ゆれる思い1
花は英治には妻がいることを知った。
★まさか自分が道ならぬ恋をしていたなんて
思ってみなかった花でした。
★花たちは新しい雑誌の創刊に向けて
大忙しの毎日を送っておりました。
「安東君、これもよろしく」須田が原稿を
持ってくる。
つぎつぎと校正をする花だった。
「あとは宇田川先生だけですね。」と三田。
「あきらめますか?」と須田。
梶原は「宇田川満代の連載は
この雑誌の目玉だから
なんとしても口説き落とそう」と
いう。
「宇田川先生はいま勢いがありますよ。」
三田がほかの雑誌に載っている逢引という
小説をみつけた。
そして読み始めた・・・
ら???
「女の自分から告白したのに
いうんじゃなかった。
あなたを好きですといった。
土砂降りの雨の日に傘をさしかけ
られ、いきなりだきしめられ・・
翌日、忘れてくださいと言われた・・」
「花さん・・・この小説ひょっとして?」
醍醐は花に、聞いた。
ネタにされたんじゃないのかと醍醐は
思ったようだ。
花は気分が悪くなった。
「どうかした?」と梶原に言われた。
そこに宇田川から電話がかかってきた。
いまから連載を書くから
来いというのだ。
編集部は「おおおっ」と歓声が上がった。
「いまから取りに行きます」といって花は
会社を出た。
行った先はドミンゴだった。
到着すると花は宇田川に話しかけようと
したが、彼女は
「話しかけないで。ここまで来たら
いっきに書かせて」という。
花は頭を下げてカウンターに行った。
村岡社長は、「今日はしずかでいいなぁ」と
いう。
かよは、「よかったね、苦労したかいが
あったね」という。
しかし、時間はかかった。
待つこと数時間。
宇田川は集中して書いている。
やっとペンを置いた。
「できたわ!!!」
「先生ありがとうございます。
銀河の乙女ですか
すぐに読んでもいいですか?」
「それが編集者の仕事でしょ。」
「では・・・」
花は読み終えた。
「珈琲お替り!!」
宇田川は言った。
花は「すばらしいです、傑作
です。」という。
「簡単にほめないで。
作家に最高をもとめるのが
編集でしょ。ダメを出しなさい。
ダメを!!」
「ダメだなんて・・・。
そんな・・。」
「ま、みみずの女王に言われても
私は書き直さないから。」
「私はここが好きです」、と花は読み始めた。
「スピカ、スピカ・・
おお私の美しい星よと
ルカはささやきました・・・。
二度とこの地球に帰ってこられなくて
もいいの、その時銀河の女王が
見えないツバサをルカにそっと授け
ました・・・。」
「そこ、実は私も一番気に入っている
の。」と宇田川。
花は「ほんとうにすばらしい。ありがとう
ございました。第二話以降も
楽しみにしています」といった。
村岡社長は、「ごちそうさま」と
いって、かよに、「君のお姉やんも
ようやく編集者らしくなって
きましたね」、といった。
社長は帰って行った。
花は梶原に電話をした。
素晴らしい原稿ができましたと。
梶原は喜んだ。
「時間もないので直接
村岡印刷へもっていってくれ」と
いった。
「え??」
花は驚いた。自分が村岡印刷へもって
いくとなると・・・・
英治にあってしまう・・・。
が、仕事である。
「こぴっと届けるしかないな~~」
と花は思った。
ドミンゴを出たとき宇田川が
後ろから出てきていった。
「あの男は結婚していたのではないかしら?」
「あの男って?」
「だから、抱きしめて翌日忘れてくださいと
言った男よ。作家のかんでは彼には妻が
いたのよ。あなたも大変だったわね。」
「宇田川先生、それは友だちのことで
私は大変では全然・・」
「まぁ頑張って。原稿なくさないで
届けてね~~」
宇田川はそういって去って行った。
花は後姿を見送りながら自分に
「こぴっとしよし」と言い聞かせた。
村岡印刷の事務所に「ごきげんよう、
聡文堂です~」と
いって入って行った。
英治が一人でいた。
「あ、あのこの原稿・・・至急
ニジイロに組版していただきたいのです。」
花は宇田川の原稿を差し出した。
「わかりました。
確認します。」
英治は原稿を見た。
「宇田川先生書いてくださったのですか。
よかったですね。」
「ええ、では、よろしくお願いします。」
頭を下げて花は早々に事務所を出ようとした。
後ろから英治は「できるだけ早く組版して
弟に届けさせます」といった。
花は、そのまま「では、失礼します!」
といって、あわてるように去って行った。
花は、夜になっても眠れない。
いろんなことを考える。
英治のことを考える。
花は起き上がった。
そしてため息をついた。
かよは、目を覚ました。
「お姉やんねむれんの?
今日村岡印刷へ行って大丈夫だ
ったのけ?」と聞く。
「村岡さんのこと?忘れた忘れた!
奥さんがいる人と分ったら
大きくて邪魔な壁みたいに見えだした」という。
かよは、「無理しんでいい」という。
「て?無理だなんて。」
「お姉やんのことだから仕事場でうんとこさ
無理していると思う。
お姉やんが本気で好きになった人だから
簡単に嫌いになれるわけないやん」という。
「だから、自分の前では無理しないで」と
かよは言いたかった。
★二週間後ついにニジイロの創刊号が完成
しました。
郁弥が創刊号を持ってきた。
「よし、いい出来だ!!」と梶原。
「記念すべきニジイロの創刊号の完成を祝って
乾杯!!」梶原はみんなと事務所で簡単な
乾杯をした。
醍醐は「英治さんはこんな日でもいらっしゃら
ないなんて、残念ね」と花に言う。
花はとまどった。
「きっとお忙しいのよ。」
「でも花さんと順調に愛をはぐくんでいるので
しょう?」
「醍醐さん、それはもういいの。」
「いいって?」
梶原は郁弥に、「ずっと英治君を見ないけど
奥さんの病気はそんなに悪いの?」と
聞いた。
醍醐は「奥さん?
英治さんは結婚しているの?」
と驚いた。
郁弥は、「結婚してすぐに胸を患い
まして今も入院しています」という。
醍醐は、花を連れ出していった。
「知っていたの?
大丈夫なの?」と。
「ええ」と答える花だった。
「こんなにロマンチックな挿絵を描いて
下さった人が結婚していたなんて。」
★これからもこの挿絵を見るたびに花は
切ない気持ちになるのでしょうか。
英治は病院に妻を見舞っていた。
病室に入った英治は「香澄」と声をかけた。
「今日はどう?」
窓を見ていた香澄は振り返って
英治を見て微笑んだ。
★このひとが奥さんの香澄さん。
なんと美しい人なんでしょう。
ごきげんよう
さようなら
*****************
花は失恋の痛手を抱えてがんばっています。
嫌でも仕事で会うので、仕方ありません。
宇田川にもネタにされましたし。
忘れようとしても会うので
忘れようがありません。
あれほどもてても、誰も好きに
ならなかった花が
本気で好きになった人です。
これが運命というものでしょうか。
寝れないほど悩んで
悩んで・・・
しかし、結論も出ない。
どうしようもない。
自分の恋は道ならぬ恋になっている
ので成就させるわけにはいかない。
でも、忘れられない・・・・のですね。
こんな恋をしたら、どうする?
煩悩を断ち切るために
仏門に入ります・・・・。
いいえ・・・それは冗談として。
あの、純と愛ですが
コロッと話題を変えます。
いま読み返しても
面白いです。
ありえないほど、はちゃめちゃ
なのが面白いです。
ただ、真ん中放送分で、「ああっもう~~~
うっとぉーしんじゃぁあああああ!!」
と私は怒鳴っていました。
見ているほうもストレスの時が
ありました。
夏菜さん、ご苦労様でした。
花は英治には妻がいることを知った。
★まさか自分が道ならぬ恋をしていたなんて
思ってみなかった花でした。
★花たちは新しい雑誌の創刊に向けて
大忙しの毎日を送っておりました。
「安東君、これもよろしく」須田が原稿を
持ってくる。
つぎつぎと校正をする花だった。
「あとは宇田川先生だけですね。」と三田。
「あきらめますか?」と須田。
梶原は「宇田川満代の連載は
この雑誌の目玉だから
なんとしても口説き落とそう」と
いう。
「宇田川先生はいま勢いがありますよ。」
三田がほかの雑誌に載っている逢引という
小説をみつけた。
そして読み始めた・・・
ら???
「女の自分から告白したのに
いうんじゃなかった。
あなたを好きですといった。
土砂降りの雨の日に傘をさしかけ
られ、いきなりだきしめられ・・
翌日、忘れてくださいと言われた・・」
「花さん・・・この小説ひょっとして?」
醍醐は花に、聞いた。
ネタにされたんじゃないのかと醍醐は
思ったようだ。
花は気分が悪くなった。
「どうかした?」と梶原に言われた。
そこに宇田川から電話がかかってきた。
いまから連載を書くから
来いというのだ。
編集部は「おおおっ」と歓声が上がった。
「いまから取りに行きます」といって花は
会社を出た。
行った先はドミンゴだった。
到着すると花は宇田川に話しかけようと
したが、彼女は
「話しかけないで。ここまで来たら
いっきに書かせて」という。
花は頭を下げてカウンターに行った。
村岡社長は、「今日はしずかでいいなぁ」と
いう。
かよは、「よかったね、苦労したかいが
あったね」という。
しかし、時間はかかった。
待つこと数時間。
宇田川は集中して書いている。
やっとペンを置いた。
「できたわ!!!」
「先生ありがとうございます。
銀河の乙女ですか
すぐに読んでもいいですか?」
「それが編集者の仕事でしょ。」
「では・・・」
花は読み終えた。
「珈琲お替り!!」
宇田川は言った。
花は「すばらしいです、傑作
です。」という。
「簡単にほめないで。
作家に最高をもとめるのが
編集でしょ。ダメを出しなさい。
ダメを!!」
「ダメだなんて・・・。
そんな・・。」
「ま、みみずの女王に言われても
私は書き直さないから。」
「私はここが好きです」、と花は読み始めた。
「スピカ、スピカ・・
おお私の美しい星よと
ルカはささやきました・・・。
二度とこの地球に帰ってこられなくて
もいいの、その時銀河の女王が
見えないツバサをルカにそっと授け
ました・・・。」
「そこ、実は私も一番気に入っている
の。」と宇田川。
花は「ほんとうにすばらしい。ありがとう
ございました。第二話以降も
楽しみにしています」といった。
村岡社長は、「ごちそうさま」と
いって、かよに、「君のお姉やんも
ようやく編集者らしくなって
きましたね」、といった。
社長は帰って行った。
花は梶原に電話をした。
素晴らしい原稿ができましたと。
梶原は喜んだ。
「時間もないので直接
村岡印刷へもっていってくれ」と
いった。
「え??」
花は驚いた。自分が村岡印刷へもって
いくとなると・・・・
英治にあってしまう・・・。
が、仕事である。
「こぴっと届けるしかないな~~」
と花は思った。
ドミンゴを出たとき宇田川が
後ろから出てきていった。
「あの男は結婚していたのではないかしら?」
「あの男って?」
「だから、抱きしめて翌日忘れてくださいと
言った男よ。作家のかんでは彼には妻が
いたのよ。あなたも大変だったわね。」
「宇田川先生、それは友だちのことで
私は大変では全然・・」
「まぁ頑張って。原稿なくさないで
届けてね~~」
宇田川はそういって去って行った。
花は後姿を見送りながら自分に
「こぴっとしよし」と言い聞かせた。
村岡印刷の事務所に「ごきげんよう、
聡文堂です~」と
いって入って行った。
英治が一人でいた。
「あ、あのこの原稿・・・至急
ニジイロに組版していただきたいのです。」
花は宇田川の原稿を差し出した。
「わかりました。
確認します。」
英治は原稿を見た。
「宇田川先生書いてくださったのですか。
よかったですね。」
「ええ、では、よろしくお願いします。」
頭を下げて花は早々に事務所を出ようとした。
後ろから英治は「できるだけ早く組版して
弟に届けさせます」といった。
花は、そのまま「では、失礼します!」
といって、あわてるように去って行った。
花は、夜になっても眠れない。
いろんなことを考える。
英治のことを考える。
花は起き上がった。
そしてため息をついた。
かよは、目を覚ました。
「お姉やんねむれんの?
今日村岡印刷へ行って大丈夫だ
ったのけ?」と聞く。
「村岡さんのこと?忘れた忘れた!
奥さんがいる人と分ったら
大きくて邪魔な壁みたいに見えだした」という。
かよは、「無理しんでいい」という。
「て?無理だなんて。」
「お姉やんのことだから仕事場でうんとこさ
無理していると思う。
お姉やんが本気で好きになった人だから
簡単に嫌いになれるわけないやん」という。
「だから、自分の前では無理しないで」と
かよは言いたかった。
★二週間後ついにニジイロの創刊号が完成
しました。
郁弥が創刊号を持ってきた。
「よし、いい出来だ!!」と梶原。
「記念すべきニジイロの創刊号の完成を祝って
乾杯!!」梶原はみんなと事務所で簡単な
乾杯をした。
醍醐は「英治さんはこんな日でもいらっしゃら
ないなんて、残念ね」と花に言う。
花はとまどった。
「きっとお忙しいのよ。」
「でも花さんと順調に愛をはぐくんでいるので
しょう?」
「醍醐さん、それはもういいの。」
「いいって?」
梶原は郁弥に、「ずっと英治君を見ないけど
奥さんの病気はそんなに悪いの?」と
聞いた。
醍醐は「奥さん?
英治さんは結婚しているの?」
と驚いた。
郁弥は、「結婚してすぐに胸を患い
まして今も入院しています」という。
醍醐は、花を連れ出していった。
「知っていたの?
大丈夫なの?」と。
「ええ」と答える花だった。
「こんなにロマンチックな挿絵を描いて
下さった人が結婚していたなんて。」
★これからもこの挿絵を見るたびに花は
切ない気持ちになるのでしょうか。
英治は病院に妻を見舞っていた。
病室に入った英治は「香澄」と声をかけた。
「今日はどう?」
窓を見ていた香澄は振り返って
英治を見て微笑んだ。
★このひとが奥さんの香澄さん。
なんと美しい人なんでしょう。
ごきげんよう
さようなら
*****************
花は失恋の痛手を抱えてがんばっています。
嫌でも仕事で会うので、仕方ありません。
宇田川にもネタにされましたし。
忘れようとしても会うので
忘れようがありません。
あれほどもてても、誰も好きに
ならなかった花が
本気で好きになった人です。
これが運命というものでしょうか。
寝れないほど悩んで
悩んで・・・
しかし、結論も出ない。
どうしようもない。
自分の恋は道ならぬ恋になっている
ので成就させるわけにはいかない。
でも、忘れられない・・・・のですね。
こんな恋をしたら、どうする?
煩悩を断ち切るために
仏門に入ります・・・・。
いいえ・・・それは冗談として。
あの、純と愛ですが
コロッと話題を変えます。
いま読み返しても
面白いです。
ありえないほど、はちゃめちゃ
なのが面白いです。
ただ、真ん中放送分で、「ああっもう~~~
うっとぉーしんじゃぁあああああ!!」
と私は怒鳴っていました。
見ているほうもストレスの時が
ありました。
夏菜さん、ご苦労様でした。
