とんだごちそう5
ヤミ(モリス)を蔵座敷に迎えて
日本料理を出しためいこ。
それはそれでよかったけど
すべて甲子園大会のためだった。
なのに、その点にあっては自分たちで
何とかしろとの話となった。
自分たちで勝利を勝ち取ったほうが
いいだろう?なんていわれても・・
モリスの口ぞえがいただけない。
蔵座敷でめいこたちは困り果てた顔をして
話し合った。
希子は、ヤミことモリスがハイスクール時代の新聞を出して
そこに小さな巨人、カーチスの話が載っていた。
かれが、GHQにいる甲子園大会を中止した
人物カーチスだった。
彼は甲子園開催有無の決定権を持っている。
彼は大変才能のアル選手であったけど
体が小さいためプロにはなれなかった。
その後別の人生を歩むに当たっては
かなり苦労されたらしい。
つまり、プロ野球の選手になれないなら
学生野球は意味がないと思っているのかと
静は言うが。
「なんか悲しいな~」と泰介。
「結果はどうあれ熱中することに意味がある」と
泰介。
ヤミのメッセージはもうひとつ、カーチスは
アイスクリームには目がないというので
参考にするようにといわれたと希子は言う。
めいこは、活男が一緒にアイスクリンを作ろうなと
いったことを思い出した。
そしてあることを思いついた。
さっそく材料、器具を持ってうま介の店に行った。
うま介に手伝ってもらって
アイスクリームを作るのだった。
卵を溶いて、すこしづつミルクを入れる。
それをかき回す・・
その繰り返しをするのだが、活男が小さいとき
いっしょに、「くるくる~~~~」とか
「のびのび~~~」とか言って作った。
うれしそうな活男を思い出した。
さて・・・
GHQへいった泰介、希子、諸岡、川久保・・などなど。
カーチスの前にお土産ですと言って
二種類のアイスクリームを置いた。
ひとつは卵の黄身で作ったアイスクリーム。
多少、黄色い色がある。
もうひとつは白身で作ったアイスクリーム。
真っ白である。
泰介は、二つを進めた。
カーチスは二つを交互に食べて
どっちもおいしいと言う。
泰介は言った。
「野球もそのようなものだと思います。
学生野球もプロ野球もどちらもすばらしい。」
意外な顔をするカーチス。
野球は戦時中敵性スポーツだと非難されたが
泰介たちは敗れたボールに紙をつめてでも
野球をやったことを話した。
「なぜなら、野球がスキだったから。
僕たちは全員プロになれないけど
あの時間の価値が損なわれるわけではないです。
仲間と一緒にすごした日々は抑圧のなかで
最後まで白球を追いかけた日々は
自分たちの自信になっています。
その自信はこれからの人生の折々に
僕たちを支えてくれると思います・・。」
川久保はトムカーチスの話をした。
「かれは、小さな体でも特大のホームランをうったこと。
9回の裏絶体絶命のピンチで彼が見せた
アーチに僕たちは勇気をもらった。
ありがとう、小さくて大きなトム。」
泰介は
「あなたもそうだったのではないですか。」と聞く。
カーチスはアイスクリームを食べ終えた。
そして・・・・。
うま介の店では、甲子園大会再開決定の
祝賀会が開かれた。
諸岡は大吉を抱き上げて、「おまえ甲子園へいけるぞ」と
いう。
めいこは、活男の手帳を出して
「活男!おおきに!!!」と叫ぶ。
泰介も、「活男、おおきに」と叫ぶ。
その場からふ久が消えた。
ふ久はふらふらとあるきながら、祖父正蔵を思い出して
いた。
小さいとき祖父から教わった、見えない力・・・。
この世界には見えない力がいっぱいあるという
話を興味深く聴いたあの頃を思い出した。
「おじいちゃん・・・」
見上げた空にはボケの花が咲いていた。
うま介の店に帰ると店の前で大吉を相手にめいこ
がキャッチボールをしていた。
ふ久は「自分も大吉にええもん残してやりたい」
という、
「うち、電気をつくりたいんや
地下熱や風や波や太陽や・・
この世には見えない力があふれている
それを電気に変える仕組みを残したい。
できるなら大学へいきたい。」
それを聞いためいこは
「おばあちゃんも、曾おばあちゃんもおる。
諸岡のご家族もやさしいひとばかりやから
どこでもいき
日本でも外国でも
たぶんあんたはそのために生まれたんやろ?」
そういって笑った。
その夜、悠太郎への日記には
『甲子園が戻ってきました。
ふ久が戻ってきました。
心のなかにかっチャンも戻ってきました。
・・・
悠太郎さんは、いつ・・・戻ってきますか?』
翌日のことだった。
蔵に和枝と倉田が来た。
そして持ってきたのは
いわしだった。
相変わらずのいけずである。
「いわ・・・し・・・か・・・・」
考え込むめいこ。
「いわしのエスカベッシュでございます」
「ま、世界一の洋食でっか?」と和枝。
「はい・・・」
「いただきます。」と和枝。
「うまい・・・」と倉田。
「あの、ありがとうございます。」
とめいこはいった。
「あの時お姉さんから突き放されたことで
心の準備が出来たと思います。
なんやかんやというても
生きていけそうやとか・・・
そういう妙な自信みたいなものももろて・・。」
和枝は黙々と食べていた。
「あれがわざとそうしてくれはったんですよね?」
もぐもぐ・・・と食べて和枝はいった。
「ただのいけずだす・・・。」
「・・・(来たか)
お味どうですか?」
「・・・
普通・・・」
「・・・そうですよね?
これはわざと普通に作ったんです。
次はびっくりしますよぉ~~
お持ちします・・・。」
そういって、めいこは蔵を出た。
じっとみる和枝。
めいこが出て行って
倉田は
「うまいがな・・・うふふふ」と笑う。
和枝も笑った。
そして、帰る時間となった。
玄関先まで見送りに出ためいこ。
和枝は、振り向いてめいこにいった。
「ほな、悠太郎さんが返ってきたら
連絡ちょうだいな。」
「え??」
「この話をせなあきませんさかい・・。」
和枝はあのときに書いた、家屋敷は
和枝に渡すと言う証文を出した。
驚くめいこ。
「わすれて、はりましたやろ?
このうちはわてのもんでッせ~~」
和枝は証文をひらひらさせて笑った。
そして
「また、来るわ」といって帰った・・
「もう~~こんで、ええです・・よぉ~~~~」
そういうのが精一杯だった。
そのとき、後ろから声がした。
「奥!!
カレーを作れ!!!」
ひとりは竹元。
もうひとりの男性は・・・
誰や????
めいこは、目を凝らした。
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ま、甲子園大会、よかったですね。
このことを期にいっきに話が
ほぐれていきました。
泰介は、自分たちのやってきた野球と言うものへの
価値観を話すことが出来
それも、必要と感じた英語で
話が出来たこと。
めいこは、かっチャンとの約束だった
アイスクリンを作ることが出来たこと。
ふ久は、祖父から教わった、エネルギーを
作ろうと自分の道を見つけたこと。
そして、和枝との再会。
相変わらずのいけずに、気を引き締めたこと。
それから・・・
竹元のことはこれからだと思うけど
彼がこのストーリーにどの程度影響をしめしていたかが
わかるエピソードが生まれそうである。
開明軒で入り口に階段が壊れていたのに
大吾が直さなかったことで
竹元が怪我をしてから・・・悠太郎への影響などです。
優しく教えるなどと言うものではなく、自分の価値観を
情熱的に語る・・・
いえ、演説をする
または
どなりちらす
タイプなので
ずいぶんとストーリーがにぎやかになったけど
結局この人は、戦争へいかずに、無人島に
逃げたと言うことか???
日本が負けたから良かったものの、あのままだと
日本に帰れず、見つかれば犯罪人ですよね。
で、横にいた美形の男性はだれだぁ????
明日が最終回です。
実は所用で出かけるので、明日のブログは
完成が夜中になると思います。
せっかくの最終回ですが・・・
残念です。
毎朝、このように、番組を見てブログをアップする
作業をしました。
それも明日で終わり・・・・。
始まりがあれば終わりありです。
訪問してくださった皆様の足跡が大きな
励みとなりました。大変ありがとうございました。
ただ・・・・前の純と愛とくらべて今回は取り組みが
あまかったのか、コメントをいただけませんでした。
それが、力不足を感じた原因でした。
次回の花子とアンは、書くか書かないか
見てから決めます。
時代的にはすきなのですが・・・
見ないと分かりませんね・・・・。
