負うたこに教えられる1
朝のことである。
「行ってくるけん。」
「いっておかえり。」

マッサンはいつも朝一番に同じ敷地
にある工場へ出勤します。

そして、午前8時、工員たちが集まった。

「では、今日も皆さんお願いします。」

「はい!!」

「では就業します。」

マッサンはそういって
手で降って鳴らすベルを
鳴らした。

創業いらい一か月。
マッサンの会社、北海道果汁では
順調にリンゴジュースが作られて
います。

エマは小学校三年生になった。
じっとエリーが編み物をしているのを
みた。
エリーの髪の毛が気になるのか・・・
自分の髪の毛も触っていた。

最近それが気になるのだろうか?

エマはランドセルを背負って勢いよく
家を飛び出した。
俊夫に会った。
「グッドモーニング~~~」
と朝の挨拶をした。
俊夫はエ「マお嬢マサ
ぐっどもーにんぐでがんす。」

といった。
エマは「俊兄、がんすはおかしい」といった。
「何がでがんス?
どこがでがんス?」

「おかしい!!!あははは・・・」

エマが笑ったのでその笑い方が
エリーさんそっくりだと
俊夫が言った。

「そっくり?エマとお母さんが?」
「だんだん似てきますよ。」

「では、エマもお母さんの髪みたいに
金髪になるの?」

俊夫は難しい質問だと思ったが
「なるんじゃないですか?」と
いった。

洗濯をしていたハナはエマに早くいかないと
遅れるよと声をかけた。
エマは「いってきまーす」と言って去って行った。

ハナは「ええ加減なことばっかり言って」と
俊夫を責めた。

俊夫は「エマお嬢様とエリーさんは
血がつながっていないから
髪の毛は黒いままですよといったら
よかったのか?」といった。
ハナはあわてて「し―――っ」といった。

エマはまだ、もらいっこだということを
知らないのである。

学校では先生が父兄参観の予定と宿題の
作文、『わたしのかぞく』を書くように
指示をした。

政春の営業はなかなか難しかった。
電話で営業を取るが取引が成立
しない。
リンゴジュースの在庫は増えるばっかり
だった。
これが売れないとウイスキーは作らないと
出資者と約束したのだが。

「どうだ?」と熊虎は知人の店をやっている
ところへ、試飲をお願いしに行った。
「一本のジュースにリンゴ5個が入っている」と
説明する。
アジはリンゴそのものである。
「リンゴ一個が3銭として
五個では15銭・・・
一本15戦がいいところでしょ?」
と店の女将が言った。

進は「安すぎる。日本一の余市のリンゴだぞ。
手間も暇もかかっているから。」
という。

「でも30戦は高すぎる」と女将が言う。
「異人さんの了見かね?」と主人が言った。
「こんな汁に30銭も?日本人の常識から
かけ離れている。
異人さんの嫁さんが決めたんだろう?」と
主人が言う。

女将はチエという。
「チエはエリーさんはそんな人ではない。
あの人は日本人のことをよく知って
いる」といった。
熊虎もエリーは何も関係ないと
いった。
政春が決めたことだというと
主人は「うらで操られているのでは?」と
まだしつこくいう。
「異人のおなごは気が強いというし・・。」
「チエはエリーさんはそんな人じゃねぇ」と
怒った。
進はさっぱり売れないリンゴジュースに
心配をしている様子だった。
「ウヰスキーの里にするなんて偉そうなことを
いっていたけど、この汁がうれないと
ウヰスキーは作れないんだべ?」と
いったので、熊虎は「大丈夫だ。
おㇻ飲み込んだ男だ」と
いった。
「マッサンはきっと今にこの国に新しい
ウヰスキーの時代を作るだろう」と
いった。

工場では、瓶に貼るラベルの糊が
こいと、俊夫がダメ出しをしていた。

細かいことを言うから嫁さんが
来ないんだと従業員のおかみさんたち

からかわれる俊夫だった。

そして早くウイスキーを造ってください
とマッサンにいうが・・・
在庫がふえて、瓶が足りなくなった。
従業員たちも売れてないと
ひそひそ話をする。

そこへ野々村から近いうちに顔を見せて
欲しいと電話があった。

工員たちのお昼のマカナイづくりは
エリーとハナの仕事だった。

お醤油がきれてしまったので
家に取りに帰るエリー。

そこでふとエマのお弁当が
わすれものになっているのに
気が付いた。

エマの学校ではちょうどお昼の時間になった。

「ああ、おなか減った・・・」とみんな
お弁当をだしている。
エマはランドセルの中にお弁当が
無いのに気が付いた。

「え?ないの?一緒に半分食べる?」

とよしえが言う。

するとクラスがざわざわとなった。

「異人さんだ。」

エリーがやってきた。
そして、こつこつと柱をたたいて
先生を呼びだした。
「すみません、こんにちは。」

「こんにちは。どうされました?」

先生はエリーのもとにやってきた。
すると子供たちも珍しいものを見る
ように、集まってきた。

エリーはエマがお弁当を忘れたことを
話して届けに来たといった。

そしてエマに「間に合ってよかったね。
今日はエマの好きなサケのフライだよ」と
いった。

「ありがとう。」
「じゃね・・。」
(サケのフライ・・・おいしそう!!!!)

エリーは、みんなに挨拶をした。
「皆いつもエマと仲良くしてくれて
ありがとう。」

といって帰って行った。

クラスは騒然とした。
「あれがエマの母ちゃん???」
「外国人なんだ・・・」

「日本語話してた。」
「話しかけられた。」

よしえはエマのお弁当を見て

「いいな、いつもおいしそうで。
うちの母ちゃんも見習ってほしいよ」
という。

「ほんとう?ありがとう」とエマは言った。

タケシという男の子が
「コンニチワ
オジャマシマーース
イツモナカヨクシテアリガトウ。」

ミツルは「エマのお母さん、外国人だったのか?」
と聞く。

「何人だ?」

「スコットランド。」

「はぁ?どこにあるんだ?」

「地図で探せば?」

「家では英語をしゃべってんのか?」

「日本語。」

「いつ日本に来たんだ?」

「何で来たんだ?」

よしえが
「うるさいな!」
といった。

「あんたたちには関係ないでしょ!!!」

「よしえに聞いてない。」
「エマに聞いているんだ。」

「外国人の娘なのになんでエマの
髪は黒いんだ?」とタケシがいう。

「おとなになったら金色になるの!!!!!」

エマはむきになっていった。

「え~~うそつけ!!」

「うそじゃない!!!」

よしえは、「自分の席に帰りなさいよ」と
いってタケシたちを追い返した。

「エマと話してんだよ。」
「エマ、オベントウワスレマシタ
トドケニキマシタ。」

「トドケニキマシタ!!」
そういってわぁっと笑った。

エマは、むかついた顔をした。

エマの周りで一波乱おこりそうです。
****************
エマちゃんは、頭の両側に
お団子を作っています。
そして、かわいい服を着ています。
タケシは綿入れの着物を着ています。
やっぱり服のセンスが違います。

エマちゃんはいつもかわいい服を
きて、いつもおいしそうなお弁当を
食べています。

いいなぁ~~~と思います。

が・・・

タケシのなんでお前の髪の毛は
黒いんだ?

という話・・・これはエマにとって
常々思っていたことだった
のです。
俊夫が大きくなったら金色になると
いったので、おもわず大きくなったら
金髪になると
言い返したのでしょうが・・・・。

ちょっと、無理があると思います。

でも隣のよしえちゃんはいい子だと
思います。

エマの母親が外国人でも特別に
何も思わないのですね。

エマの出生の秘密はそろそろエマ自身が
知ることが必要となったということ
でしょうか。