夏は日向を行け冬は日陰を行け1
エリーのもとに妹ヘレンから
手紙が来る。
母の調子が悪いこと
戦争の様子もドイツと連盟を
組んだことでイギリス、スコットランド
とは敵国となったこと・・・
母も大変心配をしている。
いちど祖国に帰って来るわけには
いかないでしょうか・・・と。
それを読み終えた政春とエリー。
エリーは政春に戦争はきっと終わると
いった。
世界はきっと平和になる・・・と。
しかしエリーの願いもむなしく
1941年昭和16年12月。
米英の連合国と戦争になった。
それから半年・・
マッサンの工場は軍隊に収める
ウイスキー造りで大忙しとなった。
しかも戦争で男手を取られて
女性が多くなった。
ある日、海軍の将校が来て
出荷量を増やせないかという。
蒸溜窯が立派なのでもっと増やせるだろうと
いった。
政春は「戦争はまだ長引きそうですか?」
と聞いた。
「6年物は数に限りがある」ともいった。
将校は、「質より量だ。」
と答えた。
「とにかくどんどん作ってくれ。」
「わかりました・・・。」
工場では。
「品質はどうでもいい。
量だけあればいいとはなんだ。」と
俊夫は怒った。
しかし、一馬は「どこかで憲兵にでも
聞かれたらまずいからそんなことは
言わないでくれ」という。
そのうえ、「自分はお国のために前線に
でなくてはいけないのでは?」とも
思っていた。
ハナは「ここは軍需工場だから
一馬のやっていることは立派に
お国のためになる」といった。
じっと聞いていた政春は「一馬にぬけら
れると困る。たとえ若い原酒を使うこと
になっても、アジに妥協はしない」と
いった。
しかし量産ともなれば人手が足りないと
俊夫が言う。
その頃の日本軍は調子が良かった。
その大本営発表では景気のいい
戦争の情報だった。
マッサンの工場が量産のために
労働者を雇うことになった。
中島の店にも従業員募集の
貼り紙が貼られた。
「このご時世にマッサンの工場は
景気がいい」とチエはうらやまし
がる。
「軍人さんを励ますためにウイスキー
を作るのも立派な仕事だから」と
進が言った。
熊虎は「とにかく日本は勝つ。
そのために国民は一丸となる。
そういうことだよな。
あははははは・・・」
と、のんきに笑っているところに
エリーがあわてて店に入って
きた。
みると足から血が出ていた。
顔が青ざめている。
エリーを椅子に座らせて
様子を聞いた。
石を投げられたという。
逃げたら転んだという。
男のこたちに
非国民、国に帰れ
鬼畜・・・・・。と言われたらしい。
家に帰ったエリーに政春はあわてて
様子を見に来た。
ハナが手当てをしてくれた。
熊虎は「どこのガキだ」と怒っている。
この時代、街の至る所に
鬼畜米英という張り紙があった。
熊虎は、「エリーは日本人だ。」
と言い切った。
とにかくしばらく外出禁止と
なった。
エリーは、「毎日一日中家のなかだけ?」
と不満そうだった。
エマの教室では、卒業を待つ前に
一足先に結婚する生徒がいた。
良妻賢母が国の方針で
女性は子供を産むのが仕事と
言われているので、結婚が
早くなっているのだった。
放課後
エマは「結婚なんてまだまだ考えられない。
自分が何をしたいのか、決まってもないのに。」
とつぶやいた。
よしえは「非国民ていわれるよ」と注意を
した。
「今はお国のためにたくさん子供を産むのが
仕事だといわれているから」といった。
エマは、ため息をついた。
ノートをカバンに入れようとして
驚いた。
ノートの表紙に太い墨で
「鬼畜の娘」
とかかれて
「亀山閻魔」とあった。
「だれ???」
と立ち上がって周りを見た。
「こんな卑劣なことをしたのは。」
教室のなかは冷ややかだった。
エマは力なくノートを見た。
家に帰れば、エリーが石を投げられた
という。
エマは「どうしてそんなひどいことを。」
と怒った。
エリーは「もういいの」といった。
「お母さんは大丈夫よ」という。
エマにとって母であるエリーはなにも
悪くないのに、外出もできなくなる
のが合点がいかない。
エリーは、石を投げた子供だって
悪いことをしたと思っていないだろうと
いう。外国人は敵だと教わっているから
だ。だから仕方ない。
「お母さんは敵ではない。
今の日本はどんどんおかしくなっている。
女学校でもコロッケのことはジャガイモの
油揚げ。
カレーライスのことは辛みいり汁かけごはんという。
カレーライスをカレーライスと言って
何が悪いの。」
政春は今の時代にあった発言をするよう
うながした。
エマは「おかあさんは思ったことはどんどんいえといったり
場をわきまえろと言ったり、その時に
応じて日本人になる」と母を非難した。
「エマ!」と政春は叱った。
「世の中は思い通りにいかない。
自分の人生もそうだった。
生きているためには
守らないといけないこともある。」
「戦争なんかなくなったら
いいのに。」
エリーは「エマは間違っていない。
戦争は終わるから。
あなたの考えは正しい。
私は誇りに思っている。」
と英語でいった。
憲兵を意識しているのか
それとも、大事なことは
伝えにくいことは
日本語より英語のほうが伝えやすい
からなのか・・・。
エリーは「私たちはエマのことが心配なのよ。」
といった。
「私はお母さんが心配なの。」
エマは泣きそうだった。
「エマがお母ちゃんのことを心配に
おもうんじゃったら
余計なことを外で口にするな」と
政春はきっぱりとエマに言った。
「英語で話をするのもこの家のなかだけの
ことじゃ・・・。」
政春は「どんなことがあっても
二人のことは絶対に守るけん」という。
エリーもエマも笑った。
外出できなくなったエリーは家事や
マカナイをする以外はずっと家の中にいた。
従業員募集のために工場で
面接があった。
そこに二人の親子がきた。
母と娘である。
エリーは外が人が多くてにぎやか
なので、窓にカーテンを閉めようと
した。
そこで、娘を見た。
エマと似たような年頃である。
娘もエリーを見た。
そして母に、それを告げた。
母は、カーテンの向こうにいる外人
の女性を見て、厳しい顔をした。
******************
政春もエリーもいい年になって
40代後半かなと思いますけど。
広島の政志はどうしているのでしょうか?
ドウカウイスキーを飲んでくれたので
しょうか?
すみれは?千加子は?と思いますが
長男がいない亀山家をつぐのは
あの千加子の息子でしょうか。
名前、わすれましたが・・・・
勝君だっけ???
俊夫もこっちにきて
しまい・・・そうだ・・・
終戦のころには広島はとんでもない
ことになるんですよね。
あそこは広島市ではないけど・・・。
影響はあったのでしょうか。
軍需工場になったことはよろこばしい
ことなのか、なんなのか
わかりませんが・・・。
この親子はなにか騒動のもとに
なるのでしょうか。
このころは男手が兵隊に行くので
女が労働の中心となって大変な
世の中だったのでしょうね。
エリーのもとに妹ヘレンから
手紙が来る。
母の調子が悪いこと
戦争の様子もドイツと連盟を
組んだことでイギリス、スコットランド
とは敵国となったこと・・・
母も大変心配をしている。
いちど祖国に帰って来るわけには
いかないでしょうか・・・と。
それを読み終えた政春とエリー。
エリーは政春に戦争はきっと終わると
いった。
世界はきっと平和になる・・・と。
しかしエリーの願いもむなしく
1941年昭和16年12月。
米英の連合国と戦争になった。
それから半年・・
マッサンの工場は軍隊に収める
ウイスキー造りで大忙しとなった。
しかも戦争で男手を取られて
女性が多くなった。
ある日、海軍の将校が来て
出荷量を増やせないかという。
蒸溜窯が立派なのでもっと増やせるだろうと
いった。
政春は「戦争はまだ長引きそうですか?」
と聞いた。
「6年物は数に限りがある」ともいった。
将校は、「質より量だ。」
と答えた。
「とにかくどんどん作ってくれ。」
「わかりました・・・。」
工場では。
「品質はどうでもいい。
量だけあればいいとはなんだ。」と
俊夫は怒った。
しかし、一馬は「どこかで憲兵にでも
聞かれたらまずいからそんなことは
言わないでくれ」という。
そのうえ、「自分はお国のために前線に
でなくてはいけないのでは?」とも
思っていた。
ハナは「ここは軍需工場だから
一馬のやっていることは立派に
お国のためになる」といった。
じっと聞いていた政春は「一馬にぬけら
れると困る。たとえ若い原酒を使うこと
になっても、アジに妥協はしない」と
いった。
しかし量産ともなれば人手が足りないと
俊夫が言う。
その頃の日本軍は調子が良かった。
その大本営発表では景気のいい
戦争の情報だった。
マッサンの工場が量産のために
労働者を雇うことになった。
中島の店にも従業員募集の
貼り紙が貼られた。
「このご時世にマッサンの工場は
景気がいい」とチエはうらやまし
がる。
「軍人さんを励ますためにウイスキー
を作るのも立派な仕事だから」と
進が言った。
熊虎は「とにかく日本は勝つ。
そのために国民は一丸となる。
そういうことだよな。
あははははは・・・」
と、のんきに笑っているところに
エリーがあわてて店に入って
きた。
みると足から血が出ていた。
顔が青ざめている。
エリーを椅子に座らせて
様子を聞いた。
石を投げられたという。
逃げたら転んだという。
男のこたちに
非国民、国に帰れ
鬼畜・・・・・。と言われたらしい。
家に帰ったエリーに政春はあわてて
様子を見に来た。
ハナが手当てをしてくれた。
熊虎は「どこのガキだ」と怒っている。
この時代、街の至る所に
鬼畜米英という張り紙があった。
熊虎は、「エリーは日本人だ。」
と言い切った。
とにかくしばらく外出禁止と
なった。
エリーは、「毎日一日中家のなかだけ?」
と不満そうだった。
エマの教室では、卒業を待つ前に
一足先に結婚する生徒がいた。
良妻賢母が国の方針で
女性は子供を産むのが仕事と
言われているので、結婚が
早くなっているのだった。
放課後
エマは「結婚なんてまだまだ考えられない。
自分が何をしたいのか、決まってもないのに。」
とつぶやいた。
よしえは「非国民ていわれるよ」と注意を
した。
「今はお国のためにたくさん子供を産むのが
仕事だといわれているから」といった。
エマは、ため息をついた。
ノートをカバンに入れようとして
驚いた。
ノートの表紙に太い墨で
「鬼畜の娘」
とかかれて
「亀山閻魔」とあった。
「だれ???」
と立ち上がって周りを見た。
「こんな卑劣なことをしたのは。」
教室のなかは冷ややかだった。
エマは力なくノートを見た。
家に帰れば、エリーが石を投げられた
という。
エマは「どうしてそんなひどいことを。」
と怒った。
エリーは「もういいの」といった。
「お母さんは大丈夫よ」という。
エマにとって母であるエリーはなにも
悪くないのに、外出もできなくなる
のが合点がいかない。
エリーは、石を投げた子供だって
悪いことをしたと思っていないだろうと
いう。外国人は敵だと教わっているから
だ。だから仕方ない。
「お母さんは敵ではない。
今の日本はどんどんおかしくなっている。
女学校でもコロッケのことはジャガイモの
油揚げ。
カレーライスのことは辛みいり汁かけごはんという。
カレーライスをカレーライスと言って
何が悪いの。」
政春は今の時代にあった発言をするよう
うながした。
エマは「おかあさんは思ったことはどんどんいえといったり
場をわきまえろと言ったり、その時に
応じて日本人になる」と母を非難した。
「エマ!」と政春は叱った。
「世の中は思い通りにいかない。
自分の人生もそうだった。
生きているためには
守らないといけないこともある。」
「戦争なんかなくなったら
いいのに。」
エリーは「エマは間違っていない。
戦争は終わるから。
あなたの考えは正しい。
私は誇りに思っている。」
と英語でいった。
憲兵を意識しているのか
それとも、大事なことは
伝えにくいことは
日本語より英語のほうが伝えやすい
からなのか・・・。
エリーは「私たちはエマのことが心配なのよ。」
といった。
「私はお母さんが心配なの。」
エマは泣きそうだった。
「エマがお母ちゃんのことを心配に
おもうんじゃったら
余計なことを外で口にするな」と
政春はきっぱりとエマに言った。
「英語で話をするのもこの家のなかだけの
ことじゃ・・・。」
政春は「どんなことがあっても
二人のことは絶対に守るけん」という。
エリーもエマも笑った。
外出できなくなったエリーは家事や
マカナイをする以外はずっと家の中にいた。
従業員募集のために工場で
面接があった。
そこに二人の親子がきた。
母と娘である。
エリーは外が人が多くてにぎやか
なので、窓にカーテンを閉めようと
した。
そこで、娘を見た。
エマと似たような年頃である。
娘もエリーを見た。
そして母に、それを告げた。
母は、カーテンの向こうにいる外人
の女性を見て、厳しい顔をした。
******************
政春もエリーもいい年になって
40代後半かなと思いますけど。
広島の政志はどうしているのでしょうか?
ドウカウイスキーを飲んでくれたので
しょうか?
すみれは?千加子は?と思いますが
長男がいない亀山家をつぐのは
あの千加子の息子でしょうか。
名前、わすれましたが・・・・
勝君だっけ???
俊夫もこっちにきて
しまい・・・そうだ・・・
終戦のころには広島はとんでもない
ことになるんですよね。
あそこは広島市ではないけど・・・。
影響はあったのでしょうか。
軍需工場になったことはよろこばしい
ことなのか、なんなのか
わかりませんが・・・。
この親子はなにか騒動のもとに
なるのでしょうか。
このころは男手が兵隊に行くので
女が労働の中心となって大変な
世の中だったのでしょうね。
