今日でおわカレー3

悠太郎の浮気疑惑で不機嫌になっためいこ。

そのめいこの不機嫌は一週間たっても
続いていました。

うま介の店でのことだった。

「なんでそんなに気に入らへんの?」

と源太がきく。

悠太郎はめいこがあれほど、やめてといっていた
朝食時に読んでいた新聞を読まなくなった。

朝の登校時は子供と一緒にでかけ
夜のご飯には帰ってくる。

それのどこが悪いかと源太が言う。
「反省してるんやろ?」

「それってなにかやましいことがあったということ
やないの。」

「大変やな悠太郎さん。」
うま介が独り言を言った。

「なにが?」

めいこは聞き逃さない。

「なにが大変なの?」

うま介につめよると
桜子が「怖いわよ」とめいこを
押し戻した。

「どうせ大きいですから、大女ですから」

「そんなこと言ってないわよ」

「ええかげんにせんと、愛想つかされる
で。」と源太。

「ええ、ええ、ええ。
どうせ私はかわい気はありませんよ!」

そういって、店を出た。

「なんやあれ・・・」と源太。

「ちょっと手におえんな・・・」とうま介。

家では活男が正蔵と遊んでいた。

正蔵が紙飛行機を新聞で作って
飛ばしていたのだ。

活男は「飛んだ、飛んだ」と
喜んでいる。

静は「あの二人はどうなっているのかな」、と
正蔵に言う。

「原因はこれかも・・・」と正蔵は小指をだした。

静はそれを両手で隠して
「そやな、あの怒り方は・・・」

そこへめいこが帰ってきた。

静は、「なんかあったらいうてくれへんか。
こっちも気になるし」という。

「あ、ほな・・・・気にせんといてください。」
とあっけらかんと、めいこは答えた。

静と正蔵は顔を見合わせた。

悠太郎はお昼、弁当を開けようとしたが
どうも・・・
気になって・・・

悠太郎は、食傷気味だと
いって真田に弁当を譲った。

真田はうれしそうに受け取った。

上司の池本はそれをじっと見ていた。

泰介たちは、友達と一緒に帰ってきた。

このところ、おやつがない。
「おばちゃん、今日もあかんかな?
食べたいな~~」

というが・・

家から出てきためいこが
どうやら、まだ不機嫌らしく
玄関先に水をまいているとき
ひしゃくの頭が取れた。

それをみて、怒りに燃えている
様子だったので、子供たちは
「帰るわ~~」といって帰って行った。

泰介はめいこをじっとみていた。

夕方職場を後にした悠太郎は
亜貴子が事務所の外にいたのを見た。

「久しぶりやな」と亜貴子はいった。

怪我のケアはどうしているのかと
気になったらしい。

別の病院で、したと答えた。

それとめいこのことも何かあったのだと
なんとなくわかったらしい。

自分が悠太郎に甘えていたことを
謝って帰って行った。

家に帰った悠太郎。

「ただいま帰りました」というと
静が「お帰り悠太郎さん」という。

台所ではめいこが、肉を包丁二本を
つかって細切れにしていた。

そのトントンという音は、めいこの
イライラと怒りを表しているかの

ようだった。

「ただ今戻りました。」

と、めいこにいうと

「おかえりなさい、」と不機嫌そうに言った。

悠太郎は弁当箱をだして、
おいしかったですといった。

めいこは弁当箱をあけて、なぜ
エビのしっぽがあるのかと聞いた。

悠太郎はエビを全部食べるはずと
いう。

「あ、ちょっと食欲がなくて、
人にあげた」と事実をいった。

めいこは、「私が作ったものだから
食欲をなくしますか。」
と嫌味を言う。

「そんなこと言うてないやないですか。」

「ほな、誰かさんと食事の約束でも
ありましたか・・・。」

「僕は約束したことは守ります。」

めいこは黙って肉を切っていた。

「ええ加減にしてくださいよ。

何をどうしろというのですか。」

めいこは無視をした。

悠太郎はめいこの腕をつかんで
自分のほうを向かせた。

手には包丁を二本持っていた。

「なにをするんですか。
あぶないでしょ。」めいこは叫んだ。

「話しかけているときはこっちを見てください。」

そこへ紙飛行機が飛んできた。

「行った!!」

「向こうまで行ったでおじいちゃん。」

孫と正蔵が紙飛行機で
雰囲気の悪さを払しょくしているかの
ようだった。

「お父ちゃん、紙飛行機とって。」

「これか?」

「おおきに。」

ふたりとも、これ以上の争いはなかった。

正蔵は何かを思っているかのようだった。

その夜遅くのことだった。

糠床をかき回していると
正蔵がやってきて、「めいこさん、すまん・・」と
謝る。

めいこは驚いた。

「止めてくださいよ、なんでお父さんが」

「どうせ悠太郎がなんかしでかしたんやろ?」

「しでかしたというか、もとからそんなこと
やったので」

「元から?」

「悠太郎さんには昔なじみの女の人が
いて、その人と秘密みたいなのがあって
そういう関係に勝手にイライラしている
のです。やんなってしまいます。
女学生みたいに・・。悠太郎さんはその人が好きで。
その人と一緒になれるんやったらわたしを
選ばなかったと思うから」

「そうかな?
めいこさん、あんたと初めて会ったとき
ああ、あいつがあんたを選びよったこと
すとんと腑に落ちたんや。

窮屈な生活しかできなかったあいつが
あんたを選んだ気持ち、ようわかる。
こんなことわしが言うても意味ないわな。」

「い、いいえ・・・・。」

めいこは、もう一度、ちゃんと話し合おうと
思った。

よく寝ている子供たちの寝顔を見て
布団を直した。

ーそうだよね、お母ちゃんがイライラしていたら
子供たちがかわいそうだよね・・。

「よしっ。」

めいこは悠太郎が寝ている部屋に入った。

そばに座っていった。

「悠太郎さん、ごめんなさい。
ちょっとお話できませんか?」

すると悠太郎は寝言を言った。

「ごめん・・・・。」

「うん?」

「亜貴、ごめんな・・・
亜貴・・・・」

寝言で幼馴染の名前を呼ぶ悠太郎。

めいこはある決心をした。

翌朝、朝食にしては手の込んだ食事だった。

起きてきた家族はみんな歓声を上げた。

くりごはん、オムレツ、みんな悠太郎の
好きなものばかりだった。

「なんかあったんですか?」希子がきいた。

「急に作りたくなってしもて・・」

「悠太郎さんの好きなものばかりやな。」と静。

「食べたかったんです・・。」と悠太郎。

全員で「いただきます。」といった。

「お母ちゃんうまいわ~~~」と泰介。

みんなうれしそうに食べた。

「ごちそうさんでした。

今日は朝からおいしかったです。」

「そうですか・・最後やったんで腕
ふるってみました。」

「え?

最後って???」

めいこは、悠太郎に向かって
にこやかにいった。

「出て行ってくれますか?」

そして、荷物をわたした。

「出て行ってくれますか?」

「え?」

*************

ついに堪忍袋の緒が切れたのでしょう。

めいこは、西門の家から悠太郎を
追い出そうとします。

ま、どっちかが、でていくものだけど。

考えすぎってこともあるけど
寝言で女性の名前を呼ぶのは
どうでしょうかね???

よほど、強い縁で結ばれているとしか
思えないでしょうね。

しかし、子供たちのことを考えると
離婚ってのも・・・この選択は
してはいけないと思いますけどね。

見ているほうとしては
仲良くなってくれることを信じて
ドラマを見るしかありません。

子供って宝ですよね・・・。
このあどけない、純粋な笑顔が
いいですね。

その反面、汚い大人たちは
あーだのこーだのと
言い争いをしていますけど。