人間いたるところ青山あり2

夢いっぱいに北海道へやってきた
マッサンとエリー。


まず熊虎さんの家を訪ねたが・・
そこで、騒動を見てしまった。

政春はエリーと船で50日かけて
日本に来た話や
大阪で15年ウイスキーづくりを
やった話を熊虎にした。

で、何しにここに来たのかと聞かれた
政春は、「実は・・・」と言い始めると
エリーが「その前に」と
さえぎった。

「一つ質問していいですか?」

「たまげたな、日本語ぺらぺらか?」と熊虎。

「さっきの男の人は、だれですか?」

先ほど熊虎から追い出された男だった。

「漁師の武さんだったような気がしますが」と
政春が言うと
「武はやめた」と熊虎は言った。
「おらに銭をかりに来たんだ。」

「ぜに、かり?」

「あんまりしつこいので追い返してやった。
鬼みたいだったから怖かったろう?
普段は仏の熊さんじゃ。」
と笑いながら
「いまはニシンの漁の時期ではないので
みんなはいない、春になったらやってくる」と
熊虎は言った。

先ほど追い出された男は中島という
理容店にいた。

そこで、客でひげをそってもらっている
熊虎の義理の弟が、借金の保証人になって
いるので、その金を返せとせまっている。

熊虎は借金があるらしい。

先ほど武が金を借りに来た
というが自分が金を借りたので
それを返せと言われて追い返したという
ことである。

家も土地も担保に入っているはずだけど
家も土地も手放さないと熊虎は言っている。
それで、借金の回収ができないで
いるらしい。
かつての部下に借金の返済を迫られて
いるのは熊虎である。

「だから、保証人のあんたに返してほしい」と
武はいった。

武はエリーが森野宅に
来たことを話した。
「妙な外国人を連れ込んで何を考えて
いるのか・・・」というので
店中、「外国人?」と驚いた。

「金髪の白人のおなごだ。」
と武。

「ロシアのおなご?」

と中島の妻が聞く。
「さあな?」
国まではわからないだろう。

「あれは悪いことをたくらんでいるに
きまっているべ。」
と武が言うと

「よわっちまうな・・・」と弟は言った。


政春の北海道に来たという目的を聞いた
熊虎は
ここでウイスキーを造るのかと納得した。

「あの酒はまずい・・・」と熊虎は言う。

「ここは、ウイスキー造りに一番いい場所です。
で、工場を作る土地やリンゴ農家を
さがすわけで熊さんに聞いたほうが早いかな
と思って・・・」と政春は言う。

リンゴ汁をうって運転資金に充てることを
説明して、リンゴ農家や地主を探したいと
いった。
「まかせとけ」と熊虎は言う。

ホッとした政春だった。
「ところでハナちゃんと息子さんは?」

と聞く。

「暇つぶしに行っている」と熊虎。
「おらは春にニシンをドカンととって
その銭で一年中遊んで暮らせるから」と
いった。

「春、ニシンを取る、一年ちゅう遊ぶ?」
とエリーが聞く。

「ああ、それに親方だから、船をみんなに貸して
帰って来るのを待っているだけだよ」と
いう。

春先になるとニシンの群れが散乱に
やってくるのでそれで海が真っ白に
なるという。
それを『海がくきる』というのだそうだ。
エマは好奇心満々で「海が真っ白になるの」と
聞いた。

「おお、まるで米のとぎ汁のように真っ白に
なるんだ。」

くきると漁師はニシンを取りに行く
すると網に銭がかかっている。

銭というのはニシンのことらしい。

しかし・・・・

その保証人になっているという義理の弟は
リンゴ園をもっているらしい。
そこで働くハナと一馬に声をかけた。

「おまえんちに変な客が来ているらしい。」

「え?」
ふたりは驚いたが、思い当たるふしはない。

「ここは夢の大地だ。
ここらに住んでいる連中はみんな国さでて
でかい夢をもってやってきている。
だから殿様になれるんだ。
一発当てれば殿様になれる。
はずれたら、一文無しだ。
マッサン、おまえも殿様になれ。」
熊虎が演説をしていた。

そこにハナたちが帰ってきた。

政春が客だと知って
驚いたといった。

そしてその妻がスコットランドから
きたエリーだと紹介されて
ハナは、
「How do you do
I’m Hana
All welcome!」
といった。

エリーはよろこんで
「Hana,
You speak English」
と言って「すごい」といった。

「こう見えても女学校を出ているんだ」と
熊虎はなぜか自慢した。
「どうぞよろしくお願いします」と
エリーはハナに言った。
「マッサンたちは、しばらくここにいるから
ごちそうしてくれ。
客人をもてなす時はやっぱり
肉だべ。」

一馬は、「肉ってどこにあるんだよ」と
いう。
「無ければ買ってくればいいべ。
牛がなければ豚だ
ハナ、まず酒を持ってきてくれ」と
いった。
「さっさとしたくしろ。」

そういわれてハナは
「はい」と返事をした。

一馬は何も言わずに部屋に入った。

「きにするな、あいつは勉強をしすぎて
変になっている。」

その日の食事は豪華な肉の料理だった。
たんぺい汁もでた。

「飲んで食って腹いっぱいになったら
みんなでソーラン節をまた
歌おう」と熊虎はご機嫌だった。


しかし、一馬は食事の場所に来なかった。

政春は気になった。

その夜、エリーは「一馬と熊さんは
仲良くないみたいね」といった。
「なぜかな?」

「よくわからないけど、わしらのことはわしらで
ちゃんとやらなくてはいけない。
土地のこと、工場のこと
リンゴや大麦の仕入れのことも。」

と政春は語った。

「まずはリンゴ組合の組合長さんに
挨拶にいく」という。
エリーもついていくといった。
エマは長旅で疲れたのか
ぐっすり寝ていた。

エリーは一馬のことが気になって
いました。

***************
熊虎さん・・・・
負けず嫌いはいいけど
うそはいけません。

政春は、これから地元で事業を
起こそうとしている。
いろんな人と会うことになる。

すると熊虎のほんとうのことを知ること
になる・・・
のである。

よって、その時、嫌な思いをするのは
お互い様なのかな??

政春もあまり人に頼ってはいけません。

と、
私は思いますけどね・・・。

それよりも、早くエリーたちに自宅が
できますように。