごく喜ぶと聞いた」という。
「希にはせめてこんなことでもしてやりた
かった」という。
「じゃ、探しに行こうか?」と藍子は
希を探しに行こうといった。
希はバス停にいた。
そして、ごみ箱に能登の言葉を
かいたメモ帳を捨てた。
ところが、役場のアナウンスで祭りの
是非を問う選挙をするという。
希は考えたが
バスに乗らずに
走り出した。
バス停では圭太が
ごみ箱から希の能登言葉
のメモ帳を取り出して
それを見ていた。
希の行先は
集会所である。
元冶たちがみまもり
紺谷が
開票をする。
圧倒的に祭り開催を
反対する票が多い。
元冶は、驚いた。
希も驚いた。
そこへ一子が、希のそばに来て
希が田舎が嫌になって
東京へ行こうとした
事を責めた。
そして、{あんたはやっぱり
よそもんだ」といって
「よそもん
よそもん」
と、大人たちが集まっている中
で希を責めた。
「よそもん
よそもんて
うるさいわいね。」
希は怒鳴った。
みんなハッとした。
「ほうや、どうせよそもんやわいね。
好きできたかじゃないげんよ。
悪いがかいね。ああん?
ほやけどみんないい人やし、海はきれいやし
景色もいいし
ここで家族みんなして暮らせたら
いいなっちゅうて
もういっぺんここで
昔みたいに家族でやり直せたら
いいなっちゅうて
勝手に思取ってんわいね。」
藍子、徹、一徹はじっと
希を見ていた。
「ほんでも、どうしてもうまいこと
いかんげ。
学校のみんなにも生まれた時から一緒の仲間に
入れてもらいたいげんけど
ここの言葉もうまいこと喋られんし」
圭太もじっと見ていた。
「ドンにしたらここで暮らせるのか
わからんがになってん。」
藍子は「ちゃんとしゃべているよ、ここの
言葉」という。
はるも、マキも・・・げんげろといって
いたけど・・と言って笑った。
二木高志まで
「練習のかい
あったがいね」
という。
高志が話したと
みんな驚いた。
みんな気にしてくれていたことに
気が付いた。
「希?」と徹が言う。
元冶は
「どうしたら暮らしていけれるかわからない
のは、自分たちも同じだという。
能登は陸地の果てだという者もおる。」
元冶は立ちあがた。
「ほやけど
能登ははてではなしに
海に向かって開けている。
そこでおれたちは生きている。
ないものを数えるより
ここで生きることに腹をくくらんかい。
祭りをやらんかい。
残っているものでやらんけ。」
といった。
帰りの一本道で
津村親子は
立ち止まった。
「俺には自信がない。
地道にやる才能がない。
ダメだ・・・。」
徹がいう。
「だけど私
お父さんのこと
好きだよ。
助けるよ
お父さんがダメでも
助け合おうよ
みんなで。」
徹は
希に言った。
「希、誕生日おめでとう。」
「お父さんもおめでとう!!!」
親子は和解した。
海の見える場所で四人は敷物を広げて
つぶれたケーキをみんなで食べた。
「おいしい!!」
笑顔になる。
形は悪いけど味はいい!!
藍子はなぜここに来たのかと
いう話をした。
どこへ住もうかと
考えたがよくわからないので
ダーツのように
地図にむかって
ダーツの羽根を投げた。
当たったところが能登だった。
そこの役場に電話をした。
その時でた人はすごく感じが悪かった。
「都会の人には簡単に住めない。
絶対に来るな」という
「でもね、ああ、これが能登の人の
優しさなのかな」って思ったという。
「頑張ろう、能登で
皆で」
藍子が言うと
みんな立ち上がって
「頑張るぞ」といって
シュプレヒコールを上げた。
藍子はとにかくここに住むように
したいと思って文に
頼み込もうとした。
野菜を袋に詰めながら
文は自分から言った。
「ひと月、9500円。
光熱費込。
食費は塩田のバイト代から
ひくさかい。
滞納したらすぐ出て行ってもらうから
これあんたんとこの。
本気でここに住むのだったら
もう逃げ場はないよ。」
文は野菜を藍子に渡した。
藍子は気が付いた。
あの時の感じの悪い役場の人って
文だったのだと。
藍子は笑顔になった。
やがて待ちに待った
夏祭りが始まった。
よその村にも応援を頼んだ。
皆で太鼓をたたいた。
曳山がねりあるく。
子供たちが載っている。
大人たちが曳山を引く。
「よーいやさ
よーいやさ」
圭太から希に話があった。
「俺二学期が始まる前に父ちゃんの転勤で
金沢に行くことになっている。
生まれてからここしか知らないから
不安で八つ当たりをしていた。
ごめん・・・
ほやけど
じたばたしているおまえ見ていたら
何か元気が出た。」
「頑張ってね。」
圭太は棟の上から
手を差し出した。
希はその手を取って海が見える
棟に上がった。
二人で海を見た。
やがて7年がすぎた。
2001年
平成13年のことである。
希は17歳になっていた。
元気な娘である。
徹はあれから
姿を消した。
死んだと思っていると
希はいう。
しかし、
藍子の所には
徹から、手紙が来ていた。
希が夢を見るようになるには
先の話となる
ようである。
***************
小学生編が終わった。
変わり者の小学生ではあるけど
家族が変わり者だから
ショウがない。
親がだめでもこどもはしっかりと
明るく育っている。
愛情があるのだろう。
地道にコツコツではなくても
どこかで希たちを見守っているような
父親の存在・・・
こんな変わった家族の話は
朝ドラでは
めずらしいのでは???
ということで
高校生になった
希。
土屋太凰が登場である。
