私の大豆な男の子5

海軍へ志願したいとの活男の希望を

めいこは、断った。

「わたしを人殺しにする気か」と
いって・・。

川久保は普通なら活男が夢をもって巣立って
いく場面だけど、時代が時代なので
それができないことを上げた。

「こんな時代やなかったら・・・・」と。

活男は一晩悩んだ。

漬物をつけながらめいこは考えた。
「どうすれば、あきらめさせれることができるか?」

翌朝、活男は裏庭にいるめいこに近づいた。
めいこは、活男をみて
笑った。
活男もわらった。

めいこは、ほらといって卵を
みせた。

「生んだで・・」

「どないするの?それ・・・」

「お姉ちゃんの内祝い一緒に考えようか?
志願はそれからでも間に合うやろ?」

「・・・うん・・。」

「卵もお手柄やな。」

めいこは、悠太郎と川久保、希子が
出勤するときを狙って
話をした。

活男に改心させるには、どうすればいいのかと
考えて、家でも料理ができることを
わからせようという作戦に出た。

ふ久の内祝いがあるので、まずそれを手伝って
もらう。

「けど、工場は?」と希子がきく。

工場は、爆発事故でしばらく
お休みになるらしい。

その間に、改心させるのである。
彼らの弁当も活男が作ったという。

作戦を一緒に考えてほしいと
行って弁当を渡した。

内祝いはどんなものと決まっているのかと
活男は聞いた。

「西門家の内祝いは鯛に、お赤飯に
お吸い物、それから杉玉に粕漬け・・」
とめいこはいった。

「今これらをそろえるのは無理やな」とも
いった。

「杉玉って大根で作った?
おかあちゃんらのお祝いの時
きれいやなと思った」と活男はいった。

めいこはうれしくなった。

「お姉ちゃんにもどうにかして作って
あげよう。お豆腐はどうやろ?」とめいこ。
「大豆はあるから・・・作られヘンの?」
と活男が聞く。

めいこは豆腐の手作りをすることを
きめた。

活男は必死でがんばって創った。

銀二がフグを持ってきた。

そして、諸岡が内祝いのためにふ久と
一緒に来た。

「ええんですか?こんなにしてもろて。」

静は「祝言の時はこっちが呼ばれるから
ええの、お互い様」といった。

泰介は祝言の時にはくるとのことだった。

ふ久は二人そろわないのでがっかりした。

「それ・・・いつまでやるつもりですか?」
「それはそれ、これはこれや。」

やがて、祝いの席が始まった。
おめでとうございます・・・のあいさつから
宴会となった。

フグは自由販売なので鯛の代わりに
手に入れることができたという。

杉玉は活男の作品と聞いて
みんな、すごいな、おいしいなという。

粕漬けはたまごの粕漬け。
活男の創作という。

この時代に卵で・・・しかも・・
よくできている。

おいしい、おいしいと活男のご飯を
みんなが食べた。

特に、諸岡は感激屋さんなので喜んだ。

「こんな、行く前にこんなうまいもんを
食べられるなんてありがとうて・・
ありがとうて。」
といった。

ふ久は火なしコンロの設計をして
諸岡の父親とともに開発をした。

うまくやっているのだとめいこはいった。
「これで芋を煮て見せるわ。
ここに真空を作ったから断熱効果は
いい。前から考えていたけど
道具がなくて・・・」
それで諸岡の父親の手を借りたという。

めいこは、活男が志願したいというてることを
ふ久にいう。
「料理がしたいから兵隊になるという。
ふ久はどう思う?」と聞く。

「お母ちゃんの息子やなって思う。」
めいこはうなずいた。

夜もすぎ、帰る諸岡とふ久。

火なしコンロをみて活男は
喜んだ。

「船に乗らなくても料理はできると思わないか」
とめいこは活男に聞く。

「毎日は無理やけど、お母ちゃんと一緒に
料理をして、みんなのごちそうさんを聞いて。
それでは、あかん?
あかんか?」

「わしな・・・
今までみんなが兵隊になりたいというのは
まったくピンとこなかった。

けど、今日初めてお国のために働きたいと
おもった。諸岡さんが食べてくれるん見て
お国のために、働きに行く人見て
少しでもおいしいものを作りたい
作ってあげたいって
わしの手は・・・そのためについとるんと違うかと
思うた。おかあちゃんみたいになりたい。
わしは兵隊さんのごちそうさんになりたい・・・

あかん?」

めいこは、じっと活男とみた。

そして・・・視線を落とした。

「大き・・・なったんやな、かっちゃん
大きなってしもうたんやな、かっちゃん・・・


がんばっておいで・・・・・・・・。」

涙がこみあげてくる。

なんどもなんども、
涙がこみ上げてくる・・・。

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末の小さな息子が羽ばたこうをしています。
親鳥の巣から旅立とうとしています。

幼いころ、おかあちゃん、おやつ何??
おかあちゃん、おなかすいたぁ~~~~
おかあちゃん、ごちそうさん~~
と、言っていた無邪気な活男。

こんな時代やなかったら・・もっとうれしい
巣立ちになっていたことでしょう。

止めることができない子供の
巣立ちをそれでも行ってらっしゃいと
いう親鳥は、ただ悲しいばかりです。

西門家は最後の子供が
旅立っていきます。

どうか、無事で
どうか、元気で

どうか・・・幸せに・・・と。

祈る気持ちは親ならだれでも
そうですよね。

かっちゃん・・・

元気で・・・

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また、今日は別のことでも泣きました。
真央ちゃん、復活!!!

これが浅田真央だ!!!
実況がなんどもいいました。

フリー自己ベストを更新した
点数がでました。

メダルにはとどきませんが
16位からいっきに
6位に駆け上りました。

真央ちゃんの、真央ちゃんらしい
なめらかな滑りと
きれいな、フォーム・・
トリプルジャンプの数々。

六種類のトリプルを八個。

宣言通り、八個飛んで
みんな成功しました。

見事です!!!

これが浅田真央です。

うれしいです。
昨日はがっかりでテレビもみれなかった
けど、今日はうれしいです・・とっても
とっても・・・うれしいです。

金メダルでなくても・・・うれしいです。