涙はいつか笑顔になる4
1923年大正12年9月1日
その日、花子は朝、英治を見送り
お昼は平祐がくるので歩と一緒に
ご飯を食べる予定だった。
それまでは歩とシャボン玉を
作って遊んでいた。
そのころ、11時50分ぐらい・・
カフェドミンゴでは
郁弥のサプライズ計画で
管弦楽の楽士をよんで
演奏をしながら
かよに、プロポーズをしていた。
「かよさん、あなたは僕の女神です。
僕と結婚してください・・・。」
かよは目をぱちぱちして
驚いた。
しばらく黙っているので、
「かよさん?」と郁弥が聞く。
するとかよは、おもいっきり
「郁弥さんのばかっちょ!!!!!」
と叫んで店を飛び出した。
街角でかよは、どきどきする
胸を静めていた。
「はぁ~~~~~。
恥ずかしかった・・・・。」
★郁弥の派手なプロポーズに動転した
かよは、店を飛び出したが、
気を落ち着かせて、やっぱり店に
帰ろうとしておりました。
そんな時見上げた空に
大きな入道雲があった。
見たこともないほど大きかったのだった。
かよはそれをじっと見つめた。
そんな雲を花子も見ていた。
「見たこともない大きな雲だね・・」
と歩に言うが。
そこへ平祐が来た。
歩は雲を指差した。
「ほぉーーーっ」と
平祐が見上げると
大きく大地が揺れた。
関東大震災だった。
★1923年大正12年9月1日
午前11時58分。
相模湾を震源地とするマグニチュード
7.9の大地震が関東地方の南部を襲い
ました。
花子はその地震に地面に
倒れてしまったが
気が付くと歩も無事だったし
平祐も無事だった。
周りの家は無残にも壊れて倒れてしまった。
さっきまでの穏やかな風景はなく
騒然とした声や
助けを求める声が聞こえてくる。
誰かを呼ぶ声も聞こえてくる。
花子は近所の子供たちが
泣いているのを見た。
「大変・・・。」
花子は歩を平祐にわたして、被害にあった
子どもたちに声をかけた。
「みんな、大丈夫??」
★花子の住んでいた大森はまだ田園地帯で
それほど被害は大きくはなかったのでした。
「おうちの人たちが来るまでみんなで
一緒に過ごしましょう。」
しばらくして、様子を見に行った平祐が
帰ってきた。
家が倒れたり、火事になって焼けたりで
大変な様子だといった。
「英治さんは・・・銀座はどうなんでしょう?」
「さっぱりわからん・・・」
花子は、子供たちの家があった場所に
子どもたちの名前を書いて
うちにあずかっていますと書いた紙を
貼った。
夜になって、そのうちの何人かの
家族が迎えに来た。
また、余震があった。怖がる子供たちに
「大丈夫よ」と声をかけた。
子どもたちは「怖いよ、怖いよ」となく。
「そうだ、面白いお話をしましょう。
なにがいいかな、そうだ・・・
涙さんというお話をしましょう。」
★花子は子供たちを元気づけようと
必死で想像の翼をひろげた。
「昔・・・昔・・あるところによくなく女の子が
いました。あまりよくなくので
涙さんと呼ばれていました。
ある朝、学校へ行く道で
涙さんは泣いていました。
何故だかわかる?」
「学校へ行きたくなかったから?」と
一人の子供が言った。
「そうなの。
学校へ行きたくないわ・・。
そこへ、大きなカエルがやってきました。
おまえのそばにいると池ができそうだ。
なみだの池が・・・」
子どもたちがじっと話を聞いていた。
そこへ、英治が帰ってきた。
花子は英治が無事だったことを
喜んだ。
子どもたちが寝た後
花子は銀座の様子を聞いた。
なにもかも、壊れてしまったという。
火事だったし・・・
ドミンゴもわからない。
会社は壊れてしまった。
社員さんは家に帰したという。
かよも郁弥も行方不明だ。
英治は二人を探しに行ったが
ドミンゴには火が回っていた。
花子は息をのんだ。
「もう一度探してくる・・・」
英治は家を出た。
葉山家では、家が傾いていた。
女中も召使も
みんな地震の恐ろしさで逃げて行って
しまった。
園子は「誰かいないの??」
と、金切り声をあげた。
「みんな金目のものを持って逃げた
んだ・・・」。と伯爵は言った。
そこへ蓮子が来た。
「うばがもう田舎に帰るからと
私の所に純平を連れてきました。」
「乳母まで逃げたか・・・」。伯爵は言った。
そこへ龍一がやってきた。
「行こう、迎えに来たんだ。」
蓮子は純平を龍一に見せた。
龍一は子供を抱いた。
「この子が純平か・・・」龍一は
嬉しそうに言った。
そういって、三人で行こうとしたら
園子が「待ちなさい」という。
伯爵は「もういい、自由にさせてやれ」と
いった。
蓮子は、振り向いて
「お兄様・・・よろしいのですか?」
と聞いた。
「ああ・・・好きにしろ。」
伯爵は言った。
蓮子と龍一は頭を下げて挨拶をして
去って行った。
花子の家にいた最後の子供たちには親が
迎えに来た。
「おばちゃん、また涙さんの話をしてね」
「ありがとうございました・・」
「さようなら・・」
人影があった。
かよがきた。
英治と一緒だった。
花子は走り寄った。
「かよ、無事だったのね。
よかった・・・」
花子はかよを抱きしめた。
「かよ?郁弥さんは??
一緒じゃなかったの??」
かよは、無表情であり
また恐怖を感じているようでもあった。
「かよ???」花子は不安になった。
★ごきげんよう
さようなら・・・・。
*****************
あの郁弥の派手なプロポーズ。
郁弥らしいといえば、らしいですね。
素朴なかよには、冗談がきつかった
かもしれませんが。
でも、かよも郁弥が好きなのではと
思いました・・・。
関東大震災ですか・・・。
これからが大変ですね。
英治の会社が壊れたって・・
再建は大変だと思います。
さてそんなころ、西門めいこは??
やっとのことで和枝を追い出すことができ
和枝は農家に嫁いでいくのですね。
めいこは「ふく」がまだおなかにいたころでした。
その日のことですが、うま介が揺れました・・・。
なんや?とみんなでえらいゆれたなと
いう話をしていたのです。
そのご、東京が全滅かもという
大きな地震があったとのはなしとなった。
市役所でも東京に救援隊を募集したりする
わけですね。
悠太郎は東京の地理に詳しいから
使えますよと自分を売り込み、東京へ
派遣されます。
めいこは実家の家族や東京の友人が
心配で・・・ご飯ものどに
とおらないぐらい心配だったけど
ついに、静が心配して差し入れてくれた
おまんじゅうを五個も
食っちまうのですね。
こんな大変な時もでおなかがすく自分が
うらめしいと・・・いうわけです。
あんたしっかり食べんとおなかの子が
育たへんでとみんなに叱られる
めいこだったのです・・・。
第67話だったと思います。
大阪のめいこさんはそういうことでしたが
東京の花子さんは・・・
そりゃ、被災者で、かよが特に変になって
いました・・・。
1923年大正12年9月1日
その日、花子は朝、英治を見送り
お昼は平祐がくるので歩と一緒に
ご飯を食べる予定だった。
それまでは歩とシャボン玉を
作って遊んでいた。
そのころ、11時50分ぐらい・・
カフェドミンゴでは
郁弥のサプライズ計画で
管弦楽の楽士をよんで
演奏をしながら
かよに、プロポーズをしていた。
「かよさん、あなたは僕の女神です。
僕と結婚してください・・・。」
かよは目をぱちぱちして
驚いた。
しばらく黙っているので、
「かよさん?」と郁弥が聞く。
するとかよは、おもいっきり
「郁弥さんのばかっちょ!!!!!」
と叫んで店を飛び出した。
街角でかよは、どきどきする
胸を静めていた。
「はぁ~~~~~。
恥ずかしかった・・・・。」
★郁弥の派手なプロポーズに動転した
かよは、店を飛び出したが、
気を落ち着かせて、やっぱり店に
帰ろうとしておりました。
そんな時見上げた空に
大きな入道雲があった。
見たこともないほど大きかったのだった。
かよはそれをじっと見つめた。
そんな雲を花子も見ていた。
「見たこともない大きな雲だね・・」
と歩に言うが。
そこへ平祐が来た。
歩は雲を指差した。
「ほぉーーーっ」と
平祐が見上げると
大きく大地が揺れた。
関東大震災だった。
★1923年大正12年9月1日
午前11時58分。
相模湾を震源地とするマグニチュード
7.9の大地震が関東地方の南部を襲い
ました。
花子はその地震に地面に
倒れてしまったが
気が付くと歩も無事だったし
平祐も無事だった。
周りの家は無残にも壊れて倒れてしまった。
さっきまでの穏やかな風景はなく
騒然とした声や
助けを求める声が聞こえてくる。
誰かを呼ぶ声も聞こえてくる。
花子は近所の子供たちが
泣いているのを見た。
「大変・・・。」
花子は歩を平祐にわたして、被害にあった
子どもたちに声をかけた。
「みんな、大丈夫??」
★花子の住んでいた大森はまだ田園地帯で
それほど被害は大きくはなかったのでした。
「おうちの人たちが来るまでみんなで
一緒に過ごしましょう。」
しばらくして、様子を見に行った平祐が
帰ってきた。
家が倒れたり、火事になって焼けたりで
大変な様子だといった。
「英治さんは・・・銀座はどうなんでしょう?」
「さっぱりわからん・・・」
花子は、子供たちの家があった場所に
子どもたちの名前を書いて
うちにあずかっていますと書いた紙を
貼った。
夜になって、そのうちの何人かの
家族が迎えに来た。
また、余震があった。怖がる子供たちに
「大丈夫よ」と声をかけた。
子どもたちは「怖いよ、怖いよ」となく。
「そうだ、面白いお話をしましょう。
なにがいいかな、そうだ・・・
涙さんというお話をしましょう。」
★花子は子供たちを元気づけようと
必死で想像の翼をひろげた。
「昔・・・昔・・あるところによくなく女の子が
いました。あまりよくなくので
涙さんと呼ばれていました。
ある朝、学校へ行く道で
涙さんは泣いていました。
何故だかわかる?」
「学校へ行きたくなかったから?」と
一人の子供が言った。
「そうなの。
学校へ行きたくないわ・・。
そこへ、大きなカエルがやってきました。
おまえのそばにいると池ができそうだ。
なみだの池が・・・」
子どもたちがじっと話を聞いていた。
そこへ、英治が帰ってきた。
花子は英治が無事だったことを
喜んだ。
子どもたちが寝た後
花子は銀座の様子を聞いた。
なにもかも、壊れてしまったという。
火事だったし・・・
ドミンゴもわからない。
会社は壊れてしまった。
社員さんは家に帰したという。
かよも郁弥も行方不明だ。
英治は二人を探しに行ったが
ドミンゴには火が回っていた。
花子は息をのんだ。
「もう一度探してくる・・・」
英治は家を出た。
葉山家では、家が傾いていた。
女中も召使も
みんな地震の恐ろしさで逃げて行って
しまった。
園子は「誰かいないの??」
と、金切り声をあげた。
「みんな金目のものを持って逃げた
んだ・・・」。と伯爵は言った。
そこへ蓮子が来た。
「うばがもう田舎に帰るからと
私の所に純平を連れてきました。」
「乳母まで逃げたか・・・」。伯爵は言った。
そこへ龍一がやってきた。
「行こう、迎えに来たんだ。」
蓮子は純平を龍一に見せた。
龍一は子供を抱いた。
「この子が純平か・・・」龍一は
嬉しそうに言った。
そういって、三人で行こうとしたら
園子が「待ちなさい」という。
伯爵は「もういい、自由にさせてやれ」と
いった。
蓮子は、振り向いて
「お兄様・・・よろしいのですか?」
と聞いた。
「ああ・・・好きにしろ。」
伯爵は言った。
蓮子と龍一は頭を下げて挨拶をして
去って行った。
花子の家にいた最後の子供たちには親が
迎えに来た。
「おばちゃん、また涙さんの話をしてね」
「ありがとうございました・・」
「さようなら・・」
人影があった。
かよがきた。
英治と一緒だった。
花子は走り寄った。
「かよ、無事だったのね。
よかった・・・」
花子はかよを抱きしめた。
「かよ?郁弥さんは??
一緒じゃなかったの??」
かよは、無表情であり
また恐怖を感じているようでもあった。
「かよ???」花子は不安になった。
★ごきげんよう
さようなら・・・・。
*****************
あの郁弥の派手なプロポーズ。
郁弥らしいといえば、らしいですね。
素朴なかよには、冗談がきつかった
かもしれませんが。
でも、かよも郁弥が好きなのではと
思いました・・・。
関東大震災ですか・・・。
これからが大変ですね。
英治の会社が壊れたって・・
再建は大変だと思います。
さてそんなころ、西門めいこは??
やっとのことで和枝を追い出すことができ
和枝は農家に嫁いでいくのですね。
めいこは「ふく」がまだおなかにいたころでした。
その日のことですが、うま介が揺れました・・・。
なんや?とみんなでえらいゆれたなと
いう話をしていたのです。
そのご、東京が全滅かもという
大きな地震があったとのはなしとなった。
市役所でも東京に救援隊を募集したりする
わけですね。
悠太郎は東京の地理に詳しいから
使えますよと自分を売り込み、東京へ
派遣されます。
めいこは実家の家族や東京の友人が
心配で・・・ご飯ものどに
とおらないぐらい心配だったけど
ついに、静が心配して差し入れてくれた
おまんじゅうを五個も
食っちまうのですね。
こんな大変な時もでおなかがすく自分が
うらめしいと・・・いうわけです。
あんたしっかり食べんとおなかの子が
育たへんでとみんなに叱られる
めいこだったのです・・・。
第67話だったと思います。
大阪のめいこさんはそういうことでしたが
東京の花子さんは・・・
そりゃ、被災者で、かよが特に変になって
いました・・・。
