花子と呼んでくりょ6

それから時がながれ花は10歳になった。
背負っていたももは、姉たちのあとを追って
歩くようになり
花とかよは、相変わらず家の手伝いに
いそしんだ。

★花はいつか大好きな本を思いっきりよんでみたいと
いう、夢を秘めながら上の学年へあがりました。
そこへ奉公へ行っていた吉太郎が帰ってきました。

「ここはちっともかわんねぇ~~」といいながら
家に、帰ってきた。

★三年の任期奉公が明けたのです。

「おかあ~ただいま」

「げんきにしとったけ?」とふじ。
「ああ、死ぬほどこき使われたけどな」

「おみやげは?」と、妹。

「羊羹じゃ~~」

吉太郎が荷物から羊羹を出すと
みんな、わぁ~~と叫んだ。

夕食では、たくさん食べろと
ふじがいう。

「奉公先では腹いっぱい食えただけ?」

とふじがご飯をよそいながら聞くと
吉太郎は、自分が一番年下だから
遠慮しろといわれたと言う。

「てぇーへんだったなぁ~~」とふじ。

この年頃の子が食べることも遠慮して
おなか一杯にならないで、こき使われて
どれほど辛かったことだろうと思う。

「しっかり食えっし。」とふじ。

みんなうれしそうに食べた。

そこへ

「けーったぞ~~」と吉平が帰ってきた。

花が、「おっとう、兄やんがけーってきたし」。

というと、吉平が、「奉公が開けたか~~」という。

吉太郎は、振り返って吉平をにらみつけた。

翌日・・・
吉太郎が庭でまきわりをしている。
周造は、りんにその話しをした。

父親と息子の折が悪いと言う話から
「ふじちゃんはなんであんな変わり者と一緒に
なったずら?」とりんはいう。

そこへ、ふじがお茶を持ってくる。

そして、吉平とであった頃のことを話す。

「あんなよそもんといっしょにならなくても
ましなのいたのに」とりんがいうと
ふじは、「よそもんだからひっかかってしまった」
と・・・。

花は野良から帰ってきたところだった。
その話を興味深く庭の端で聴いていた。

であったころ、もうお彼岸なのに
暑い日のことだったという。

ブドウ畑でふたりはであった。

吉平は荷物を背負って歩いてくる。

ふじは、畑仕事に歩いてくる。

すれ違いざまに、吉平は
「娘さん、くしやかんざしはイランかね?」

と聞く。

ふじは、「くしもかんざしも・・・いらん・・」という。

すれ違ってしばらくするとふじのうしろで
大きな音がした。

吉平が倒れた。

水もなかったので、ぶどうをしぼって
飲ませてやった。

「あまい・・・・。」

吉平が生き返った・・・。

吉平は行商で各地へいっていたので
どこへも行ったことのないふじは、吉平の話に
夢中になった。

鎌倉の海のこと。
「男も女も水浴びをしてきゃっきゃっといって・・」
そんな話をじっときくふじ。
「おら、海なんか見たことないから今楽しい。」

すると吉平はくしを出した。

江戸の職人がこさえたくしだ。

髪にさすと吉平は、「よく似合う」と言った。

花はそんな話を聴くと喜んだ。
「親指姫と王子様のようだ!!!」

と。

花がきいていたことにふじも、周造も
りんも、驚き子供に聞かせる話ではないと
笑った。

周造は、吉太郎を連れて畑へ行った。
りんも、さっていった。

花はふじにいった。

「おかあがおとうをすきになったんは
おらが本をよんでいる気持と同じじゃ。」

ふじは、どういうことだと聞く。

「本をよんでいるといったことのない場所や
みたことのない景色がどんどん浮かんでクルだ。
じっといられないほど、ここがどきどきして
熱くなる・・・。」

「はな・・・おもいっきしほんをよみたいか?
うんと本がある家に住みたいか?」

「おらの夢のなかの話じゃ・・・。」
花はそう答えた。

ふじは、じっと花を見てそして
考えるように空に目をやった。

花はどうしたのかと驚いた。

ふじは、何かを思ったようだった。

その夜のこと、ふじは、「おとうやん、
おねげーがあります。」

という。

「花の夢をかなえてやってくりょ。
花を東京の女学校にいかせてやってくりょ。」

おどろく周造。

「ずっと考えていたよ。このこの夢をかなえてやりたい
と、思っていた。
花はずっと家の手伝いをしてきた。
自分が遊びたいのを我慢して、妹の子守をした。
ふんとにふんとにいいおねーやんだ。

これからは、花の好きなようにやらせてやりたいだよ。
吉太郎も帰ってきたし。
このきかいに花を東京へ行かせてやってくりょ。」

「おかあ・・・・」花は驚いた。

「おねげーします、おとうやん。」
ふじは、頭を下げた。
吉平も頭を下げた・・・・。

「おねげーします。」

周造は黙って立ち上がって自分の部屋へ行った。

その夜、藁仕事をする周造の横に花は
やってきた。

「ずっとおじいヤンのそばにいるよ。
約束したじゃんか。」

「そうか、そうか・・・。
だがな、あのおかあやんはがんごで
いちどいいだしたらぜっていきかん。
富士山と一緒ずら。
てこでもうごかんし
たまに噴火する。名前がふじだからな。」

そういって、周造は花の頭をなでた。

翌日、ふじは周造が許してくれたと
喜んで吉平に話す。
良かった、よかったと
喜ぶ夫婦。

コトの大きな展開に
驚くばかりの花だったが・・・。

おめでとう、おめでとうと
二人に言われた。

ぽかんとする花だった。

「どうした花、もっとうれしそうな顔をしろ」
と吉平が言う。

★・・・と言われても花は実感が涌きませんでした。

やがて小学校で花が東京の女学校へ
いくという話を先生がした。

★そしてみんなにさようならを言う日
がやってきました。

「安東・・・」と先生が呼ぶと
花は立ち上がり教室の前に進んで行って
みんなのほうを向いた。

「みんなもしってのとおり花は東京の女学校へ
転校になりました。今日で最後ジャンね。」

「みなさん、いろいろありがとうごえした。
この学校のこともみんなのことも決して
わすれんさ・・・。」

ぺこっと頭を下げる花。

みんなの
さみしそうな顔・・・
朝市、武・・・

みんなが黙っているので先生は
「どうした?今日で最後ずら。
なんかいえし。」

朝市はじっと考えて机の上に正座した。

それは、花がはじめて学校へ来た日
「とりあえずここに座れ」と
先生が机をゆびさして言った
ので、花は机の上に正座したことがあった。

「花のことは決して忘れんさ。」と朝市。

すると、みんなひとりひとりが

朝市のように机の上に座る。

「はなちゃん・・」

「さいなら・・・」

「はなちゃん・・・」

いいながら、みんな机の上に正座する。

「みんな・・・あの・・・」と涙声で
何かを言おうとした。

「お前の言いたいことぐらい分かるさ。」
と武が言う。

「おらのこと花子と呼んでくりょ、だろ?」

花は頭を下げて・・なきながら

「そうずら・・・」といった。

やがて

学校を去る花。

その後ろから

みんな、手を振ってくれた

「安東・・・」

「花ちゃん~~」

「元気でいろっし・・」

「さよならぁ~~~~~~」

みんな、なきながら

くちぐちにいいながら

手を振った。

花も手を振った・・

笑いながら・・・

そして

泣きながら・・・・・

お別れをした。

★こうして、10歳の花は故郷を旅立ちました。
曲がり角の先には何が待っているのでしょう?

この続きはまた来週・・・・

ごきげんよう・・・

さようなら・・・・。

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ふじたちの出会った頃の思い出話。
ふじはあのどきどきする楽しい時間を
花は本を読むときに感じていることを
知った。

あのどきどきする、楽しい時間は
ふじのとって、宝物だったのでは。

その時間を今、花が本を読むことで
感じているのだったら
それを大切にしてやりたい・・・
学はないながらも
ふじは、吉平のいうことが理解できた。

本をいっぱい読ませてやりたい。

周造も、理解してくれた。

花の人生の曲がり角がやってきた。

花はここを曲がろうとしている。

この先にはなにがあるのか・・・???

それは分からないけど・・・。

こうして、ふるさとに別れを告げた。

方言丸出しの貧乏な娘が
東京の女学校へ行って

大丈夫かな???と心配だけど
花は大丈夫なんだろうと
思う。

花子とアン・・・・

放送から一週間がたった。

村岡花子がアンだったのかと思うと

花子がアンとであってどう思ったのか
そのときの様子を知りたくなる。

原作「アンのゆりかご」は、売り切れ中である・・・・(残念)

この放送の影響なんだろうか?

昨日は放送を見るだけで時間がなくて
本日のアップとなった。

土曜日って・・・なぜに朝から忙しいのかと
残念な気がする。

朝から、京都の原谷へ桜見物に行った。

たくさんの桜を集めている庭園である。

場所は仁和寺の北・・・金閣寺の裏ぐらい
かな?

たくさんの桜を見れて、うれしかったが・・

桜は、そんなところへいかなくてもみれる。

並木道も

公園も・・・

街角にも・・・

大変美しく咲いている。

ちょっと寒いがお花見には
いい日である。

またこんな季節になると無性にお寿司が
食べたくなる。

にぎりではなく、ちらしでもなく
巻き寿司である。

ちょうど、いただいた巻き寿司が
すごくおいしかった。

ごぼうとかまぼこがメイン。

ごぼうが香ばしい。
かまぼことよく合う。

お酢の加減もいい!!

ラッキーである。
では、良い週末を。