どんな朝でも美しい6
東京へ戻った花子は黒沢に電話をした。
ラジオ出演のお話を受けさせて
ほしいと・・・電話をした。
英治は嬉しそうに見ていた。
ある日の夕方
甲府の家では吉太郎は吉平の
手を取って葡萄酒づくりから
帰ってきた。
戸を少し開けたふじは、うれしそうに
吉太郎を見て
「ずっと待っているだよ」と
いった。
そして玄関の戸を大きく開けた。
そこには来客だった。
「醍醐さん?」吉太郎は驚いて
家に中に入って行った。
醍醐の前に座った。
吉平は醍醐が花子の女学校の友達
だと覚えていた。
「どうしてここに?」
と吉太郎は聞く。
「直接、吉太郎さんにお伝えしたくて
ここに来ました。
私がどれほど怒っているか・・・。」
「え?」
「ずっと探していたのですよ。
心配で、心配で、夜も眠れなくて」
「そんなに心配かけていたとは
しりませんでした。」
「もう、これ以上吉太郎さんを
待っていられません。
これ以上待っていたら
よぼよぼのおばあちゃんに
なってしまいます!」
醍醐は少し怒りをアップして
いった。
吉太郎は、無表情。
「私も吉太郎さんと一緒に
葡萄酒を作ります。」
「て!!!」と吉太郎
「て!!!」と吉平とふじ。
「お父様、お母様
私は、お料理もお掃除も
ちっとも得意ではありませんが
これから必死に努力します
ですからわたしをここに
おいてください。」
「あの、醍醐さん・・・」と吉太郎は
突然の話の展開に言葉を入れようと
するが、醍醐は続けた。
「私は、帰れと言われても
帰りません。」
「あなたは肝心なことを・・・。
自分からどんどん先にいって
しまう。」
吉太郎も、ついに言葉を出した。
つまり自分の気持ちを確かめずに
なぜそこまで・・ということか。
「ごめんなさい、わたくし・・・」
やっと醍醐の気持ちが落ち着いた
と見えた。
吉太郎は両親に向かって言った。
「おとう、おかあ、
おらこの人と一緒になりてぇ。」
そして醍醐に向かいなおして
いった。
「こんなぼろ家に本当に来て
くれるんですか?」
「はい・・・。はいっ!」
「て!!」
そこに木場リンがいた。
「吉太郎がやっとこさ結婚するだと!!!」
「一同は驚いた。」
「おら、ちょっくら用事を思い出しただ。」
そういって去って行った。
「これだとあっという間に村中に
知れ渡るわなぁ」と吉平は言った。
みんな、笑った。
★年が明け、花子が5年ぶりに
ラジオに出演する日がやってきました。
花子はミキサーの方や黒沢に挨拶を
した。
「いま、ラジオ局はGHQの厳しい統制下
におかれていまして、依然と違った
ご不便をおかけしますが・・・」
と黒沢がいい始めたとき
一人の若いアメリカの将校が
来た。
「へい、mamasan!」と
花子にいった。
「ママさん?」
以下、英語で彼は話す。
花子に放送の原稿を
渡しながら言った。
「検閲済みだから勝手に
変えるなよ・・・。」
「わかっています。」
「あんたそんなにちびなのに
よく英語がわかるな」
「ちび?」花子は日本語でつぶやく
「問題を起こすな!」と
指で花子をさしていった。
がむをくちゃくちゃと噛みながら。
すると将校は花子の横にいた
局員の万年筆を見て
「いいものもっているな、
くれよ」といって
取り上げた。
(子供のいじめみたいですね。)
すると局員は「これは父の形見です。
困ります」と言ったが、日本語は通じ
ない。
「いうことがきけないのか。
戦争に勝ったのは誰だ?」
と英語でまくしたてる。
「ミスター・・!」
花子は、たまらず口をはさんだ。
すると
「なんだい?
mamas an?」
という。
「その万年筆は彼のお父様の
形見だそうです。返しなさい!」
強い口調で花子は言った。
黒沢は
心配して「村岡先生」というが。
「確かに日本は負けました。
だからと言ってそんな傍若無人
な振舞をしていいのか。
初対面の女性に。
しかも、ヘイママさんなどと
いうのは失礼です。」
「まぁまぁ」と将校は言おうと
したが・・・
「Be quiet!」
と花子はぴしゃりといった。
「どうか進駐軍として品位ある行動を
してください。」
さっきから廊下で話を聞いて
いたアメリカ軍の上司が
入ってきたので
将校は敬礼をした。
「このご婦人の言うとおりだ」と
いった。
「いますぐ、ガムを捨てて
謝罪しろ。」
将校は万年筆を局員に帰して
花子に向かって
「申し訳ありませんでした」といった。
上官は退出しろといったので
彼は出て行った。
上官は花子にいった。
「部下の非礼をお詫びします。
失礼しました。」
花子は頭を下げた。
黒沢は花子に聞いた。
「あの・・・なんと?」
「部下の非礼をお詫びしますと
おっしゃっています。」
黒沢も局員もほっとした。
上官は
花子に「あなたはポーシャのよう
ですね」という。
「ポーシャをしっていますか?」
「はい」、と花子は答えた。
「シェークスピアのベニスの商人の
ポーシャですね。」
上官はにっこりと笑った。
さて、甲府では吉平が花子のラジオを
楽しみにしていた。
布団から起き上がって
ラジオの前に座った。
「おとう、無理したらだめだ」と
吉太郎が言うが
吉平は、「今日は気分がいい」と
いう。
亜矢子は、「花さんは今日は何の
お話をするのかしら」といった。
ふじもきて家族で聞くことに
なった。
ラジオのアナウンサーが
「今日はごきげんようでおなじみの
村岡花子さんをお招きしました」と
いった。
「全国のみなさん、ごきげんよう
村岡花子です。」
女性アナは、花子を紹介した。
「村岡先生は翻訳家としてご活躍ですが
どのようにして英語を学ばれたんですか?」
村岡家では英治も旭一家も
ラジオの前に座っていた。
「修和女学校でカナダの素晴らしい先生がたか
ら学びました・・」
闇市で屋台の食堂をしている
かよもラジオをつけていた。
客の学生二人がその放送を聞いて
尋常小学校のときよく聞いて
いたと話をしている。
花子の声が懐かしいな、と
話し合っていた。
かよは、うれしくて
お客さんに一皿、プレゼントした。
その客の横に宇田川光代が
いた。
「またラジオに出るなんて
みみずの女王も懲りないわね。」
といってコップ酒をあおった。
見た感じ、いぜんのけばけばしさ
はなく、地味になっている。
化粧っ気もない。
生きることに情熱を失ったのか。
あれほど、戦争賛美をしていた
のでいまさらということかも
しれない。
花子の話は続く。
「そこの本をほとんど全部読んでしまったので
あなたのために図書室を増築しなければ
と冗談で言われたこともありました。」
宮本家では、その放送を蓮子が
純平の位牌の前で聞いていた。
花子は、翻訳という仕事に興味を
持ったきっかけを話した。
大文学会でロミオとジュリエットを
翻訳して脚本を書いたとき
腹心の友から、翻訳の才能があると
いわれたこと、彼女の言葉で
翻訳の道に入る勇気をもらった
ことを話した。
「花ちゃん・・・・・」蓮子はつぶやいた。
龍一はそれに驚いた。
女性アナは続けた。
「では、最初に英語を教えて下さった
のも修和女学校の先生がたですか?」
「いいえ、私に最初に英語を教えて
くれたのは父です。」
甲府では吉平が驚いていた。
「て?俺のことけ?」
ふじはにこにこした。
吉太郎と亜矢子も
お互いを見た。
「幼いころから本が大好きだった私をみて
父は修和女学校にいれようと思い
ついたのです。
うちは貧しい農家でしたが
私が給費生として編入できるよう
に父は奔走してくれました。」
以下回想シーン。
おとうとちび花。
「東京の女学校に言ったら
大好きな本が毎日読めるぞ」
「ほんとう?」
「おとうにまかしておけ!」
花子は、11歳の時、東京へ
向かう汽車のなかで吉平が
英語を教えてくれたことを
話した。
朝は、グッドモーニング
昼は、グッドアフタヌーン
夜は、グッドイブニング
・・・
吉平はじっと聞いていた。
その頃のことを思い出している
のだろうか。
「いつも突拍子もないことをして
母や私たちをハラハラさせる父ですが
あのおとうがいなかったら
私は英語に出会うことも
翻訳の道に進むことも
ありませんでした・・・」
「はな・・・」吉平は
呼びかけた。
「外国の言葉を知るということは
それだけ多くの心の窓を持つと
いうことです。
戦時中はその窓も閉ざさなければいけません
でした。
さぁ、心の窓を大きく開けて
一歩を踏み出しましょう。
それぞれに戦争のむごさや
家族を失う悲しみを経験しました
が、勇気を出して歩いていけば
その先にはきっと一番いいものが
待っていると
私は信じています。」
吉平はじっと聞いていた。
ラジオが終わった。
吉太郎と亜矢子は
向うへ行ってしまった。
動かない吉平に
ふじは話しかけた
「あんた?」
返事がなかった。
「あ・・・・・」
★花子の声を聴きながら
吉平は息を引き取りました。
寄り添う吉平とふじの影が
あった。
そして行商時代
かぶっていたおとうの帽子と
花子の訳した本がおいてある
机。
★ごきげんよう
さようなら
******************
ついに、亜矢子さんが吉太郎のもとに
やってきました。
私はこうなるって知りませんでした。
昨日までは。
亜矢子は、お金持ちの御令嬢
なのに・・・。
いいのか???
吉太郎のもとにやってきても
と思う私はまだ、まだな女
なのかもしれません・・・。
でも、いい感じですね。
花子のラジオ復帰は
蓮子との友情の復帰に
つながった?いいのですけどね。
宇田川光代は・・・
落ちぶれていましたね・・・。
勢いがありませんね・・。
これも戦争の被害というものでしょうか。
吉平は、花子との懐かしい思い出を
思い浮かべながら
花子の声を聴きながら
逝ってしまいました。
おとうがいなかったら・・・
村岡花子のルーツは
ありませんでした・・・。
さて、いよいよ
赤毛のアンが・・・・・
登場かと思いますが。
東京へ戻った花子は黒沢に電話をした。
ラジオ出演のお話を受けさせて
ほしいと・・・電話をした。
英治は嬉しそうに見ていた。
ある日の夕方
甲府の家では吉太郎は吉平の
手を取って葡萄酒づくりから
帰ってきた。
戸を少し開けたふじは、うれしそうに
吉太郎を見て
「ずっと待っているだよ」と
いった。
そして玄関の戸を大きく開けた。
そこには来客だった。
「醍醐さん?」吉太郎は驚いて
家に中に入って行った。
醍醐の前に座った。
吉平は醍醐が花子の女学校の友達
だと覚えていた。
「どうしてここに?」
と吉太郎は聞く。
「直接、吉太郎さんにお伝えしたくて
ここに来ました。
私がどれほど怒っているか・・・。」
「え?」
「ずっと探していたのですよ。
心配で、心配で、夜も眠れなくて」
「そんなに心配かけていたとは
しりませんでした。」
「もう、これ以上吉太郎さんを
待っていられません。
これ以上待っていたら
よぼよぼのおばあちゃんに
なってしまいます!」
醍醐は少し怒りをアップして
いった。
吉太郎は、無表情。
「私も吉太郎さんと一緒に
葡萄酒を作ります。」
「て!!!」と吉太郎
「て!!!」と吉平とふじ。
「お父様、お母様
私は、お料理もお掃除も
ちっとも得意ではありませんが
これから必死に努力します
ですからわたしをここに
おいてください。」
「あの、醍醐さん・・・」と吉太郎は
突然の話の展開に言葉を入れようと
するが、醍醐は続けた。
「私は、帰れと言われても
帰りません。」
「あなたは肝心なことを・・・。
自分からどんどん先にいって
しまう。」
吉太郎も、ついに言葉を出した。
つまり自分の気持ちを確かめずに
なぜそこまで・・ということか。
「ごめんなさい、わたくし・・・」
やっと醍醐の気持ちが落ち着いた
と見えた。
吉太郎は両親に向かって言った。
「おとう、おかあ、
おらこの人と一緒になりてぇ。」
そして醍醐に向かいなおして
いった。
「こんなぼろ家に本当に来て
くれるんですか?」
「はい・・・。はいっ!」
「て!!」
そこに木場リンがいた。
「吉太郎がやっとこさ結婚するだと!!!」
「一同は驚いた。」
「おら、ちょっくら用事を思い出しただ。」
そういって去って行った。
「これだとあっという間に村中に
知れ渡るわなぁ」と吉平は言った。
みんな、笑った。
★年が明け、花子が5年ぶりに
ラジオに出演する日がやってきました。
花子はミキサーの方や黒沢に挨拶を
した。
「いま、ラジオ局はGHQの厳しい統制下
におかれていまして、依然と違った
ご不便をおかけしますが・・・」
と黒沢がいい始めたとき
一人の若いアメリカの将校が
来た。
「へい、mamasan!」と
花子にいった。
「ママさん?」
以下、英語で彼は話す。
花子に放送の原稿を
渡しながら言った。
「検閲済みだから勝手に
変えるなよ・・・。」
「わかっています。」
「あんたそんなにちびなのに
よく英語がわかるな」
「ちび?」花子は日本語でつぶやく
「問題を起こすな!」と
指で花子をさしていった。
がむをくちゃくちゃと噛みながら。
すると将校は花子の横にいた
局員の万年筆を見て
「いいものもっているな、
くれよ」といって
取り上げた。
(子供のいじめみたいですね。)
すると局員は「これは父の形見です。
困ります」と言ったが、日本語は通じ
ない。
「いうことがきけないのか。
戦争に勝ったのは誰だ?」
と英語でまくしたてる。
「ミスター・・!」
花子は、たまらず口をはさんだ。
すると
「なんだい?
mamas an?」
という。
「その万年筆は彼のお父様の
形見だそうです。返しなさい!」
強い口調で花子は言った。
黒沢は
心配して「村岡先生」というが。
「確かに日本は負けました。
だからと言ってそんな傍若無人
な振舞をしていいのか。
初対面の女性に。
しかも、ヘイママさんなどと
いうのは失礼です。」
「まぁまぁ」と将校は言おうと
したが・・・
「Be quiet!」
と花子はぴしゃりといった。
「どうか進駐軍として品位ある行動を
してください。」
さっきから廊下で話を聞いて
いたアメリカ軍の上司が
入ってきたので
将校は敬礼をした。
「このご婦人の言うとおりだ」と
いった。
「いますぐ、ガムを捨てて
謝罪しろ。」
将校は万年筆を局員に帰して
花子に向かって
「申し訳ありませんでした」といった。
上官は退出しろといったので
彼は出て行った。
上官は花子にいった。
「部下の非礼をお詫びします。
失礼しました。」
花子は頭を下げた。
黒沢は花子に聞いた。
「あの・・・なんと?」
「部下の非礼をお詫びしますと
おっしゃっています。」
黒沢も局員もほっとした。
上官は
花子に「あなたはポーシャのよう
ですね」という。
「ポーシャをしっていますか?」
「はい」、と花子は答えた。
「シェークスピアのベニスの商人の
ポーシャですね。」
上官はにっこりと笑った。
さて、甲府では吉平が花子のラジオを
楽しみにしていた。
布団から起き上がって
ラジオの前に座った。
「おとう、無理したらだめだ」と
吉太郎が言うが
吉平は、「今日は気分がいい」と
いう。
亜矢子は、「花さんは今日は何の
お話をするのかしら」といった。
ふじもきて家族で聞くことに
なった。
ラジオのアナウンサーが
「今日はごきげんようでおなじみの
村岡花子さんをお招きしました」と
いった。
「全国のみなさん、ごきげんよう
村岡花子です。」
女性アナは、花子を紹介した。
「村岡先生は翻訳家としてご活躍ですが
どのようにして英語を学ばれたんですか?」
村岡家では英治も旭一家も
ラジオの前に座っていた。
「修和女学校でカナダの素晴らしい先生がたか
ら学びました・・」
闇市で屋台の食堂をしている
かよもラジオをつけていた。
客の学生二人がその放送を聞いて
尋常小学校のときよく聞いて
いたと話をしている。
花子の声が懐かしいな、と
話し合っていた。
かよは、うれしくて
お客さんに一皿、プレゼントした。
その客の横に宇田川光代が
いた。
「またラジオに出るなんて
みみずの女王も懲りないわね。」
といってコップ酒をあおった。
見た感じ、いぜんのけばけばしさ
はなく、地味になっている。
化粧っ気もない。
生きることに情熱を失ったのか。
あれほど、戦争賛美をしていた
のでいまさらということかも
しれない。
花子の話は続く。
「そこの本をほとんど全部読んでしまったので
あなたのために図書室を増築しなければ
と冗談で言われたこともありました。」
宮本家では、その放送を蓮子が
純平の位牌の前で聞いていた。
花子は、翻訳という仕事に興味を
持ったきっかけを話した。
大文学会でロミオとジュリエットを
翻訳して脚本を書いたとき
腹心の友から、翻訳の才能があると
いわれたこと、彼女の言葉で
翻訳の道に入る勇気をもらった
ことを話した。
「花ちゃん・・・・・」蓮子はつぶやいた。
龍一はそれに驚いた。
女性アナは続けた。
「では、最初に英語を教えて下さった
のも修和女学校の先生がたですか?」
「いいえ、私に最初に英語を教えて
くれたのは父です。」
甲府では吉平が驚いていた。
「て?俺のことけ?」
ふじはにこにこした。
吉太郎と亜矢子も
お互いを見た。
「幼いころから本が大好きだった私をみて
父は修和女学校にいれようと思い
ついたのです。
うちは貧しい農家でしたが
私が給費生として編入できるよう
に父は奔走してくれました。」
以下回想シーン。
おとうとちび花。
「東京の女学校に言ったら
大好きな本が毎日読めるぞ」
「ほんとう?」
「おとうにまかしておけ!」
花子は、11歳の時、東京へ
向かう汽車のなかで吉平が
英語を教えてくれたことを
話した。
朝は、グッドモーニング
昼は、グッドアフタヌーン
夜は、グッドイブニング
・・・
吉平はじっと聞いていた。
その頃のことを思い出している
のだろうか。
「いつも突拍子もないことをして
母や私たちをハラハラさせる父ですが
あのおとうがいなかったら
私は英語に出会うことも
翻訳の道に進むことも
ありませんでした・・・」
「はな・・・」吉平は
呼びかけた。
「外国の言葉を知るということは
それだけ多くの心の窓を持つと
いうことです。
戦時中はその窓も閉ざさなければいけません
でした。
さぁ、心の窓を大きく開けて
一歩を踏み出しましょう。
それぞれに戦争のむごさや
家族を失う悲しみを経験しました
が、勇気を出して歩いていけば
その先にはきっと一番いいものが
待っていると
私は信じています。」
吉平はじっと聞いていた。
ラジオが終わった。
吉太郎と亜矢子は
向うへ行ってしまった。
動かない吉平に
ふじは話しかけた
「あんた?」
返事がなかった。
「あ・・・・・」
★花子の声を聴きながら
吉平は息を引き取りました。
寄り添う吉平とふじの影が
あった。
そして行商時代
かぶっていたおとうの帽子と
花子の訳した本がおいてある
机。
★ごきげんよう
さようなら
******************
ついに、亜矢子さんが吉太郎のもとに
やってきました。
私はこうなるって知りませんでした。
昨日までは。
亜矢子は、お金持ちの御令嬢
なのに・・・。
いいのか???
吉太郎のもとにやってきても
と思う私はまだ、まだな女
なのかもしれません・・・。
でも、いい感じですね。
花子のラジオ復帰は
蓮子との友情の復帰に
つながった?いいのですけどね。
宇田川光代は・・・
落ちぶれていましたね・・・。
勢いがありませんね・・。
これも戦争の被害というものでしょうか。
吉平は、花子との懐かしい思い出を
思い浮かべながら
花子の声を聴きながら
逝ってしまいました。
おとうがいなかったら・・・
村岡花子のルーツは
ありませんでした・・・。
さて、いよいよ
赤毛のアンが・・・・・
登場かと思いますが。
