破れ鍋にとじぶた2

優子の見合いの話はエリーたちの
井戸端会議の話題となった。

お金が大事か
ラブが大事か・・

エリー、キャサリン、
桃子 梅子が語り合う。

肩書や家柄は大事だというし
お金も大事だというし
本当にラブが大事と
いいきる日本人はいない。
エリーは、考え込んだ。

政春の会社では太陽ワインが
安心安全であるという証明をする
ために、実験をしていた。

エリーは会社のお昼のマカナイを
つくるために、それも
日本の料理の勉強のためになると
思って田中家に来ていた。

優子に優子に
本当はお見合いしたくないのでは?と
聞く。
優子は、なんで?と聞いた。

お見合いは田中家にとって会社にとって
このご縁は有意義なもの
ではあるが
優子にとっては、どうだろうと
思うエリーだった。

そして政春の実験室へ行った。

声をかけるとカウント中で
何ぼまで数えたかわからなくなったら
しい。

すると、窓辺で実験用に置いて
いた他社製ワインが爆発した。

太陽ワインは無事である。

これで、よし!
太陽ワインが安心安全だと
証明されたと
政春は言う。

それを聞いて鴨居がやってきた。
データをつづったものを渡すと
うけとり
ぽんとほかに投げたので
政春は、口で説明することに
なった。

残留酵母があるワインは発酵して
炭酸ガスが出て
爆発するという。

太陽ワインは、酵母を全部除去して
いるので大丈夫であると
つげた。

鴨居は太陽ワインは安心安全なんや
なと確認して政春をつれて
ほないこ、と車に乗った。
どちらへ?と聞くと
行けばわかると鴨居。

研修中の青山という京都帝大の
学生が助手をしていた。

会社は昼休みの時間となった。
まかないのお昼ご飯を食べる社員たち。
会社は大丈夫かと不安になっている。
そんなところへ優子の結婚話を好子は
する。相変わらずの事情通である。
その人と結婚してくれたら
会社は大丈夫だけどという話だった。

好子は乙女心はゆれているからという。
「お見合いなんていや、やっぱり
マッサンが好きって・・いうのかも。」
「まさか与謝野晶子じゃあるまいに」と
池田が言う。
「今頃、みだれ髪でも読んでいるのでは?」
と好子は言った。

たしかに優子は「みだれ髪」を読んでいた。
そして、ため息をついていた。
そこへ、佳代が来た。
お見合いの着物ができたという。
優子の顔が笑顔になった。
作り笑顔である。
手を通すときれいな着物に
エリーもきれいと感動した。

その後のことである。
優子が庭に水撒きをしながら
歌を歌っていた。

「命短し恋せよ乙女
赤き唇、褪せぬまに・・
熱き血潮の・・・」

「エリーは優子さん、その歌何?」

優子は庭に水をやりながら
ゴンドラの歌よという。

エリーは真似して歌ってみた。

「命短し・・・
恋せよ乙女・・赤き唇褪せぬまに・・」

エリーはメモを取った。
「今度わたしにも教えてください。」

「もうやめる
こんな歌を歌っていたら泣きたくなるわ。」

・・・・・

エリーは
「お見合いを本当はしたくないのでは?」

と聞いた。

優子は「エリーが思っている通りだ」という。
「うちはまだ結婚なんかしたくない。
でも私はこの家の一人娘だから
婿さんもろてこの家を継ぐのは私の仕事。

ホンマはもっとほかの仕事をしたかった」
という。
それは英文タイピスト。
「もっと英語の勉強をしなくては
いけなかったんだけど・・」

エリーは嬉しくなって優子のそばに
座った。
「英語話せるのね?」とエリーは聞いた。

「あかんあかん、エリーさんにはちゃんと自分の
しごとをせなあかんというたのに
こんな自分は情けない」と優子は言う。
「結婚したくないなら
しないほうがいい。」とエリー。

「うらやましいな・・・エリーさんが。」

エリーは思いました
「日本の女性の結婚て
本当に難しい・・・」
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ラブが大事とは言わない日本人が
多いですからね。
今と違って当時は特に・・。

お金が大事か、家柄が大事か
ラブが大事か・・・ですから。

ラブは最後です。でてきたらいいけど
語られない場合もあります。
政略結婚だったら
なおさら。

優子さんは英文タイピストになりたい
なんて・・英語が好きなんですね。
エリーにとっては嬉しい話です。

しかしそんな夢も会社のため家のため
に、あきらめて結婚・・・

エリーにとっては理解できないこと
です。
でも、こんな考え方、大多数の日本の
常識でした。
どうなんでしょうね???
女性の幸せとは???
なんなんでしょうね??
女性が輝く社会とは???
いまも、よくわかりません。