生きている証1

カナダに帰国するスコット先生から
渡された一冊の本。
「ANNE OF GREEN GABLES」

平和になったら日本の子供たちに
紹介してあげてほしいと先生は
言い残して去って行った。

そして、日本は戦争へ突入した。

花子は子供の新聞の語り手をやめた。
★太平洋戦争の開戦を機に
花子は9年間続けたラジオのおばさんを
辞めました。

そして日本とカナダは敵対する関係
になったのです。


★昭和16年日本中が
勝利を確信しまし、大きな興奮に
包まれておりました。

美里は花子に聞いた。
「もう、ラジオから母の声は聴くこと
できないのか」と。

花子は、美里にいった。
「ごめんなさい。
戦争のニュースを子供たちに伝えたく
なかったから。
国と国は戦争になってしまったけど
敵方の国にはお母様の大切な
先生やお友達がたくさんいるの・・・。」

★年が明けてからも(1942年・昭和17年)
日本軍は連戦連勝を続け
日本はその勝利に湧いておりました。

ある朝、花子はカフェタイムで
醍醐と待ち合わせをしていた。

それで、でかけようと玄関をあけて
外へ出ると
なにやら、不穏な空気が。

婦人会の白いかっぽう着と
タスキをかけたご婦人方が
2つのグループで、敵対して
いた。水商売系と主婦系である。
その一つのグループ水商売に
かよがいたので花子は何をしている
のかと聞く。

出征される方を送るための陣地
とりだった。
「いったいどういうおつもり?」
「そっちこそどういうつもり!」
「まあ御下品」

「そっちこそ下品だわ」

★おや、雪乃さんも。

「ここは私たち婦人会が御出征される方を
お見送りする場所です。」と主婦の婦人会。

★山の手の奥様と水商売の女性たちは
仲がいいとは言えませんでした。

「みなさんはおしろいを塗って御商売を
されているほうがいにあいでしてよ。」

「私たちだって日本の女です。
お国のために尽くしたいのです。
命を懸けて戦って下さる兵隊さんを
思う気持ちは奥様達には負けません。」

「そうよ」
「そうよ」

「おどきなさいよ」

「なにいってんのよ・・」

花子はそのそばをそっと
通り過ぎた。

カフェタイムでは連戦連勝の
勢いでお客がわいわいと
にぎやかだった。

が、ももが手伝っているのだが
客のほうが多くて
とても手が回らない。

そこへ花子が来たので
ももは、花子に手伝ってもらう
ことにした。直後に店に
到着した醍醐は待つことに
なった。

客の数が少なくなった頃
やっと醍醐と話ができた。

かよは、婦人会で頑張っている
理由は、こんな自分でも
お国の役に立てることが
うれしいという。

「かよさん偉いわね」
と醍醐が言う。
花子は、言葉を詰まらせて
やっと「ええ」と返事ができた。
そして
大事な話とは何かと
醍醐に聞くと醍醐はシンガポールに
行くことに決まったという。

ペン部隊ではない。
貿易会社をやっている醍醐の父の
つてで現地へ行って実際に
戦争を見たいというのだ。

花子は驚いて「一人で南方へいく
なんて大丈夫なのか」と聞いた。

醍醐はすでに吉太郎にも相談して
いた。

吉太郎は
「シンガポールはフィリピンより
まだ安全とはいえ
それまでの航路が危険だと
反対した。」

「吉太郎さんは立派にお国のために
お働きです。
私も無為に過ごしていられない。
戦地の情報を書けば銃後の人たちの
気持ちの後押しができるかもしれない」と
いう。

吉太郎は、醍醐の勢いに負けた。
「あなたのお気持ちは固いのですね。
では、くれぐれもお気をつけて。

無事に帰ってきてください。」

「ありがとうございます。」

醍醐は今夜立つという。

★そしてここにも一人旅立とうと
しているものがおりました。

宮本家だった。
仏壇に手を合わす龍一。
仏壇には浪子の写真があった。

そして、純平の寝顔を見て
つぶやいた。

「純平、お母様と富士子を
頼む。」

蓮子は針仕事をしていた。

蓮子は廊下にたつ龍一を見た。

「あなたに靴下をつくろってもらおうと
は思ってもみなかった」と
龍一は言う。

蓮子は、姑から針仕事を習ったから
といって、靴下を一足そろえて
龍一に手渡した。

龍一は「ありがとう」と言って
「そろそろ行くよ」と立ち上がった。

蓮子は龍一の行動について
詳しいことは聞かされて
いなかった。

「遠くへ行くのですね?

お帰りは?」

「今度は長くなるかもしれない。
半年か、一年・・・

とにかくこの戦争を一日も早く
終わらせなければ。」

「待ってあなた。
転ばないように気を付けて」

龍一は笑って、「ああ、」と答えた。

そして、木枯らしのふく
夜の闇の中に消えて行った。


村岡の印刷所は仕事がなかった。
益田旭は、軍需工場へ
働きに出ることになった。

これ以上、英治に頼るのも
心苦しいという。

「申し訳ない。」

「いいえ
さっさと日本が勝ってくれれば
いいですね。
するとまた本が作れるのに。」

そういった。

その話を花子にした。
ラジオのコドモの時間だった。
美里と直子がラジオをつけた。

花子は、「私も働くから」と
いうと英治は「もう翻訳の仕事も
ないだろう?」と聞く。

花子は「そうだけど、何とかなるわよ」と
明るくいった。

その明るさに、英治は驚いたが

「気持ちだけでも明るくしなくては」
と花子は笑った。

コドモの新聞は有馬がやっていた。
『少国民のみなさんこんばんは。
東亜の地域で戦っている兵隊さん
たちは、みなさんが安心して
毎日勉強したり、お父様お母様の
お手伝いをしたり少国民として
の務めを果たしていることを
大変喜んで日々戦っておられます。
感謝の気持ちを忘れずにしっかり
がんばりましょう。』

「今日も戦争のニュースばっかりね」と
美里は直子に言った。
直子は「うん」と返事した。

美里はそんなラジオを切って
英治の所へ行った。
「お父様、レコードが聞きたいわ」と
いう。

「ええ?」と英治は驚いたが
「じゃ、かけようか」と
いってレコードに
針をおろした。
そのとき、大きな音が
した。
玄関のガラスが割れた。

石が投げ込まれた
のだった。

そして

「非国民!!!!」

とののしられた。

英治は玄関をあけて
外を見た。

逃げて行くのはまだ
幼い少年たちだった。

英治は「待ちなさい」と
叫んだ。

二人はまたいった。
「非国民!!!」

そういって逃げて行った。

家では美里と直子が
花子に「お母様怖い」と抱き着いて
いた。

花子は「大丈夫よ。」
と泣きじゃくる
二人を抱きしめた。

★村岡家に石を投げたのは
まだ、幼さの残る少年たち
でした。

ごきげんよう

さようなら
**************
戦争はなぜ怖いかというと
こうして日常生活が
おかしくなっていくことなの
です。
普通ではありません。

しかし、婦人会の対立にしろ
石を投げた子供たちにしろ
これが正しいことだと
思っていたのです。
けして、自分たちは
間違っていないと
確信していたのです。

おそらく、ラジオをやめた
花子へは戦争の話をしたくないから
という理由が世間に流れたのでは
無いかと思います。
なぜやめたのかと、あのような人気
番組なのに、という疑問が

どうやら、村岡花子は戦争反対
らしい。あんなにも外国の本を
翻訳している。敵国語を知っている
から、日本が負けたらいいと思って
いるのでは?とか・・
たまに聞こえてくる音楽が洋楽なので
アメリカ崇拝者であるとか・・・
そんな噂がひろまって子供たちにまで
広がって
こんなことになったのではと思います。
醍醐がシンガポールへいく。
吉太郎にとっては
青天の霹靂では???
口では、お国のために命をささげる
事は尊いといったところで
自分には出征する身内がいないので
他人事だったはず。
愛する醍醐がシンガポールへとは。
無事に帰ってきてほしいと
それこそ銃後の気持ちになったのでは?
それにしてもこの二人は
どうなるのだろう???
かよは、結婚しないのかな???
この時代に結婚は難しい
けど・・。
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ブログ人のお引越しが始まっています。
このブログもお引越しをします。
Gooへ行きます。
けど、この放送が終わってからのほうが
いいかなと
思ったりします。
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