春の贈り物4
伝助は花子の家を訪問して帰り道
ばったりと蓮子と会った。

★、二人が顔を見合わせたのは
なんとあの駆け落ち事件以来でした。

伝助は、そばにいた番頭に
筑前銀行の頭取と会う約束は
いつだったか確かめた。
「明日の午後二時からの約束になって
おります」と
番頭は答えた。

しばらく立ち止まっていた伝助は
歩き始めた。
蓮子の横を通り抜けようとした。
その時蓮子が声をかけた。

「あの・・・・」

伝助は立ち止まった。

「ちょっと・・・一杯

やりませんか?」

伝助は思いもかけない言葉に

思わず叫んだ。

「はぁ??????」

まさか、蓮子と屋台で飲むとは
思いがけないことが続く。
★かよは緊張できひきつって
いました。
あれほど世間を騒がせた二人が
なぜ屋台に来たのでしょう?

蓮子はかよにコップに冷酒を
ついでもらった。

伝助と蓮子は屋台の角をはさんで
あっちとこっちに座っている。

蓮子は、花子とかよは以前伝助を
ほめていたことを
話した。
「怖そうな顔をしているけど苦労人で
やさしいひとだといっていた」と。
「それなのに、あのころの私はこの人の
いいところなんて一つも
見ようとしていなかった。
自分で心を閉ざしていました。」

「まぁ…仕方なかったろう。
今思えば、こんひとは
気の毒な花嫁じゃった。
おれは金の力でかえん物は
何もないと思っていたが。
この世には金の力では
どうにもならんものがひとつだけある
・・・・おれの負けたい。」
伝助はコップ酒をぐいっとのんで
そういった。

「勘定してくれ。」

「ここは私が・・・。」と蓮子。
「天下の石炭王が女に金を
払わせられるか」と
伝助は言うが
蓮子は、かよに封筒に入れたお金
を差し出した。
「これは自分で稼いだお金です。
これでごちそうさせてください。
そのために、お誘いしたのです。」

伝助は、「わかった、いっぺんだけ
御馳走になるバイ」と
いった。
「かよちゃん、おかわりを二つ。」
かよはコップ酒をふたつついだ。

その様子を龍一が見ていた。
なんと伝助と一緒に居るではないか
あわてて逃げて行った。
それに気が付いていない二人だったが。
伝助が遠慮しがちに言った。
「蓮子・・・しゃん・・」

「はい?」

「今・・・しあわせか?」

「はい。」

「そうか・・・・
そうか・・・・・・。

ごちそうになった・・・。」
伝助は立ちあがた。
蓮子も立ち上がった。

「では、元気でな。」

「あなたもお元気で。
ごきげんよう・・・さようなら。」

伝助はそっと蓮子に近寄って
額にキスをした。
蓮子は目を閉じていた。

「さぁ~~今日は神楽坂で
どんちゃん騒ぎたい!!!」

伝助は豪快にそういって去って行った。
蓮子は、すっきりした顔で
空を見上げた。

その後、花子の所に行った蓮子は
伝助との話をした。
花子は、話を聞いてうなずいた。

そこに、大きな音がした。英治が帰って
きたのだが、龍一も一緒で龍一が
べろんべろんによっぱらっているので
であった英治が連れて帰ってきた
らしい。

「女って魔物ですよ。僕は蓮子のことが
わからなくなりました。
石炭王と仲良く乾杯をしているのですよ・・」
英治は、蓮子が来ているのを見てはっとした。
「さっきからずっとこんな調子で・・」と
英治が言った。

「龍一君・・・」

「蓮子が今の暮らしにがっかりしているのは
わかっていますよ・・・。新米弁護士の
かせぎでは、贅沢させられないし
口うるさいおふくろがいるしさ・・・。
ああ・・・」

龍一は立ち上がったが
足がもつれてまた倒れこんだ。

蓮子はじっと見ていた。
「龍一さん。」
「は??

蓮子?
なんで石炭王と屋台なんかへ行くんだよ。
俺とのことはなんだったんだよ。」

「龍一さん、蓮子さんは別れたご主人に
さよならを言ってきたのです。こぴっと
けじめをつけて今日から育児も家事も
がんばるそうです。」

蓮子は、今の暮らしはがっかりではない
という。姑には嫌われないように頑張る
という。
「帰る家があるってうれしいことね・・・。」
蓮子はしみじみといった。

龍一は蓮子を見た。
花子は嬉しそうに笑った。

翌日醍醐がやってきた。
醍醐は修和のお友達に声をかけて
多くの投資金を集めた。
王子と乞食の単行本の発行のためである。
その本を待ち望んでいるかたが
多いという話をした。

「皆さんのお気持ちに必ず答えましょう」
と花子は英治に言う。
「何年かかっても必ずやり遂げよう。」
と英治は、固く誓った。

それからというもの村岡家は節約
の毎日となった。
英治のお弁当のおかずが少なくなったこと
花子はもっていた着物を処分して
お金にしたこと。
そして翻訳に励むこと。

★どうしても会社を再建して
郁弥の思いを成し遂げたい。
その思いが二人を突き動かして
いました。

英治は昼は工事現場で
夜は挿絵の仕事をした。

★こうして二人で頑張っていた
ある日のことです。

村岡家に客人が来た。

「ごめんください!!!」

玄関には伝助の番頭がひとりで
来ていた。

「嘉納社長からの伝言です。
筑前銀行東京支店の内藤支店長が
有志の話を聞いてくださるそうです。」
番頭は書類と支店長の名刺を花子に
渡した。
花子は驚いた。
花子と英治は、銀行の支店長を
たずねた。
「嘉納伝助社長からお話は伺って
います。」

英治は会社の計画書を提出したが
それ以上に話はとんとんと進むの
であった。

かよは、洗濯物を畳みながら
じっと郁弥の写真を見ていた。
かよの周りはまだ時間は動かない。

そこへ、英治があわてて帰ってきた。

「父さん!!!
印刷機が買えます。」

英治は父のもとへ行って
座る暇もなくたったまま話をした。
「王子と乞食の本が出版できます!!!」

「まさか・・・・・!!!」と
絶句する父。

「本当です。銀行が融資をしてくれたん
です。」

「郁弥さんと私たちの夢がかなうのです。」
花子も嬉しそうに言う。

かよは、無表情で聞いていた。

「どこの銀行だ?」
「筑前銀行です。
嘉納伝助さんが口をきいてくださって・・。」

「そうか・・・・。」

かよは、縁側を伝って歩いていった。
そして庭を見た。

庭の一角に、小さな青い花が咲いていた。
あれは・・・

郁弥が、「この花、かよさんみたいでしょ?」
といって、髪にさしてくれた
あの花に似ている。
勿忘草だった。

「わたし、花よりチップのほうが
うれしいんですけど・・・」

あの時、そんなことをいったと
思い出した。
郁弥はやさしく髪に刺してくれて
「よく似合います」といった・・・。

じっと花を見るかよ

★いつのまにかこんなところに
勿忘草が・・・

ごきげんよう

さようなら・・・。

***************
震災にあって立ち上がれないほど
辛くて、止まってしまう人。
辛いからこそ、進もうとする人。

蓮子は伝助とのわだかまりに決着を
つけました。

ちょっと、伝助がかわいそうで・・・。
でも芸者を挙げて遊ぶ勢いがあるから
いいかもしれません。
それをみて龍一は誤解して
酒に酔って大騒ぎをします。

年下の彼ってかわいいですかね?
蓮子さんはなんでもきちんと
対処できますが、龍一はなかなか
正直で素直でかわいい旦那様で
あります。
わらいますね・・・・。
お酒の勢いを借りないと
気持ちが話せないとは?

王子と乞食の本の出版が
現実のものになっても
かよはまだ、あの日
にとまったままです。

+++++++++++++++++
すみません・・・

なかなか


更新できませんでした・・・。

なんと

この日は

わがやにクーラーが来ました。

前のが

もう寿命で・・・・。

で、新しく注文しました。

クーラーって

工事が大変ですね。

それをみていて・・・

電力のブレーカーのこととか
で、話し合ったりして・・・。

つい

つい


夜は


るろうに剣心の

DVDを見たり・・・


それも最後まで見れず


途中で


また止めたり・・・


なんで

時間がないのか


納得いきません。