エーゴってなんずら?2
★花の修和女学校での生活が始まりました。
★では、寄宿生の一日のスケジュールをざっと
ご紹介しましょう・・。
朝六時 起床のベルが鳴ったら速やかに起床。
きちんと身支度を整えて7時から朝食をいただきます。
花は食堂でいただく朝食を見て驚いた。
プチトマト、お味噌汁、ごはん、焼き魚・・・
「で?これが朝食け???」
花にとってはすごいディナーのようなものなのだろう。
★食後、8時に講堂に集合し礼拝に参列します・・・。
「イエスキリストの御名によってお祈りいたします。
アーメン・・」
「アーメン・・・。」
やがて9時から授業がはじまる。
★午前中は日本語の授業です。
昼食をはさんで午後からは、いよいよ英語の授業です。
「グッドアフタヌーン、イン マイガールズ。」と先生が
教室に入ってくる。
「ハワアーユーツディ?」
「ファインサンキューミスブラックバーン・・・」
花はなんのことやらぽけっとしている。
みんなの後をついていくしかない。
富山はブラックバーン校長が考案したという
50の問いをそれぞれにきくので
答えるようにという。
★50センテンスというのは朝起きて夜寝るまでの
一日の行動をこまかくつづった50の英文です。
修和女学校の生徒がこれを暗誦することで
規則正しい生活とともに英文の基本を身に着けるのです。
校長が生徒をあてて順番に問いに英語で答える生徒たち。
醍醐綾子は花にいう。
「とてもついていけないわ・・・」
「おらもだ・・・」
「Miss Daigo!When did you get up?」
校長が綾子を指名した。
綾子は立ち上がり、考えながらいった。
「I got up 6 o’clock todey.」
校長は「very good」といった。
富山は、英語はどこで学んだかを聞いた。
綾子は貿易商の父に教わったという。
花は見とれていた。
すると「MIss Ando!」と校長が花を呼んだ。
「When did you get up?」
花はなんのことやら?と思った。
富山は、「花に校長がおまけをしてくださって
醍醐さんと同じ質問をされました」といった。
花は立ち上がったが答えられない。
校長はつかつかと花のところに来た。
花はつまってしまったが、
そうだと思い出した。
「Good morning!」といった。
富山は、怒って「ふざけているの?」と聞く。
花はここへ来る途中でのことを言う。
「お・・・わたくしも おとうに 教わりました。」
朝はグッドモーニング
昼はグッドアフタヌーン
夜はグッドイブニング・・・・を
覚えていると何とかなるという話だった。
クラス中大笑いとなった。
「花さんてほんとうにおもしろいわ~~~」と
綾子が言って笑った。
★5時半から夕食・・・今日は週に一度洋食にディナーが
ふるまわれる日です。
花はナイフとフォークがわからない。
茂木は「ナイフとフォークを使ったことは?」と聞く。
「ないです。どうするのか教えてくれっちゃ。」
すると言語教育係の白鳥が
「どのようにするのか、教えていただけますか?」
と直す。
「ど、どのようにするのか・・・おしえて・・・いた?
いた・・・・・」
★花が話すたびに言語矯正会の会長白鳥に
言葉の間違いを指摘され・・・・
するとあちらのテーブルで食事をしていた
西洋人の先生がたちあがって、花のところに来た。
★でももっとこわいのは・・・
「Yeah!light me showe you」
西洋人の先生に英語で話しかけられる
ことでした。
ナイフは右手、フォークは左手、
そして・・・と手を取って肉を切る指導をして
くれるのはいいのだが・・・
花は、どこにいても緊張してうまく呑み込めない。
「さっぱりわからない・・・」といいながら
肉を切るが・・ころころところがって
富山のところまでころがったので
富山に、にらまれた。
★花にとっての恐怖は金曜日です。
週に一度のイングリッシュスピーキングデーは
外国人教師とどこであっても英語で話さなくては
ならないのです。
綾子と二人で廊下をあるくと向こうから
先生が来た。
先生は、「もう学校にはなれましたか?」(英語)
と聞く。綾子は「はい、」(英語)と答えるが
ハワアーユー?と花にも聞く・・・。
花は、答えられず、まわれ右をして
逃げ出した。
すると、向こうから、校長と富山が来た。
花はまた回れ右をして走り出した。
校長は「廊下は走ってはいけません(英語)」というが。
その声を聴いて教室のドアがあき
別の先生が花を捕まえた。
「はなしてくりょ、いたた、はなしてくりょ。」
「なぜ逃げるのですか?」(英語)
と校長がきく。
花は「英語がわからないから・・・」
「英語で答えなさい!」と富山がいう。
花は「ここに来たのは本を読みたいから
だという。なんでこんな目に合わないと
いけないのか。もうかんべんしてくりょ!」
と、また逃げようとしたら別の先生につかまり
校長からは
「ゴーツーベット!」と言われた。
これは、
布団の中にいろということ。
つまり食事もできないのである。
★ゴーツーベッドというのはブラックバーン
校長の最大級のお仕置きです。
茂木は寝ている花に語った。
「目をつぶって心を落ち着けて
一人でよく反省をしてください。」
花は目をつむった。
茂木は出て行った。
目をつむると甲府の山々がみえて
みんなと遊んでいる風景が見えた。
「みんなどうしているかな?
あいてーなー・・・」
そのころ、実家には、はなから
ふじに手紙が来た。
喜ぶふじたち・・・。
そこへ朝市が「こんにちわ~~」と来た。
ふじは、ちょうどいいところへ来たと
いった。吉平がいないので
手紙を読める人がいない。
朝市に読んでくれという。
朝市は、「花からの手紙?」といいながら
声に出して読んでくれた。
花は家族全員に元気かと呼びかけ・・
おらも元気だという。
毎日ごちそうを食べて元気でやっていると
かいてあった。
だから心配しないでくりょ、みんな元気で。
元気な花子より・・・。
その文面からふじは、元気という言葉が
多いことに心配をした。
そのころ、花はお茶の時間で
クッキーをいただいていた。
綾子は、外国の先生が焼いたクッキーを
食べながら「さすが本場の味ね」と
いった。
「こんなうめーもん、うちのみんなに
食わしてやりてーなー。」
花はつぶやいた。
そこに、茂木が綾子にと手紙を持ってきた。
ロンドンにいるご両親からという。
花にも来た。
「で?おっかー??」
ふじは、朝市に代筆をしてもらったらしい。
ふたりはそそくさと部屋帰って手紙を読んだ。
『お便りをありがとう、朝市に頼んで
かいてもらったよ。
花、ふんとに元気にしてますか?
花は辛抱強いけど、あんまり辛抱し過ぎるなよ
たよりに、元気、元気と書いてあると
かえって心配になるだよ。
辛いときは辛いといっていいだよ、
離れていてもおかあは花の味方じゃ。
体にきーつけるだよ~~
おかあより・・・』
花はじっと手紙を見た。
おかあより・・・・その字の存在に
胸が痛くなった。
「おかあ・・・・・」
花は声を上げようとしたが
それよりも大きな声で綾子が泣いた。
「お母様・・・!!!」
「醍醐さん大丈夫け?」
「大丈夫じゃないわ。
わたくし、毎晩こうやって泣いていたの。
みんなに、聞こえないように・・・。
お母様・・・お父様・・・
あいとうございます・・・・。」
綾子は机にうつ伏して泣いた。
「おらも、おっかあにあいてー。」
★すっかりここになじんで見えた同級生も
実は花とおなじくらいホームシックにかかっていたのです。
その様子をうかがう茂木が廊下にいて
そして去っていった。
花は「おっかー」と泣いた。
「あいてーよーぉ」
すると白鳥が
「あいてーよーではなく
お会いしとうございます!」という。
★うるせー!!!
と、心の底で叫ぶ花でした。
ごきげんよう・・・
さようなら。
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いきなり英語はないでしょ?
しかし、面白い学校ですね。
日頃の会話も英語なら
上達しますね。
白鳥もいい味を出していますね。
あの・・・女芸人さんですね。
ハリセンボンの春菜さん。イノッチが
お気に入りのキャラです。
しかし、
かたほうで綾子がお父様、お母様とないて
こっちは花が
おっかーというのって
面白いです。
ホームシックは平等なんですね。
これから花が英語をどうやって
自分のものにするのでしょうか。
楽しみです。
