灯台下暗し4
政春は「わしは負けんぞ」と
寝言をいう。
エリーは「わかっているよ」と
つぶやいた。
工場の場所のことで鴨居と
ぶつかった。
朝早く、政春はエリーを起こした。
「お散歩いこう。
話をいっぱいしよう。
仕事に行く前に話をしよう」と
いった。
「今日は仕事に行かなくてもいい。
工場用地の下見に行く日だ」と
政春は言う。
「どこへ?」
「山崎じゃ。」
「じゃ、山崎へ行こう。」
エリーはお弁当を作った。
政春はエリーが張り切っているのが
理解できない。
山崎へ行っても無駄だと決め込んで
いるからだ。
政春には鴨居が職人を採用する
基準や、工場を広げる
理由がわからない。
そのうえ、北海道でなくて
山崎だと鴨居が言う。
山崎でいけれるとは思っていない
政春だからだ。
エリーは政春の愚痴を
我慢して聞いた。
大丈夫と言っても通じない。
エリーは、信ちゃんから習った
日本の家の話をした。
環境によって家は変わるという。
家は、生きているという話。
木の柱も、畳も、壁も
呼吸するという話。
そして日本人はその土地の自然
とともに生きていることを話した。
マッサンなら山崎の魅力がつまった
ウヰスキーをきっと作れると
エリーは、いった。
わかるような、わからないような
話ではある。
ただ、与えられたものを
充分に活用するという日本人の
生き方をエリーは大事に思った
ようだ。
一方秘密基地にいる鴨居は
工場の模型をいじくりながら
何かを考えていた。
そして独り言を言った。
「いける
ぜったいいけるで・・。」
エリーと政春は山崎の山の中を
あるいていた。
鳥の鳴き声や、川のせせらぎ
の音、
草にさえぎられている山道。
エリーは自然の美しさにみとれながら
歩いていく。
河の水は冷たい。
「おいしい。」
「だけどこれだけではウイスキーは作れん。」
辛気くさい顔で政春は言う。
エリーは川の水をすくって政春に
かけた。
「冷たい!!」
「冷たい」と
政春は悲鳴を上げた。
エリーは、おもしろがってどんどん
水をかけていく。
政春は、笑いながら応戦した。
「マッサン笑った。」
エリーは喜んだ。
マッサンの笑顔に勇気をもらった
ことを話した。
スコットランドで父親を亡くした
とき、政春の笑顔に救われたという。
「日本に来て、苦しいことばかりだった。
お金もない、仕事もない、家賃も
払えない・・・」
エリーの話に政春は「あははははは」と
笑った。
「でも、がんばれた。
バカみたいでしょ。」
「勇気をもらったのはわしのほうじゃ。
右も左もわからない異国で
エリーの笑顔がわしを救ってくれた。
帰りたいと思った時も
エリーに救われた」という。
北海道へ行きたいといったのも
エリーがあの写真を見て笑ったからだ
といった。
「スコットランドににている。きれい。」
そういった。
「エリーのあの笑顔がわしに力をくれ
たんじゃ。」
「言わないと分からない。」
「言わなくてもわかるだろう?
それがなんとしても北海道へ行きたいと
思ったわけだった・・・。」
エリーはプレゼントの答え、わかるか
と聞いた。
エリーが何を欲しいと思っているのか
という話だった。
政春は、「ガスか?」といったあの話の
本当の答えは・・
「ただ一つのプレゼント。」
「ガスか?」
「売ってない。」
「本か?ロバートバーンじゃろ?」
「違う・・・。」
「勘弁してくれ・・・・。」
「二人にしかできないもの。」
「なんじゃ?」
エリーは、わたし
赤ちゃんが欲しいといった。
政春は、驚いた。
わしもほしいといった。
「ほんとう?」
「ほんとうじゃ。」
「ありがとう
ありがとう
ありがとう・・・」
エリーは笑いながら言った。
エリーは嬉しかった。
その時、政春は
みつけた。
「霧がかかっている。」
山崎には霧がたちこめることを
みつけた。
山崎の地でマッサンとエリーは夢の
ウイスキーづくりへと踏み出した。
*****************
つまり、最初にみたあの山歩きのシーン
は、北海道ではなくて、山崎だったと
いうことです。
木津川、桂川、宇治川が
合流する不思議な地形だといいます。
そこには、霧が発生するらしくて
よくけむっているらしいです。
エリーの欲しがっているものは
赤ちゃんだとわかっていました。
しかし、広島で二人が話し合った
ことは、二人の赤ん坊は
まるで外国人だということです。
それゆえ、いじめられる可能性も
あるわけです。
それでも、コドモを守って生きていくと
エリーと政春は覚悟を決めたとは。
偉いですね。
この時代は、まだまだ偏見があったはずです
から。
政春は「わしは負けんぞ」と
寝言をいう。
エリーは「わかっているよ」と
つぶやいた。
工場の場所のことで鴨居と
ぶつかった。
朝早く、政春はエリーを起こした。
「お散歩いこう。
話をいっぱいしよう。
仕事に行く前に話をしよう」と
いった。
「今日は仕事に行かなくてもいい。
工場用地の下見に行く日だ」と
政春は言う。
「どこへ?」
「山崎じゃ。」
「じゃ、山崎へ行こう。」
エリーはお弁当を作った。
政春はエリーが張り切っているのが
理解できない。
山崎へ行っても無駄だと決め込んで
いるからだ。
政春には鴨居が職人を採用する
基準や、工場を広げる
理由がわからない。
そのうえ、北海道でなくて
山崎だと鴨居が言う。
山崎でいけれるとは思っていない
政春だからだ。
エリーは政春の愚痴を
我慢して聞いた。
大丈夫と言っても通じない。
エリーは、信ちゃんから習った
日本の家の話をした。
環境によって家は変わるという。
家は、生きているという話。
木の柱も、畳も、壁も
呼吸するという話。
そして日本人はその土地の自然
とともに生きていることを話した。
マッサンなら山崎の魅力がつまった
ウヰスキーをきっと作れると
エリーは、いった。
わかるような、わからないような
話ではある。
ただ、与えられたものを
充分に活用するという日本人の
生き方をエリーは大事に思った
ようだ。
一方秘密基地にいる鴨居は
工場の模型をいじくりながら
何かを考えていた。
そして独り言を言った。
「いける
ぜったいいけるで・・。」
エリーと政春は山崎の山の中を
あるいていた。
鳥の鳴き声や、川のせせらぎ
の音、
草にさえぎられている山道。
エリーは自然の美しさにみとれながら
歩いていく。
河の水は冷たい。
「おいしい。」
「だけどこれだけではウイスキーは作れん。」
辛気くさい顔で政春は言う。
エリーは川の水をすくって政春に
かけた。
「冷たい!!」
「冷たい」と
政春は悲鳴を上げた。
エリーは、おもしろがってどんどん
水をかけていく。
政春は、笑いながら応戦した。
「マッサン笑った。」
エリーは喜んだ。
マッサンの笑顔に勇気をもらった
ことを話した。
スコットランドで父親を亡くした
とき、政春の笑顔に救われたという。
「日本に来て、苦しいことばかりだった。
お金もない、仕事もない、家賃も
払えない・・・」
エリーの話に政春は「あははははは」と
笑った。
「でも、がんばれた。
バカみたいでしょ。」
「勇気をもらったのはわしのほうじゃ。
右も左もわからない異国で
エリーの笑顔がわしを救ってくれた。
帰りたいと思った時も
エリーに救われた」という。
北海道へ行きたいといったのも
エリーがあの写真を見て笑ったからだ
といった。
「スコットランドににている。きれい。」
そういった。
「エリーのあの笑顔がわしに力をくれ
たんじゃ。」
「言わないと分からない。」
「言わなくてもわかるだろう?
それがなんとしても北海道へ行きたいと
思ったわけだった・・・。」
エリーはプレゼントの答え、わかるか
と聞いた。
エリーが何を欲しいと思っているのか
という話だった。
政春は、「ガスか?」といったあの話の
本当の答えは・・
「ただ一つのプレゼント。」
「ガスか?」
「売ってない。」
「本か?ロバートバーンじゃろ?」
「違う・・・。」
「勘弁してくれ・・・・。」
「二人にしかできないもの。」
「なんじゃ?」
エリーは、わたし
赤ちゃんが欲しいといった。
政春は、驚いた。
わしもほしいといった。
「ほんとう?」
「ほんとうじゃ。」
「ありがとう
ありがとう
ありがとう・・・」
エリーは笑いながら言った。
エリーは嬉しかった。
その時、政春は
みつけた。
「霧がかかっている。」
山崎には霧がたちこめることを
みつけた。
山崎の地でマッサンとエリーは夢の
ウイスキーづくりへと踏み出した。
*****************
つまり、最初にみたあの山歩きのシーン
は、北海道ではなくて、山崎だったと
いうことです。
木津川、桂川、宇治川が
合流する不思議な地形だといいます。
そこには、霧が発生するらしくて
よくけむっているらしいです。
エリーの欲しがっているものは
赤ちゃんだとわかっていました。
しかし、広島で二人が話し合った
ことは、二人の赤ん坊は
まるで外国人だということです。
それゆえ、いじめられる可能性も
あるわけです。
それでも、コドモを守って生きていくと
エリーと政春は覚悟を決めたとは。
偉いですね。
この時代は、まだまだ偏見があったはずです
から。
