さらば修和女学校4
花の学校の前でかよが倒れた。
なぜかよがここにいるのか?
おどろく花だったが・・・。
そのころ、山梨の実家では
かよの製糸工場の関係者が
たずねてきていた。
彼からかよがいなくなったと聞いて
ふじたちは驚いて心配するが
その男は「仕事を前金の分まだ働いてない。
みつからなくても金は利子つけて
返してもらうぞ!」とすごむ。
そして戸をぴしゃりと閉めて帰った。
ももは「おねえやんはどこへいったけし?」
という。
ふじは、「かよ・・・かよ・・・・・」と
我を忘れて名前を呼ぶ。
吉太郎は「おかあおちつけし」というが・・・。
そのころ修和女学校のかよは・・・。
「ごちそうさまでした・・」
と、かよはご飯の箸を置いた。
花はかよがやせたことに心配した。
かよは、製糸工場のことを話す。
朝の5時から夜の八時まで工場の
機械の前に立っているという。
「死ぬほどしんどかったけどおらが
しんぼうできたのはさっちゃんの
おかげだった」という。
機械の前で立ったまま寝てしまいそうに
なったときでもさっちゃんがいたから
ふたりで歌を歌ってはげましあってきた。
が、さっちゃんが病気になって
働けなくなって田舎に帰された・・・。
そのとき、餞別だと言ってかよは
さっちゃんに小銭をわたした。
さっちゃんはかよの手を握って
自分のようになる前にここから逃げろと
いった。
それから一緒に歌を歌ってくれるひとが
いなくなって一日中だまって
機械の前に立っていると
自分が生きているのか死んでいるのか
わからなくなった。
ぷつんと辛抱の糸が切れてしまった・・・。
それでここに来たのだった
「おら死んでも工場には戻らない。
けど、まだ働く期間が残って行って
その分のお金が借金で残っている。
家に帰ったら連れ戻されるだよ」と
かよは泣き出した。
花はかよが不憫だった。
かよは、東京で働いて借金を
返すつもりだという。
「だから家には知らせないで。」
「かよ・・・」
花はかよにゆっくり休んでという。
「醍醐さんが今夜はここに泊まっていいって。」
「ほんどけ?このフカフカの布団で寝て
いいだけ?」
「いいだよ・・・。」
かよは笑った。
花はかよの寝顔をじっと見ていた。
翌朝、花はかよに言った。
実家にかよを返さない。
花も東京で仕事を探すから
一緒に東京で暮らそうという。
そこに醍醐がサンドイッチをもって
やってきた。
「これはなに?」
かよが聞く。
「これは西洋のパンだよ。」
「うめぇ~~~」かよは嬉しそうに
食べた。
そこへドアがノックされた。
三人はあわてたが
どうみてもかよを隠せるわけがない。
茂木は部屋にやってきて
草履を見た。
「この履物醍醐さんのではありませんね。」
かよがいることがばれた。
実家には茂木から電報が届いた。
かよが無事だという知らせだった。
実家では、どうして女学校に
かよがいるのかと不思議がったが。
答えが出ない。
吉太郎が自分が迎えに行くというが
ふじはここは母親として自分が行くと
いった。
周造はふじが汽車に乗ったことがないので
心配した。
汽車賃は徳丸に借りにいった。
徳丸は製糸工場の前金も
払ってくれた。
「子を思う気持ちはわしにもわかる。」
徳丸はそういうが
吉平がどうなっているのかという。
三年も行商に出て行ったきり
帰ってこないというが
ふじは二年と十か月ですと
訂正した。
「大した違いはない。
苦労するな~~」
徳丸は天井を見て行った。
「あんな薄情な亭主とは
別れたほうがいい、なんならわしが面倒見て
やっても・・・・」
そういって、ふじのほうを見たが
ふじは、すでにいなかった・・・。
★そのころ福岡の石炭王に嫁いだ蓮子は
夫や娘たちを教育しなおそうと孤軍奮闘を
しておりました。
なにしろ、食事のフォークとナイフの使い方から
できてないのだ。
かちゃかちゃと音を出すわ、伝助は皿を片手に
ハムエッグをすすって食べるわ・・・
蓮子は「どうぞ、冬子さん」といって牛乳を
コップについだ。
「うちは牛乳はすかん」
すると伝助は気を使って
「牛乳を飲むと西洋人のように色が白くなるぞ」と
いう。
「それは違います。
体は丈夫になりますが、色が白くなるとは
どの本にも書いていません。」
「わしは本は嫌いだ。」
「間違ったことを子どもに教えるのは
いけません。」
伝助はなにもいえない。
冬子はこちそうさんといって
「とっちゃん、行ってきます」
といった。
伝助は、「おお、行って来い」というが。
「とっちゃんではなく、お父様と言いましょう。
冬子さんはもう大きいのですから。」
冬子はじろっと蓮子を見た。
そして何も言わずにどんどんと廊下の音を
ならして、出て行った。
台所では女中がしらが、旦那様が気の毒だ
という。
「あんなに気取った人と一緒だと息もできないし
おならもできん。」
そういって大爆笑をした。
が、すぐに真顔になって「お姫様はなぜ自分の思い通りに
せな、気がすまんとやき。」
という。
「そうですたい。」
女中がいった、がその目線は違う方向だった。
その方向に蓮子がいた。
蓮子はじっと見ていたが、女中たちが
気が付いたので、去って行った。
★花はかよと東京で暮らすことを考え
本腰を入れて就職活動を始めました。
緊張しながら花はあの出版社を尋ねた。
梶原はもう卒業かという。
そして
出版社は忙しいから女の子にはおすすめできない
という。
花は体力には自信があるからという。
「小間使いでも何でもします。」
梶原は花が翻訳もできる優秀な小間使い
だったことを思い出した。
「上に掛け合ってみるよ」といってくれた。
花は「よろしくお願いします」と頭を下げた。
一方初めて東京にやってきたふじは・・・
学校の廊下を荷物を肩にかけて
あるくふじ。
生徒たちは「ごきげんよう」とふじに
声をかける。
目を丸くして驚くふじだった。
そしてふかぶかとおじきをした。
ふじはかよにあって、痩せて色が白くなった
ことを心配した。
「おかあおら工場には戻らない。
あんなとこ死んでも戻らない。」
「うちに帰ってこいし」
「けーらねぇ
おら、もう貧乏は嫌だ。東京で仕事をを見つける。
東京なら何ぼでも仕事があるし
おねえやんもいるし」
というが、ふじは理解できない。
「花は、もう卒業だから甲府にもどって
くるだよ・・・」とふじは当たり前のように言う。
そこへ花が帰ってきた。
久しぶりの再会を喜んだ。
花が出版社に行っていたことを知ると
ふじは驚いた。
花は卒業したら東京にいたいといった。
だから就職活動をしているという。
ふじは、驚いたが
花の好きにしろと言った。
そのやりとりをみてかよは安心した。
★花はおかあの本当の気持ちをわかって
ないようです。
ごきげんよう
さようなら・・・。
**********************
2日も・・
ブログの更新ができていなかった。
忙しいと言えば忙しい。
何でだろうね・・・????
ちょっと、花粉アレルギーもあるかも。
このところ朝は寒くても昼間は驚くほど
暑い。
それとブログは何の関係もないけど。
さて、花の就職活動はかよによって
決意させられたのだった。
東京で就職するというのは、自然な
流れではないかと思う。
都会では仕事が多いのは
当然である。
甲府に帰れば、農業しかない。
すると、また貧乏で借金生活である。
一番大事な食を支えているのに
なぜか労働環境が悪い。
ふじは、なぜ花は卒業したら
甲府に戻ってくると
思っていたのだろうか???
あれほど勉強ができるのに
なぜ、あたりまえのように実家に帰って
農業をすると決めていたのだろうか?
勉強を生かして何か仕事をと思わなかった
のだろうか。
その辺が子供を守れない無知で無学な
力のない母親なのである。
だから花が子供のころ方向へ行くといった
ら、そうなりかけて、実際は吉太郎が
行くことになったが、子供にすごく
苦労させている。
その中で吉平の存在がきわめて異色である。
彼がいなかったら、村岡花子はいなかった
であろう。
無知で無学な周造とふじの中にあって
居心地は悪いけど、吉平は
その子をよく見ているし、期待もしている。
それよりも、母親としてあたたかさを
もっているふじが無知で無学で無力な
母親であることが不憫でならない。
またイラつくのである。
花の学校の前でかよが倒れた。
なぜかよがここにいるのか?
おどろく花だったが・・・。
そのころ、山梨の実家では
かよの製糸工場の関係者が
たずねてきていた。
彼からかよがいなくなったと聞いて
ふじたちは驚いて心配するが
その男は「仕事を前金の分まだ働いてない。
みつからなくても金は利子つけて
返してもらうぞ!」とすごむ。
そして戸をぴしゃりと閉めて帰った。
ももは「おねえやんはどこへいったけし?」
という。
ふじは、「かよ・・・かよ・・・・・」と
我を忘れて名前を呼ぶ。
吉太郎は「おかあおちつけし」というが・・・。
そのころ修和女学校のかよは・・・。
「ごちそうさまでした・・」
と、かよはご飯の箸を置いた。
花はかよがやせたことに心配した。
かよは、製糸工場のことを話す。
朝の5時から夜の八時まで工場の
機械の前に立っているという。
「死ぬほどしんどかったけどおらが
しんぼうできたのはさっちゃんの
おかげだった」という。
機械の前で立ったまま寝てしまいそうに
なったときでもさっちゃんがいたから
ふたりで歌を歌ってはげましあってきた。
が、さっちゃんが病気になって
働けなくなって田舎に帰された・・・。
そのとき、餞別だと言ってかよは
さっちゃんに小銭をわたした。
さっちゃんはかよの手を握って
自分のようになる前にここから逃げろと
いった。
それから一緒に歌を歌ってくれるひとが
いなくなって一日中だまって
機械の前に立っていると
自分が生きているのか死んでいるのか
わからなくなった。
ぷつんと辛抱の糸が切れてしまった・・・。
それでここに来たのだった
「おら死んでも工場には戻らない。
けど、まだ働く期間が残って行って
その分のお金が借金で残っている。
家に帰ったら連れ戻されるだよ」と
かよは泣き出した。
花はかよが不憫だった。
かよは、東京で働いて借金を
返すつもりだという。
「だから家には知らせないで。」
「かよ・・・」
花はかよにゆっくり休んでという。
「醍醐さんが今夜はここに泊まっていいって。」
「ほんどけ?このフカフカの布団で寝て
いいだけ?」
「いいだよ・・・。」
かよは笑った。
花はかよの寝顔をじっと見ていた。
翌朝、花はかよに言った。
実家にかよを返さない。
花も東京で仕事を探すから
一緒に東京で暮らそうという。
そこに醍醐がサンドイッチをもって
やってきた。
「これはなに?」
かよが聞く。
「これは西洋のパンだよ。」
「うめぇ~~~」かよは嬉しそうに
食べた。
そこへドアがノックされた。
三人はあわてたが
どうみてもかよを隠せるわけがない。
茂木は部屋にやってきて
草履を見た。
「この履物醍醐さんのではありませんね。」
かよがいることがばれた。
実家には茂木から電報が届いた。
かよが無事だという知らせだった。
実家では、どうして女学校に
かよがいるのかと不思議がったが。
答えが出ない。
吉太郎が自分が迎えに行くというが
ふじはここは母親として自分が行くと
いった。
周造はふじが汽車に乗ったことがないので
心配した。
汽車賃は徳丸に借りにいった。
徳丸は製糸工場の前金も
払ってくれた。
「子を思う気持ちはわしにもわかる。」
徳丸はそういうが
吉平がどうなっているのかという。
三年も行商に出て行ったきり
帰ってこないというが
ふじは二年と十か月ですと
訂正した。
「大した違いはない。
苦労するな~~」
徳丸は天井を見て行った。
「あんな薄情な亭主とは
別れたほうがいい、なんならわしが面倒見て
やっても・・・・」
そういって、ふじのほうを見たが
ふじは、すでにいなかった・・・。
★そのころ福岡の石炭王に嫁いだ蓮子は
夫や娘たちを教育しなおそうと孤軍奮闘を
しておりました。
なにしろ、食事のフォークとナイフの使い方から
できてないのだ。
かちゃかちゃと音を出すわ、伝助は皿を片手に
ハムエッグをすすって食べるわ・・・
蓮子は「どうぞ、冬子さん」といって牛乳を
コップについだ。
「うちは牛乳はすかん」
すると伝助は気を使って
「牛乳を飲むと西洋人のように色が白くなるぞ」と
いう。
「それは違います。
体は丈夫になりますが、色が白くなるとは
どの本にも書いていません。」
「わしは本は嫌いだ。」
「間違ったことを子どもに教えるのは
いけません。」
伝助はなにもいえない。
冬子はこちそうさんといって
「とっちゃん、行ってきます」
といった。
伝助は、「おお、行って来い」というが。
「とっちゃんではなく、お父様と言いましょう。
冬子さんはもう大きいのですから。」
冬子はじろっと蓮子を見た。
そして何も言わずにどんどんと廊下の音を
ならして、出て行った。
台所では女中がしらが、旦那様が気の毒だ
という。
「あんなに気取った人と一緒だと息もできないし
おならもできん。」
そういって大爆笑をした。
が、すぐに真顔になって「お姫様はなぜ自分の思い通りに
せな、気がすまんとやき。」
という。
「そうですたい。」
女中がいった、がその目線は違う方向だった。
その方向に蓮子がいた。
蓮子はじっと見ていたが、女中たちが
気が付いたので、去って行った。
★花はかよと東京で暮らすことを考え
本腰を入れて就職活動を始めました。
緊張しながら花はあの出版社を尋ねた。
梶原はもう卒業かという。
そして
出版社は忙しいから女の子にはおすすめできない
という。
花は体力には自信があるからという。
「小間使いでも何でもします。」
梶原は花が翻訳もできる優秀な小間使い
だったことを思い出した。
「上に掛け合ってみるよ」といってくれた。
花は「よろしくお願いします」と頭を下げた。
一方初めて東京にやってきたふじは・・・
学校の廊下を荷物を肩にかけて
あるくふじ。
生徒たちは「ごきげんよう」とふじに
声をかける。
目を丸くして驚くふじだった。
そしてふかぶかとおじきをした。
ふじはかよにあって、痩せて色が白くなった
ことを心配した。
「おかあおら工場には戻らない。
あんなとこ死んでも戻らない。」
「うちに帰ってこいし」
「けーらねぇ
おら、もう貧乏は嫌だ。東京で仕事をを見つける。
東京なら何ぼでも仕事があるし
おねえやんもいるし」
というが、ふじは理解できない。
「花は、もう卒業だから甲府にもどって
くるだよ・・・」とふじは当たり前のように言う。
そこへ花が帰ってきた。
久しぶりの再会を喜んだ。
花が出版社に行っていたことを知ると
ふじは驚いた。
花は卒業したら東京にいたいといった。
だから就職活動をしているという。
ふじは、驚いたが
花の好きにしろと言った。
そのやりとりをみてかよは安心した。
★花はおかあの本当の気持ちをわかって
ないようです。
ごきげんよう
さようなら・・・。
**********************
2日も・・
ブログの更新ができていなかった。
忙しいと言えば忙しい。
何でだろうね・・・????
ちょっと、花粉アレルギーもあるかも。
このところ朝は寒くても昼間は驚くほど
暑い。
それとブログは何の関係もないけど。
さて、花の就職活動はかよによって
決意させられたのだった。
東京で就職するというのは、自然な
流れではないかと思う。
都会では仕事が多いのは
当然である。
甲府に帰れば、農業しかない。
すると、また貧乏で借金生活である。
一番大事な食を支えているのに
なぜか労働環境が悪い。
ふじは、なぜ花は卒業したら
甲府に戻ってくると
思っていたのだろうか???
あれほど勉強ができるのに
なぜ、あたりまえのように実家に帰って
農業をすると決めていたのだろうか?
勉強を生かして何か仕事をと思わなかった
のだろうか。
その辺が子供を守れない無知で無学な
力のない母親なのである。
だから花が子供のころ方向へ行くといった
ら、そうなりかけて、実際は吉太郎が
行くことになったが、子供にすごく
苦労させている。
その中で吉平の存在がきわめて異色である。
彼がいなかったら、村岡花子はいなかった
であろう。
無知で無学な周造とふじの中にあって
居心地は悪いけど、吉平は
その子をよく見ているし、期待もしている。
それよりも、母親としてあたたかさを
もっているふじが無知で無学で無力な
母親であることが不憫でならない。
またイラつくのである。
