内助の功3
田中家に来ていた大株主の守谷に
大作、政春、エリー、優子は株主総会を
開かせてくださいと必死に申し出る。

守谷はその勢いに負けたかのように
開くことを了解した。
が、その先はどうなるかわからないという。
株主が反対したらきっぱりと
ウイスキーづくりはあきらめてもらうと
いった。

★必死に頭を下げた政春を見てエリーは
かっこいいと思いました。

亀山家ではお互いの健闘を称えあう(?)
政春とエリーの所にキャサリンがやってきて
「ウイスキーづくりができる」と喜んで
くれた。
が、まだ「これからだ」と政春は言う。
「どうやって株主に認めてもらうのか」と
キャサリンが聞く。

政春は、「実際にウイスキーを飲んで
もらう」と答えた。
キャサリンは、「そんなにウイスキー
はおいしいのか」と聞く。
「あれは煙くさいと聞いたが」、という。
「それでもイギリス人のチャーリーは
それがいいというていた」といった。
「政春は大丈夫です!!」と元気よく自信
満々に言った。

さて、田中家にいったエリーは優子に
昨日のことを感謝した。
「なにいうてんのうちらfriend
やろ?なんとか株主さんにうんと
いうてもらえたらええな。」という。

エリーは優子にウイスキーを飲んだことが
あるかと聞く。株主総会で株主さんに
飲んでもらおうと政春が計画している
ことをいった。
優子は「飲んだことはないが飲みなれて
いない人にとってはえらい薬臭い
って聞いたことがある」という。

エリーは「薬??薬・・・??」と
考えた。


さて、なぜ煙くさいとか薬臭いとか
いわれてのか。
ウヰスキーの香はこのピートによって
決められる。麦芽を乾燥させるときにつく
独特のスモーキーフレーバーこそがスコッチ
ウヰスキーの特徴です。
政春は泥炭と言われるピートを
七輪であぶった。
マッサンは、会議用の資料を作るために
実験を始めました。

会社の一角で七輪をあぶっている政春。
そこへ矢口がしかめっつらをして
飛んできて、「臭い!!臭い!!」と
どなった。
政春は、一向に気にせず
実験を続けている。
矢口はそばにあった柄杓で水をくみ
七輪の火を消した。
もくもくと煙が上がった。
「何をするんですか!!!」
と政春が驚いて言うと
「臭い!!」と矢口に言われた。
「異臭騒ぎが起こるわ」という。
「これは必要な作業なんです」と
政春は抗議した。
「そんなものは時間外にやれ」
と矢口は言って事務所に入った。
「株主会議の資料作りは会社の仕事で
しょと」政春はうったえた。
「所詮、形だけの会議や」と矢口。
「会社の業績が下がって大損
するのは株主や。誰も承認なんか
せえへん。
金輪際ウヰスキーには手を出さない
ということが確認されてしまいや!」

政春は、「それはやってみなければ
わからない」といった。
「何が何でも潰してやる」と矢口は言う。
「なぜそんなに目の敵にするのか」と
政春が聞くと、矢口は「お前が気に入らん
からや」といった。

その夜、家で政春は資料作りをしていた。
そろばんを置きながら、数字を
計算している。

エリーは気になっていたことがある。
キャサリンの言った煙くさいということ
と、優子が言った薬臭いということだ。
「マッサン・・・」と声をかけると

「ああ・・・数字がとんだやろが・・・」と
情けない声で言った。

エリーは株主会議でスコッチを出して
大丈夫かと聞く。
政春は「あれは12年物の本物だがら
大丈夫だ、最高級品だから」といった。

エリーはよけいに心配になった。
翌日エリーが田中家に行くと優子が
アジのたたきを作っている。
アジのすり身をたたいて、しょうがと
ネギでアジの臭みを取ることができる
と優子が説明した。
エリーは「スコットランドのハーブと
一緒?」と聞く。

優子は「食べ物は組み合わせ次第。
こうして、癖が強いところを
隠したり反対に強い持ち味を
生かすこともできるから面白い
ねん・・」といった。

「はい、アジのたたき完成!!!」と
優子が言うとエリーは優子に手伝って
ほしいことがあるといった。
エリーにある考えがひらめいた。

★そして運命の臨時株主会議が
始まりました。
マッサン、がんばってね。

守谷が藤岡正太郎と一緒に来た。
藤岡さんは優子のお見合い相手
次郎のお父さんである。
今回は株主ではないが立会人として
参加することとなった。
「きみが亀山君か。楽しみにしているで」と
藤岡が政春に声をかけた。
政春は緊張した。

そして会議が始まった。
守谷、藤岡、笹塚、そして
株主がふたりであった。

ウイスキーづくりの事業を承認するか
反対するか、の会議である。
政春は、ウイスキーづくりのプレゼンを
はじめようとした。

すると矢口は「結果は決まっているから
手短にな」という。
政春は前に出た。

そのころ、田中家の台所ではエリーと
好子と優子がせわしなく働いていた。

佳代は、それを見て「今日は臨時休業で
まかないはないのでは?」と聞く。
優子とエリーは顔を見合わせて
うなずいて作業を始めた。

政春はプレゼンをしていた。
日本の麦と水でもスコットランドに
まけないぐらいのウヰスキーが作れると
いった。
「費用はどのくらいいるのか」と守谷が聞く。
「ビールよりは安いです。
設備投資が済んだらあとは大麦と水と
ピートがあればいいです。」
「ピートとは?」と笹塚が聞く。
「泥の炭です。スコットランドでは
燃料に使います。ウイスキーづくりでは
麦芽を乾燥させるために使います。
その時につく独特のスモーキーフレーバー
こそがウイスキーの特徴です。」
株主たちは泥炭を回して香りを嗅いだ。
「スコットランドでウイスキーづくりが
盛んなのは荒涼とした土地でも容易に
入手できる原料で作る酒だからです。」

問題はお金である。
株主は「いいこというてもお金がかかる
のでは?」と聞く。
予「算の資料を見てくださいと政春は言う。
ポットスチルの製造に一万円。
設備の費用に22750円。大麦とピート
の仕入れ原価、運転日まで細かく
書いております。
ウヰスキー一本5円で売って
一か月9360本売れば
最初の投資は80か月で回収できます。」

「確かによくできているがこの通りに
なるのやろか?」
「商品になるのは5年先??」

「気の長い商いやな。」

藤岡が言った。
「何ぼいい商品でも買ってくれる人がいない
と商売にならない。どんな人にどういう具合に
買ってもらうのか、そのあたりを聞かせて
下さい」という。

政春は言った。
「さきの戦争以来、諸外国との
興隆がますます盛んになっていき、日本が
西洋化していきます。多くの日本人が外国人
との交流の中でウイスキーの魅力に気が
つきます。
そして大阪ではますます大衆向けの商店や
食堂に西洋の食べ物文化が入り込み
カフェなどが増えとります。
それひとつにとってもウイスキーの需要は
ますます高まって行きます」といった。
田中は「この好機に先を見越して勝負に出るの
です、それが将来会社の発展につながると
信じています」という。

それでも株主たちは「わからへんなぁ」
「ひとつしっくりこないなぁ」
「うまくいくかいなぁ」と
言い始めた。

政春は、ここぞとばかりに印籠をだした。
つまり、あの高級品のスコッチウイスキーである。
「本場の?」と株主。
「皆さんに飲んでいただきたく思います。」

グラスにウイスキーが注がれた。
色を見て、香りをかいでいる。

株主たちは飲んだことがない。

「どうぞ飲んでください」と政春は自信満々
にいった。

株主たちは一口飲んで
「ぶは!!」と噴出した。
せき込んだり、はぁはぁいったり
する。

「なんやこれ!!!!」

と、いう。
政春は自体が呑み込めない。
うまいといっているのか
まずいといっているのか・・・。

「煙くさいわ~~」
「まずい酒やな~~」

やっとまずいと分かった。

矢口は勝ち誇ったかのように
「やはり日本人の口にはあわへんな」と
いった。

ざわ、ざわと雰囲気が悪くなっていく。
田中は不安そうに政春を見た。
よけれと思ってやったことが
裏目に出た。

スコッチウイスキーを振舞ったマッサンの
作戦は大失敗。
マッサンのウイスキーづくり、絶体絶命です。
******************
新しいことを始めようとすると
それを阻止する動きは必ずあります。
この矢口のように、政春が気に入らないという
理由もありますが、誰も作ったことのない
そしてほとんどの日本人が口にする
ことのないウイスキーなど作って
売れるのかなと思うのは当然です。
花子とアンで、妹のかよが、東京の
カフェで働きます。
カフェというと珈琲喫茶かなと思いますが
夜になると、アルコールを出します。
その中にウイスキーが入っています。
こうしたカフェが増えていく時代となった
ので、それを飲む日本人も増えてくると
したら、輸入物に頼らずに
日本で日本独特のおいしいウイスキーを
作るべきだというのです。

なるほど・・・。


こうして生まれたのかと思いました。

そして、
あのコマーシャルを思い出します。

小雪さんが初代で

ウヰスキーがお好きでしょ??
という、コマーシャル。
きれいですね・・・。

あれは、なにかと気になるコマーシャル
で、いまは何代目ですかね?