負うたこに教えられる3

杉本タケシがエマに突き飛ばされて
頭にけがをしたこと。

その理由はタケシがエリーの日本語を
バカにしたようにはやし立てたことや
エリーが外国人なのに
エマが日本人であることから
エマは拾ってきた子と
いったことだった。

エマの怒りが爆発したと
いっていい。

タケシはけがをしたけど
その父親はこうなって当然だと
いって、タケシに謝れというが
タケシはなぜか逃げてしまった。

エリーはショックだった。
エマを寝かしつけながらエリーは
どんなことがあってもけがをさせたら
いけないといった。
「タケシも悪いけどエマも悪い」、という。

エマは「タケシのほうが悪い」といった。

「お母さんを馬鹿にしたから。
日本語をちゃんと使えないお母さんのまねを
して…だから腹が立って・・
お母さんのことを馬鹿にされて悔しくて

だから・・・・」

エマは泣きながら言った。

エリーはエマにキスをしながら
「ありがとう・・・」といった。
エリーも「ごめんね。
お母さんのせいだわ」という。
「お母さんは何も悪くないよ。
もう大丈夫、心配しないで。」

エリーは、涙をふいて
笑って、「眠いでしょ?」といった。
「おやすみ。」というエマ。
「おやすみ・・・」と
いってエマに布団をかけた。

翌朝のことだった。

俊夫は洗濯物を干すハナをみていた。
そこに、エマが「いってきまーす」と
いって家から出てきた。

俊夫は、エマに
「エマお嬢様。
グッドモーニングでがんス。」
といった。

エマは

「Good morning!でがんす」と
いった。

俊夫は「ハハハハ」と笑った。

エマが去った後ハナは俊夫に言った。

「そもそも俊夫さんが変なことを
いうから大変なことになったんだよ。」

「なにが??」

「もういい・・・」

ハナは何も言わずに去って行った。
俊夫はおいおいと追いかけたが。


教室にいつものように
エマは
「おはよう」といって入った。

そして、タケシの机を見た。

欠席である。

よしえは、タケシはエマにいじわるを
したから、罰が当たって
風邪でも引いたのかなと
いう。

そこに始業の鐘が鳴った。

先生が入って来た。

宿題の作文はできたかと聞く。
何人かはできましたというが。
エマは・・・びっくりして
「まだできてない」といった。

よしえの家は熊虎がよくいく
お店の娘だった。

くすり屋さんかな?
理容店かな?
そこの主人と将棋をしていた。
嫁さんはあのはっきりとものを言う
チエだ。
「ジュース一本30銭は高い」と。
そして昨日の、杉本親子の話を
熊虎がした。

チエは杉本の家の話を
した。

妻は早くに亡くなったという。
収穫の時期には子供も
畑を手伝うという。
その時は学校を休むらしい。

熊虎はあのこも手伝っているのか
と感心した。
主人は、男手ひとつで子供を育てて
畑をやってそら大変だといった。
その間に、飛車を取られた。

「あああ!!」
と熊虎はあわてた。
「ちょっと待って。」

杉本の父のまじめさに妻のチエは
「うちも見習ってほしいものだわ」と
いう。
「ちゃんと働いている」と主人三郎が
いうと、「それは私も同じだ」と
言い返した。

そこによしえが帰ってきた。

「また喧嘩しているの?
外までまる聞こえだよ」といった。

「お父ちゃんが悪いんだよ」とチエ。
「何がだよ」と三郎。

よしえは「父兄参観の宿題、私の家族
という作文なんだけど
お父ちゃんとお母ちゃんは毎日喧嘩して
いるって書いていいの?」

といった。
二人とも「ダメ!」といったので
熊虎は「そろった!!!息がぴったり
だ、な?よっちゃん、父兄参観の作文
がんばってな?」
そういって熊虎は帰って行った。
負け逃げである。
三郎は、あわてた。

エマは、宿題のことで悩んでいた。

そしてタケシのいったことを
思い出していた。

『エマは異人さんの子なのに
何で似てないのだ?

ほんとうは拾われた子では
ないのか???』

なぜ、お母さんと自分は似てないのか。
その疑問がエマの中で膨らんで
いきました。

その頃、野々村邸では。

渡がきていた。

「会社の名前を北海道果汁にしたのは
まずこのリンゴジュースを
売り出すためや。
このままだったらウイスキーを造る
前に会社がつぶれてしまいまっせ。」

政春は「すみません」という。

「まずは値段が高いわな。

ラムネが6銭・・・サイダーが20銭。
このリンゴジュースが一本30銭では
庶民は買えません。」

政春は「リンゴジュースは
まぜものなしで一本5個のリンゴを
使っている」といった。
「関東や大阪への出荷も考えている
ので、輸送費用を考えても
この値段です」という。
野々村は「金持ち相手の商品やったら
百貨店においてもらうとか、普通の
小売店とは違う販路を考えたら
どうでしょうか?」という。

「はい・・・」

「宣伝が足らんのと違いますか?」
渡は、政春が鴨居のところにいたから
わかるだろうと言う。
「鴨居商店はまた新しいウイスキーを
作り出して、輸出もするという
計画だ」と野々村が言う。

渡のご機嫌は悪い。

「あんた、鴨居の大将のところ
にいて、何を勉強してきたんや。
そもそもリンゴジュースという名前が
いけないのでは?」という。
「異人の妻がいるからこんな名前に
なったけどジュースという言葉は
なじみが薄い。
リンゴ汁でいいのでは?」というのだ。
野々村は「だれにでもわかりやすい
商品名にして一から出直しましょう?」
と穏やかに言った。

政春は「わかりました」と答えた。
渡は
「このままやったら、一生ウヰスキーは作られへん
なぁ・・・」
政春は深刻な面持ちで渡を見た。

「はっ…最初から言いましたがな。
わてはウイスキーに投資したわけではない、
リンゴジュースに投資したや。
ウイスキーを造りたかったら、リンゴで設けて
造りなはれ。
わかったな!!!」

そういって、渡はたちあがった。

妻の由紀子が「もうお帰りですか?」
とお菓子をもって入って来た。

渡は何も言わずに出て行った。
野々村は「東京大阪の販路に
ついてはなんとか
探してみましょう」と
いう。

「ありがとうございます」と政春は
頭を下げた。
由紀子は亀山のリンゴジュースは
おいしいと思って毎日飲んで
いますよという。

つまり・・・

値段が問題なのだった。

政春はこひのぼりにいた。

そこで、佐渡とあって、ホットスチル
の製造を先に延ばしてほしいと願った。

佐渡は、たのしみにしていたから材料を
仕入れてしまったと残念がった。

「必ず、造りますから」という政春だった。

キャサリンは、その話を聞いて
「どういうこと?」と
話に入った。

春さんは「まだウヰスキーは
つくっとらんのか」
と聞く。
キャサリンはいった。
「エリーやエマは元気してるの?」
「はい。がんばってますけん。」
「あかん、説得力なし。
三人で大阪に帰って来たらどう?」

「できません。」

「エマは新しい学校
でいじめられてない?」

「大丈夫、と思います。」

「何やネン、その入れ歯に物が挟まった
みたいないいかた。」
と春さんがまちがっていったので
秋は「奥歯でしょ」と訂正した。

佐渡は「うらやましいな。こんなに心配して
もらって」という。
キャサリンは「マッサンの心配はして
いません。エリーとエマだけです」と
言い切った。

さて、北海道の森野家。
いろりばた。
このところのエマについて
何事か考えていたことを
ハナは話した。
「そろそろ、本当のことを話す時期
がきたのかもしれないね」といった。
エマのほんとうの親のことを。

一馬は「もう少し大きくなって
中学生とか高校生とか・・」
というが、「それまで黙っている
ということは嘘をついていることに
なるから、よけい傷つくわ」とハナは
いった。
「ほんとうのことを隠すってことは嘘をつき
つづけることになるのでは?」
ハナが言うと熊虎は
「ほんとうのことってなんだ?
親のいない子だっている。
エマにはりっぱな親がいる。
りっぱな親子だ。」
という。

エリーはみんなが心配してくれて
いるので「ありがとう」と言った。
「マッサンが帰って来たら相談
します・・・。」


エリーは、それから、いろいろ考えた。
エマが養女であることを隠し続けると
エマをもっと傷つけてしまうのでは
ないかとエリーは思った。
打ち明けるべきか、エリーは悩んでいました。
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この時期がチャンスかもしれません。

たしかに、問題から逃げると
後後後悔すると思いますよ。
なにか、隠しているって
エマは両親への何かしら疑惑を
感じますよね。

だから、いまがチャンス。
まだ、小さいからどんなことでも
ショックだろうけど、乗り越える
柔軟性はあると思います。
コドモは大人以上の生命力があり
ますから。

それにしてもマッサンの作るものって
なかなか浸透しませんね・・・・。
大丈夫かいな?
リンゴジュースでいいと思うけど
もう少し甘くしたら、絶対
売れるはずですけどね。
あの時代は、甘いものが少ない
から。
いまは、健康志向でまぜものなし、100%
りんごっていうのがいいけど。
この時代は、あまくしたほうが
いいと思います・・。
とお子様向けという商品で
あまくして、試してみたらいい
と思います。