住めば都3
エリーのごはん炊きへの執念
はつづく。
ある朝のことエリーはかまどで
お米を炊いていた。
早朝にもかかわらず来客
らしい。
男の人の声がした。
「おーい開けろ、あけてくれ」
と、どんどんと玄関をたたく。
エリーは驚いて
手にひしゃくをもち玄関をにらんだが
、やはり、政春を起こしにいった。
怪しい人が来たと思ったらしい。
寝ぼけている政春を起こして
玄関先にそっと二人で見に行く。
「どちらさん?」と政春が聞く。
「わてや、鴨居や!!」
政春とエリーは顔を見合わせた。
その鴨居、玄関を開けようと
政春がしているのに
庭から入ってきた。
ガラス戸をあけて
いきなり上り込んだ。
「エリーちゃん~~
グッドモーニング~~~~!!!」
「オハヨウゴザイマス」
というエリーを鴨居はハグした。
そしてくんくんと匂って
「何や、醤油くさくなったなぁ~」
という。
「いま、日本の料理頑張っています。」と
エリー。
政春がやっとやってきて
「あかん、あかん、あかん!!!」と
エリーの前に背中を向けて
たち、鴨居にむかって、
「何でいちいち人の嫁さんを
ハグしてにおいを、かぐんですか?」(変態やな)
すると鴨居は、「なぁ」(ホンマやなぁの意味)
と、政春の抗議をやんわりとかわした。
「相変わらず辛気くさい顔しトンのう」
「もう、なんなんですか、朝っぱらから」
と、政春は口では鴨居にかなわない様子。
「あ、そうや、これやこれや」と
鴨居は真っ赤な風呂敷の包みを
あけた。
なかには、虎の置物があった。
それも、金色の。
「タイガー?」とエリーが言った。
「がお~~」と鴨居は虎のマネをして
エリーにかみつこうとした。
「なんなんですか。」驚いてエリーを
守る政春。
「わしの干支虎やがな。西に黄色いものを
おくと金運が上がるって知って
いるか?」
そんなこと、知らない政春は
躊躇する。
鴨居は無視して、「西というと・・」
といって、上がってきたところ
から太陽を見て、「こっちや」
と、部屋の隅に虎を置いた。
「ドーン。かっこええがな。
魔除けにもなる、金運もあがって
いうことなしや!」
「これが引っ越し祝い?」
「気に入ったか。」
呆然としている政春に、「なんかいうこと
ないんか?」と鴨居が聞く。
「え?」
「人に何かもろたら、何か言うやろ?」
「・・・・」
政春は、床に座って
「ありがとうございます」といって
頭を下げた。
「かまへん、かまへん
あはははは・・・おっとサプライズは
まだあるねん~~」
鴨居はご機嫌で紫の風呂敷から
かわいい、二つの香水の瓶を
だした。
「舶来もののパーヒュームや。
エリーちゃん、どっちの瓶が
すきや?気に入ったほうを
プレゼントするわ」といった。
「瓶?」と政春はいぶかしげに聞く。
エリーは、「ボトルのラインはこっちがいい。
でもデザインだとこっちがいい」と
手に取って左、右と差し出した。
鴨居は、「うん、うん」と聞いていた。
「だけど・・・
二つ合わせる、一番好き!」とエリーが言うと
「なぁるほどぉ~~~
じゃ、二つともプレゼントフォー・ユー!」
と、いった。
政春は「あかん、あかん、そがなこと
してもろたら」と返そうとするが
「おまえにではない、エリーちゃんにや!
それにしても辛気臭い家、借りよった
なぁ。」
「ほっといてつかあさい。」
「ほな、エリーちゃん、困ったことがあったら
いつでもおいで」、といって
自社のマッチ箱を渡した。
「わてにできることはなんでもしたる。」
「ありがとうございます!」
鴨居は、先ほどのとらの置物をぽんと
たたいて「しっかり頼むで、よっしゃ
よっしゃ~~、ほななぁ~」と言いながら
帰って行った・・・・。
台風一過である。
「あの人もかなり、ネジ、飛んどるわ・・・。
そもそも人の嫁さんに香水をプレゼント
なんてどんな神経をしとるんじゃ?
困ったことがあったらいつでも来い
なんて、あれは建前じゃ。」
政春は呆れてしまった。
うっとりと香水瓶を見て
香りをかいでいたエリーは、とんでもない
香りに気が付いた。
「ご飯が・・・」焦げるにおいだった。
お釜を見てがっかりするエリー。
出かけるとき、「別にパンでもいいよ」と
政春は言った。
「そうじゃ、今夜はスコッチブロスにしてくれ」と
いうと、エリーはお米をたいたらダメなのかと
聞いた。
政春は「ぼちぼちやっていくしかない。
今夜は早く帰ってくるから」といって
でかけようとした。
エリーは、「待って」と言ってハグをした。
近所の二人の奥さんが
びっくりした顔をしてみていた。
それに気づいた政春は
エリーに「行ってくるから」と言って
あわてて出かけた。
政春が「おはようございます」というと二人の
奥さんは、呆然とした顔で
「おはようございます」といった。
政春を見送ったエリーは、その二人の
奥さんに、声をかけた。
すると一人は英語は話せないと言って
逃げて行った。
もう一人に、ご飯の炊き方を聞こうと
したが、同じく逃げて行ってしまった。
ため息をつくエリーだった。
そしてついにエリーがいった先は
優子のところだった。
「お願いします」
というが優子は「何でそこまでごはんに
こだわるのか」と聞く。
エリーは政春がご飯が好きだという。
「じゃ、食堂に行って食べたら?」
優子は、まかないの支度に忙しそう
だった。
そこをエリーはお願いした。
自分が炊けるようになりたい、といって。
「お願いします、プリーズ」という熱心さに
優子はじっとエリーを見た。
★いよいよマッサンの実験は正念場。
蒸溜の時が来ました。
2昼夜寝かして発酵させたもろみをポットスチル
がわりのやかんで沸騰させてその蒸気を冷やして
蒸溜液を取り出します。
この出来の良しあしがウイスキーの出来を
左右するのです
「きたど、きたど・・・」
蒸溜液が落ちてきた。
好子は、それが透明だったので
「なぜ?」と聞いた。
ウヰスキーは琥珀色のはずだった。
「その琥珀色になるためには
樽に寝かしてからです」と政春がいう。
「ちょっと味見してみよ」と
池田は指を入れてなめてみた。
「あかん、あかん」と政春が言ったが
おそかった。
「かぁ~~~~~~~~~!!!
きつい!!!舌が焼ける。」
「あほかあたりまえじゃ」と政春が
いう。アルコール度は65度である。
そんなアルコールを日本人は飲まない。
だから樽詰めして寝かしたら熟成して
のみやすくなるのである。
「のどが焼ける~~~~」池田はまだ
騒いでいた。
さて田中家の台所ではエリーのごはん炊きの
特訓が始まっていた。
「米は洗うではなく、とぐというのや」
と優子はとぎ方から教えた。
「すばやく、さっと・・水が澄むまで
何度もかえて・・・」
エリーは、必死でついていく。
「水加減はこうして手を入れて
中指のここらへんまで・・・」
エリーがメモを取ろうとすると
優子は、「体で覚えるんや」という。
「火加減も、最初から強火でどうするの?」
という。「初めチョロチョロなかぱっぱ。
最初は小さい火でお米に十分水を吸わせる。
あんたは最初から強い火で作るから
たきむらもできるし真っ黒になるんや。
ごはん炊きは体で覚える・・
においをかいで音を聞いて
五感を澄ませる!!」
「はい。」
「わかっている?」
「はい。」
「わかっていないのに返事しない!」
「はい!」
気持ちが通じて行く。
ごはん炊きの間、優子が言った。
「エリーがうらやましい」と・・・。「家族から
国から出て知らないところへいけて
全部新しい暮らしができて・・・
エリーがうらやましい」と。
「せやけど広島のお母さんもまだ
賛成してないのでは、これから先も
ホンマに日本でやっていけれるの?」と
優子はエリーに聞いた。
「いつもマッサンがいてくれる
私は大丈夫です。」
「せやね。」(笑)
「はい。」(笑)
「スコットランドと日本はどっちが
好き?」と優子。
「スコットランドが好き。
でも日本大好き。とてもいい国です。
私の国はつらい戦争を経験しました。
日本は平和です。
はじめてきたのになぜか故郷のような
きがします。着物もきれい。
料理おいしい、大阪の人言葉面白い
まいど、まいどおおきに・・・」
「ま、ええ国と言えばいい国やね。
特に男の人にとっては。
ええ嫁というのは男のひとにとって
都合のええ奥さんのことで、家を守って
いつも男を立てて。それが日本の男が
求めるええ嫁やねん・・・」
「でも、マッサン言いました。
ご主人、奥さん、パートナー。
どっち偉いってない。
いつもフィフティフィフティ。」
優子は「いろんな夫婦があるからね」と
ぼかして「ごめん、ごめん、今の話は忘れて。」と
いった、
優子は何かを悩んでいる様子だ。
お釜から湯気が出た。エリーは
「大変、ふたを開けないと」
というが、優子は「たとえ赤ん坊が
おなかすいたと泣いても、まだ蓋を取ったら
あかん」という。
エリーは大慌て。「でも吹き出すかも」と
心配する。
優子は「まだまだ」という。
「ジュウジュウふいたら火を小さくして」
といって、火にくべているまきを
取り出すと弱火になった。
「はじめちょろちょろ、なかぱっぱ。
赤子泣いても蓋取るな?」とエリーが言う。
「そうそう、それが飯炊きの基本。」と優子。
そしてふたを取るタイミングとなった。
ふたを取ると中から湯気が
ぱあーーーーーっとひろがり
おいしそうな匂いとともに
ふっくらとした白いご飯が
目にはいってきた。
エリーは、「わぁ~~できた
できた できた!!」
と喜んだ。優子にハグをすると
優子はびっくり。
優子が驚いてことばを失った。
エリーは優子から御しゃもじをもらって
ご飯を手のひらに取ろうとした。
案の定
「熱い!!熱い、熱い!!」と悲鳴を上げて
笑った。
****************
エリーの執念が実りました。
しかし、朝の場面、グッドモーニング~
と言って鴨居が現れたときには
花子の父吉平を思い出しました。
朝は、グッドモーニングじゃ~~
っていってたなぁ~~と。
いまだに花子とアンから抜け出して
いませんね。(笑)
堤さんは関西の出身だけあって
ぼけた演技と突込みの演技が
お上手です。
「何でいちいち人の嫁さんを
ハグしてにおいを、かぐんですか?」
すると鴨居は、「なぁ」
と、政春の抗議に「スマン」と言わずに
「ホンマやなぁ」という相槌をなぁという
短い言葉にこめて
罪のない顔でいうあたり
うまいわ~~~新喜劇みたい・・と
思いました。
抗議したほうは、「ええ?」
と力抜けますから。
優子さんと語り合った女同士の会話。
ごはん炊きの特訓は体育会系の
トレーニングのように厳しい。
が、優子さんが日本の男は
自分たちに都合のいい嫁さんを
いい嫁さんというというあたり
なにか、腑に落ちない女性ゆえの差別感を
感じているのかもしれません。
いい恋をしてほしいです。
政春に失恋したからこそ・・です。
エリーのごはん炊きへの執念
はつづく。
ある朝のことエリーはかまどで
お米を炊いていた。
早朝にもかかわらず来客
らしい。
男の人の声がした。
「おーい開けろ、あけてくれ」
と、どんどんと玄関をたたく。
エリーは驚いて
手にひしゃくをもち玄関をにらんだが
、やはり、政春を起こしにいった。
怪しい人が来たと思ったらしい。
寝ぼけている政春を起こして
玄関先にそっと二人で見に行く。
「どちらさん?」と政春が聞く。
「わてや、鴨居や!!」
政春とエリーは顔を見合わせた。
その鴨居、玄関を開けようと
政春がしているのに
庭から入ってきた。
ガラス戸をあけて
いきなり上り込んだ。
「エリーちゃん~~
グッドモーニング~~~~!!!」
「オハヨウゴザイマス」
というエリーを鴨居はハグした。
そしてくんくんと匂って
「何や、醤油くさくなったなぁ~」
という。
「いま、日本の料理頑張っています。」と
エリー。
政春がやっとやってきて
「あかん、あかん、あかん!!!」と
エリーの前に背中を向けて
たち、鴨居にむかって、
「何でいちいち人の嫁さんを
ハグしてにおいを、かぐんですか?」(変態やな)
すると鴨居は、「なぁ」(ホンマやなぁの意味)
と、政春の抗議をやんわりとかわした。
「相変わらず辛気くさい顔しトンのう」
「もう、なんなんですか、朝っぱらから」
と、政春は口では鴨居にかなわない様子。
「あ、そうや、これやこれや」と
鴨居は真っ赤な風呂敷の包みを
あけた。
なかには、虎の置物があった。
それも、金色の。
「タイガー?」とエリーが言った。
「がお~~」と鴨居は虎のマネをして
エリーにかみつこうとした。
「なんなんですか。」驚いてエリーを
守る政春。
「わしの干支虎やがな。西に黄色いものを
おくと金運が上がるって知って
いるか?」
そんなこと、知らない政春は
躊躇する。
鴨居は無視して、「西というと・・」
といって、上がってきたところ
から太陽を見て、「こっちや」
と、部屋の隅に虎を置いた。
「ドーン。かっこええがな。
魔除けにもなる、金運もあがって
いうことなしや!」
「これが引っ越し祝い?」
「気に入ったか。」
呆然としている政春に、「なんかいうこと
ないんか?」と鴨居が聞く。
「え?」
「人に何かもろたら、何か言うやろ?」
「・・・・」
政春は、床に座って
「ありがとうございます」といって
頭を下げた。
「かまへん、かまへん
あはははは・・・おっとサプライズは
まだあるねん~~」
鴨居はご機嫌で紫の風呂敷から
かわいい、二つの香水の瓶を
だした。
「舶来もののパーヒュームや。
エリーちゃん、どっちの瓶が
すきや?気に入ったほうを
プレゼントするわ」といった。
「瓶?」と政春はいぶかしげに聞く。
エリーは、「ボトルのラインはこっちがいい。
でもデザインだとこっちがいい」と
手に取って左、右と差し出した。
鴨居は、「うん、うん」と聞いていた。
「だけど・・・
二つ合わせる、一番好き!」とエリーが言うと
「なぁるほどぉ~~~
じゃ、二つともプレゼントフォー・ユー!」
と、いった。
政春は「あかん、あかん、そがなこと
してもろたら」と返そうとするが
「おまえにではない、エリーちゃんにや!
それにしても辛気臭い家、借りよった
なぁ。」
「ほっといてつかあさい。」
「ほな、エリーちゃん、困ったことがあったら
いつでもおいで」、といって
自社のマッチ箱を渡した。
「わてにできることはなんでもしたる。」
「ありがとうございます!」
鴨居は、先ほどのとらの置物をぽんと
たたいて「しっかり頼むで、よっしゃ
よっしゃ~~、ほななぁ~」と言いながら
帰って行った・・・・。
台風一過である。
「あの人もかなり、ネジ、飛んどるわ・・・。
そもそも人の嫁さんに香水をプレゼント
なんてどんな神経をしとるんじゃ?
困ったことがあったらいつでも来い
なんて、あれは建前じゃ。」
政春は呆れてしまった。
うっとりと香水瓶を見て
香りをかいでいたエリーは、とんでもない
香りに気が付いた。
「ご飯が・・・」焦げるにおいだった。
お釜を見てがっかりするエリー。
出かけるとき、「別にパンでもいいよ」と
政春は言った。
「そうじゃ、今夜はスコッチブロスにしてくれ」と
いうと、エリーはお米をたいたらダメなのかと
聞いた。
政春は「ぼちぼちやっていくしかない。
今夜は早く帰ってくるから」といって
でかけようとした。
エリーは、「待って」と言ってハグをした。
近所の二人の奥さんが
びっくりした顔をしてみていた。
それに気づいた政春は
エリーに「行ってくるから」と言って
あわてて出かけた。
政春が「おはようございます」というと二人の
奥さんは、呆然とした顔で
「おはようございます」といった。
政春を見送ったエリーは、その二人の
奥さんに、声をかけた。
すると一人は英語は話せないと言って
逃げて行った。
もう一人に、ご飯の炊き方を聞こうと
したが、同じく逃げて行ってしまった。
ため息をつくエリーだった。
そしてついにエリーがいった先は
優子のところだった。
「お願いします」
というが優子は「何でそこまでごはんに
こだわるのか」と聞く。
エリーは政春がご飯が好きだという。
「じゃ、食堂に行って食べたら?」
優子は、まかないの支度に忙しそう
だった。
そこをエリーはお願いした。
自分が炊けるようになりたい、といって。
「お願いします、プリーズ」という熱心さに
優子はじっとエリーを見た。
★いよいよマッサンの実験は正念場。
蒸溜の時が来ました。
2昼夜寝かして発酵させたもろみをポットスチル
がわりのやかんで沸騰させてその蒸気を冷やして
蒸溜液を取り出します。
この出来の良しあしがウイスキーの出来を
左右するのです
「きたど、きたど・・・」
蒸溜液が落ちてきた。
好子は、それが透明だったので
「なぜ?」と聞いた。
ウヰスキーは琥珀色のはずだった。
「その琥珀色になるためには
樽に寝かしてからです」と政春がいう。
「ちょっと味見してみよ」と
池田は指を入れてなめてみた。
「あかん、あかん」と政春が言ったが
おそかった。
「かぁ~~~~~~~~~!!!
きつい!!!舌が焼ける。」
「あほかあたりまえじゃ」と政春が
いう。アルコール度は65度である。
そんなアルコールを日本人は飲まない。
だから樽詰めして寝かしたら熟成して
のみやすくなるのである。
「のどが焼ける~~~~」池田はまだ
騒いでいた。
さて田中家の台所ではエリーのごはん炊きの
特訓が始まっていた。
「米は洗うではなく、とぐというのや」
と優子はとぎ方から教えた。
「すばやく、さっと・・水が澄むまで
何度もかえて・・・」
エリーは、必死でついていく。
「水加減はこうして手を入れて
中指のここらへんまで・・・」
エリーがメモを取ろうとすると
優子は、「体で覚えるんや」という。
「火加減も、最初から強火でどうするの?」
という。「初めチョロチョロなかぱっぱ。
最初は小さい火でお米に十分水を吸わせる。
あんたは最初から強い火で作るから
たきむらもできるし真っ黒になるんや。
ごはん炊きは体で覚える・・
においをかいで音を聞いて
五感を澄ませる!!」
「はい。」
「わかっている?」
「はい。」
「わかっていないのに返事しない!」
「はい!」
気持ちが通じて行く。
ごはん炊きの間、優子が言った。
「エリーがうらやましい」と・・・。「家族から
国から出て知らないところへいけて
全部新しい暮らしができて・・・
エリーがうらやましい」と。
「せやけど広島のお母さんもまだ
賛成してないのでは、これから先も
ホンマに日本でやっていけれるの?」と
優子はエリーに聞いた。
「いつもマッサンがいてくれる
私は大丈夫です。」
「せやね。」(笑)
「はい。」(笑)
「スコットランドと日本はどっちが
好き?」と優子。
「スコットランドが好き。
でも日本大好き。とてもいい国です。
私の国はつらい戦争を経験しました。
日本は平和です。
はじめてきたのになぜか故郷のような
きがします。着物もきれい。
料理おいしい、大阪の人言葉面白い
まいど、まいどおおきに・・・」
「ま、ええ国と言えばいい国やね。
特に男の人にとっては。
ええ嫁というのは男のひとにとって
都合のええ奥さんのことで、家を守って
いつも男を立てて。それが日本の男が
求めるええ嫁やねん・・・」
「でも、マッサン言いました。
ご主人、奥さん、パートナー。
どっち偉いってない。
いつもフィフティフィフティ。」
優子は「いろんな夫婦があるからね」と
ぼかして「ごめん、ごめん、今の話は忘れて。」と
いった、
優子は何かを悩んでいる様子だ。
お釜から湯気が出た。エリーは
「大変、ふたを開けないと」
というが、優子は「たとえ赤ん坊が
おなかすいたと泣いても、まだ蓋を取ったら
あかん」という。
エリーは大慌て。「でも吹き出すかも」と
心配する。
優子は「まだまだ」という。
「ジュウジュウふいたら火を小さくして」
といって、火にくべているまきを
取り出すと弱火になった。
「はじめちょろちょろ、なかぱっぱ。
赤子泣いても蓋取るな?」とエリーが言う。
「そうそう、それが飯炊きの基本。」と優子。
そしてふたを取るタイミングとなった。
ふたを取ると中から湯気が
ぱあーーーーーっとひろがり
おいしそうな匂いとともに
ふっくらとした白いご飯が
目にはいってきた。
エリーは、「わぁ~~できた
できた できた!!」
と喜んだ。優子にハグをすると
優子はびっくり。
優子が驚いてことばを失った。
エリーは優子から御しゃもじをもらって
ご飯を手のひらに取ろうとした。
案の定
「熱い!!熱い、熱い!!」と悲鳴を上げて
笑った。
****************
エリーの執念が実りました。
しかし、朝の場面、グッドモーニング~
と言って鴨居が現れたときには
花子の父吉平を思い出しました。
朝は、グッドモーニングじゃ~~
っていってたなぁ~~と。
いまだに花子とアンから抜け出して
いませんね。(笑)
堤さんは関西の出身だけあって
ぼけた演技と突込みの演技が
お上手です。
「何でいちいち人の嫁さんを
ハグしてにおいを、かぐんですか?」
すると鴨居は、「なぁ」
と、政春の抗議に「スマン」と言わずに
「ホンマやなぁ」という相槌をなぁという
短い言葉にこめて
罪のない顔でいうあたり
うまいわ~~~新喜劇みたい・・と
思いました。
抗議したほうは、「ええ?」
と力抜けますから。
優子さんと語り合った女同士の会話。
ごはん炊きの特訓は体育会系の
トレーニングのように厳しい。
が、優子さんが日本の男は
自分たちに都合のいい嫁さんを
いい嫁さんというというあたり
なにか、腑に落ちない女性ゆえの差別感を
感じているのかもしれません。
いい恋をしてほしいです。
政春に失恋したからこそ・・です。
