とんだごちそう4

モリスの日本料理が食べたいという
リクエスト。

その結果によりGHQにいる甲子園担当に
大会の復活の話をするが・・・という。

甲子園大会がかかっている。

アメリカを大きらいなめいこは、悩んだが
甲子園がかかっているならと乗り出す。

蔵に源太、八百屋の銀次、タネをまねき
「日本料理とはなんだ?」という質問をした。

銀次たちは大笑いをして「またまたぁ笑いを
とるつもりだ」というが・・

めいこは本気である。甲子園がかかっている。

「甲子園・・・甲子園がかかっているんですよ。
この席には・・・甲子園がかかっているので
すよ!!!!」

その勢いに三人とも圧倒される。

香月の事務所で電話を借りて東京の
大吾と話をするめいこ。

日本料理とフランス料理の違いを
質問した。

ソースが違うという。
フランス料理は素材にあわせてソースを
作るが、日本料理にはソースはない。
しいて言えば、醤油である。
これは、いかなる素材にもあうという奇跡の
ソースである。これがあるから素材にあわせた
ソースを作る必要がなかったと
大吾は話す・・「そして照るンとこのガキが来たら
またな」といって電話を切った。

「なるほど・・・・」と考え込むめいこ。

帰ろうとすると香月が出入り口にいた。
「おばはん~~」

「お電話をお借りました」というめいこ。

「かまへん」といいながら、「うまいもん横丁
みていったらいい」という。

めいこの作り出したうまいもんがいまでも
評判がいいという。

「おおきに」

ーそうこうしているうちに件のお方がやってくる日と
なりました。

蔵のなかでめいこはガラス越しにみえる
空を見上げていった。

「師匠・・・・・・(正蔵)
かっちゃん・・
宮本先生・・・

どうか・・・見守ってください・・・。」

台所では見事な霜降りの牛肉が手に入った
と源太。
そこへタネがりっぱなねぎと菊菜を
もってきた。すき焼きかな・・。

大喜びのめいこ。

そしてモリスがやってきて
静の案内で蔵座敷に入った。

希子が台所横にたっている。
「どないしたん?」

希子はモリスにたのまれた肉を
持ってきた。
その肉は・・・大きな塊だった。

「油は少ないし、すき焼きにむく肉では
ないな・・・・」と源太。

めいこは、「きれいなお肉やな~~」

といいながら、においをかぐ。

そして、「これ・・・絶対おいしい!!!!」

天性の食いしん坊の勘である。

蔵では静がモリスにビールをついだ。

アメリカ的なまりの日本語で「スコシ
オジカン、イタダク、イウテマスンデ・・」

希子は静を制してから・・
漬物をだした。

ーアイアム ジャパニーズ ピクルス・・・で
ございます。

台所では忙しそうだった。

肉の塊を糸で結んで・・・

ロースハムのようにした。

そして

庭で燻製用の機械を作って・・・

いぶす!!!!!

機械を作ったのは泰介、諸岡だった。

「ローストビーフでございます・・・。」

出したのはロースとビーフ。
モリスは日本料理を注文したはずなのに
それは違うという。

めいこはめげることなく、ビーフを
モリスの目の前で薄く切る・・。

「日本料理は素材の力を最大限生かすものです。
このお肉はこれが一番おいしいと
判断しました。」

希子が通訳をする。

「醤油と言う日本のソースと
日本のハーブです。

どうぞ、召し上がってください。」

丼にごはんをいれて
ビーフを並べ、ねぎとわさびを
のせて、モリスに進めた。

モリスは、両手を組んで祈る。

ーあれが、いただきます・・・かね?

モリスは食べる・・・
何も言わずに・・・黙々と食べた。

その様子はおいしいという悠太郎であり、
活男でもある。

ーおいしいときの顔って本当に
みんな、似ているね~~~。

めいこは思わず、微笑んでしまった。

「あ、あのおかわりしましょうか?」

モリスは話を始めた。

彼には息子がいて、息子は料理が好きだった。
彼を無理やり軍人にした。
でも、真珠湾でなくしてしまった。

モリスは彼の写真を出した・・・。

めいこは、かっちゃんの手帳を出して
「私にも料理好きの息子がいました。」
という。

「ご飯作るために兵隊になって
船に乗って戦死しました。

私は、アメリカを許すことができません。」

モリスは、それを聞いて、だからあなたに
会いたかったという。

誰しも憎みながら生きたいとは思わないし
憎んだから楽になれるというものでは
ない。

彼は憎しみでは何も生まれないという。
めいこのお結びを食べて、それを感じた。
息子だったらめいこのおむすびをおいしいと
思うだろうし、自分もそれを食べて
同じようにおいしいと感じた。

「ここから、好きになれる・・・」

モリスは空を見た。

めいこも見た・・。

「おいしい顔って同じなんですよね。

日本人もアメリカ人も

食べなければ生きて行かれ変から
きっと同じなんですよね。」
めいこは涙が出た。

「忘れんようにせんとあきませんね
命をかけて争うほどのものは
なにもないんやて・・・・おかわりしましょうか?」

笑顔になった。

お変わりをつぐめいこ。

「おいしかったですか?」

笑いがはじける。

「わかるもんやな?」

泰介は心配で除いていたが
なごやか雰囲気だったので
安心した。

そこへ希子が出てきて
泰介、諸岡、ふ久、源太
銀次、タネにいった。

「お相伴しませんかって・・・」

泰介は笑顔になって

「もちろんです」といった。

ローストビーフ丼をみんなで食べながら
それぞれが言う。

「この肉うまいわ~~」

「おいしいなぁ~~」
「ねぎとわさびが利いている~~」

「(おいしいって)なんだっけ??」

「ヤミ??」
「ヤミ・・・・(笑)」
「ヤミ(笑)」

蔵のなかでおいしい笑顔が
そこかしこにあふれた・・。

*********************

「ここからはじまる・・・」と

モリスはいった。

憎いと思っていても
あってみないと分からない。
話をしてみないと分からない。
そして、一緒にご飯を食べて
見ないと分からない。
お互いを理解をしながらそこから
平和への道が開けると

モリスはそういうことをいったのだろう。
録画をするワンセグの事情でモリスの
台詞の日本語の文字表示が見えない。
だけど、そんな話をした・・・と
頼りにならない記憶ではありますが
そんな感じを書きました。

まさか・・・ローストビーフとは・・・・・・

日本の醤油のすばらしさを改めて
感じた話でした。

たしかに、どんな素材にも会う。
こんなソースはフランスにはない。

そして、あっさり系の肉には
その素材を生かしたいぶすと言う
方法で調理をしてローストビーフに
したことは、すばらしいと思う。

ねぎのおいしそうなこと。
わさびのおいしそうなこと。

単なるローストビーフではない。日本風の
ローストビーフ・・・これいかに?
が、食べたことのあるローストビーフと言う
点が、モリスにとってうれしいことだったと
思う。

おいしい顔は万国共通。

本当にうれしいお話でした・・・。

で、明日とあさってでおしまいですが
悠太郎の消息が気になります。

悠太郎が帰ってきたとき、めいこは
食べ物は何を出しますかね?