子にすぎたる宝は無し1
工場が完成した。
そのめでたい日に政春は
自分たちに子供ができたことを
知った。
エリーの体を気遣って
レディーファーストのスタイルで
ダイニングの椅子をさげて
エリーを座らせる政春。
「いやぁ~~盆と正月が一辺に
きた感じや」といった。
「盆と正月?」とエリーは不思議そうに
いう。
「つまり、めでたいことが重なった
ということじゃ」と
政春は言った。
「工場ができて
わしらのベビーもできて・・」
といいながら
政春は縁側へ行き
そらをみて
「神様仏様・・・」といって手を打った。
また家に中に入って
「ご先祖様・・」と神棚にてを
あわせた。
「ほんまに、ほんまにありがとう
ございます。」
エリーはそんな政春を笑いながら見ていた。
「じゃ、夕飯の支度をするね」
とエリーがいうと
政春は、それは自分がやるから
座っててほしいとエリーにいうが
エリーは、工場ができた
お祝いにバラ寿司を梅子に教わって
造ったという。
きれいなバラ寿司ができていた。
政春は、感激して
「エリー、ホンマにええ嫁じゃのう」と
泣きながらいった。
「まずみんなに知らせよう。
広島の両親と
スコットランドのママにも。」
「ママ?」
「日本に来てから手紙を書いて
ないじゃろ?孫ができたと
いったら、喜んでくれる
から」というと
エリーはうなづいた。
そして、「ママに手紙を書く。
私は幸せだと・・。」
「泣かせるのう~~~」と政春は
また泣いた。
山崎の工場では、日本初の
ウヰスキーの製造へ向けて
着々と準備が進んでいた。
その政春に、俊夫が
「おぼっちゃま、大麦100石
納品は水曜日じゃそうです。河内産で
よかったですかのう?
お坊ちゃま?聞いてますか?」
俊夫があまりにもお坊ちゃまと
言うので、工場の従業員たちが
へんな眼で見る。
政春はその呼び方は何とかならないかと
いった。
「そういうわけにはまいりません。
わしにとっては、お坊ちゃまは
お坊ちゃまですから。
わしがここに来たのは、広島の旦那様
に頼まれたからでさ。旦那様の
御子息じゃけん。しぶしぶ
お付き合いをしてる。」
俊夫がそういうが政春は
なっとくできない。
「そういうのだったら、もう広島に
かえります」と俊夫は言う。
「わかった、わかった
お坊ちゃまでええ」と政春は根負け
した。
俊夫はにこっと笑って「じゃ
樽を見てまいります・・
お坊ちゃまぁ?」
と言って出て行こうと
したら
いきなりドアが開いて
俊夫はおもいっきり顔面を
うった。
「たはははは・・・・
鼻が・・・・」
「すまんすまん、」といって
入ってきたのは鴨居だった。
鴨居はたるが届いたことを
政春に確認した。
従業員が「いま、貯蔵庫に運んで
います」というと
鴨居はすぐさま見に行った。
政春は、「え??」と思った。
俊夫は倒れていたが
起き上がってメガネをさがした。
こんなとき
メガネは
たいてい額の上である。
従業員たちが
貯蔵庫に樽を運んでいる。
そこは鴨居が入ってきた。
「にぎやかやのう。
これだけ樽が並ぶと壮観だ。」と
いった。
政春はあわてて入ってきて
ここに置くものではないと
いった。
中村は「ここではないのですか」と
聞く。
「樽をここに置くのは最後の最後で
原酒をいれてからじゃ」と
政春は説明する。
そして、中村、大宮に
(大宮大吉なんだわきっと)一号倉庫
に樽を運びなおすように指示した。
頼もしいなと鴨居はいう・
「わしらのウヰスキーのゆりかごです。
手間暇かけて、しこんで
その樽に入れて、ゆっくり熟成するのを
まつんです。」
鴨居はうまいこと言うのうといった。
政春は、ウイスキーは手間暇かけて
つくるものだといった。
「根気よく、面倒見て
世話を焼いて・・・
丹精込めてええあんばいに育てて
やらんと・・・。」
ウヰスキーは同じように育てても
樽一つ一つに違いが出て
くる。
それぞれの持ち味を組み合わせて
はじめてええウイスキーができるんです。
鴨居は「なるほど・・・」と
深く言って、それじゃと帰りながら
近いうちに相談があるとふりかえり
ながらいって去って行った。
相談?
何事かと思った。
さて、ラブラブのエリーと政春は
手をつないで歌を歌いながら
こひのぼりへいった。
「めずらしい、二人そろってきた」と
春さんが言う。
すると秋が、「あ、手をつないでいる」と
いった。
「夫婦が手をつなぐってめずら
しいですか?」
と政春は言った。
「なんかあったん?」と秋。
それを振り切って政春はエリーに
注意をしながら椅子に座るように
いった。
そして春さんは「酒か?」と聞いた。
政春は願掛けをしているといって
お茶を二つという。
「願い事がかなうまでは、酒は飲まない」と
いった。
「工場ができたんやて?」
「ウイスキーを造るんだって?」
「そのほかに何の願い事があるんじゃ?」
などと立て続けに言われた。
政春は、いや、いやと笑ってごまかした。
「なにがあったんや」と巡査が聞く。
「落ち着いたら」、と政春は言う。
そしてお茶で乾杯をした。
そのかえり、ふたりは麦畑の
替え歌で
「ハッピーだ~~」
「ハッピーだ==」と
歌いながら踊りながら
あるき
家についたら
鴨居が来ていた。
「えらい、ご機嫌やないか。
大事な話があるっていうたろ?
相談があるって・・・。」
そして「おい」、といって人を呼んだ。
学生服の男が現れた。
「わての長男で英一郎と
いうんや。」
ダイニングで政春とエリーは、紅茶を作って
二人に出した。
「こいつの下にふたりいる。」と
鴨居。
「へえ~~大学では何を専攻
されているのですか?」
と聞いたが
返事がない。
政春とエリーは、英一郎を見た。
鴨居はこれからの時代は学問だ
と思って大学へ入れたら
勉強もしないでカフェだの
芝居だのに打ち込んでいると
愚痴った。
政春は学生にはそんな時間が大事だと
思うといった。
自分も将来なにをしたらいいのか
悩んだと話をした。
住吉酒造の社長と会って
ウヰスキーを知って今に至った
わけですと
政春は言った。
「英一郎君は将来何をしたいのですか」
と聞く。
何も答えない英一郎だった。
「はっきりしないやつなんや」と鴨居は
いう。
「鴨居商店から日本初のウヰスキーが
うぶ声を上げようとするときに
こいつを遊ばしておくのもなんやし
と思ってちょっと学校を休ませて
この歴史的瞬間をみせることに
したんや」という。
「でな、こいつをマッサンの弟子にして
ほしいんや。」
鴨居が言う。
政春は驚いた。
「わしの弟子???」
「エリーちゃんには英語の先生に
なってもらいたい。
で、ここに住み込みでお願いしたい。」
大変である。
英一郎は欧米に留学したいといいだして
英語を身に着けてから行けと
鴨居は言ったという。
「そりゃ、ごもっともですが。」
と政春はいう・・だが
「だが、エリーは今は・・・
のう?」と妊娠したことを鴨居に
いおうとしたら
エリーは、「I understand」
といった。
鴨居は、「サンキューベリーマッチ」と
答えた。
政春は驚いた。
「便所掃除でも
草むしりでも
なんでもさしたってくれ。
世間知らずのぼんくら学生や。
こいつのたるみきった性根をたたき
なおしてくれ。」
「それでも住み込みは大変だ」と
政春はいう。
「エリーがいいといっている」と
鴨居が言う。
エリーは私は大丈夫だという。
そして、
英一郎に聞いた。
「あなたはどうしたいの?」
政春も、「そうじゃ、どうしたい
のじゃ?」
と聞く。
鴨居は
「どうするんや」と聞く。」
英一郎は
「ご迷惑ではなかったら」と
いった。
「ほな決まりや!今夜からや!!」
と鴨居は立ち上がって紅茶を
飲み干しした。
そして息子に向かってエリーを
困らせたら承知しないぞと言って
帰って行った。
あわてるマッサン。
大将は何を考えているのだろう???
*********************
いいことだらけの政春とエリー。
神様はそうそうハッピーが続くように
は、してくれないもの。
この英一郎君・・・
なんなの?
学生で?
カフェ?
芝居???
まるで
花子とアンの
宮本龍一ではないですか!!!!
天才商人鴨居の息子だから
きっと才能はすごいと思いますが
なんだか明るいおやじと
は対照的に
暗いやつやなと
思いました。
工場が完成した。
そのめでたい日に政春は
自分たちに子供ができたことを
知った。
エリーの体を気遣って
レディーファーストのスタイルで
ダイニングの椅子をさげて
エリーを座らせる政春。
「いやぁ~~盆と正月が一辺に
きた感じや」といった。
「盆と正月?」とエリーは不思議そうに
いう。
「つまり、めでたいことが重なった
ということじゃ」と
政春は言った。
「工場ができて
わしらのベビーもできて・・」
といいながら
政春は縁側へ行き
そらをみて
「神様仏様・・・」といって手を打った。
また家に中に入って
「ご先祖様・・」と神棚にてを
あわせた。
「ほんまに、ほんまにありがとう
ございます。」
エリーはそんな政春を笑いながら見ていた。
「じゃ、夕飯の支度をするね」
とエリーがいうと
政春は、それは自分がやるから
座っててほしいとエリーにいうが
エリーは、工場ができた
お祝いにバラ寿司を梅子に教わって
造ったという。
きれいなバラ寿司ができていた。
政春は、感激して
「エリー、ホンマにええ嫁じゃのう」と
泣きながらいった。
「まずみんなに知らせよう。
広島の両親と
スコットランドのママにも。」
「ママ?」
「日本に来てから手紙を書いて
ないじゃろ?孫ができたと
いったら、喜んでくれる
から」というと
エリーはうなづいた。
そして、「ママに手紙を書く。
私は幸せだと・・。」
「泣かせるのう~~~」と政春は
また泣いた。
山崎の工場では、日本初の
ウヰスキーの製造へ向けて
着々と準備が進んでいた。
その政春に、俊夫が
「おぼっちゃま、大麦100石
納品は水曜日じゃそうです。河内産で
よかったですかのう?
お坊ちゃま?聞いてますか?」
俊夫があまりにもお坊ちゃまと
言うので、工場の従業員たちが
へんな眼で見る。
政春はその呼び方は何とかならないかと
いった。
「そういうわけにはまいりません。
わしにとっては、お坊ちゃまは
お坊ちゃまですから。
わしがここに来たのは、広島の旦那様
に頼まれたからでさ。旦那様の
御子息じゃけん。しぶしぶ
お付き合いをしてる。」
俊夫がそういうが政春は
なっとくできない。
「そういうのだったら、もう広島に
かえります」と俊夫は言う。
「わかった、わかった
お坊ちゃまでええ」と政春は根負け
した。
俊夫はにこっと笑って「じゃ
樽を見てまいります・・
お坊ちゃまぁ?」
と言って出て行こうと
したら
いきなりドアが開いて
俊夫はおもいっきり顔面を
うった。
「たはははは・・・・
鼻が・・・・」
「すまんすまん、」といって
入ってきたのは鴨居だった。
鴨居はたるが届いたことを
政春に確認した。
従業員が「いま、貯蔵庫に運んで
います」というと
鴨居はすぐさま見に行った。
政春は、「え??」と思った。
俊夫は倒れていたが
起き上がってメガネをさがした。
こんなとき
メガネは
たいてい額の上である。
従業員たちが
貯蔵庫に樽を運んでいる。
そこは鴨居が入ってきた。
「にぎやかやのう。
これだけ樽が並ぶと壮観だ。」と
いった。
政春はあわてて入ってきて
ここに置くものではないと
いった。
中村は「ここではないのですか」と
聞く。
「樽をここに置くのは最後の最後で
原酒をいれてからじゃ」と
政春は説明する。
そして、中村、大宮に
(大宮大吉なんだわきっと)一号倉庫
に樽を運びなおすように指示した。
頼もしいなと鴨居はいう・
「わしらのウヰスキーのゆりかごです。
手間暇かけて、しこんで
その樽に入れて、ゆっくり熟成するのを
まつんです。」
鴨居はうまいこと言うのうといった。
政春は、ウイスキーは手間暇かけて
つくるものだといった。
「根気よく、面倒見て
世話を焼いて・・・
丹精込めてええあんばいに育てて
やらんと・・・。」
ウヰスキーは同じように育てても
樽一つ一つに違いが出て
くる。
それぞれの持ち味を組み合わせて
はじめてええウイスキーができるんです。
鴨居は「なるほど・・・」と
深く言って、それじゃと帰りながら
近いうちに相談があるとふりかえり
ながらいって去って行った。
相談?
何事かと思った。
さて、ラブラブのエリーと政春は
手をつないで歌を歌いながら
こひのぼりへいった。
「めずらしい、二人そろってきた」と
春さんが言う。
すると秋が、「あ、手をつないでいる」と
いった。
「夫婦が手をつなぐってめずら
しいですか?」
と政春は言った。
「なんかあったん?」と秋。
それを振り切って政春はエリーに
注意をしながら椅子に座るように
いった。
そして春さんは「酒か?」と聞いた。
政春は願掛けをしているといって
お茶を二つという。
「願い事がかなうまでは、酒は飲まない」と
いった。
「工場ができたんやて?」
「ウイスキーを造るんだって?」
「そのほかに何の願い事があるんじゃ?」
などと立て続けに言われた。
政春は、いや、いやと笑ってごまかした。
「なにがあったんや」と巡査が聞く。
「落ち着いたら」、と政春は言う。
そしてお茶で乾杯をした。
そのかえり、ふたりは麦畑の
替え歌で
「ハッピーだ~~」
「ハッピーだ==」と
歌いながら踊りながら
あるき
家についたら
鴨居が来ていた。
「えらい、ご機嫌やないか。
大事な話があるっていうたろ?
相談があるって・・・。」
そして「おい」、といって人を呼んだ。
学生服の男が現れた。
「わての長男で英一郎と
いうんや。」
ダイニングで政春とエリーは、紅茶を作って
二人に出した。
「こいつの下にふたりいる。」と
鴨居。
「へえ~~大学では何を専攻
されているのですか?」
と聞いたが
返事がない。
政春とエリーは、英一郎を見た。
鴨居はこれからの時代は学問だ
と思って大学へ入れたら
勉強もしないでカフェだの
芝居だのに打ち込んでいると
愚痴った。
政春は学生にはそんな時間が大事だと
思うといった。
自分も将来なにをしたらいいのか
悩んだと話をした。
住吉酒造の社長と会って
ウヰスキーを知って今に至った
わけですと
政春は言った。
「英一郎君は将来何をしたいのですか」
と聞く。
何も答えない英一郎だった。
「はっきりしないやつなんや」と鴨居は
いう。
「鴨居商店から日本初のウヰスキーが
うぶ声を上げようとするときに
こいつを遊ばしておくのもなんやし
と思ってちょっと学校を休ませて
この歴史的瞬間をみせることに
したんや」という。
「でな、こいつをマッサンの弟子にして
ほしいんや。」
鴨居が言う。
政春は驚いた。
「わしの弟子???」
「エリーちゃんには英語の先生に
なってもらいたい。
で、ここに住み込みでお願いしたい。」
大変である。
英一郎は欧米に留学したいといいだして
英語を身に着けてから行けと
鴨居は言ったという。
「そりゃ、ごもっともですが。」
と政春はいう・・だが
「だが、エリーは今は・・・
のう?」と妊娠したことを鴨居に
いおうとしたら
エリーは、「I understand」
といった。
鴨居は、「サンキューベリーマッチ」と
答えた。
政春は驚いた。
「便所掃除でも
草むしりでも
なんでもさしたってくれ。
世間知らずのぼんくら学生や。
こいつのたるみきった性根をたたき
なおしてくれ。」
「それでも住み込みは大変だ」と
政春はいう。
「エリーがいいといっている」と
鴨居が言う。
エリーは私は大丈夫だという。
そして、
英一郎に聞いた。
「あなたはどうしたいの?」
政春も、「そうじゃ、どうしたい
のじゃ?」
と聞く。
鴨居は
「どうするんや」と聞く。」
英一郎は
「ご迷惑ではなかったら」と
いった。
「ほな決まりや!今夜からや!!」
と鴨居は立ち上がって紅茶を
飲み干しした。
そして息子に向かってエリーを
困らせたら承知しないぞと言って
帰って行った。
あわてるマッサン。
大将は何を考えているのだろう???
*********************
いいことだらけの政春とエリー。
神様はそうそうハッピーが続くように
は、してくれないもの。
この英一郎君・・・
なんなの?
学生で?
カフェ?
芝居???
まるで
花子とアンの
宮本龍一ではないですか!!!!
天才商人鴨居の息子だから
きっと才能はすごいと思いますが
なんだか明るいおやじと
は対照的に
暗いやつやなと
思いました。
